Disruption This Week—–14/6/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年6月11日から2019年6月14日まで。

英国に新興ニュースアプリ「Mogul News」が誕生。サブスクリプションを推進する大手Financial Times、Bloombergとthe Economistを単一サブスクで提供する。編集部が人的作業でこれらメディアから記事を選択、編制する。単なる同梱でなくニュースアプリとしてのUXを目指す。
「中にはデジタル版の契約者数が増えているところもある。しかしトランプ氏の米大統領就任で2016年から17年にかけて購読者が増えた『トランプ・バンプ』現象を除けば、オンラインニュースの有料購読者の割合にほとんど変化は見られない」。

——厳しい現実。別の記事で見かけた言葉だが「勝者総取り」が、サブスクリプションのトレンドにも当てはまる。

音楽ストリーミングが提起できる新たなターゲティング広告商材。それは「ムード(感情)ターゲティング」だ。Spotifyは、2015年以降、広告商材をカテゴリーから各種のムード(感情状態)にシフトしている。オーディエンス自身がオプトインする仕組みや、プレイリストから判定する。
【ご紹介】:
月一連載の記事が日経電子版に転載されました。よろしければどうぞ。➡ フェイスブック、大胆な事業転換 金融ノウハウどこに
昨日は、Mary Meeker氏の大作レポート「Internet Trends 2019」を紹介したが、今日も、やはりPDFにして150ページを超える大作。恒例の「Digital News Report 2019」。参照ページでは、要約版や動画での紹介など見やすく整理している。
直前に改めて紹介した米NMAの“Googleによる大収奪”キャンペーンだが、その数値的論拠が極めて曖昧だとの批判が起きている。公開されたホワイトペーパーによれば、この「47億ドル」は、2008年にGoogle幹部が述べた「企業価値」を算定根拠としたにすぎないとの指摘だ。
「この調査は、Googleが提供する価値を無視している。GoogleニュースとGoogle検索は毎月、パブリッシャーのウェブサイトへとつながるクリックを100億回以上生み出し、サブスクリプションと大きな広告売上をもたらしている」。

——昨日紹介した、米NMA発表のGoogleが新聞社らニュースメディアの“得べかりし”収益を奪っているとの大々的な発表に対し、Googleもさすがに反論。記事にもあるように、事態は法律制定論など大がかりなロビーイングの文脈が背景にある。

毎年恒例、Mary Meeker氏がまとめるネットトレンド。「Internet Trends 2019」が発表。2018年、ついに全世界人口の半分以上がオンラインに。その他、目がくらむような300ページ以上の資料が公開されている。
今回から、自身が創ったVCブランドとなった。
「Googleの検索結果画面に表示される内容が変わってきていることにお気づきでしょうか? 最近はWebページのリストではなく直接答えを返すようなことも目立つようになってきています」。

——オーガニック検索のリスト上位が目標ではなく、適切な情報を検索結果に反映させることで、リスト上位より、自社の情報を求めるユーザによるCTRを高めるべきなど、現時点での検索(対策の)トレンドを整理。

「われわれは、6万人の購読者と数十万人の記事単位での購入者を持っているが、正直なところ、黒字化できていない」。オランダ発のコンテンツのマイクロペイメントのBlendle、プレミアム購読モデルへのピボットを模索中。同社はこれまでNew York Timesや日経、 Axel Springerらからの出資を受けてきた。
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Disruption This Week—–17/5/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年5月13日から2019年5月17日まで。

「一般の人やライターなどから持ち込まれた企画の出版費用や宣伝費用を、読者・支援者から募る仕組み。1000部から出版でき、著者印税は50%に設定した」。

——編集業務や出版そのものに関するコストはどのように発生するのか(著者にとっては、どうコストを抑制できるか)、まだ、見えていないスキームが気になるところ。

【ご紹介】:
日経MJ紙への連載記事が日経電子版に転載されました。よろしければどうぞ。➡ ポッドキャスト参入相次ぐ 広告とAIスピーカーが原動力
Facebookのピボットは、大転換期をキャッチアップできるのか? 記事は、2011年のF8に立ち返り、モバイルの大トレンドに無策だった当社と、その後のHTML5選択の大失敗を経て、見事にピボットを成し遂げた経緯を解説。そしていま、メッセージング、プライベート重視の転換期をどうキャッチアップできるかと問う。
同社が迎えた困難を、単に火事場の見物ではなく、自らはどうピボットできるかと問うべき。そう読める良いビジネスストーリー。
Webサイトやアプリのような「プロダクト」で収益を生むために考えなければならないこと。それは、まず「所有か貸与か」のモデル選択だとする論。所有であれば、1回は支払いを求める必要がある。貸与では、サブスクリプションが想定できる。この二つに沿って整理された論。
Spotify、楽曲やアーティストを効果的に訴求する新フォーマット「Storyline」を試行運用中。SnapchatやInstagram上で人気の「Stories」フォーマットを模したUIで、楽曲再生にテキストや映像を融合。タップで遷移する。背後には、Spotifyオリジナル体験の提供意図がありそうだ。
半年前にリリースされた英BBCのラジオ(ライブ)およびポッドキャストアプリ「BBC Sounds」。責任者は、コンテンツ表示に「パブリック・アルゴリズム」を開発、好みのタイプのコンテンツばかり選択してしまう“エコーチェンバー”の対極にある“教育的”価値をめざすと述べる。
「ブログを使い、誰でも『簡単かつ低コスト』で記事コンテンツが投稿できるようになった。同じように、リアルなCGI(コンピューター生成画像)の制作を『簡単かつ低コスト』で実現、これはシンセティックリアリティー領域のテクノロジーの1例だと、Rojas氏は言う」。

——ある面で、“いたちごっこ”とも呼ばざるを得ないが、それであってもディープフェイク的合成世界を、見破り真偽を指摘するテクノロジーの進化を、放棄するわけにはいかない。大変な時代だ。

「ザッカーバーグは『送金は写真を送信するのと同じくらい簡単であるべきです』とした上で、『シンプルで安全な決済手段』が今後の事業で重要な位置を占める可能性をほのめかした。Paypal傘下の決済アプリ『Venmo』や、自社のメッセージアプリ『WhatsApp』で試験展開する決済サーヴィスどころではなく、それをはるかに超えたものだ」。

——片や中国国内の大手プラットフォームでの決済サービスの発展ぶりなどを考えれば、納得感のある論でもある。Facebookは、独創的なものより、強力な模倣力を発揮する企業だからだ。

米CNBCテクノロジー解説記者、昨今のメディア界で起きている老舗メディア(DisneyやNew York Timesを例に挙げる)の業績好調と、新興メディア(Vox Mediaが例に挙がる)の不調の要因は、コンテンツ自体の価値とは関わりなく、“配信”をめぐって起きていることの証左だと指摘。老舗メディアが、デジタルに目覚めれば、業績は取り戻せると。
新興メディアは伝統メディア並みのコンテンツ品質を提供できているわけではないというわけだ。それはその通りだと思う。
米オハイオ州のローカルメディア「Cleveland.com」、月額4ドルで、記者がニュースやニュース解説を読者に直接ショートメッセージを送信するサービスを試行運用開始。同社運営会社Advance Localのラボがアイデアと仕組みを開発。カバーする分野はスポーツから社会、趣味までだ。面白い試み。

Disruption This Week—–5/4/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年4月1日から2019年4月5日まで。


 

「著作権法改正前の段階で、元著作物の利用方法として明文上認められていたのは『Web検索サービスにおける対象サイトのスニペット・サムネイルの提供』だけでしたが、今般の改正により『軽微利用』に該当すれば元著作物の利用が認められることになりました」。

--もちろん、「軽微利用」の限定があるものの、各種の革新的な検索サービスの法的な整合性が認められている。次は、軽微利用の境界線議論だろう。


 

サービスイン1週間、「Apple News+」は購読に値するか? 英語圏で始まったサービスをレビュー。Apple News Formatと(ほぼ)PDFの2種類のフォーマットが混在するUXを許せるなら、WSJやNew Yorkerの個別購読の足し算よりおだろうとする。個人的に“謎”だった、「マガジンスタンド」型サービスと「ニュースヒフィード」型のそれをどう統合するのか? に答えが見えた。
大手老舗メディアブランドAtlantic Media参加の米「National Journal」、5年かけて広告収入を徹底的に縮減。全面的に読者への課金収入(サブスクリプション)へと転換を進めている。

 

「ボウルズは、こうしたデザインがアプリのなかで“遊び”や“セレンディピティー”を促す役割を果たしている可能性を示唆している。このため、利用目的がはっきりしたアプリよりも楽しく使えるのだ。しかし、このようなアプリデザインは年齢層の高いユーザーを近づけないためのものだという説もある」。

——個人的に関心を持っていて、放置していたテーマをていねいに論じたもの。「ストーリー」フォーマットの誕生背景でもある。これをアプリ設計上のイノベーションだとすると、このような革新の再現が可能なのかどうか。


 

「テキストを自動作成するボット『トビ(Tobi)』は、スイスの大手メディア、タメディア(Tamedia)のために、2018年11月にスイスで行われた選挙結果に関する記事を4万本近く書いた──たった5分で。
…報道機関は、記事の作成から個人の関心に合わせたニュース配信、時にはデータ検索による重要記事の選別まで、トビのようなボットに頼るようになっている」。——AI執筆記事が調査報道にまで及ぶ可能性については、いささか…。データジャーナリズムやビジュアリゼーションの駆使によって新たに見えてくるものもあるだろう。マイニングのように、人間が意図しない“事実”を発見する可能性もあるが、その重要性を発見するのは、人間だろう。


 

「もはや紙に戻れなくなってもまだ定まらない。それはテクノロジーではなく、人間の活動と精神の基盤となるエコシステム(生活)の問題だからだ。ニュース・ビジネスは非常に精密なシステムだったから、エコシステム丸ごとの再構築は不可能に近い。ゼロからつくるほうが容易だ。しかし、既存のメディアは前者を選ぶ」。

——アナログメディアとデジタルメディア。とっくに海峡を越えたと思われた課題だが、その生態系が安定しない。旧くて新しい議論。

New York MagazineやThe Cutといった多彩なクオリティメディアを擁するNew York Mediaで「CPO」(Chief Product Officer)を務める人物へのインタビュー。読者層や性格の異なる各種メディアに対し、共通のペイウォール基盤を構築。“ダイナミックペイウォール”として運用する。その背景などを説明する。

 

「音楽市場の成長を牽引したのは、音楽ストリーミングで、売上高は前年比34%増加し、89億ドル(約9901億円)を達成。
音楽ストリーミングは全体の収益シェアでは46.9%まで拡大しており、2019年には50%を超えることが予想される。
サブスクリプション型音楽ストリーミングの売上は32.9%増加」。——ここ数年、目を見張る復活を見せる音楽市場、その中心はストリーミングであり、サブスクリプションサービス。私たちは、産業の破壊的創造の現場に立ち会っている。


 

Facebook、ユーザーが“なぜ私はこの投稿を目にしているのか”(why am I seeing this post?)タブを管理機能に追加と発表。日本語版ではまだ見あたらないが、アルゴリズムが、そのパーソナライズをどう実施しているかにつき透明性をもたらすことをめざす。

「今回の中国、九州地方での発売の遅れは、その一端が現実化してしまったことを告げている、しかもそれで問題解決とはならないのである。それから最も気になるのは、これがさらなる中国、九州地方での雑誌離れにつながり、dマガジンなどの電子雑誌への移行を促すのではないかということだ」。

——出版物に限らずだが、運輸運送の問題は社会問題化している。と同時に、“物流”で支えられた出版流通の姿は、21世紀に変わらざるを得ない。消費者自身も大胆な変化を前向きに受け入れていくべきではないか。電子流通にインセンティブを設けていくべき。

Disruption This Week—–15/3/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年3月11日から2019年3月15日まで。

「18年のネット広告費は16.5%増の1兆7589億円だった。地上波テレビ広告費の1兆7848億円に迫った。19年もモバイル広告費の成長は続く見通しで、18年に比べ22.7%多い1兆2493億円に拡大する」。

——景気の冷え込みが徐々に顕在化しているところで、遅延指標としてだからか、統計上では、景気の良い話になっているようだ。モバイルが増えるのは当然として、さて、課題も山積だ。

 

 

「東京理科大学と共同開発した『ニュース記事自動要約システム』を活用。河北新報の記事を指定した長さに要約した後、常体(である)を敬体(ですます)にしたり体言止めを補完したりといった変換を行い、音声読み上げに適した文章にする」。

——音声コンテンツなどの生成については、より短文・簡潔化が望まれるが、印刷版・電子版用コンテンツの生成時に、作り分ける必要が生じていた。その負荷を軽減できるなら、価値の高いコンテンツ市場が生じる可能性がある。

新聞およびニュースメディアの世界団体、ロボットによる自動記事生成システムを利用する事例をレポート(有料)。ジャーナリストを機械が置き換えるという課題よりも、システムは内製開発すべきか、購入するのかに重点があるとする記事。

 

 

今や「サブスクリプスション時代のスター」としてもてはやされる米New York Timesだが、広告ビジネスにおいても、最近になり印刷版における広告収入を電子版のそれを上回るなど、進化を続ける。同社広告部門幹部Sebastian Tomich氏が、サブスクリプション・ファースト戦略下での広告について語る。

 

 

「ニュース産業が、Netflixから学べるほんの一つか二つのこと」。
映像分野でNetflixが示したのは、FacebookやGoogleとは異なって、視聴者に対して付加価値をつけてコンテンツを収集し、提供するモデル。これであれば消費者はお金を払えるというものだ。

 

 

「AIはジャーナリズムの改善にどう用いられるか」。米HarvardとMITの共同プロジェクトが75万ドルの基金を用いて研究を奨励。記事は3つの事例を紹介。喫緊なのは、WhatsAppのような閉鎖空間での誤情報の検証スキームの確立だ。Facebookがこの分野へのシフトを図るからだ。

 

 

【閲読には要購読】:Amazonの広告ビジネスが急成長している。絶対額では依然として、GoogleおよびFacebookに遠く及ばないものの、成長スピードでは、広告の二大巨人が同規模であった際をしのぐ。リアルビジネスにも足場を有するAmazon広告の成長ぶりに懸念を示す向きもでてきている。

 

 

「・検索ニーズ(キーワード)に対して、最も端的かつ完全な回答を用意している
・検索エンジンが理解可能なシンプルなHTMLでクエリに対する回答が書かれている
・直帰率が低い、滞在時間が長いなどユーザーの反応が良いページである
・ユーザーの検索キーワードに『関連する検索キーワード』への回答も同じページに書かれている」——多少テクニカルな要素はあるものの、分かりやすい。検索システムという「機械」と、人間における評価の高いコンテンツの関係を説きながら、現在の検索という概念の特性が理解できる。

コンテンツ課金サービス「Agate」を運用するAgate Systemのトップ、コンテンツへの入り口で課金の判断を求めるペイウォールは、95%の読者の脱落を引き起こすと説く。Agateはコンテンツ単位で課金し、支払総額が一定額に達したら、以後はフリーアクセスとすることで、実質的に購読型のペイウォールと同等に機能するハイブリッド課金。

 

 

3度、4度と起業を重ねるDan Porter氏は、現在、米国内のハイスクール在籍アスリートに焦点を当てるポッドキャストネットワークのOvertimeを経営。自社サイトは持たず、Instagramを筆頭にソーシャルで、視聴者とのエンゲージメントを高めることに振り切った戦略を展開。

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