Disruption This Week—–26/2/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年2月22日から2021年2月26日まで。

 

 

「ストゥルームは、ストゥルームのアプリでさまざまなサービスを提供し、利用者には月額でサブスクリプション料金を請求することで運営する。しかし、アプリ内でコンテンツが使い放題になるのではなく、クラスパスとジムの提携の仕組みと同じように、利用者にはコンテンツの試用や利用に使うことができる『クレジット』が一定数与えられる」。

——これは面白い事業モデル。サブスクサービスのアグリゲータだが、各種サービス事業者のためにユーザを見つけ出し、引き合わせる機能を持つわけだ。

 

 

【有料購読者向け記事】:
日ごろは他メディアの追っかけ記事の多い米Insiderだが、時々プレミアムな良質記事を公開する。本記事は、重要なテック系ジャーナリストを網羅した記事。批判的な視点に貫かれた良質な記事を繰り出すライターらが勢ぞろいする素晴らしい記事。組織に帰属する人々が多いが、もちろん、Casey Newton氏のように、独立系も紹介。
個人的に初見だったのはJohana Bhuiyan氏(サムネールになっている人物)。LA Timesの記者で、米Amazonが配送員宛ての顧客からのチップを、配送員に渡さず、他への支払いに流用していたことを暴露報道。FTCとの弁償を含む和解を引きだした。

 

 

「プラットフォームが個人データをすくい上げてターゲット広告に利用できるかを、ユーザーが選べるようにする必要がある。そして、標準での設定は『使用できない』とすべきだ。そうすれば、蝕まれたユーザーのプライヴァシーを回復できるだけでなく、ニュース企業が失った広告費の一部を回収できる機会を提供することになる」。

——スティーヴン・レヴィ氏による論説。要するに、リンクやスニペットの活用は、ユーザもメディア企業も恩恵を蒙っている。それに対して、ターゲティング広告がメディア界のエコシステムを破壊しているのだという指摘。こちらをなんとかしろというわけだ。とても重要な論点の転換。

 

 

Twitterが事業説明会「Analyst Day」を開催。今後3年間で1億2,300万人のユーザを獲得する野心的目標を発表。また、クリエータエコノミー活性化に向けて、有料事業をいくつも計画。eコマース、ニューズレターやプレミアムなフォロワー機能などでクリエータに還元をめざす。

 

 

「『マスコミ四媒体広告費』は、2兆2,536億円(前年比86.4%)に。『新聞広告費』『雑誌広告費』『ラジオ広告費』『テレビメディア広告費』はすべて大きく前年割れし、6年連続の減少となった。
一方、『インターネット広告費』は、2兆2,290億円(前年比105.9%)となり、「マスコミ四媒体広告費」に匹敵する市場となった」。——いろいろな説明があり得るのだが、ネット広告は、“それでも成長した”。

 

 

Spotify傘下のポッドキャスト制作配信サービスであるAnchor、有料購読のための各種機能や施策を展開中。有料版でアクセスできるボーナスコンテンツや、ディスカバリ機能を強化する。Spotifyにとって、これはクリエータを確保するアプローチでもある。

 

 

「欧州の報道機関でつくる4団体と米マイクロソフトは22日、IT(情報技術)大手による記事利用料をめぐる枠組みづくりで連携すると発表した。報道機関側が正当な対価を受け取れるよう、契約交渉や支払いで紛争が生じた際の仲裁メカニズムを整備することを域内で働きかけていく」。

——こちらはEU域内で適用される2019年の著作権指令に基づく動き。当然ながら、これに続いてGoogleなどより大手とのせめぎ合いが生じることになるのだろう。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「ゲーム実況は巨大メディアに成長している。米国ではツイッチをグーグル系の『ユーチューブ・ゲーミング』、フェイスブック系『フェイスブック・ゲーミング』が追う。米ストリームラボの調査では、主要サービスの20年の合計視聴時間は前年比約2倍の279億時間に」。——ゲーム実況プラットフォームは、引用以外にもTwitchも強い。自分はこの種の“Live”市場が、メディアの隆盛に影響を及ぼすと見ている。

 

 

Spotify、ポッドキャストに自動的に掲出するオーディオ広告ネットワーク「Spotify Audience Network」を発表。Spotifyが運営するプラットフォームへのマーケットプレイス型広告配信基盤。今後はセルフサービス型出広、Spotify外のポッドキャストへの広告配信も手がける。

 

 

「Circleの最終的な目標は、ニュースレターやポッドキャストの公開から、動画ストリーミング、イベントチケット販売、商品通販、イベントカレンダーの設定まで、クリエイターがユーザーのニーズを満たすために必要なツールをすべて1つに統合することだ」。

——詳細を勉強しないとだが、流行り言葉風にいえば、“クリエーター・エコノミー”は随所で活性化している。クリエーターそのものの支援策を生み出す段階に。

 

 

【ご紹介】:
SlowNewsプロジェクトから本格的なジャーナリズム作品が読み放題の購読サービスがついに誕生。読み応えがありすぎて困る宝の山。表示も快適です。私もさっそく購読。

 

 

SmartNewsを通じて良質なコンテンツを送り届ける仕事です。
アルゴリズムの理解と使いこなし力も重要ですが(入社後に習熟)、それ以上にコンテンツへの知識や関心、そして愛情をSmartNewsに注ぎ込んでくれるような方をお待ちしています。

Disruption This Week—–12/2/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年2月8日から2021年2月12日まで。

 

 

米New York Times、「NYT Kids」と呼ばれる小児向けサブスクメディアを開発中とする報道。NYT幹部が米Axiosに述べた。同社には、小児版は日曜版(印刷版)に含まれているが、独立型の購読商品のテーマとして開発が進んでいるという。

 

 

「Podzモバイルアプリでは、ユーザーは60秒のポッドキャストクリップで構成された、同社が「初の音声ニュースフィード」と呼ぶものを視聴することができる。これらのクリップは、各ポッドキャストの最高の瞬間をハイライトするように設計されており、現在ユーザーが購読しているポッドキャストよりもはるかに幅広いタイトルを簡単に試せるようになっている」。

——音声も映像も、その体験は、時間に沿った流れに縛られている。その問題を解決するための要約や抽出も、人手に頼ってきている。この「Podz」アプリは機械的に、音声ストーリーのハイライト部分を抽出できるという。興味深いアプローチ。

 

 

Google、豪州に続き、英国・アルゼンチンで「News Showcase」を開始。計450媒体との提携でこれらのニュースを取り扱う。特に英国ではReuters、FT、New Statesmanなど伝統的かつ知名度の高いメディア120と提携を促進。

 

 

「スマートフォンの次に来るものは(AR)グラスである」とのトレンドが、徐々に具体的な動きに。Googleの初期における失敗にもめげず、Apple、Google、Facebook、Microsoftが取り組み、Samsung、Lenovoの動きもと述べる記事。越えなければならない課題も、より具体的に指摘する。

 

 

音楽ストリーミング「SloundCloud」が、ユーザからアーティストへの直接支払いモデルへの転換を計画との報道。従来は、他の多くの定額課金モデルと同様、定額からの案分配賦だった。実現すれば、ユーザはお気に入りアーティストに対し課金やチップなどを納めることになる。これは、最近のPatreonやOnlyFansなどの成功を背景にしたものと見える。新たなトレンドだ。

 

 

「世界のメディアの将来的な回復は、ニッチなオーディエンスとバーティカルな分野に焦点を当てることにある。成功の鍵は、非常に特定なテーマをめぐり信頼できるコンテンツの必要性を理解できる組織だ」。90年代開設の老舗食品関連サイトの米Allrecipesを分析した記事。

 

 

メディアは、改めてオープンWebをめざす。超大手が寡占的に支配するアプリやSNSへの依存を下げ、オープンWeb上でイノベーションを志向する動きを概説した記事。WordPressによるParse.ly買収、米WaPoのWeb関連技術への投資、そしてTwitterのBlueskyプロジェクトなどを扱う。

 

 

デジタルメディア、SNS、そして各種のアプリが発展するに従い、伝統メディアで保証された“ジャーナリズム職種”でも、勃興する新分野での活躍は保証されない。勃興する分野でのクリエーターや起業家に学ばなければならない。NY市立大学でのプログラム例などを紹介する記事。

 

 

英Telegraph(日刊紙Dairy TelegraphのWeb版)では、「10-1-23」と呼ぶ、2023年までに登録者1,000万人・有料購読者100万人獲得との目標を掲げている。記事は、同社が、特にソーシャルメディアへの投稿最適化AIツール「Echobox」を活用し投稿を最適化している動きを紹介する。

 

 

購読型(非広告依存型)新興メディアのパイオニアとつねに言及される「The Information」の創業者Jessica Lessin氏。創業7年目となった同氏へのインタビュー記事。「本当に難しいのはジャーナリズムそのものです。他のことはすべて学び、共有することができます」。

 

 

【ご紹介】:
日経MJでの連載が日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ 半導体品薄、生活に幅広く影響 ゲーム、マイニング 揺さぶる

Disruption This Week—–6/2/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年2月1日から2021年2月5日まで。

 

 

米New York Timesが2020年第4四半期・通年の業績を公表。デジタルのみの購読者を年間230万人も増やし、ついに購読者総数が750万人に。ニュース製品で500万人、料理やゲームが160万。「25年までに1,000万購読者」の目標が、現実的となってきた。

 

 

米Washington Postは、Instagramを“最終的な目標”である購読者獲得のための有力なプラットフォームとして、その活性化に注力。おかげでポートフォリオのなかで最も急成長し、いまやフォロワーは450万人に到達。さまざまな関係者からのコメントをまとめた記事。

 

 

「フェイスブックの『最高裁』と言われる『監督委員会』の初めての審議結果が公表された。
5件ある審議案件のうち4件について、フェイスブックのコンテンツ削除を撤回するよう勧告している。
新型コロナのインフォデミック、イスラム教徒への弾圧、ナゴルノ・カラバフ紛争、ナチスへの言及、そして乳がんキャンペーン」。——Facebookが投稿コンテンツへの検閲について、外部登用を含む独立型の審議委員会を設けたことは周知の通りだ。委員会は最初の指示・勧告を行った。個別の“テイクダウン(削除)”事例への興味というより、Facebookのなかで整合性なく積み上げられてきたポリシーに対する勧告と見た方が良さそうだ。

 

 

米AxiosのSara Fischer氏が興味深いメディアトレンドを指摘している。Live配信系サービス、Substackのようなニューズレター配信サービス、そしてClubhouseのような招待制の会話空間の誕生と隆盛は、パワーある人々にとってメディアを迂回する仕組みとなるというものだ。
これに、米大手VCのアンドリーセン・ホロウィッツが、自前でテクノロジー系メディアを強化している動きを加えても良いかも知れない。このトレンドはまだ理解されていないが、メディアにとって悪夢となるとも言う。

 

 

Twitterが一部地域で試行運用を始めた「Birdwatch」。投稿情報の真偽判断をユーザにクラウドソーシングするアプローチだが、IFCN(世界ファクトチェックネットワーク)の幹部を始めファクトチェッカーらは、このアプローチに対して懐疑的、もしくは懸念を示す。

 

 

「新型コロナについて関心のある情報では『地域周辺の感染状況』『ワクチン開発や治療法、治療薬の情報』が70%を超えました」。

——メディアをめぐるさまざまな状況が見えてくる記事。パンデミック関連でいえば、引用箇所のように、今後は「ワクチン」をめぐって、熱狂報道の第2波が予想される。

 

 

2019年4月に開設された英メディア「Tortoise」。BBCの元幹部らが“スローニュース”を提唱し、クラウドファンディングや購読で運営。2020年は、パンデミックがブースト。有料会員を50%伸ばしたと公表。1/3は30歳以下という。記事は購読収入は4億円以上と見積もる。

 

 

音楽ストリーミングのSpotify、ユーザの発話や背景のノイズなどを分析、感情、性別、年齢、アクセント(出身?)から、その場に最適な音楽をレコメンドする特許を申請。記事は、そのような動きをテック界で起きているトレンドと批判的に紹介する。

 

 

「20年12月の書籍雑誌推定販売金額は1148億円で、前年比8.3%増。
書籍は552億円で、同8.3%増。
雑誌は596億円で、同8.3%増。
かつてないトリプルの8.3%増である」。——久々の対前年(同月)比の大幅増。鬼滅効果が大きいのだろうが、この材料はいつまで続くのだろうか。

 

 

「読者(視聴者)は、Instagramであれ、Spotifyであれ、地元の新聞のデジタル版であれ、どこでコンテンツを消費するにしても、高品質でデザイン性の高い体験を期待している。Netflixが最大の競合相手は『睡眠』だと言うように、購読戦略を構築しているメディアは、他のすべての購読プロダクトと競合しているのだ」。

——海外では「プロダクト指向(思考)」という概念が浸透しつつある。最近では、「News Product Alliance」なる団体も誕生した。“ニュース(報道)”を「プロダクト(製品)」と見なすことで、利用者の体験を改善できる要素は広がる。今後のメディアをめぐる組織論では、「プロダクトマネージャ」人材に投資できるかどうかもポイントに。

 

 

【ご紹介】:
毎日見ないことがないビジュアルデータの東洋経済オンライン「新型コロナウイルス 国内感染の状況」を手がけた荻原和樹さんがスマートニュース メディア研究所およびスローニュースにジョイン。

 

 

【ご紹介】:
NewsPicks for Business編集長に就任された林亜季さんに「Media×Tech」が取材しました。メディアビジネスをめぐって聞きました。

Disruption This Week—–29/1/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年1月25日から2021年1月29日まで。

 

 

Twitterは、先日紹介したように、買収したRevueを速くもTwitterサイトに統合し始めている。どうやら「ニューズレター」は、ブックマーク、モーメント、Twitter広告などのオプションと並んで、Twitterのサイドバー・ナビゲーションに近日中に新たに追加されるらしいと、あるエンジニアが発見都の記事。

 

 

「これ(=広告への逆風予測)には、iOS 14をはじめとするプラットフォーム変更の影響や、規制の状況の変化も含まれる。iOS 14の変更時期はまだ不明だが、影響は第1四半期の後半には見られるだろう」。

——好調だった2020年4Qの業績を発表したFacebook。CFOのコメントでは、2021年1Q後半には早くもAppleのポリシー変更の影響が見えてくると、懸念を織り込む。

 

 

「2016年」の大統領選をめぐり、少なくともTwitterで4つのアカウントを操作し、偽情報による荒らしを行ったとして、初めて刑事告発された男「Ricky Vaughn」がFBIにより逮捕。これまで選挙干渉や情報工作が指摘されても、多くは正体不明や海外勢力で、逮捕にいたった事例は皆無だった。

 

 

「1月28日は『データプライバシーデー』として、オンライン上の個人情報を守る重要性を人々に喚起する取り組みが行われます。Appleはデータプライバシーデーを記念して、企業がWebサイトやアプリケーションを通じてユーザーのデータをどのように追跡しているかをイラストと共にわかりやすく解説したレポート “A Day in the Life of Your Data”を公開します」。

——恐らくiOS上でのユーザプライバシー保護施策の強化と連動すると見られる、Appleのキャンペーンが始まった。

 

 

機械学習を駆使して、約20億人ものそれぞれ嗜好の異なるユーザの興味を喚起するような“ニュース”を表示する仕組みとは。Facebook Engineeringチームが自ら解説するNews Feedアルゴリズムの構造。読んでいる途上ではあるが、重要な参考文献。

 

 

“キュレーションとコラボレーション”をコンセプトとするドイツ発ニュース配信サービス「Forum.eu」の話題。同社は提携するパートナーメディアの重要な記事をキュレーションし、欧州の主要6か国言語に翻訳して掲載するという“汎欧州”的なアプローチをめざしている。

 

 

「米Twitterは1月25日(現地時間)、偽情報拡散防止対策『Birdwatch』のパイロット版を米国で公開したと発表した。誤解を招くツイートに一般ユーザーがnote(注釈)を付け、その注釈を他の多数のユーザーが評価すれば最終的にはツイートにその注釈がラベルのように表示されるという、コミュニティ主体の取り組みだ」。

——Twitterはこれまでも、真偽不明情報の投稿に対する抑制策をサードパーティによる検証情報には求めてこなかった。自生的な仕組みに可能性を見ているようだ。「コミュニティ主導」とされる今回の「Birdwatch」でもその思想が明瞭。パイロット版以前もテストは行っているだろうから、一定の勝算はあるのだろうが。その成果に興味。

 

 

「人々の感情は明らかに、製品品質面の犠牲を受け入れても構わないという点へとシフトしている。われわれは、個々の機能を最適化するのではなく、消費者の体験を全体的に考慮する必要がある」とプライバシーファースト方針を、Facebook幹部(プロダクト担当vp)が、これを「ビッグシフト」と呼んで、社内向けメールで宣言。

Benevolent Haze

Columbia Journalism Review

 

 

いまや、米国の老舗、非営利、そして顕著な公共性を持った多くのメディアのパトロンとなったLaurene Powell Jobs氏。彼女が率いるEmerson Collective基金が、Steve Jobs氏が遺した数十億ドルの資産をどうメディア支援に使っているか、Jobs氏との出会いからを含む長い物語。

 

 

「コロナ化での生活変容については、多数派ではないものの、約5人に1人は新しい生活を好意的に受け止めているという結果になりました。総じて高年層より若年層にその傾向が見られ、特に20代女性は30%が新しい生活を気に入っていると回答」。

——なかなか興味深い調査。新たな生活の利点は、おもにリモートワークやECなどによって生じた自由時間(の増加)を、自身のしたいことに振り向けていることから得られたという文脈になる。テクノロジー活用の有無に関わっているとも言えるかもしれない。

Disruption This Week—–15/1/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年1月12日から2021年1月15日まで。

 

 

「Parlerにアップロードされた全動画をクロール中です。新着順。VIDXXX.txtファイルの山は5万件で、URLは計110万件。削除された投稿や非公開の投稿も入っているみたいです
全部Parlerにアップデートされたオリジナル&無修正のRAWファイルで、メタデータもついたままです」。——GPSのメタデータもそのまま露出してしまっているらしい。「暴徒」は一網打尽となってしまいそう。運営会社のロシア接点が濃すぎる点も含めて、だれかノンフィクションストーリーにしてくれないか。

 

 

米大統領選とその結果をめぐる議論で、いま浮上しているのが、ブランドセーフティ問題。ニュースサイトの信頼性をスコアするNewsGuardによれば、昨年暮れからこの1月まで、大手ブランドの広告のほぼすべてが「陰謀」や「誤報」と懸念されるメディアに掲載されたという。

 

 

「デジタル広告への需要は増加した。実際、中国新聞のデジタル広告事業は今期大きく成長し、社内で『売上増加率が非常に目立つ状態』だという。埼玉新聞社も、デジタル広告全体の売上が、前年度比約2倍に跳ね上がった」。

——めでたい話だが、次のフェーズに備えるための進化が急がれる。

 

 

フランスで書籍やオーディオブックなどの販売を手がけるGloseを買収した米Medium。同社CEO、Ev Williams氏にインタビューしたCNN Businessの記事。記事全体がSubstack全盛に対抗するMediumという図式で描かれている。

 

 

GoogleとFacebookに媒体への支払義務を法的に求めようとしているオーストラリア。Googleはそのオーストラリアで、利用者の1%に対して、メディアの表示を検索結果上、非表示にするアルゴリズム上のテストを行っていると、地元メディアに明らかにした。

 

 

米New York Timesでは、12名のスタッフで7か月かけ、ファーストパーティデータ広告を開発、サードパーティデータ広告にパフォーマンスでほぼ匹敵するまでになったと、同社デジタル広告エンジニアリング責任者Pranay Prabhat氏が語る。マーケターへのまともな答えにはなると。開発途上ながらの期待を込めたコメント。

 

 

独調査企業pv digest、おもにドイツ国内におけるコンテンツ課金販売をめぐる年間予測を発表。前年成長率が続くとすると、2021年は7億ユーロ(約900億円)へ成長とする。その内訳なども示した記事。

 

 

「今、トランプ氏のアカウントを永久停止したい気持ちは理解できる。だがそれはすべての人々に、フェイスブックやツイッターのような企業が歯止めのない権力を行使することへの懸念を抱かせることになる。数十億人の言論にとって不可欠となったプラットフォームから、自分たちも削除されるのではないかと」。

——「米自由人権協会(ACLU)の弁護士、ケイト・ルーエン氏」による声明という。平和博さんのこの記事では、「表現の自由問題」をめぐるさまざまな論点を浮かび上がらせ、「プラットフォームは判断を誤る」とし、その点をめぐっての透明性や批判の仕組みを問う。それがなければ、権威主義的国家の下で起きている言論封殺の現象(そこにもプラットフォーマーが影を落としている)と五十歩百歩ということになる。

 

 

有料購読読者の効果的な獲得手法は、「無料のお試し」か「有料(低価格)のお試し」施策か? 独Der Spiegelがコロナ禍にあって試行錯誤した結果は、「有料のお試し」施策だった。担当者は複数の価格設定を試すべきとする。

 

 

【有料購読者向け記事】:
過去にTwitter、Facebook、そしてRedditといったソーシャルメディアに在籍、メディアパートナー担当を歴任した論者が、これら大手プラットフォーマーの幹部らが、社会的な課題をめぐり行ってきたずさんな意思決定を振り返り、厳しく告発する寄稿。

 

 

【ご案内】:
月一連載の記事が、日経新聞電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ AIの執筆・作曲、日本語でも? 自然な文章、フェイク対策課題

 

 

【ご紹介】:
私も運営に携わるJIMA(インターネットメディア協会)で会員向けに実施したセミナーの書き起こしです。メディア運営側の方々向けにネット広告を概観しました。