Disruption This Week—–8/1/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年12月25日から2021年1月8日まで。

「今は映像だと1000万円から数千万円の広告料金も取れるようになっています。 2020年12月には、スーパーカーのランボルギーニがスポンサーになってくれました。一昔前のウェブメディアでは考えられないことです。NPというと、課金のイメージが強いかもしれませんが、パートナーの電通を含む広告チームのメンバーの貢献も非常に大きいです」。

——佐々木紀彦氏へのインタビュー記事。先日はNewsPicks自らのインタビューだったが、こちらは日本語版Business Insiderによるもの。こちらも面白い。広告における可能性をも示してくれている。

Journalism, media, and technology trends and predictions 2021

Reuters Institute for the Study of Journalism

 

 

Reuters Institute、世界43か国234人のメディア関係者を対象に、メディア、ジャーナリズムと技術トレンドを調査。購読モデルへの期待は前年比で高まり、ディスプレイ広告に対しては低下。平均して4つの収益源を重要と見なすなどの結果。コロナ禍はオールデジタルを加速といった結果が公開。

 

 

米国で流行り始めている、セレブとの動画コミュニケーションができる「Cameo」の話題。最初は事前収録録画を買う、というものだったが、ランク分けされた金額を払えばリアルに会話ができる。活動を限定されたセレブらの小遣い稼ぎの場でもある。自分はこの手法を、ジャーナリズムや専門家による解説の場などへと拡張できないかと妄想。
テキスト中心のジャーナリズムから、ポッドキャストなど駆使したジャーナリストに変身するには? 難しそうに響くが、ポイントを押さえれば可能だとする記事。そのためにジャーナリストが学ぶべき5つのポイント。「簡潔に書く」「インタビューのスタイルを変える」「雰囲気づくり(適切な背景音など)を工夫する」…など。なるほどという思い。

 

 

「見逃したテレビ番組をネット視聴する際、『違法アップロードされた動画ではなく、TVerで見て』と、1月2日に放送された番組『喜怒哀ラフ』(毎日放送)の公式Twitterが訴えている」。

——「再生数に応じて出演者に然るべき出演料が支払われる」とのロジックは初耳だが、膝を打つ思い。であれば、YouTubeでもその他の外部プラットフォームに対しても、公式チャンネル化して、分散視聴を計数管理するのが自然だし、より視聴者にフレンドリーだと思う。

 

 

「私たちがAlphabetに入社したのは、世界を改善する技術を作りたいと思ったからです。しかし、何度も何度も、会社のリーダーたちは私たちの懸念よりも利益を優先させてきました」。

——最近結成されたAlphabet(Google)労組の正副委員長がNew York Timesに寄稿。「不公平な職場は不公平なプラットフォームを作る」との訴えは、辛辣だ。

 

 

「近年アプリ内広告が普及しており、デジタル広告市場全体の成長に貢献している。アプリ内広告は、アプリ開発者やアプリパブリッシャーにとり、重要な収入源となっており、グローバル大手SNSから、個人開発者までの多くが、ここから収益を得ている。
本稿では、アプリ内広告について、体系的な解説をしていく」。——PubMatic社のスポンサード記事ではあるが、アプリ内広告の仕組みを体系的に整理した資料性の高い記事。媒体関係社、マーケターの参考になるはず。

 

 

米New York Timesが2020年に報じたビジュアル調査報道記事の一覧。Webの表現力と報道を組み合わせたストーリーテリングの総覧。見ておいて損はない。

 

 

「特に2021年を迎えようとしている日本では『もっとイノベーションを!』という論調はよく見かける。また『デジタル』という言葉もポジティブな意味で多用されている。IT分野の重要キーワードとしてDX(デジタルトランスフォーメーション、デジタル変革)という言葉もよく聞く」。

——“DX”や「IT立国」の語が勢いを得ている昨今。世界ではテクノロジー悲観論の勢いが増している。このギャップに気づかない人々が多いことには驚かされる。多くのメディアでもその論調に変わりはない。テクノロジーと倫理をめぐる視点を織り込まないと、またもや、周回遅れで幻滅がやってくる。

 

 

「2020年1月から12月までの1年間、Publickeyの売り上げは合計で1522万2323 円。内訳は、バナー広告や記事ライセンスが741万700円、タイアップ記事が770万1199円、AdSenseやAmazonアソシエイトなどが11万424円でした」。

——サムネール画像は、上記の引用箇所と連動していないので注意を。新野淳一氏の個人ブログサイトのコロナ禍2020年のパフォーマンス。同氏はこのサイトでの認知を背景に、講演やモデレータなど別収入も得ているとこことなので、コロナ禍の下でも、すごーく食えているわけだ。

 

 

トランプ大統領時代、民主・共和両党の支持者の間でマスメディアの信頼度が63ポイントもの乖離へと拡大。Gallup調査史上で最大。ほんの数年前、オバマ大統領時代にはその乖離は10ポイント程度だったのだが。
「(note社と文藝春秋社の資本提携を含む協業は)単なるnote=デジタルメディアと文春=プリントメディアのコラボを意味するのではなく、現在の出版業界において最も求められているものなのかもしれない。
20世紀までは出版社、取次、書店は出版物をめぐる共同体というニュアンスが残っていたが、21世紀に入ると、それはほとんど消えてしまったように思える」。——自分も感慨深く見た協業。結果は別としても、雑誌をめぐり、新しい時代には新たな協業モデルがあり得る。また、水面下では、人的な交流もこのような境界またぎが生じている。改めて言うが、どんな取組みの結果が待ち受けているか分からないが、挑戦を続けなければならない。

 

 

【ご紹介】:
「Media×Tech」編集部が「独断と偏見」でお勧めする2020年コンテンツ。雑な企画ですが、けっこう面白いものに。

 

 

2020年ももうすぐ終わり。今年、記憶に残った(インターネットの)コンテンツ、発信者、メディアを教えて下さい。どなたでも・何件でも応募できます。あなたもぜひ!

Disruption This Week—–6/11/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年11月2日から2020年11月6日まで。

 

 

米Disney参加のスポーツ専門放送局ESPNが、300名のレイオフを社員に伝えた。米CNBCが同社会長から社員に向け出されたレターを独自入手。Disney全体が新型コロナウイルスによるダメージを受ける当時に、ストリーミング市場での競争激化への適合を図る局面。

 

 

米New York Timesが第3四半期の業績を開示。同四半期では、デジタルのみの収入で34%増の1億5530万ドルで、同社の唯一の成長源となった(印刷版はコロナの影響で減)。広告は印刷・電子とも減。デジタル版の総購読者は700万人に到達。この時点ではじめて、電子版購読者収入が印刷版のそれを上回ったという。まさにデジタルサブスクが成長を支える企業となった。

 

 

あるデータ分析企業が「習慣的に高い関係性を持つ読者」を定義としてロイヤルユーザ像を分析。それがメディアにどのくらい存在するかを整理した。このような読者は、一メディアに3.8%しか存在しない。だが、この忠誠度の高いユーザが、一般的な読者の5倍コンテンツを消費するのだという。

 

 

米Wall Street Journalは、大統領選候補者らがどこでどんな発言をしたか、書き起こし原稿のデータベースを基に記者・編集者が使う内部用ツールとして開発したが、2020年大統領選報道では、「Talk2020」として読者に公開。それ自体が重要な「メディア」に発展したとする記事。

 

 

米ジャーナリストらにとってホットなテーマが、自身のニューズレターを持つこと。旋風を巻き起こすニューズレター配信サービスのSubstack社共同創業者Hamish McKenzie氏に踏み込んで訊ねる取材記事。やはり同社の創業は、Ben Thompson氏の個人メディア「Stratechery」にヒントを得ていたのだそうだ。その他にも、ニューズレターの書き手を意図的にアプローチしているのかとの問いには、シードファンディングを渡すことも“ほんの一握りだが”あるという。

 

 

Spotifyが論議を呼びそうなキャンペーンスキームを発表。楽曲を提供するアーティストが低いロイヤルティ率に同意すれば、Spotifyのアルゴリズムがリスナーにリコメンドする頻度や場所を拡大すること(キャンペーン化)ができるというもの。Spotifyはアーティストらに前払いを求めるわけではないというので、広告宣伝費という認識にはならないのだろう。

 

 

ニュースも、友だちとわいわい言いながら視聴する時代? 映像ストリーミングの米Hulu、ABCニュースのライブ番組にパーティウォッチ機能を導入。ぎりぎり大統領選報道に間に合わせた。同社によればニュース生番組にパーティウォッチが導入されるのは「初」だという。ゲーム中継などはTwitchなどで常態化しているわけだから、商用番組ストリーミングがその後を追っている図式だ。

 

 

米Washington Postのマーケティング責任者、購読者、とりわけ米国外からの購読者の成長戦略(購読者全体は「数年間で40%増」と説明)について語る。記事の切り出しやグラフィックが効果的と説明。LPで各国通貨に変換して見せることも重要と。

 

 

「人々は優れたコンテンツを求め、そのコンテンツを提供する情報源を信頼したいと考えている。人々は、関連性の高い情報や、見つけやすく使いやすいツールを求めている。また、シームレスなオンライン購入体験を求めているのだ」。

——正式にCNET Media Groupを統合したRed VenturesのCEO、Ric Elias氏の言葉。同氏のビジョンは、家、健康、経済、旅行、教育、テクノロジーなどの各分野で、消費者は意思決定を迫られ、最善の決定をするべく信頼性の高い情報を求めているという。そのための情報ポートフォリオ群を構築しようというわけだ。ちなみに、同氏は、あのNYハドソン川に不時着した旅客機に搭乗していたのだという。

「『日経MJ』(9/23)も『モールに迫る空洞化の足音』と題し、1月から6月にかけて、全国2800ヵ所の商業施設の出退店データから、アパレルや外食を中心にテナント1140店が純滅したことをレポートしている」。

——書店の退店があとを絶たないが、その他の産業も音を立てて、消滅していく。モールからの退店だから、個店というよりチェーン店が多いのだろうが。それでもこの状況だ。

 

 

【ご紹介】:
SmartNewsが米市場へ展開する経緯を、NewsPicksの後藤真義さんがたどってくれています(連載)。とても面白い。11月7日まで無料で読めるようです。

 

 

【ご紹介】:
私が編集に携わる「Media×Tech」、またまた新着記事を公開しました。「会員登録に貢献した記事は?」「ペイウォールの最適な位置は?」「無料体験は何週間がベター?」「ユーザーセグメントごとに有効なキャンペーンは?」読者をよく知るためのテクノロジーとは? 注目のベンダーPIANO Japanに聞きました。

 

 

【ご紹介】:
昨日から始まったInternet Media Days 2020。延べ800人以上の方々が申し込まれ、初日が終わりました。その初日に「Internet Media Awards」の創設を発表。あなたも優れたメディア活動を推薦・応募できます。

 

 

【ご紹介】:
SmartNewsでは、「米大統領選2020」をほぼリアルタイムで表示中(ソースはAP)。SmartNews US 版とほぼ同じ実装になっています。
【ご紹介】:
私も理事として参加しているFIJ(ファクトチェック・イニシアティブがセミナーを開催します。利用の輪が広がる「ファクトチェック・コンソール」の技術面を、開発を担当した東北大・乾教授や元スマートニュースの担当エンジニアが解説します。

Disruption This Week—–30/10/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年10月26日から2020年10月30日まで。

 

 

新型コロナウイルスの影響で消えていく米地方メディアの肖像。25のメディアをリストアップした研究者。「こで紹介したサイトの多くは、予告なしに消えていくので、かつて存在していたことを示したかった」と哀切の論。米Poynter.より。

 

 

「私たちがこのガイドで伝えようとした重要なことは、会員制プログラムと会員制ルーチンの両方があるということです」。会員制(メンバーシップ)を運用する世界のメディア編集部を取材した「The Membership Guide」が公表された。記事内リンクから参照できる。

 

 

カナダの社会心理学者が、学生らと進める調査・研究で、偽情報への対抗力を育てる「コミックス」を制作。没入型のメディアで出会う偽情報の見分け方などに取り組む。メディアリテラシー分野ではこのような取り組みが目に付くようになった。

 

 

危機に瀕する米ローカルジャーナリズム。「2020年にはジャーナリストら7,000名の雇用が失われる。このままでは“すべて消滅する”」。米議会上院に提出された衝撃のリポート。GoogleとFacebookは、ローカルジャーナリズムを「ハイジャック」しながら、ほとんど補償をしないとも指弾。

 

 

ソーシャルメディア(SNS)を用いたブランドマーケティング支援企業Socialbakersが、世界のSNS広告費をめぐる調査「Social Media Trends Report」を公開。6月からの第3四半期のSNS広告費は急回復。前年同期比でも約3割増。特に米市場の回復が急上昇だ(大統領選の影響もあるのか)。

 

 

「・新聞を読む人『世の中のことを幅広く知れる』 50.8%
・読まない人『読むのが面倒くさい・読む時間がない』 47.8%」——新聞を読む理由・読まない理由を見る限りにおいて、悲観には及ばないと思った。「お金がかかるから」以外の、読まない理由は克服可能だと思うからだ。
一方で、「世の中のことを幅広く知れる」については、当たり前ながら、その便宜をより深める取り組みが必要かも知れないが。

 

 

「オカシオ=コルテスは実際にゲームのプレイ動画を配信した。東部標準時で20日午後9時に初ストリーミングを始める前から、チャンネルにはすでに26万人以上のフォロワーが付いており、彼女がログインする20分前から50,000人がPCの前で待機したのである。コメント欄には励ましの声と絵文字が溢れた」。

——米国では、4年おきの大統領選をテコに新たなメディアやテックトレンドが生じる。今回はTwitchなどのライブストリーミングがそれに当たるだろうか。面白いのは、メッセージングプラットフォームとしてではなく、ゲームをしてみせたということ。AOCの“新しさ”がそこにあるのだろう。

 

 

Netflixが“(音声のみの)オーディオブックモード”を試行中。映像用に作られた番組でも音声で聴くのに適したものがある。一方のSpotifyが傾注しているのが、(映像も含む)ポッドキャスト。これらのトレンドがいよいよクロスする段階に。

 

 

米Wall Street Journalの「Digital Experience & Strategy」チームリーダーによる興味深い解説。同メディアは、大統領選報道のためにユニークな「TALK2020」を提供している。利用者が自由な文字列を入れることで、候補者がそれをどこでどのくらい語っているのかを可視化する。このツール(サービス)の出発点は2018年の中間選時。ある記者による大統領らの発言をデータベースから分析するもの。その後、これを改良・発展させ、自然言語処理などの高度な処理を加えて実現しているという解説だ。テックが報道をどう進化させているかの例。

 

 

「FacebookとInstagramからコンテンツを削除されたり、逆にコンテンツの削除を求めても拒否された場合、監督委員会に異議を申し立てると、委員会がFacebookの判断の是非を検討し、その結論をFacebookに通告する」。

——長らく課題とされてきたFacebookのコンテンツ審査の外部化。ようやくその仕組みが動き始めたという。

 

 

【ご紹介】:
私が編集に携わる「Media×Tech」から、また、新着記事。ブロガーはどこにどのような記事をポストすべきなのか? 改めて混沌とする状況を論じてもらいました。

 

 

【ご案内】:
ここしばらく忙殺されっぱなしのカンファレンス企画、ようやく、全プログラムが固まりました! ぜひ、ご参加を。どれも無料ですよ。

Disruption This Week—–23/10/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年10月20日から2020年10月23日まで。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「新型コロナウイルスの流行がゲーム人気を加速させており、ゲームに費やす時間は流行期間中に29%増加した。ゲームプラットフォームを利用してバーチャルコンサートの鑑賞やメッセージの送受信などを行う人が増えており、バーチャル結婚式・誕生日会を開く人までいるという」。——新型コロナウイルスの猛威は、人々の生活における“バーチャル”部分を急拡大させている。バーチャル分野で先行して生活に浸透していた「ゲーム」がその先頭で切り拓いていくのは当然のことだ。

 

 

「アドビはこのプロジェクト(CAI、コンテンツ認証イニシアチブ)のミッションを、『クリエイティブと消費者の両方の立場を法的に強力にする、全業界的な作品の帰属の枠組みにより、オンラインの信頼と透明性を増すこと』としている」。

——Adobeは開催中の同社プライベートカンファレンスで、さまざまな同社製品やプロジェクトを公開しているが、待たれている「CAI」の実装形が見えてきてた。偽情報の流通対策としても重要性を帯びている。

 

 

こちらもパンデミックの猛威にさらされた期間を、重要なビジネス機会として成長した英メディア「Financial Times」の事例。それまで厳格なペイウォール運用をしてきた同メディアは、急きょ方針を転換。新型コロナウイルスをめぐるビジュアルデータ開示で成功したことは有名だ。どのように全社的な変身を遂げたか、戦略担当の幹部が解説する。
英The Economist Groupの社長に、今春先着任したBob Cohn氏。その後に生じた“緊急事態”に際して、購読者が倍増したThe Economist。同氏は、それまで購読者の新規獲得に注力していた同社のビジネス戦略を、購読者の“維持(リテンション)”を最大テーマへと転換したという。

 

 

「視聴者がライブ視聴中に有料の『バッジ』を購入し、配信者を応援できる仕組み。バッジは120円、250円、610円の3種類。購入するとライブのコメント欄に、視聴者のアカウント名と購入したバッジのアイコンが表示される」。

——記事中には、バッジ販売で得られた金額と同額を上乗せするキャンペーンも開始という。クリエータ支援策としては望ましいが、将来的に事業の柱になっていくのかどうかにも興味が生じる。

 

 

【有料購読者向け記事】:
モバイル利用をターゲットにした短尺動画サービスの米「Quibi」。思わぬ苦戦で番組の買取や、事業そのものの売却を水面下で行ってきているが、不調との報道。ハリウッドの大物ディレクターらを揃えた野心的プロジェクトは、事業閉鎖の危機を迎えた。

 

 

「ビットフライヤーブロックチェーン(東京・港)は、日本のアニメをファンが英語に翻訳するとトークン「HON」を付与する。TART(東京・品川)は電子書籍を読んだことをブロックチェーンで記録して、中古市場に出品する実証実験を2月まで実施した」。

——いろいろと実用的な利用シーンを意識したアプローチが具体化。問題視されることがある高トランザクションなものでなくとも、実用性は得られる。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「グーグルは1200億ドル(約12兆6000億円)に上る潤沢な手元資金を保有しており、訴訟にもひるまないとみられる。同社は各事業で激しい競争に直面しており、自社の商品・プラットフォームが大小を問わず企業の新規顧客への働きかけを支援していると主張してきた」。——その結果が出るまでに数年を要するのだろう。行方は分からないが、Microsoftのケースを考えると、さすがに当時の同社の勢いにマイナスの作用をしたことは、歴史的に見えてはいるのだが。

 

 

「オーディエンス・ジャーニー」。メディアへのアクセス解析サービスのParse.lyの創業者らが、コンテンツをめぐるユーザ獲得を、ファネルモデル(注意→エンゲージメント→購入/購読)の構築によって進める仕方を解説する記事。

 

 

大規模なソーシャルメディアらがどのようなアルゴリズムによって情報を配信しているのか監視するため、米調査報道メディアThe Markupは「The Citizen Browser Project」をスタート。同メディアによるカスタム設計のWebブラウザを読者らに提供し、そのデータ提供を求めるユニークで踏み込んだプロジェクトだ。

 

 

【ご紹介】:
迫る米大統領選をめぐって、選挙後の姿、深まる政治的対立・分断、メディアの役割などを論議します。スマートニュースメディア研究所の企画です。ご参加を。

 

 

【ご紹介】:
自分がどっぷり企画・運営に携わっているインターネットメディア協会(JIMA)主催のオンラインカンファレンス「Internet Media Days 2020」各プログラムの申し込み受け付けを開始しました。
まだ、企画調整中のものもありますが、順次、公開していきます。皆さんのご参加をお待ちしています。
告知ページは→ https://jima.media/imd2020/

Disruption This Week—–25/9/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年9月23日から2020年9月25日まで。

 

 

Spotify、ポッドキャストの提供元として組んでいる米Chernin Entertainmentとの提携を、TVや映画制作にまで拡張することを発表。音楽ストリーミング→ポッドキャスト→映像ストリーミングへと、Spotify拡張戦略が徐々に見えてきた。Spotify自体が映像ストリーミングプラットフォームへと変身していくのか。あるいは、そのような各プラットフォームへの配給元となるのか。

 

 

メディアビジネス専門メディアの「Digiday」編集長Brian Morrissey氏が退任。自らのニューズレター(メルマガ)を創刊するということだ。先日はVergeを退社したCasey Newton氏についても紹介した。ニューズレターで“自分メディア”ビジネスを開始という点で共通だ。

 

 

「アバーズ(=人権団体、Avaaz)は反ワクチン運動のような医療デマや、ときには命の危険もある新型コロナの誤った治療法の主張、死者数が過大に集計されているという事実無根の記事などを広めていた、合計82のWebサイトを調査した」。

——記事にもあるが、たとえば、新型コロナウイルス関連の偽情報をめぐっては、これがデマ化し、誤った対症療法に走って命を落とす事例が数多く報告されている。偽・誤情報は命に関わる危機なのだ。

 

 

「パンデミック以降、アプリでの利用時間が最も伸びたのが『ソーシャルメディア』『動画』『メッセージアプリ』だ。それ以外に関しては、それほどはっきりとした影響は見られず、ウェブサイトへのトラフィックが増えた可能性もある」。

——米eMarketer調べ。つまり、米成人消費者のトレンドを見たものであることに注意。新型コロナウイルスの脅威下にある消費者がWeb回帰の傾向が見えるのは、やはり家庭ではPCやタブレットの利用が促進される傾向があるからか。

 

 

世界的なファクトチェッカー団体IFCN、大統領選をめぐる偽・誤情報の流通に対抗すべく、AFP、Washington Post 、PolitiFact、USA Todayなど主要メディアと主要ファクトチェッカーらと協業する「FactCHAT」を立ち上げ。自動化、データ標準形式、メッセンジャーなどを駆使する。

 

 

「『価値をパッケージ化して届ける』という従来のコンテンツプロバイダーの仕事は、その根幹から危機に瀕しているわけで、私たちは自分たちの仕事を改めて抽象化してとらえなおし、その中でこれからも求められる価値とは何かを見つめ直す必要があります」。

——KODANSHATechの長尾氏によるオピニオン。パブリッシングを“抽象的”に捉え直すという、論点が新鮮。抽象化すれば、印刷・流通もデジタルも等価だろうという意見もあるだろうが、印刷・流通と異なる付加価値もデジタルでは可能になる。そこに未来を見いだしたい。

 

 

The Vergeで尖鋭なテック系プラットフォーム批判の報道を続けてきたCasey Newton氏が、Vergeを退社、自らのニューズレターメディア「The Platformer」を開始する。利用するのはニューズレター発行基盤のSubstack。New York Timesの記事はこのようなトレンドを追う。

 

 

「新型コロナウイルスによるパンデミックは、オンライングローサリーからマルチプラットフォームゲーミング、ストリーミングサービスに至るまで数多くのテクノロジーの浸透を加速させた。しかし恩恵を受けなかった部門が、従来型の有料テレビだ」。

——eMarketerの調査によると、「2020年に米国の600万世帯が有料テレビを解約し、コードカッター(有料テレビの契約をやめる)数は累計3120万世帯となる」のだという。パンデミック前からのトレンドではあるが、それを加速させたという論点はもう少し掘り下げてみたいところ。私はストリミーング系サービスがそれぞれマーケティング(特に、○×か月無料というような)が、乱立したことがポイントではないかと想像している。

 

 

米BuzzFeed Newsが米財務省が作成した内部文書(“FinCEN文書”と呼ぶ)を入手。世界の調査報道ジャーナリストをネットワークするICIJと連携して、88か国400人による、世界有数の金融機関と各国政府がそのマネーロンダリングを黙認してきた振る舞いの暴露が始まった。

 

 

「規制当局は、共有されたコンテンツでパブリッシャーが報いを受けられるよう、独占的なテックプラットフォーム上での『条件を平等にする』ことを望んでいる。だが、批評家やプラットフォーム側は、規制当局はインターネットをベースとしたビジネスモデルを理解しておらず、充分に適応できていないと証言している」。

——各地域でこの種の小競り合いが生じているようだが、競争環境が行き着いた末の議論なので、今回はハードランディングの可能性が生じている。

 

 

【ご紹介】:
米国市場で新たな大統領選報道のための機能やサービスをリリースしたばかりのSmartNews。米市場での取り組みや体制について創業者のひとり、浜本階生が語りました。

 

 

【ご紹介】:
SmartNews米国版が、大統領選への投票をめぐる各種情報を集約し提供する「Election 2020」をスタートしたことを、Media Innovationに取り上げてもらいました。