Disruption This Week—–19/8/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年8月15日から2022年8月19日まで。

グーグルが調べた「若者はネットのデマに強い」は本当か?
「3000人以上の高校生に、インターネット上の一連の主張についての調査を依頼した。結果はかなりお寒いものだった。被験者である生徒の半数以上は、米国の不正投票の『強力な証拠』が含まれる、ロシアで撮影された匿名のフェイスブック映像を真に受けた」。

——タイトルにあるような「Googleが調べた」調査では、いわゆる“Z世代”が、偽情報耐性が高いとの結果を、ある研究者は否定的に見ていることを、記事は伝えている。「自己報告はナンセンスです」とスタンフォード大研究者は斬り捨てる。残念なことに、若い世代であっても偽情報への耐性に強く期待することはできにくいというのだ。

YouTube Shorts will start adding watermarks to avert sharing – TechCrunch
YouTubeのショート動画共有機能の「Shorts」、クリエイターが他プラットフォームへクロス投稿するのを“抑止”すべくShorts上で作成したコンテンツに電子透かしを付加すると発表。TikTokやInstagramでも同様の抑止策がすでに行われているという。クリエイターとそのコンテンツの囲い込み策が進展している。
Streaming surpasses cable as top way to consume TV
調査会社Nielsenの月次視聴調査「Gauge」によると、2022年7月、米消費者のTV視聴で「ストリーミング」がついに「ケーブル」を追い抜く。いまや1/3の「TV消費」がストリーミングを介している。そのトップはNetflix(7.7%)。YouTube(7.3% )、Amazonプライム(3%)、Disney+(1.8%)が追う。
TikTok’s $4 Billion Advertising Machine Is Messy Behind the Scenes
【有料購読者向け記事】:
全世界MAUが10億人超となったTikTok。中国メディアによれば同社は今年、120億ドルの収益目標を立てている。その武器は広告だ。だが、大手ブランドを満足させるクリエイティブに失敗。社員集会でのCEOの質疑応答も中止など、組織は混乱とする記事。
見えないアルゴリズムを攻略せよ、インフルエンサーたちの戦い
「クリエイターは、オンラインとオフラインの両方でクリエイター・コミュニティと交流をしていると言っていました。そこでは、いかにアルゴリズムを攻略するのか、言っても良いことは何か、警告を受ける可能性があるものは何か、ということを議論しているそうです」。

——米コーネル大学のブルック・エリン・ダフィ准教授へのインタビューから。同氏は、30人のクリエイターへの調査取材を通じて、プラットフォームが運用するアルゴリズムやそれによる検閲に対して、クリエイターがどう闘っているかを研究している。

Morning Brew launches creator program
現在11のビジネステーマのニューズレター(メルマガ)を配信する米Morning Brew。今後、ニッチなビジネステーマを持つ外部ライターのタイトルを追加していくとCEOが表明。最近加わったあるライターの無料タイトルでは、参加以来、1万人未満の購読者が10万人超になったという。これもクリエイターエコノミー的スキームと見られるが、記事は、現在参加しているクリエイターは、同社社員として迎えていると述べる。
BuzzFeed expands first-party data product Lighthouse to international markets
米BuzzFeed、同社の戦略投資分野であるファーストパーティデータ基盤「Lighthouse」を、海外へも拡張する。BuzzFeedブランドはもちろん、最近買収したHuffPost、Complex Networksなどのメディアをデータ基盤に追加していく。
「サブスク疲れ」 進む選別 利用者数、ピークの3割減
【有料購読者向け記事】:
「判明したのはサブスクユーザーの減少だ。約70種類のオンライン定額課金サービスに1つでも支出するユーザー数を調べると、コロナ下の『巣ごもり消費』が増え始めた2020年3月ごろから急増。同年10月には1月の1.5倍まで増えた。このあたりから減少に転じ足元ではピーク時の約3割減の水準でコロナ前の1.1倍まで逆戻りした」。

——自分も増やしに増やしたサブスク支出の見直しに入らないと。これからは単なる選別、選択というより、私のような意思の弱い人間向けに、サブスクのバンドル化が一定の勢いを得ると見ている。ちょっとでも“お得”感を得られれば、自分への言い訳が成り立つ。

How The New York Times Uses Machine Learning To Make Its Paywall Smarter
「New York Timesがデータ駆動型のデジタル企業へと変貌を遂げた今、我々はDynamic Meterと呼ばれる因果関係のある機械学習モデルを用い、パーソナライズされたメーター制限を設定し、ペイウォールをよりスマートにすることに成功した」と同社データサイエンティストが解説する記事。
Meet Axios’ New Owners: Old-Money Atlanta Billionaires Hungry for the Next Big Thing
【有料購読者向け記事】:
先日、米新興メディアAxios買収を発表した投資会社Cox Enterprises。在アトランタの創業124年の老舗企業。中央で名を知られることは少なかったが、地元メディアへの出資と最近ではハイテク企業数十社に投資し実績がある。3代目当主らを取材した記事。
JIMA : JIMA会員オフラインイベント「JIMAなんでも相談会(第1回)」8月31日(水)開催
【業務連絡です】:
JIMA会員社所属の皆さんへ。
31日夕刻、(メディア運営者に贈る)「JIMA何でも相談会」開催します! 久々のオフラインイベントです。
文春オンライン竹田さんはじめ、メディアのベテランになんでも相談できる会合です。私も会場にいます。ぜひご参加を!
(JIMA会員企業所属の方々のみ参加可。悪しからずご了承を)

Disruption This Week—–20/5/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年5月16日から2022年5月20日まで。

アップル、VR/ARヘッドセットを取締役会で披露-関係者
「アップルは今年末、もしくは来年早々にもヘッドセットを発表し、来年中の一般リリースを目指している。今年6月の世界開発者会議(WDC)での披露を目標にしていたが、コンテンツと過熱に関連した問題で遅れが生じている可能性があると、ブルームバーグが1月に報じていた」。

——AppleはVRとARを組み合わせた“ミックスド・リアリティ”をめざすという話題が業界では騒がれている。また、Metaとの呉越同舟を避けるという考えも強く、Apple内での取り組みは曲折もあったという。完成度の高いエディションを披露するのが伝統なので、お披露目はまだ先だと思うが。

Ad Tiers Are Crucial for Streamers in Their Domestic Battle for Viewers
米調査&コンサルティング会社Morning Consult、米成人のすべての年齢下位層において、有料購読より低価格もしくは無料で購読できる動画配信(ストリーミング)を好むとする調査結果を公表。特に今後の市場で重要なZ世代(1980年から95年に生まれた世代)の成人は59%が広告表示付きの(低価格もしくは無料)サービスを好む。記事中にチャートあり。
Appleの「ATT」は本当にユーザーのプライバシーを守れているのか? 英オックスフォード大が指摘
「Alibabaの子会社である『Umeng』は、AppleのATTを回避するために、サーバ側のコードを使用してユーザーのプライバシーに敵対するフィンガープリントを作成していた。フィンガープリントの使用はAppleのポリシーに違反している」。

——Appleがユーザ追跡の抑止機能として実装しているATTなどのその効果について、研究者ら第三者による実証研究論文が公表されている。そこで浮上したのが、「フィンガープリンティング」などと総称される不純な動機にもとづく対抗策。イタチごっこの感はあるが、Appleには徹底を望むしかない。

Netflix Cancellations Rise Among Long-Standing Subscribers
【有料購読者向け記事】:
Netflixは長期間にわたる購読者を徐々に失いつつある。調査会社Antennaので判明。この第1四半期での解約者(約20万人)のうち、3年以上の購読者の比率が高まっていた。第2四半期は200万人が退会する可能性をNetflixは示唆している。もちろん、その一部は、パスワードの不正な共有などをしているユーザへの措置によるものだが。
NFT の不確実性は高まるも、タイムは1000万ドル以上の利益をあげる:「クリプトネイティブなコミュニティに価値がある」 | DIGIDAY[日本版]
「タイムのNFTの売り上げの60%はセカンダリーマーケットで発生し、その総額は5000万ドル(約62億5000万円)にのぼるが、同社のビジネスに組み込まれたロイヤルティ構造のおかげで、自社のエコシステム外で発生した売り上げからその一部を得ているのである」。

——“自社のエコシステム外で発生した売り上げから…”は興味深い。NFTを生成して売り出す初動の売上に引き続く収入を織り込めるのであれば、コンテンツクリエイターにとって重要な道になる。

WSJ News Exclusive | Disney Vows to Show Very Few Commercials on Ad-Supported Disney+
【有料購読者向け記事】:
広告付き映像ストリーミングのトレンドが台頭。Disney+は、今年後半に予定する広告付きバージョンで、CMの露出を1時間当たり4分以内に抑えると言明。また、未就学児童の視聴に際しては非表示とするという。ライバルらに対してその健全性をアピールする。
As Google offers more personalized advertising, Apple suggests that in some cases, personalization doesn’t matter
AppleとGoogle、パーソナライズされた広告をめぐり対照的なアプローチ。Googleは先日のGoogle I/Oで、よりパーソナライズされた広告体験を提供するためのMy Ad Centerを発表。Appleは“追跡されない”広告に消費者がより好感度を持ち、かつ好結果を得られたとするデータを公表したとする記事。ただし、Appleのケースはいくつかの条件下でそうだということ。“ポスト・クッキー時代”の広告をめぐる戦略を考えさせられるものだ。
19.42% of active Twitter accounts are fake or spam: Analysis | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
お騒がせ者のElon Musk氏がまた騒動。買収しかかったTwitterのボットアカウントの多さで、買収に“一時”ストップ。実際はどうか? SparkToroとFollowerwonk両社が、実証的にフェイクアカウント(ボット)の数を調査測定した。その結果は、なんと2割がボットと判定されるということに。この調査を詳細に伝える記事。
‘The opportunity has never been bigger’: How the creator economy has opened options for creators to profit from their intellectual property
「タレントマネジメント会社Matter Media Groupの創設者兼CEOであるEvegail Andal氏は、『多くの中堅クリエイターが、自身のブランドやお気に入りのブランドとのコラボレーションに積極的に参加し始めている』と述べている」。

——クリエイターエコノミーの現状を概観する記事。フォロワー数が数千万人に達するようなトップ層のクリエイターから、中堅層にまで広がりを見せているという。

メタ、「GPT-3並み」の大規模言語モデルを研究者向けに無償提供
「今回のメタの動きは、完全に訓練された大規模言語モデルが、研究を望む研究者なら誰でも利用できるようになる初の試みだ。このニュースは、強力なテクノロジーが密室の小さなチームによって作られていることを懸念する多くの人々から歓迎されている」。

——GPT-3については、私の注目を何度か説明してきている。大規模データから生成された言語モデルで、その応用用途は巨大だ。問題はその基礎的データ収集や分析、インフラ整備など、ともかくお金がかかることだ。MicrosoftがGPT-3に資金提供を始めているが、今回MetaがGPT-3と同程度の取り組みを支援することになった。

Disruption This Week—–14/5/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年5月2日から2022年5月13日まで。

Disney+ Hits 137.7M Subscribers, Beating Wall Street Expectations in Streaming
米Disneyが第1四半期の業績を発表。注目のストリーミングDisney+は、アナリストらの予測を尻目に購読者790万人を追加。計1億3,770万人に。約2億2,000万人で停滞するNetflixに一歩近づいた。Hulu、ESPN+もそれぞれ購読者を伸ばした。他方、ロシア市場の減損を反映させた。
【2022年4月】改正個人情報保護法の施行に各社はどう対応したか?3パターンに分けて検証する
「各社で実施しているデータ利活用の内容や必要とする対応のレベル感などによって、やるべきことは異なります。記事では、どのレベルで何を行えばいいのか、以降の継続的な見直しにおいてどう対応すればよいかわからない方に向け、各社の対応状況を3パターンに分類し、ご紹介します」。

——パターン1:「最低限のプライバシーポリシーを整備」、パターン2:「個人情報と個人関連情報を掛け合わせて利用するための対応」、パターン3:「Cookieレベルでの同意を取得する対応」について分かりやすく解説している記事。有益。

Digital subscription economy to grow to 1.5T by 2025: Key trends for publishers | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
購読管理ソリューションを提供するLineupが世界のサブスクリプションの動向調査を公開(ダウンロードできる)。なかでも7つのトレンドを提示。1) パンデミック以後もサブスクは成長、2) 購読者の強い支持が維持されるか課題、3) Substackの成長はメディア事業者の課題に、4) パーソナリゼーションは最重要課題…など。
サブスクのオファが多様化し、膨れあがっていることもあり、利用者にフィットするパーソナライズは、画一的にしか売らない仕組みに対し優位性を持つだろうという視点は重要だ。
「追跡は止まらない」 ネット広告、精度と規制の板挟み
【有料購読者向け記事】:
「メールアドレス、ID管理、興味の分類――。代替技術は続々と生まれている。『今後も個人データの追跡は止まらず、広告会社と規制のいたちごっこは続く』と政府の研究会で委員を務める日本情報経済社会推進協会の寺田真治は言う」。

——AppleがATTを実装してから時間が経つが、時間の経過によって小手先の(あるいはグレーな)“回避策”へのノウハウが積み上がり、本質的な転換への方向性は見えないままだ。

Do browser extensions keep anyone away from fake news sites? Maybe a tiny bit
米New York大の研究者らが、Webブラウザが閲覧しようとするメディアの信頼性について警告表示をする(NewsGuardの拡張機能を利用)ことが、読者(ユーザ)の行動変容を促すかどうかを調査。大きな差異は生じなかったと結論(学術誌に発表)。だが考慮すべき肯定的要素も指摘。
Economist hires chief tech officer, chief product officer - Talking Biz News
英Economist、CTO(最高技術責任者)とCPO(最高製品責任者)の2名を採用と発表。同社はすでにデジタル版収入が総収入の2/3を占めており、新規購読者の2/3はデジタル専用購読を選択している。CEOは採用にあたり「テクノロジーは当社の成長戦略の中心的推進力」と述べている。
Q&A:Apple による「 ATT 」導入から1年 - マーケターたちが置かれている状況は | DIGIDAY[日本版]
「ユーザーの同意に関係なくユーザー追跡を継続した企業たちは、Appleがデバイスから収集されるユーザーデータの量を監視・判断するのは難しいだろうという推測に賭けたのです。そして、彼らの推測は正解でした。ATT(App Tracking Transparency:ユーザによる追跡オプトイン機構)が登場したあとも、悪名高い『フィンガープリンティング』の慣行が続いていることは、このことを証明しています」。

——ポイントは、ATTを無視してユーザ追跡を止めないアドテク企業や広告事業者に対して、Appleが厳しい罰則を課していないという事実と、それによる楽観ムードが高まっているというが指摘されている。まじめにATTを実装した事業者がソンをした格好にもなっていると。

Meta Rethinks News Partnerships as Priorities Shift
【有料購読者向け記事】:
Metaの関係者は、同社がコスト削減策としてメディアとの提携関係を見直しに入っており、パートナーへの支払いを削減する可能性があるとの見方を示していると米The Informationが報道。Trump政権以降のニュース需要の低迷を理由のひとつにあげる。当面のライバルであるTikTokに伍していくために、ショート動画に力を注ごうとしているとも記事は述べる。
U.S. Podcast Ad Revenue to Top $2 Billion in 2022, IAB/PwC Study Predicts
米IAB(デジタル広告事業者団体)ら、2022年のポッドキャスト広告市場が、前年比47%増の21億3,000万ドルに達するものと予測。21年には前年比72%の成長を遂げており、これはネット広告市場全体の約2倍だった。
中日新聞による実に魅力的なビジュアル解説記事。インタラクティブな表現手法に感銘する。記事に是非触れてみて欲しい。
Detailed 'open source' news investigations are catching on
StoryfulやBellingcatなどをお手本とするOSInt(オープンソース調査報道)のトレンドを、過去の報道事例や、OSIntに取り組んでいる報道各社を取り上げながら解説するAP通信の記事。米カリフォルニア大Berkeley校は昨秋、この種の調査報道に関する講座を設けたという。
投げ銭で月売上540万円や脱サラ専業配信者も登場──稼げる音声配信目指す「Radiotalk」の戦略 | DIAMOND SIGNAL
「投げ銭スタイルの音声配信サービスであるRadiotalkには月間540万円を売り上げる配信者も現れ、上位100人の年間収益合計は約1.7億円に上る。その中には会社を辞め、専業配信者として生計を立てている人もいるという」。

——引きの強いカネに関する記述を引用したのだが、実際に興味を惹いたのは「動画だとスマホで5人、6人でコラボするということは、ちょっと難しいと思うんですけれども、Radiotalkのような音声の場合だと、声だけだからこそ、配信者同士が何人も集団でコラボできるんですよね」といった部分。
単なる“朗読・ナレーション”でもなく、会話性の高いところが魅力をつくり出すポイントのように理解した。

Here are the winners of the 2022 Pulitzer Prizes - Poynter
20を超える部門がある米ピューリッツァ賞。2021年を対象とする受賞作品・受賞者が発表された。一時は賑やかだった新興メディアの名前がほとんど姿を消した今年。老舗以外では「イラスト部門」で米Insiderの名前が見当たるぐらいだ(これはすごく良い作品)。メディアの趨勢を感じる。
What is the ‘product’ of journalism? - Poynter
“ジャーナリストたちは、長く自分たちの「製品」を、自分が書いた記事だと思っていた。が、そうであったことはない。20世紀の大部分、製品とは物理的な新聞であり、それに対し消費者は支払っていた”。では、ネット時代のジャーナリストは、「製品」をどう理解すべきかとの論。“製品=プロダクトとしてのメディア、コンテンツ”を考える視点について、いろいろと示唆に富む指摘。
Tech firms sell creators as the future of ads
米IAB(オンライン広告関連事業者団体)が開催する広告関連プレゼンカンファレンス「NewFronts 」がNYで開催。大手プラットフォーム、Snap、Meta、TikTok、Amazonなどが揃ってインフルエンサー(クリエイター)事業に注力、新たな取り組みをアピール。対照的にTwitterはその分野での発表行わなかった。
Apple、自社アプリ「自虐」 劣勢の調査結果あえて公表(写真=共同)
【ご紹介】:
日経MJ紙への連載が、日経電子版に転載されました。よろしければどうぞ。➡️ Apple、自社アプリ「自虐」 劣勢の調査結果あえて公表
OSINTが切り拓く「報道の新時代」——世界のジャーナリストが注目する調査報道テクニック - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techからの新着記事。今回は話題となっている「OSINT(オープンソース調査報道)」について、SlowNewsのキーパーソン熊田安伸氏の力作解説です。ぜひご一読下さい!

Disruption This Week—–22/4/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年4月18日から2022年4月22日まで。

Cookieを上回る脅威に? ウェブでの行動を追跡する「フィンガープリント」の対策と課題
「フィンガープリントを構成するデータは多岐にわたる。いくつか例を挙げると、使っている言語やキーボードの配列、タイムゾーン、Cookieがオンになっているかどうか、デバイスで実行されているOSのバージョンといったところだ。
これらすべての情報をひとつのフィンガープリントにまとめることにより、広告主たちはあるウェブサイトから別のウェブサイトに移動した利用者を認識できるようになる」。

——「デバイスフィンガープリント」というユーザ同定用の手法もあるのだが、より汎用性の高いユーザ同定手法が広がってきている。

Digiday+ Research: What top ad-supported TV platforms offer advertisers
【有料購読者向け記事】:
2024年には、米国のインターネットユーザの半数以上が広告表示付きの動画ストリーミングを視聴する。21年には対前年16%の成長で、有料購読型サービスの8%成長を上回っているとMRI-Simmonsなどが調査結果を公表している。
Warner Bros. Discovery is shutting down CNN+
この3月にサービスインしたばかりの米「CNN+」が、今月末に閉鎖との衝撃的ニュース。米Axiosが社内メモを入手(Twitterなどで公開している)。新たな親会社Warner Bros. DiscoveryとCNN幹部との間で、評価や戦略面での争いが生じていたことは先日紹介したばかりだ。
Only 12% of full-time creators make over $50k a year, says Linktree – TechCrunch
“リンクインバイオ”(クリエイターの収益支援サービス)サービスのユニコーンLinktreeが、クリエイターエコノミーの実態を、9,500人の調査からリポート。フルタイムで5万ドル稼ぐクリエイターは12%程度だという。他にも、ストレスに悩まされる姿などが浮かびあがる。
Netflix、「ただ乗り」1億世帯 表面化した成長の壁
【有料購読者向け記事】:
「停滞の理由は、コロナで隠れていた課題が明るみになったことにある。不正利用の放置、競争の激化、そしてネットフリックスの収益構造の難しさだ」。

——当のNetflixが一部申し立てていることなのだからそうなのだろうが、これまで強かった同社の事業に対して、優れたライター、ブロガーらからは指摘されてきたことだが、大手メディアは分析的に指摘してきたのだろうか? ちょっと気になったな。

How news publishers made $11m selling NFTs - Press Gazette
英メディアPress Gazette、メディア(報道系)企業による(2021年3月以降での)NFT取引の規模を集計。集計したメディア総計1,200万ドルを販売。飛び抜けていたのは英Times社で、その額は1,000万ドルに。時節柄というべきかUkrainian mediaも稼いでいる(その収入は慈善事業に拠出されているという)。
The Future of the Web Is Marketing Copy Generated by Algorithms
何度も紹介してきたGP-3。膨大な文章を解析し、ヒントを与えれば自動的に文章(や楽曲、画像なども)を生成する。それを広告文(コピー)生成に応用した「Jasper」の話題。この記事の冒頭のリードもJasperによるものだという。本当なら驚きのレベルだ。
Ken Doctor: 18 months after launching a local news company (in an Alden market), here’s what I’ve learned
メディア評論家のKen Doctor氏が、メディア経営者(CEO)に転じたのは2020年のことだった。同氏がめざしたのは、“ニュース砂漠”化が進む米コロラド州で、ローカルニュースメディアを立ち上げること。その18か月について中間総括を同氏がまとめた。
‘The Perfect Slot Machine’: TikTok’s Most Addictive Design Features Are Being Cloned Across the Internet
【有料購読者向け記事】:
「完璧なスロットマシーン」。TikTokが完成させたタテ型フィード。スワイプのたびに、新たなまだ見ぬ(フォローもしていない)動画を表示し、それが“中毒性”を生んでいる。このユーザ体験を大手から新興まで、数限りないアプリが模倣(クローン化)していると論じる記事。
「Metaの偽善が明らかになった」──メタバースでのアイテム販売高額使用料についてApple幹部が批判
「Metaは、同社のメタバース『Horizon Worlds』内でクリエイターが収益化するための様々な方法をテストすると発表した。クリエイターはアイテムやエフェクトを販売できるが、MetaはMeta Quest Storeの使用料として30%、さらにHorizon Platformの使用料として25%を徴収すると説明した」。

——Metaは、ビジネス利用も想定されるHorizon Worldsでの収益化手法について、サードパーティ開発者からの販売仲介料を徴収する意向だとは、すでに紹介した。明らかになったその強気すぎる料率が明らかになった。Apple Storeの“過重な税金”を批判してきたMeta(Facebook)がこれかと、Appleが反撃。

技術で切り開く“n対n時代”の報道 JX通信社の掲げる「データインテリジェンス」とは - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。編集部の気鋭ライター荒牧航がJX通信社を取材。同社のコンセププト「データインテリジェンスプラットフォーム」を詳しく紹介します。

Disruption This Week—–15/4/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年4月11日から2022年4月15日まで。

Metaverse builders see virtual pets as their killer app
メタバース界に“キラーアプリ”が誕生? それは、ペット飼育ゲーム。Pokemon Goで知られたNianticが発表した作品「Peridot(ペリドット)」は、猫に見える動物を飼育、調教、そして繁殖させることができるARシミューレタだ。すでにNFTで購入するペットはいくつも誕生している。
TikTok強すぎ!広告収益がTwitterとSnapchatを足した額を上回る
「最新レポート(=Insider Intelligence調べ)で、TikTokの広告収益がTwiiterとSnapchat有するSnap Incを足しても敵わないところまで上がってきていることがわかりました。
アナリストによるレポートによれば、今年のTikTokのグローバル広告収益は116億ドル(約1兆4500億円)になる見通し」。

——Twitterが商売下手というのは定評だが、それにしてもTikTokの稼ぎぶりはすごい。しかも、TikTokが収益事業に乗り出したのは遠い過去のことではない。今後の成長が恐ろしい?

2023年末の「Cookieの終焉」までに、広告主が知っておくべき問題とその対応 | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議

AdverTimes(アドタイ)宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム

2023年末の「Cookieの終焉」までに、広告主が知っておくべき問題とその対応 | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議
「広告配信の精度が下がるだけでなく、フリークエンシー過多はユーザーを不快にさせ、長期的に見てもブランド棄損という問題を引き起こしかねません。こうした問題に対応するには、AndroidユーザーとiOSユーザーの割合を、ブラウザとアプリの割合を見定めた上でメディアプランを考える必要がありますが…」。

——「ニールセンID システム」の半ば解説、プロモーション記事だが、ポストクッキー時代に起きている足もとの課題について、広告に携わる関係者が知るべき専門情報が盛られている。

Norby, a CRM for Creators, Raises More Seed Funding; Celebrity Avatar Startup Genies Valued at $1 Billion
【有料購読者向け記事】:
クリエイター向けに各種のプロモーション用機能をまとめたSaaSをサブスクリプションで提供する米Norbyが資金調達。SMSメッセージ、イベント、ニューズレター配信、LP制作、データ分析、ファンからのメッセージへの返信機能などの“CRM”を提供する。
Snapchat’s new feature automatically creates Stories based on select newsrooms’ content – TechCrunch
Snapchat、同社のオリジナルフォーマット「Stories」を、メディア各社が生成するテキスト中心のRSSフィードをStories形式のコンテンツに変換して、Discoverフィードに自動的に投稿する「Dynamic Stories」を発表。まずはCNN、Bloomberg、ESPNなどと試行を開始する。
メタ、VR空間で新ツール実験開始 デジタル資産販売など可能に
「米メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)は11日、仮想現実(VR)プラットフォーム『ホライゾン・ワールド』内でデジタル資産や各種体験を販売できるツールの実験を開始すると発表した。ツールは当初、ホライゾン・ワールドでバーチャル講座やゲーム、ファッションアイテムを創作している一部のユーザーのみが利用可能」。

——ビジネス用途が有望視されている「ホライゾン・ワールド」でのビジネスモデル(収益化施策)が明らかに。やはりクリエイターエコノミーの流れに乗るものだ。もちろん、収益化策はそれ以外にも各種考えられる(このソフト、サービス自体を有償化することもありそう)。が、まずは利用ボリュームを増やすことが優先なのだろう。

Digital media ad revenue surges to $189 billion—biggest jump in 15 years
広告事業者の世界的団体IAB(インタラクティブ広告協会)、2021年の米国におけるデジタル広告について報告。総合して前年比35%増の1890億ドルに到達、19年/20年比の12.2%も大幅に超えた。動画、音声、SNSが躍進。なかでも音声は60%近くのジャンプと最高の伸びを示した。
Amazonプライム・ビデオ、日本だとApple TVより407倍人気 Appleが分析結果を公開
「動画配信サービスの場合、日本だと『Amazonプライムビデオ』は『Apple TV』と比較して407倍、『Netflix』は256倍の人気を獲得しているという。米国やフランスなどのデータも出ており、前者はNetflixが17倍、『Hulu』が3.2倍、後者はNetflixが35倍、Amazonプライムビデオが5倍人気のようだ」。

——Appleが自らのプラットフォーム上で、他社アプリと自社のそれとで人気の対比を調査、公開。Apple純正サービスが、他社有名アプリに劣後していることを公表するのは、興味深い。もちろん、意図は「独占状態などつくり出していない」ことの傍証提示だろう。日本ではAmazonプライムが強烈に強い。

Creator economy-focused SamCart raises $85 million
“クリエイターエコノミー”の眼目は、いかにクリエイターが自身の才能をお金に換えるかだ。米SamCartは、講座、eブック、コーチング、コンサルティング、メンバー制など多種の品目から選択して収益化できるコマースプラットフォーム。同社が最近大型資金調達を実施との報道。現在はメンバー制のようなサブスクリプションが中心だが、今後は単発の販売(まさにコマース)を充実していくという。
Alongside a subscriber-only investigation on eviction, USA Today publishes a free graphic novel
米Washington州では、裁判で住宅から立ち退きを迫られる黒人女性の比率が、白人男性の5倍に及ぶことが判明。この種の調査報道は、新聞の有料購読層に支えられており被害者には届かない。この問題をスマホ向けにコミック化し、SNS上で閲読できるようにした試みを、携わったジャーナリスト自らが解説する記事。
米メディア、非ニュース拡大 有料利用者確保へM&A(写真=ロイター)
【ご紹介】:
日経MJ紙への月1連載が日経電子版へ掲載されました。よろしければどうぞ。➡ 米メディア、非ニュース拡大 有料利用者確保へM&A