Disruption This Week—–21/5/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年5月17日から2021年5月21日まで。

「一獲千金もありうる世界だが、海外では投げ銭目的で度数の高いアルコール飲料を一気飲みしたり、犯罪行為をライブ中継する事例もある。
投げ銭をする側も一部では過激化するようだ」。

——クリエイターにとって期待の“投げ銭”機能だが、お金が絡むだけに、問題も生じている。

米Georgetown大学に置かれた研究機関「CSET(Center for Security and Emerging Technology)」が、GPT-3言語モデルを駆使した偽情報(Disinformation)生成メカニズムを調査し発表。近未来と思われていた危機が足元に。
「巨大メディアが、さらに巨大化」。米国で改めて動き出した巨大メディアの再編劇。チャートに示されるのは、それらの時価総額。トップティアにいるのは、コンテンツを創っていなかったITプレーヤーの群。その時価の単位はもはや「billion」から「trillion」だ。
「LaMDA(=自然な会話のためのAI言語モデル)搭載ボットに『どうしたら一番いい紙飛行機が作れるの?』と聞くと『一番いい、の意味は長く飛べる、まっすぐ飛べる、丈夫、などの意味がありますがどれを指しますか?』と確認し、『長く飛べる』と答えると翼を広くするなどの方法を説明する」。

——Google I/Oが開催。やはり最も刺激的な進化は、AIがらみのものだ。今後もこのトレンドが続くのだろう。

新iOSでATTが実装されてから1か月弱。その影響について、Flurry、AppsFlyerに続きLiftoff Mobileやその他からリポートが続々と現れている。Liftoffは利用者の広告による追跡オプトアウトが6割〜8割生じているという。記事はそれによりAndroidに広告主が大移動中と伝える。
「昨夏、戦略チームの報告書が仕上げの段階に入っていたころ、編集部門内部で不穏な動きが起きていることにマレー氏は気付いた。全国規模の人種差別抗議デモが起きるきっかけとなったジョージ・フロイド事件の直後、編集部門が利用しているチャットツール『スラック』の中に、『ニューズルーミーズ』という名前の非公式なチャンネルが密かに立ち上がった」。

——NYTの英文記事を紹介したことがあるが、翻訳版が「SlowNews」で読める。

【有料購読者向け記事】:
「グーグルの研究チームが、検索エンジンの根本的な改修案を発表した。20年以上にわたって使われてきた『索引付け・回収・順位決定』という仕組みの代わりに、インターネット上の膨大な文書で訓練した大規模言語モデルを使って、ユーザーの問い合わせに自然な言葉で回答するようにしようというものだ」。

——要するにGPT-3的なアプローチか。これまでの検索が、質問に関連する文献をいくつかの基準から集めて表示するのに対して、質問に対して回答を直接生成しようというアプローチ。“一発回答”は、この数年間Googleがめざしてきたモデルの延長上にある。

「AT&Tが切り離すワーナーメディアには、CNNやHBOのほかにカートゥーン・ネットワーク、TNT、ワーナー・ブラザースなどが含まれる。ディスカバリーはTLCやアニマル・プラネットなどを抱える」。

——AT&Tが、ようやく垂直型のメディア帝国を構築することを諦めた? 2018年までは、巨艦TimeWarnerの買収を手がけてきたのだから。キャリアがコンテンツや広告まで手がける…という汎用的な成長モデルがここにきて終えんを迎えている。これもGAFAMやストリーミング巨人の登場が影響しているのだろう。

「バーチャルイベントを成功に結びつけるための10の教訓」。
関連事業を手がけるmyOnvent社が提示するのは、1) とにかくやってみる、2) バーチャルな世界でもネットワーキングは重要、3) グローバルに企画する、4) バーチャルイベントには広範囲な収益化の選択肢がある、5) バーチャルイベントはタレントスピーカを発掘できる……

「ATTオプトイン率はアクティブユーザーが加わったことで上昇。アクティブユーザーはすでに使い慣れているアプリへの信頼度が高いため、トラッキングを許可する傾向が強い。事実、アクティブユーザーのオプトイン率 (40%) は、新規ユーザーのオプトイン率 (36%) よりも高かった」。
AppsFlyer「iOS14とATTがモバイルアプリ業界に与える影響」

——iOS14.5で本格導入されたATT。アプリによるユーザ追跡の許可をめぐり、ユーザの反応(初動)がいくつかの調査会社から報告されている。このリポートはAppsFlyerから。すでに紹介したFlurryの値より、オプトイン率がい。その理由について述べたのが引用箇所。

【ご紹介】:
SmartNewsが実装した「ワクチンアラーム」が進化中です。私にも、地元自治体の情報がプッシュされてきました。

Disruption This Week—–14/5/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年5月3日から2021年5月14日まで。

誰が米国メディアを所有しているのか?
米Harvard大の「未来のメディア研究プロジェクト」が、数多くの米国メディアの所有者を調査。詳細なリストを整備。メディアの資金調達は宗教団体に始まり、政治家や起業家、そして「信じられないほど美しい目的」を謳うGoogleやFacebookなど多様だとし、その目的を問う|
【有料購読者向け記事】:
「ミリアドのアルゴリズムは、たとえば、何も置かれていないテーブルやキッチンカウンター、バスルームの空き空間などを検知し、美容やヘルスケア関連商品を宣伝できるスペースだと認識する。それが映画やテレビ番組の朝食シーンであれば、おそらくシリアルのブランドが挿入されるだろう」。

——“プロダクト・プレイスメント”のAI版とでもいうべきアプローチ。そのうち、AIに任せておけば人々が行き交うありとあらゆる場所から“効果的な”広告可能なポイントを導き出すソリューションに行き着くことだろう。

メディア経営、特にジャーナリズム関連の支援を行ってきた米Knight財団が、ローカルニュース企業のAI活用を支援する新たな基金を設立。300万ドル規模。読者をめぐるデータ分析、特に購読者獲得や調査報道などへの応用分野への研究を支援する取り組みだ。
読者が抱くメディアへの“信頼感”はどこから生じているのか? Reuters Instituteが定性的な調査を実施。それによると、信頼感は、メディアが自身で宣言するような編集方針などからは得られず、読者の過去の経験、記憶、ブランドイメージなどからもたらされるものだと指摘。
広告主団体のIAB(Interactive Advertising Bureau)、PwCとの調査で2020年のポッドキャスト市場と今後数年間の予測を公開。その広告市場規模は前年比で約20%成長、8億4,000万ドルに。21年には10億ドルに達し、23年までに20億ドルとなると見る。
Bloomberg Mediaで8年間、金融・暗号通貨を担当してきたCamila Russo氏が、暗号通貨をめぐる情報専門メディア「The Defiant」を創業。専門記者職からフリーランサ、そしてメディア起業家となる経緯をインタビューで答える。後半では分散型メディアへのビジョンを語る。
クリエイターエコノミーについて取り組む際に参考になる記事。Axiosが、大手プラットフォームがクリエイターをリクルートするためにどのような機能(サービス)を実装しているかを総覧できる。やはり「投げ銭」と「寄付(ファンディング)」にハイライトが当たっている。
米コンサル企業Mather Economics、四半期単位刊行の「Subscription Benchmarking Report」を公表。米新聞市場では、早ければ2024年、遅くとも2027年には電子版購読が印刷版購読を上回ると予測。問題点は、多くの新聞社で印刷版より電子版が安価に設定していることだとも指摘。
久々に「広告ブロック」の話題。Blockthroughが発表した調査リポート「2021 PageFair Adblock Report」では、モバイルでは6億弱、PCでは2億6,000万ユーザが広告ブロックを利用。しかし、ユーザからは、軽めのめざわりでない広告に対しては寛容の姿勢が見えてきている。
【ご紹介】:
私も編集に携わる「Media×Tech」から新着記事です。今回はGoogle News Labで「ティーチング・フェロー」を務める古田大輔氏に、その活動を解説してもらいました。
【全文閲読には要登録】:
「ただ、この画面のWebサイト名をよく見ると、訪れたことのあるところ以外にも、全く知らないWebサイト(ドメイン名)が見つかるはずだ。…実は、この知らないWebサイト名のクッキーが、『サードパーティークッキー』である」。

——今話題のクッキー問題。その理解から始めて、サードパーティクッキーをていねいに解説。Googleが代替技術として業界に広げようとしている「FLoC」まで詳細かつていねいに解説した決定版的記事。

「デジタル広告にはもっと人間的要素を。テクノロジー要素はもっと少なく」と、全米広告主協会がブログ投稿。アドサーバが優れていれば、キャンペーンが成功するわけではない。ともに努力することで成功するのだと述べる。
「米Twitterは5月6日(現地時間)、応援したいアカウントに直接送金できる“投げ銭”(チップ)機能『Tip Jar』(チップを入れる瓶のこと)の提供を開始したと発表した。まずは英語版の公式モバイルアプリで開始した」。

——Twitterの新機能・新サービスの発表ラッシュ。今度は投稿者への“投げ銭”機能だ。まだ、米国版でしか利用できないが。日本でもYouTubeの“スパチャ”が、使われているということなので、いずれ使えるようになるだろう。優れた(となればいいのだが)投稿者に、金銭的対価というモチベーションの提供をめざす。

サブスクリプション(購読)サービスをメディアに提供するPianoが初の総合的な調査データ「Subscription Performance Benchmark Report」を公開。何が最もコンバージョンに影響したかなど興味深い情報が多い。
【有料購読者向け記事】:
「当時、紙の新聞はまだ稼ぎ頭だった。その事業に従事している人たちの負担を増やすのは本意ではなかった。DXという新しい取り組みで必要になる人材は、コスト増になっても新たに専門知識を持った人材を雇うべきだというのが私の考えだ」。

——退任したマーク・トンプソンCEOに対するインタビューから。

「Flurryの調査は世界の約530万台のモバイル端末を対象に行なっているもの。過去13日間で、トラッキングを許可するユーザーの率は11~13%の範囲で推移している。
米国に限る(約250万台が対象)と、トラッキング許可率は初日は2%だったが、その後は4~5%で推移している」。

——Appleが実装したATTによって、iPhoneユーザは、アプリやその広告にユーザの追跡を許すか否かを選択できるようになった。この機能の正式な実装に対するユーザの反応が見えてきた。やはり相当数が“拒否”を選択している。

「私はこれらを通貫する工程として『データ編集』と呼んでいる作業が最も重要だと考えています。データ編集とは、簡潔に言うと『データの意味や社会的なニーズを踏まえて、具体的な仕様やデザインに落とし込むこと』です」。

——すごく納得感のある論。「読者が見たい(=知りたい)ものを見せるのがメディア」とだけ開き直ってしまってはできない、正確さや客観化の視点がそこに含まれている。

ニュース(話題)が少なくなったBiden大統領時代。米New York Timesは、案の定、電子版購読者の獲得をスローダウンさせたが、同時に、料理、ゲーム、オーディオなどの非中核分野が、新規購読者の4割以上を占めるなど、新アプローチで成果を見せている。
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「今後の事業展開にアクセルを踏むためにも、2020年度にはじめて大規模なリニューアルをすることになりました。実はこの時、MarkeZineを運営する翔泳社では、大規模なサイトリニューアルに取り組むのが初めて。予算感の共通認識を社内に構築するところからスタートしました」。

——これはオンラインメディアを運営している人々にとって必読記事になりそう。様々な点で参考になる。

Twitterがオーディオチャット機能「Spaces」をサービスインしたことは周知の通りだが、この記事は、Twitterはオーディオチャットのホストがそのチケットを販売できることを発表したこと、さらに、正式発表ではないが、ティップ機能の実装を進めているらしいことを発見したと報道する。
【ご紹介】:
月一連載が日経新聞電子版に掲載されました。Clubhouseの人気が急落していますが、大手の参入や新たな趣向は広がりそうな勢いです。
「雑誌も週刊誌以外は返品率の改善と『呪術廻戦』や『怪獣8号』などのヒットが続き、『鬼滅の刃』による激増ほどではないにしても、プラスとなっている。
だが店頭売上はコミックを除くと、書籍も定期誌もムックもマイナスである」。

——書籍も雑誌も、前年同月を上回る動き。ただし、特定のヒット作に恵まれてという状況に変化はない。自分の視点では、電子化とその先にある新たなスキームで、“小ロット”の書籍が広く読まれるトレンドが生み出されるないかに興味が向く。

Disruption This Week—–30/4/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年4月26日から2021年4月30日まで。

何度か紹介してきているように、AppleそしてSpotifyが、ほぼ同時に有料購読サービスを開始することになった。記事は、両サービスの特性を紹介するとともに、パブリッシャーがポッドキャストを通じて有料ビジネスを立ち上げるための戦略策定を推奨する。
これまでほぼ無料でオーディオコンテンツを提供してきたパブリッシャーにとっては、換金化へのチャンス。一方、すでに有料購読制を築いているパブリッシャーが、オーディオから収益を挙げるためには工夫が必要ということになる。
カナダの老舗新聞社Globe and MailのCEOであるメディアのベテランPhillip Crawley氏、同社のデジタル購読者獲得(17万人に到達)で効果をあげる分析ツール「Sophi」について述べる。「10年前の編集部だったら、機械に指示されるなんてごめんだったろう」。
こちらも「クリエイターエコノミー」、というか「ファン向けビジネス」の話題。セレブやアーティストなどのファン向けコミュニティサイトをホスティングする英OnlyFans。ユーザ数は1億2,000万人に。コロナ禍を背景にブーム。20年は収益は前年比550%に成長したと紹介する記事。
「Mighty Networksでビアンチニ氏(=創業者兼CEOの)は、会員制コミュニティ、イベント、ライブオンライン学習を基礎とする『クリエイター中流階級』の構築を目指す。
『基本的に私たちのプラットフォームでは、オンラインショップを開設するようにコミュニティを立ち上げることができます』」。

——こちらも「クリエイターエコノミー」関連の話題。「クリエイター中流階級」と面白いコトバを用いている(英語記事でも、”Midldle Class”だ)が、要はクリエイター自身が稼ぎのために自ら労を執る意思をもった層にツールやプラットフォームを提供していこうというビジネスだ。

【有料購読者向け記事】:
米The Informationが「クリエイターエコノミー」ニューズレターを創刊。第1号ではClubhouseで試行運用がスタートしている「チップ制」などの話題。このチップ制については、テスト参加者の「会話が弾んでいるときに、チップを要求するのは気まずい」との声が紹介されている。
【有料購読者向け記事】:
「アップルは現在、アップストアの検索ページにある『あなたにおすすめ』の欄に2つ目の広告枠を追加することを計画している。関係者の1人によると、この新たな枠は4月末までに導入され、広告主は個別の検索に対してではなくネットワーク全体でアプリを宣伝することが可能になるという」。

——Appleは実は広告事業も営んでいる。特に有力なのは、App Store内の広告だ。プラットフォーマが、自らもプルダクトを提供し、あまつさえそのストア(Googleで言えば検索結果)のランキングを支配し、そこに広告を効果的に配置するという行為。

【全文閲読には要購読】:
「もう1つの問題は、GPT-3がネット上で見つけた偽情報や偏見の大部分を吸収し、要求に応じて再生産してしまうことだ。GPT-3を開発したチームは、GPT-3についての論文で次のように述べている。『インターネットで訓練したモデルは、インターネット規模のバイアスを抱えています』」。

——GPT-3が抱える別の問題は、膨大なデータを膨大な計算パワーで処理することのコストとエネルギー消費の問題。ただし、こちらは技術の漸進的な進化で解消されるのだろうが。

Reuters Institute、「Trust in News Project」(ニュースへの信頼性(獲得)プロジェクト」の2回目の調査結果を公開。読者によって信頼性の概念が分岐していること、発信者がいう倫理性や公平性は必ずしも考慮されていないことなどが明らかになったとする。
「規制案は…警察などによる“リアルタイム”の顔認識の使用は原則として禁止している。
だが警察などの法執行機関以外の、情報機関などを含む政府当局、さらには企業による“リアルタイム”の顔認識も禁止対象とはなっていない。
さらに、録画した顔画像を事後的にデータベースで照合するという、“リアルタイム”ではない用途は禁止対象になっていない」。

——EUでは、AIの無制限な利用について法的な規制措置が採られようとしている。先進的な動きだが、その内実では随所に例外(抜け穴)が織り込まれているという。難しいテーマだが、この規制の枠組みや適用事例には注意を払っていく必要がある。

英Press Gazette、近日中に有料化サイト(ペイウォール)を立ち上げるReutersのCMOにその経緯を取材。Reutersサイトの読者は、ニュース速報を求める層と、自身の業務などに関わる深いニュース解説を求めるプロの組み合わせだという。それらに高品質な情報提供をするという。
【ご紹介】:
「Media×Tech」から新着記事です。今回のテーマは、コンテンツマーケティングをめぐるオピニオンです。ぜひご一読を!

Disruption This Week—–23/4/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年4月19日から2021年4月23日まで。

「情報衛生の状態が『良い』とされた日本人回答者は19%にとどまり、27カ国平均の26%を下回った。
一方で、4つのうち1つしか実施していない、もしくは何も実施していない、情報衛生の状態が『悪い』とされた日本人は56%で、27カ国平均の39%を大幅に上回ったという」。

——世界的な大手PR企業エデルマンによる例年の調査結果が発表。今回は「情報衛生」という観点の各国比較が加わった。
「情報衛生」とは、1)ニュースの積極的収集、2)エコーチェンバー現象を避ける、3)情報の真偽確認、4)不確かな情報の拡散抑止、の総合値。面白いアプローチ。

英Guardianが20年度の業績および財務を開示。総収入は2億2500万ポンドとほぼ横ばいだったが、その内訳には大幅な変化があった。印刷出版物や広告からの収入は引き続き減少しているが、デジタル購読費や同じく1回限りの寄付収入は、61%増の6900万ポンドに達したとする。
米FTC長官に指名されたLina Khan氏への議会公聴会が実施。「ローカルジャーナリズムが危機に瀕しているのは明らか」とし、「広告市場の集中化が進んでいることや、(巨大IT企業が)アルゴリズムの変更などを恣意的に行い、業界全体に広範な影響を与えている」と明快に述べる。
「はてなと集英社は4月21日、Web漫画を投稿・閲覧できるサービス『マンガノ』を始めた。漫画を有料配信する、広告を設定して公開するなど、作者がさまざまな方法で作品をマネタイズできる点が特徴という」。

——大変に興味深い。利用者(読者や作家)にとってのユーザビリティが練られていることに期待。

The Guardian、BBC、The Financial Times、The New York Times、The Wall Street Journalなどにおけるメディアの革新事例を紹介する記事。例えばBBCのテキストや写真など用意すると、InstagramなどのStories形式を自動生成してくれるGraphical Story Editorが興味深い。
元BuzzFeed News編集長のBen Smith氏のNYTimesへのコラム。先端的なメディアではサブスクリプションが喧伝されているが、実は20年〜21年は広告が改めて急成長を見せているという。問題はメディアへとその収益がどれほど還元されるかだが。
皮肉な事実を指摘する声も。「ATTNの共同設立者であるマシュー・シーガルは、『サブスクリプションの販売にはかなりの費用がかかり、ストリーミングエンターテインメント企業は』マーケティングに莫大な資金を費やす必要がある』」ともコラムは書いている。
【有料購読者向け記事】:
「グーグルで働く中で、『広告モデルでは、ユーザーに利する検索エンジンを作れないのでは』という思いが徐々に強まっていきました。
広告で稼いでいる以上、『より多くの広告を見せなければいけない』というプレッシャーが常にあります」。

——購読型の新たな検索サービス「Neeva」を創業した元Google幹部への取材記事。購読料という対価を引き換えにしてでも使いたい検索結果は、たとえば「ショッピング」分野。レビュー記事は重要な分野だと自分も考える。

「5つのジャーナリズム的価値のうち、過半数の支持が得られたのは『ファクト重視』の67%のみ。最も支持が低かったのは、調査報道などで社会の問題点を明らかにする『社会批判』の29%だった」。

——過去には7割を超えるマスメディアへの信頼度。なぜ、嫌われるのか、調査結果が興味深い。重要な「誰に顔を向けているのか」という問い。

「2006年4月23日にストックホルムで設立されたSpotifyは、海賊版問題解決のために、『特定のアルバムや曲を買う気がない消費者も、大量の音楽ライブラリに簡単にアクセスできるならお金を払ってもいい』という考えに基づいて作られた」。

——15年でSpotifyが変革した15のポイント。2015年には最盛期のビジネスの半分にまで激減した音楽業界を再興させたSopitfyの功と罪(自分は、功がもちろん大きいと見るが)を、テクノロジーとアイデアの面で整理した重要な論。

GoogleがサードパーティCookie代替技術として推進を図る「FLoC」(Federated Learning of Cohorts)に対し、EdgeやMozilla、Braveら多くのブラウザメーカーが採用を拒否。その1社Braveは、「FLoCの最悪の側面は、プライバシーに配慮していると見せかけて、ユーザーのプライバシーを著しく侵害していることだ」と批判の声をあげる。
【ご紹介】:
米TechCrunchが、SmartNews(日本語版)のワクチンアラート利用者が、サービス提供開始から1週間で100万人を超えたとの発表を紹介。

Disruption This Week—–16/4/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年4月12日から2021年4月16日まで。

世界最大手の通信社Reutersが、自社Webサイトをリニューアルし、ペイウォール化を発表。登録と無料プレビュー期間を経て、購読料は、Bloomberg Newsのデジタル購読料と同額の34.99ドル(月額)となる。これまで速報やお楽しみ動画を求めて来訪してきた読者は剥落するのだろう。今後は特定業界ごとの分析などを強化し、ニューズレターなども投入するという。
Amazonの現CEOであるJeff Bezos氏、株主宛て書簡で、Amazon Prime会員が2億人を突破したことを公表。20年1月に1億5,000万人を突破したと公表して以来の進ちょく。ちなみに、Netflixの会員は2億4,000万人、Disney+では1億人を突破したばかりだ。Bezos氏は以後会長職へと退くため、この書簡は最後のものとなる。
英メディアPress Gazetteが、10万人以上のデジタル購読者を有する英語ベースのニュースメディアをランキング。1位のNew York Times(670万人)から、28位のInvestor’s Business Dailyまで。興味深いのは、ニューズレターのSubstackも新顔で10位にランクイン。
「ローカルの事業主は、フェイスブックやグーグルでは届かない特定のマーケットにリーチすることを知っています。もし、経済的に平均的、あるいは平均以上の成長が見込めるコミュニティで、そこに根を下ろしたオーナーや発行人がいれば、住民やローカルビジネスの最大のニーズに応じる決断を下すことができます」。

——「ニュース砂漠と幽霊新聞 ローカルニュースは生き残るか?」調査に携わったPenny Abernathy教授へ、ジャーナリストの津山恵子氏がインタビュー。上記の報告の良いサマリーでもある。

クリエイターやブランドの収益化と読者データ管理のPicoがバージョンアップし、資金調達。共同創業者のJason Bade氏は、最も重要な進化として「CRMの力でクリエイターが読者を理解できるようになった」と述べ、「PicoがクリエイターエコノミーのためのOSになる」と主張する。
Vanity Fair(Condé Nast傘下の老舗メディア)の元編集長Jon Kelly、著名作家らを集めたメディアを計画。作家らには出資金と配当ベースの還元を行う計画で、タイトルは未定だが「Substack時代のVanity Fair」と呼ぶ。クリエイターエコノミーと伝統的出版を連携する取り組みだそうだ。
米Vergeから独立、個人メディア「Platformer」を運営するCasey Newton氏、同メディアの報道をベースに議論をするコミュニティ「Sidechannel」の開設を公表。Discordサーバーで運営する。仲間の7人のジャーナリストも参加するという。ジャーナリストが本能的にコミュニティ形成を恐れる理由に触れ、Disocordでは匿名アカウントでも参加できるとメリットを語る。
「開封やクリックだけでなく、ホワイトペーパーのダウンロードやウェビナーへの登録など、ウェブサイトでの行動パターンをCRMで追跡することができた」。
航空関連出版社の事例。印刷物購読者データとオンライン行動など組み合わせて「深く豊か」なファーストパーティデータの利用手法を取り上げた記事。
米Wall Street Journalは、新聞ビジネスとしては異例なほど成功を持続。だが、そのためにイノベーションが遅れてもきたという。「購読者が減る一番の理由は、彼らが死ぬことだ」とは同社編集者のジョークだ。これを早急に若返らせる必要がある。電子版購読者数を、現在の246万人を、24年には倍増しなければならないのだ。
だがそこに文化的壁が立ちはだかる。詳細に解説する記事。
英Hearst傘下のCosmopolitanは動画に注力中だ。動画担当責任者Edie Jefferys氏へのインタビュー。同氏はForbesの「30 under 30」受賞の著名ディレクター。Cosmopolitan UKは、昨年、動画再生回数を40%増加させ、収益は27%増となったという。
【ご紹介】:
私が編集に携わるMedia×Techから新着記事です。有料購読モデルに挑戦中の「KAI-YOU Premium」の挑戦を紹介します。
【ご紹介】:
SmartNewsが「ワクチン」チャンネルを開設。地元での接種時期や接種会場などがわかる機能を盛り込んでいます。ITmedia Newsが記事にしてくれました。