Disruption This Week—–16/7/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年7月12日から2021年7月16日まで。

New Anthony Bourdain documentary deepfakes his voice
論争を呼ぶ新作ドキュメンタリーの誕生。3年前になくなったシェフ兼司会者として有名だったAnthony Bourdain氏を追った作品だが、作品中同氏が語った台詞は、ディープフェイク技術を用いて合成されたものだった。制作責任者自らが明かし、「倫理委員会」で議論しようと述べる。
The New York Times hires Jason Sobel as chief technology officer
米New York Times、新たなCTOにAirbnbやFacebookで幹部として活躍してきたJason Sobel氏を採用。CEOのMeredith Levien氏は、「テクノロジーは、当社のジャーナリズムとビジネスの野望の中心であり、購読者数増加の最も重要な要因のひとつだ」と述べると同時に、同氏を「理想的なリーダーであり、経営者としてのパートナー」とする。同社は650人(!)以上の技術職が存在すると記事は解説する。

Instagram’s Evolution

Stratechery by Ben Thompson

Instagram’s Evolution
TikTokに押され続けるInstagram。従来の“写真共有アプリ”路線を捨て動画投稿サービスへと舵を切ると最高責任者Adam Mosseri氏が表明。ブログ「Stratechery」のBen Thompson氏は、Instagramの本質は、元々写真共有にではなく、“エンターテインメント”であり、それを基に進化し続けることだったと分析する。
U.S. newsroom employment has fallen 26% since 2008
米報道機関の編集、記者らの雇用が、この12年間(2008ー20)で26%減少。新聞社で大量に解雇、ネットメディアで大量採用の結果だという。実際、新聞社での雇用が08年では62%だったのものが、20年には36%にまで低下した。Pew Researchによるリポートから。
Amazon launches its mobile-first Kindle Vella serialized story platform – TechCrunch
Amazon、iOS版Kindleアプリに“クリエーター・エコノミー”的アプリ内購入機能を追加した「Kindle Vella」の提供を開始(日本版はまだ公開されていないようだ)。連載小説の一部をKindleで無償公開し、続きは課金という仕組みでKDP(Kindle自費出版)と連携する仕組みのようだ。
1坪あれば10万冊の書店のオーナーに? “VR書店”の開業を支援するベンチャー
「消費者はその場でVRヘッドセットを装着・操作することで、バーチャル書店に並ぶ10万冊の本から好きな本を購入できる。決済もバーチャル空間上ででき、本は後日郵送で手元に届くという。一度に視界に表示される本の冊数は1000冊まで」。

——本気でビジネス化しようとしているようで、非常に感心。自分は、壮大な本の陳列にまみれながら、選書したいと思ったことはない。が、“棚”や“台”で見かけた本をただ目的もなく、見てまわって、気に入ったものを購入するという書店体験は、捨てがたいとは思う。

“The strongest rise in over a decade”: Global ad spend to reach $665 bn this year | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
マーケティング調査企業WARCが、世界の広告支出をめぐる総合調査年鑑「Ad Investment 2021/22 – The Rate of Recovery」を公表。世界の広告100市場を分析。2021年は前年比12.6%増と力強く復活と見込む。22年も8.2%増と予測。
沸騰クリエーターエコノミー 稼ぎ方デジタルで多彩に
【有料購読者向け記事】:
「私たちがやりたいのは音声で一変するモデルをつくることだけではない。プラットフォームや技術者ではなく、アーティストやクリエーター、有能な人材がつくるクリエーター主導の文化を推進したい」。

——CB Insightsによるリポート。購読者専用記事なので強くお勧めしにくいが、“クリエイターエコノミー”に関連する記事では、もっとも整理と網羅化が効いた良い論と思う。

Katherine Bell wants to build a better kind of business journalism
「私たちは絶対に反資本主義ではありませんが、私たちにとっては、資本主義を含めてすべてが疑問の対象です」。
MBO後、新たにQuartzに参画した編集長Katherine Bell氏が、新たな「ビジネスメディア」のあり方を語る。
「私たちは、企業が新たな問題を作り出すのではなく、問題を解決するのを支援するというミッションを明文化しています。また、不平等、包括性、持続可能性などについても言及しています」。
Email newsletters: Establish direct relationships, build habit and loyalty | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
「多くのメディアは、ニューズレター(メルマガ)をブランド構築のためのと考える。読者との定期的なコミュニケーションにより習慣と忠誠心を育成できるからだ。だが、ニューズレターは、広告や購読でそれ自体が有料の商品として、実際の収益を生むこともできる」。

——ニューズレターをメディアとして活用していくにあたってのポイントや課題、そして利用できるプラットフォームなどを整理した記事。

脱ターゲティング後の広告の未来 メディアと「ヒト」へ回帰するか
【ご紹介】:
月1連載のコラムが日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ 脱ターゲティング後の広告の未来 メディアと「ヒト」へ回帰するか

Disruption This Week—–2/7/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年6月28日から2021年7月2日まで。

クッキーに別れを告げるとき、メディアがすべきこと[インタビュー] | Exchangewire Japan
「佐藤氏:本来メディアの役割とは、社会に対してコンテキストを提供するということです。ただしこの10年ほど、プラットフォーマーの出現によりその役割自体がクローズアップされることがなかったと思うのです。今後はメディアというものがコンテキストを提供することについて、より力を試されるようになります」。

——「社会に対してコンテキストを提供する」といい、「“枠から人”ではなく、“人から枠”へと回帰」といい、いま、メディアと広告をめぐって、大きな転換点に立っていることは間違いない。単に「回帰」だけではなく、何が社会に求められているのかから問い返す機会なんだろう。

Cameo Targets $200 Million-Plus in Video Sales This Year
【有料購読者向け記事】:
芸能、アスリートなどのセレブから自分宛てビデオメッセージを購入できるサービスの米「Cameo」。昨年1億ドルの年商が、今年はその2〜3倍に達する見込みとCEOが取材に応えて述べる。新型コロナウイルス禍が落ち着いても、業績は伸ばせるとする。

Trends and Facts on Newspapers | State of the News Media

Pew Research Center’s Journalism Project

Trends and Facts on Newspapers | State of the News Media
Pew Research調査による米新聞業界最新ファクトシート。AAM(公査指標)とNYT、WSJの自社発表を組み合わせると、読者数はかろうじてフラットともいえるが、後段に掲出する広告収入は、2000年代初頭から恐ろしいほどの下落ぶりを示している。
Is Facebook Buying Off The New York Times?
「Facebook Newsが提供するのは、Facebookが選んだ一握りの有名な報道機関だけであり、巨額の現金である。これらの契約の正確な条件は秘密のままだが、これはFacebookが守秘義務を主張し、報道機関もそれに同意したためである」。

——先日も、別の記事で米メディアTop.25の主たる所有者を調査したリポートに触れたが、この記事でも。Google、Facebookはメディアへの迂回的な資金拠出を強めている。もちろん、贖罪的と理解もできるが、記事では、政界へのロビーイングと並列するメディアへの工作と論じている。

出版状況クロニクル158(2021年6月1日~6月30日) - 出版・読書メモランダム
「2年ぶりに目にするのだが、2020年の公共図書館数は10館増え、3316館で、これも何と日書連加盟書店数の2887店を上回ってしまった。…1986年の日書連加盟店は1万2935店、それに対して90年の図書館は1928館だったわけだから、現在から考えれば、そうした比率が書店と図書館のメルクマールだったように思えてくる」。

——今回、目についた情報。書店数の減少トレンドに対する図書館数増大というコントラスト。記事で触れられているが、一方で、図書館員数においては漸減のトレンドだという。

Inside The Information's paywall strategy
「私たちが学んだサブスクリプションファネル経済学の素晴らしい教訓の一つは、電子メールによる直接的な関係を構築し、その関係を長期にわたって継続することの価値だと思います」。The Informationの創業CEO、Jessica Lessin氏が、同社の購読戦略を語るインタビュー記事。
「あの人に偽情報を見せたい」がSNSの“レコメンドAI”悪用で実現する可能性 F-Secureが検証
「例えば2019年12月の英国総選挙に関するツイートを使った実験では、偽情報が含まれる投稿を何アカウントがどれだけ拡散すれば、ターゲットとなるユーザーに“おすすめツイート”として見せられるか検証」。

——最近のTwitterはアルゴリズムを使い、ユーザが気にするテーマに沿って関連しそうなツィートを表示させる。従来のように、多くをフォローしていなくても、この仕組みで興味を惹くツィートと出会えるわけだが、この仕組みを悪用すれば、的確に特定人物を対象とした“情報操作”が行える。SNSを利用したプロファイリングの威力を見せつける研究。

新聞を購読する日が来るとは。|ヤマダタイキ|note
「奈良新聞 もはや大々的なメディアの実験場と化し、個人が1万円から新聞広告を出せる新サービス『AD LETTER(アドレター)』や、毎月出されたお題に対して、購読者がデザインを提案する広告コンペ『クリエイティブ・アド』など、新しいことにチャレンジしている。しかも後者は15段、無料で掲載できるとあって、実績が欲しい広告クリエイターとしては最高の場!」。

——いろいろとためになる情報が盛られている。参考になった。

BuzzFeed's plan to go public is all about scale
買収などで傘下メディアを増やし規模化をめざす米BuzzFeed。すでにTasty、HuffPostを擁し、近くComplex Networksを統合する計画。SPAC手法でIPOし、Facebookなどの大手プラットフォームの(アルゴリズム)影響圏を離脱する。他社でも同様の動きが見られるとする記事。
「ニュースへの無関心」世界で強まるわけとは?
「低下の要因としてニューマン氏が指摘するのは、35歳未満の若者層と低学歴層の関心の低さ(それぞれ52%と51%)だ。
さらに、英国、米国などでのフォーカスグループへの調査で、特に新型コロナ報道をめぐって『かなり気が滅入るようになった』『コロナ、コロナ、コロナの繰り返し』などの反応があることを紹介している」。

——個人的な理解では、2020年のパンデミックがまさにニュースへの需要を一挙に押し上げた。しかし、中期的にはニュースへの関心減退が継続している。中心的な主題が失われたとして、どのように分散する主題や手法を取り上げていくのか。ニュースをめぐる問いかけが改めて重要になっている。

今から学ぶ「Googleが推進するFLoC」とは何か - Media × Tech
【ご紹介】:
“ポスト・クッキー”時代、目玉として登場した「FLoC」。Googleが推進する新たなユーザ嗜好の同定技術について、西田宗千佳氏に寄稿してもらいました。

Disruption This Week—–25/6/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年6月21日から2021年6月25日まで。

グーグル、クッキー廃止計画を2023年に延期
【有料購読者向け記事】:
「米アルファベット傘下のグーグルは24日、ウェブ閲覧履歴を追跡するために広く使われているクッキーについて、廃止計画を延期すると発表した。広告業界、プライバシー擁護団体、規制当局からの抵抗と追及に屈した格好だ」。

——Googleの広告ビジネス(のパフォーマンス)にはマイナス要素ではないと思うが、FLoC(Googleによるポストクッキー時代のターゲティング手法)の業界からの受け入れが進んでいないとすると、長期的にはダメージとなる可能性もある。

Patreon CEO Jack Conte on why creators can’t depend on platforms
「なぜクリエイターはプラットフォーム任せにしてはいけないか」。創業8年。音楽アーティストらを中心にクリエイターへの購読サービスを提供してきたPatreon。いまや時価総額は40億ドルに。その創業者Jack Conte氏(同氏自身もミュージシャンだ)に聞いたロングインタビュー。自身の体験から話し始める。
Many people worldwide say they’re losing interest in news … but more are paying for it
Reuters Instituteによる「Digital News Report」が10周年、2021年版が公開。記事は、このボリュームのあるリポートを概観したもので便利。ニュースへの関心度、有料支払の動向、ニュース接触への直間比率、各国の動向分析では、日本の状況も含まれている。
What publishers can learn about TheSoul Publishing’s road to 1B social subscribers | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
10年前、“ソーシャルメディア・ファースト”を掲げ、自社ドメインにこだわらない戦略をとった多くのメディアが現れ、そして消えていった。しかし、Instagramをはじめとする新たなフォーマットを駆使して成長を遂げる新興メディアも誕生。記事は5年前に誕生、いまでは10億人のフォロワーを有するTheSoul Publishingを解説する。
ディープフェイクはどう作られる? 技術資料を無償公開 東大発ベンチャー
「資料は同社のWebページ上か、もしくはPDFをダウンロードすることで読める。ディープフェイクに使われている顔画像処理や音声処理の概要や、『オートエンコーダー』『GAN』(敵対的生成ネットワーク)などの画像を生成するディープラーニングモデルの基礎を取り上げている」。

——私のレベルでも理解が進む貴重な資料。

Shopify Seeks to Challenge Amazon Through Deals With BuzzFeed, Other Sites
【有料購読者向け記事】:
ECプラットフォームのShopify、BuzzFeedとアフィリエイト事業で提携。Vox MediaやComplex Networksなど各種メディア企業も提携を検討中とする記事。広告に次ぐ収入源を探すメディア群は、この分野でのAmazon頼みによるリスクを回避する動き。
「マンガアプリ」失敗の本質
「もし『アプリの総ユーザー数・総ダウンロード数』が重要と考えているなら、それは間違った勝利の条件です。見過ごすことはできません。繰り返される日本の『失敗の本質』です。
出版社のマンガアプリ戦略は、なぜ失敗する可能性があるのか? わかりやすく説明するためには、約6万点の少数作品でもユーザー数を劇的に伸ばしている『ピッコマ』を解説するのが最適です」。

——いろいろと“目からウロコ”なマンガアプリの解説。というか、出版社のアプリ戦略に対して、「ピッコマ」のアプローチがどう違うのかの議論。

フェイスブックの監督委員会、その効果に賛否
【有料購読者向け記事】:
「20人のメンバーで構成される委員会は、どのコンテンツを許可し、どのコンテンツを削除するかに関するフェイスブックの判断を裁定し始めて以来、同社の判断を撤回する決定を8回下した。また、同社の判断を支持した決定は3回あった」。

——時々の、おもに政治的事象において右往左往を続けてきたFacebook。そこで同社は、投稿コンテンツを検閲する運用ポリシーと判定を下す委員会を設けた。これは大きな前進だし学べるアプローチといえる。問題は記事が述べているように、委員会の決定が拘束力を持たないこと、そして、適切に検討がなされているかどうかだ。

Andreessen Horowitz and the 'Future' of Media
米西海岸の大手VCのAndreessen Horowitzが開設したテクノロジーメディア「Future」をめぐり、批判的な論調がメディア界からあがっている。BloombergやInformationなどで記者をしたEric Newcomer氏は肯定的な論評を公開。IT大手批判はあっても、テクノロジー嫌いであるべきではないとする。
10周年を迎えたライヴ配信大手「Twitch」から、クリエイターエコノミーの現在が見えてくる
「Twitchでストリーマーを支援するのは、ベル・アンド・セバスチャンのアルバムを買ったり、クラウドファンディングサイトの『Kickstarter』で新しいボードゲームの資金調達に参加するようなこととは違った。ストリーマーは実際にそこにいて、お金を渡すと反応が返ってくる。そして、すべてはリアルタイムで起きるのだ」。

——Amazon傘下のライブストリーミングサービス「Twithch」。調査会社の予測では、今年にはMAUが4,000万人を超える。そして、クリエイターが自身の活動を直接現金化する仕組みを備えたという意味でもパイオニアだ。

Disruption This Week—–18/6/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年6月14日から2021年6月18日まで。

ついにフェイスブックがOculusでVRアプリ内広告の導入テスト開始 | TechCrunch Japan
「最大の告白は、FacebookがOculusヘッドセットにローカルに保存されているデータ(デバイスのカメラからの画像を含む)を広告のターゲティングに使用することはないとしていることだ」。

——皮肉ではなく、VR空間において広告に何ができるかはすごく興味深い。ターゲティングに関連する懸念にあらかじめ配慮するぐらいには、Facebookも進化中。

Yahoo!ニュースの記事をユーザーが評価する新機能 PV以外の新たな評価軸に、配信料への反映も
「新機能での評価は、ヤフーが媒体各社に支払う配信料の算出に活用する。Yahoo!ニュースは420社650媒体から1日約7000本(6月17日時点)の記事を掲載しており、ヤフーは各記事のPVに応じて配信料を支払っている」。

——記事がもたらす発見や学びといった価値の側面をどう定量化するかは、これまでも(今後もおそらく)大いなる課題。公式の「リアクション数」にそれを求めようとするのには……ともかく行方を見守る。

Big Tech moves in on the creator wars
米Axiosのメディア担当記者Sara Fischer氏、昨今話題の「クリエーター・エコノミー」現象を概論。クリエーターの活動を促進する各種新興企業を大手プラットフォームが追いかけているという現状だ。「パンデミックで、注目経済はニッチなファン層向けコンテンツを生むクリエイターへと大きくシフト」と同氏はブームの背景にあるものを説明する。
若者の「テレビ離れ」は衝撃的か? 調査データから見える、今どきの若者の生活習慣
「日本の民放キー局は、新聞社資本である。稼ぎ頭であったテレビでは、もう広告は稼げない、と喉元に刃を突きつけられた。黙っていればバレなかったのに、その刃を突きつけたのが広告収入無関係のオノレNHK、という構図なのである」。

——小寺信良氏によるメディア論。自分の興味は、「若者のTV離れの深刻さ」ということより、むしろ、高齢者(自分も含む)のTV粘着の問題。本記事も言及しているが、TVは受動的なメディアで積極的な選択ではないかもしれないが、年齢高い層がTVに強い執着を維持し続けることの理由と影響を考えるべきだと思っている。

Andreessen Horowitz goes into publishing with Future – TechCrunch
米の代表的な投資家の一社Andreessen Horowitzが、遂に自前メディア「Future」を開設。本格的な技術関連論文サイトだ。カネをめぐって投資家やスタートアップ企業の生態系に批判的な最近の商業メディアに業を煮やしたMarc Andreessen氏が主導したとされる。TechCrunch編集長によるいささか皮肉が交じる記事。
大幅成長メディア7社にみる3つの特徴とは?【決算分析】
「・オフラインからのリプレイス(メドピア、カラダノート、オークファン、エムスリー)
・収益形態の多様化(ZUU)
・メディアを活かしたBtoB事業への展開(エネチェンジ、ミンカブ)」。

——相変わらずインパクトのあるデータを惜しげもなく開示してくれるシバタナオキ氏のリポート。

JICDAQ 、現時点で 74社 が「事業者登録」を申請中:「認証」の付与は10月以降 | DIGIDAY[日本版]
「このようにJICDAQ認証を受けることで事業者は、『デジタル広告の品質と信頼性を高める努力を行っている証し』や『価格競争・品質競争での優位性』、そして『社員や関係者のプライドやモチベーション向上』などのメリットを得られる」。

——「広告会社、プラットフォーム事業者、媒体社、メディアレップ、アドテクノロジー事業者など」を対象に、ブランドセーフティとアドフラウドを抑止するための、業界をあげた取り組み。

Privacy watchers see fears coming true with Google's FLoC
匿名性高くネットユーザの特性をターゲティングできるとの触れ込みでGoogleが開発した「FLoC」(Federated Learning of Cohorts)。だが、アドテク広告業界からは、これをIPのように疑似固定的に利用者と紐付ける手法が可能だとのコメントが聞こえてくる。恐れていた事態の到来だと記事は警告する。
Apple and Google’s Privacy Changes Are a Huge Benefit for the Creator Economy
GDPRやCCPAなど法制度のトレンドに加えて、Apple、Googleがユーザデータ取得を抑止する動きに。
記事は、この動きは、クリエイターエコノミー、そしてインフルエンサーマーケティングの活性化に拍車をかけると論じるもの。もちろん、クリエイターらには朗報だが、重要な課題も指摘する。
広告とオーガニック投稿の境界線問題、さらには、ブランドがインフルエンサーらと関係を築くことの難しさだ。
17歳女子高校生のスマホ動画にピュリツァ―賞、誰もが「手のひらにメディア」の問題とは?
「この事件が私にとってトラウマとなり、人生を変えるものだったとしても、自分を誇りに思っている。私の動画がなければ、世界が真実を知ることはなかった。私はそう考える。私の動画はジョージ・フロイド氏を救うことはできなかったが、殺人犯を収監することはできた」。

——2021年のピューリッツァ賞特別賞を受賞したDarnella Frazier氏のコメント。確かに彼女にかかるプレッシャは大きかっただろうと想像する。ジャーナリズムの価値がどう実現されるのかを想起させるコメント。

「コンテンツ伝達」を担うのは誰か?ーーデータアナリストが語る、Webメディア成長戦略(前編) - Media × Tech
【ご紹介】:
私も編集に携わるメディア「Media×Tech」に新着です。人気のデータアナリスト田島将太氏の論。前編・後編を同時に公開しました。ぜひご一読を。

Disruption This Week—–11/6/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年6月7日から2021年6月11日まで。

「『earnings estimator(予想収入)』というスクリーンが見えますね。この人の例だと、月額4.99ドル(約530円)で2%のフォロワーがスーパーフォローしてくれたら、月の収入が6,250ドル(約68万円)になると表示されています」。

——既に紹介したところではあるが。Twitterでお金を稼ぐには、少々高いハードルを越えなければならない。

「InstagramやFacebook、Snapchatなど、テキストベースのキャプションが主流のフィードで動画を主に視聴している多くの人にとって、キャプションのないテレビを見ると、音声があっても意味を理解するのが難しくなるという不確かながら証言がある」。

——引用箇所は確たる証拠があるわけでないと謳っているが、確かに、スマートフォンでは音声を消した状態で動画を見るのが常態。最近のTV番組ではアクセシビリティの関係からかスーパーが入るのも常態。

非営利メディアの「The Conversation」がAI活用による偽文書生成技術により生成された「学術論文」が、専門家を欺瞞できるレベルであることを確認した。テーマは各種に上り、新型コロナウイルス関連にも及んだが、査読付き論文のレベルに達していた。
Substackでニューズレターを発行するライターに、初めて米ホワイトハウスのブリーフィングに参加する記者証が発行された。記者は「the Uprising」を主宰するHunter Walker氏。前Yahoo! Newsの記者としてホワイトハウスで行われるブリーフィングに参加していた人物だ。
米Axiosが、意欲的に取り組んでいるのが、全米各地のニーズに応えるローカルニュース(メルマガにWebサイトを組み合わせる方式)の品揃えだ。起点になったのは「Charlotte Agenda」の買収。その創業者(現在は、Axiosでローカル担当責任者)に、成功法則を聞いた記事。
「アプリインストール数は、2020年にすべてのカテゴリーにおいて前年比50%増となったのち、2021年第1四半期に2020年比で31%の増加を記録した。セッション数は2020年に2019年比で30%増、2021年は現時点でさらに4.5%増となっている」。

——2020年が“巣ごもり”の年だったことは周知の通りだが、21年年初も同様のトレンドが続いている。面白いのは、家にいる時間が伸びても、モバイル(アプリ)の世界が伸びていることだろう。そもそも論ではあるが、モバイル(スマートフォン)=パーソナルメディアという本質が、この社会的変動期に見えてきたのだと思う。

「縦スクロールだと、各カットに独特の『タメ』ができる。どのコマも均等な速度でスクロールしていくことになるので、無言のコマもそれなりに滞在時間が生じる。これが、作者が想定したリズムというか、間をためるためのコマの役割を具体化させる効果があるように思えたのだ」。

——小寺信良さんが(コマ割りによるページ構成に対し)縦スクロール世界(縦方向無限)への転換のインパクトを、うまく、私のようなおじさんにも説明してくれている。コマ割り(視線がS字に動く)では、空白コマの読み飛ばしが、ユーザの任意であったのが、縦方向スクロールだと、“タメ”として差し挟まれる効果は、実は潜在的に大きいのだと思う。それはコミックスを読む際のリズムに影響する。

Passport

Stratechery by Ben Thompson

人気個人ブログ「Stratechery」を運営するBen Thompson氏、統合的な購読システム「Passport」をオープンソースを使い自力開発。ブログ、ニューズレター、そしてポッドキャストなどコンテンツラインナップを購読者は等価的に管理できる。「パスポート」という概念を文字どおり活用して、他の購読サービスとも相互乗り入れ可能な仕組みだ。
“編集部(とそのプロダクト)のイノベーション”をどう実現するのか? メディアコンサルティングのTwipeが、そのイノベーションへの5つのアプローチを紹介する記事。まずはイノベーションの必要性を問うことから、PoC(プルーフ・オブ・コンセプト)、そしてデザインスプリントへ。
「米国人の4人に3人が、本当のニュースと間違ったニュースの見出しを見分ける相対的な能力を過剰評価している。調査の回答者は、実際の能力よりも、平均で22パーセンタイル高く自己評価した」。

——考えさせられる調査研究。いかに目の前にある現象に対し慎重に判断するがという“心構え”が必要なのだが、それを欠く人々が多いということらしい。