Disruption This Week—–27/1/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年1月23日から2023年1月27日まで。

CNET Is Testing an AI Engine. Here's What We've Learned, Mistakes and All
すでに紹介済みだが、米CNETが誤りだらけのAI生成コンテンツを複数掲載、非難を浴びた件。編集長Connie Guglielmo氏が「我々が学んだこと、間違いなどを紹介する」との記事公開。CNETが運用しているチェック体制を説明。“一握り”の記事でその運営が守られていなかったとする。
米バズフィード、コンテンツ作成でオープンAIの技術活用へ
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「米新興ニュースメディアのバズフィードは、提供コンテンツの個別化などに向け、チャットボット(自動応答システム)『チャットGPT』の開発元である米オープンAIの技術を活用していく方針だ」。

——米CNETがAI生成による誤りだらけの記事を掲出していたことで物議を醸しているの対し、米BuzzFeedは(おもにエンタメ分野で)積極的にChatGPTを活用していく戦略を発表。ポイントはインタラクティブ、パーソナライズということだろう。読者一人ひとりに向けてコンテンツを生成する時代がやってくる。

Exclusive: AP goes after ads with website redesign
AP通信、他メディアへのコンテンツライセンスが主事業(売上の82%)だが、10年前「ダイレクトオーディエンス部門」を設置。読者との直接的な接点強化を推進中だ。記事は、同メディアへのトラフィック力増大により広告収入増をめざすべくBBCより幹部人材を招聘したとするもの。
The rise of the registered web
“登録型Web世界の高まり”。メディア関連コンサルティングの英FT Strategiesが世界450以上のニュースメディアを対象に行った調査で、ログインユーザー数が多いメディアは、そうでないメディアに比し、高いビジネスの収益性が高いことがわかってきたという。登録情報がますます重要になってきているというわけだ。
ユーザにとっては、より安全で負担の少ない登録制が求められる。
Washington Post lays off 20 newsroom employees, shuts down gaming section | CNN Business
米Washington Postは火曜日、レイオフの実施を公表。発行人Fred Ryan氏が2023年初頭に実施としていた20の編集ポジションを削減した。また、欠員だった30のポジションの補充を行わないことも明らかに。レイオフは同社の複数の部門に及ぶと広報部門は述べている。
Where did all the new podcasts go?
ポッドキャスト検索エンジン「Listen Notes」によれば、2020年には110万の新しいポッドキャストが開始された。だが、21年にその数は73万に減少。そして22年には、わずか21万9000にまで激減。ポッドキャスト市場に何が生まれ、何が死のうとしているのかを論じた重要な記事。
米司法省がグーグル提訴、デジタル広告市場の支配巡り
「米司法省と8つの州はアルファベット傘下のグーグルを提訴した。デジタル広告市場において違法な独占の疑いがあるとし、同社の広告テクノロジー(アドテク)事業の分割を求めている。
司法省はバージニア州の連邦地裁に提出した訴状で、グーグルは独占力を乱用してウェブサイトのパブリッシャーや広告主に不利益を与えていると主張した」。

——バイデン政権は、ようやくIT超大手に対する規制の動きに。同政権としては初の動きだろう。

Informed app attracts big-name publishers to join curated subscription bundle
「世の中のすべての記事を読むには十分な時間がない。NYTimesが毎日公開するものすべてを読む時間はないと言う人が多い。これが主流のニュースユーザーなのだ。時間が足りない、それほど多くの記事は読まない、膨大な情報量に圧倒されている」と新ニュースアプリ「Informed」が発進。高額なペイウォール系メディアのFT、Bloomberg、NYTimes……などと提携。

Netflix writes a new chapter as co-founder Hastings steps down
「Netflixは次の章へ」。
10年以上一貫して成長軌道を歩んできた動画配信サービスの米Netflixは、業績からも成長面からも大きな壁に突き当たっている。共同創業者Reed Hastingは共同CEOの座を譲り執行役会長に。新たな成長源泉を見いだす歩みに向かうことになる。
Google Calls In Help From Larry Page and Sergey Brin for A.I. Fight
【有料購読者向け記事】:
Google、ChatGPTを検索事業の本質的な脅威と認識、“コード・レッド”を宣言。現CEOは、創業者のLarry PageおよびSergey Brin両氏に助けを求めた。現在同社内では両創業者も関わる約20ものAI関連プロジェクトが稼働しているとする詳細なNew York Timesの報道。

Disruption This Week—–20/1/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年1月16日から2023年1月20日まで。

Alexa, That Isn’t Elvis! New Music Shuffle Irks Amazon Prime Users
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音楽ストリーミングのAmazon Musicが仕様を変更。ユーザがオンデマンドに楽曲再生するオプションをより高額なサービスへと移行。調査会社Antennaによれば、変更が行われた昨1月から11月の間に市場シェアを4ポイントも下落させ手痛い打撃を蒙ったという。
Taylor Swift and the music industry’s next $20
「Taylor Swiftと音楽産業の“次の20ドル”」。新フォーマット、新ビジネスモデル、そして(TikTokのような)新プロモーション形態。音楽はテクノロジーとの関係において他のメディアより5年先を行っている。TVや映画、ニュースなどメディアのの未来も見えてくるはずと述べるポッドキャスト番組の書き起こし記事。
「次の20ドル」とはもちろん、米消費者が映像や音楽の購読(ストリーミング)に支払っている金額と理解すると、記事の意味が想像できるだろう。記事の副題が「ストリーミングの問題は、ストリーミング」としているのもそのようなこと。
TikTok could open its algorithm to regulators, breaking a major dam for social media
TikTokをめぐる2つの大きな話題。Insider Intelligenceのリポートでは、米国市場での対前年比で広告収入を約140%増に。対するInstagramは「1.5%増」、Facebookはマイナス(絶対額の比ではないものの)! また、政府の透明性要求に押されアルゴリズムの一部開示を検討中だとする記事。
世界スマホ市場、2023年は成長見込めず--Canalys予測
「Canalysが米国時間1月17日に公開したレポートによると、世界のスマートフォン出荷台数は2022年第4四半期に17%減少し、2022年通期では11%減少したという。同社のアナリストRunar Bjorhovde氏は、『通期および第4四半期の実績として、過去10年で最悪』と評した」。

——Canalysは、シンガポール拠点の市場調査会社。今回のスマホの市場収縮の背景には複合的な要因がありそうだ。グローバルな景気動向ということが記事では書かれているが、オリジナルのリポートでは、中国の需要の厳しさが続いていることに言及がある。

The app economy slowed for the first time in 2022, with consumer spend down 2% to $167 billion
アプリに対する消費者の支出が、2021年に前年比19%の伸びを示した後、22年には初めて減少したことが明らかになった。モバイル分析会社のdata.ai(旧App Annie)による“アプリエコノミー”に関する年次リポートから。
Podcasters First Wanted Your Ears. Now They Want Your Eyes Too
かつては音声のみのフォーマットだったポッドキャストが、動画(特にYouTubeや有料ライブイベント)を優先して扱うハイブリッド配信モデルへと進化中。ユーザも半数が動画付きを好むとするなどポッドキャストをめぐる調査結果を米Morning Consultが公開。
ネット記事に信頼性付与、OP技術開発へ新聞社など11法人が組合
「安全なインターネット環境の実現に寄与するデジタル技術『オリジネーター・プロファイル(OP)』の実用化に向け、読売新聞社を含む新聞・メディア、アドテクノロジー(広告技術)会社など11法人は、技術研究組合を設立し、共同開発に乗り出す」。

——昨夏に報道されたプロジェクトが正式に発足の動き。コンテンツの信頼性を可視化しようという興味深い試み。
個人的にはW3Cにエントリーするなど世界標準化への道のりに期待する。

8 charts publishers need to see, from Reuters predictions for 2023 | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
先日来紹介をしているReuters Instituteによる「Journalism, media, and technology trends and predictions 2023」。膨大な調査から8つのポイントをチャートともにピックアプした記事。良い整理。いずれも重要だが、8番目「プラットフォームパワーの変化」は具体的で興味深い。
他には、「1. 2022年以降、成長への信頼度は44%に低下」「2. 68%がサブスクリプションの継続的な成長期待」「4. ニュース忌避への懸念をニュース担当役員の72%が考える」「5. AIによるレコメンデーションを67%のパブリッシャーが活用中」などが目につく。

2023 Edelman Trust Barometer
Edelmanが毎年更新している調査「Trust Barometer」。2023年版が公開(日本版は未公開)。例年、企業、国家、メディアに対する“信頼感”を30か国弱で調査。日本は、高年収・低年収層のいずれでも、信頼感において世界平均を大きく下回り、最下位に近い。
WSJスクープ | ユーチューブ、無料配信チャンネルの一括提供を試行
【有料購読者向け記事】:
「複数の関係者によれば、ユーチューブはこのハブへのテレビ番組と映画の提供を巡り娯楽企業と協議を進めており、少数のメディア提携先と試験的な運用を進めている。同サービスを年内にさらに大々的に立ち上げる可能性もある」。

——米メディア業界では、「FAST」と呼ばれるトレンドが注目を集めている。私の理解は、多くの動画コンテンツを保有するローカル放送局などがストリーミング配信できるよう仕組みを提供すると同時にそこに広告配信を行うサービスというものだ。
すでに、Rokuなどが手がけてきているが、大手YouTubeがそこに乗り出すという話題。

News aggregator SmartNews lays off 40% of US and China staff, with further reductions planned in Japan
【ご紹介】:
スマートニュースの人員削減策を、前週末、米TechCrunchが報じている。スマートニュースの“中のヒト”を卒業して何年も経つので、記事の詳細について判定できるわけではないが、私の知るUSの元同僚の多くが会社を去ったのは事実。彼らの将来に幸多かれと祈る。国内への影響はこれからだろう。

Disruption This Week—–23/12/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年12月20日から2022年12月23日まで。

ネトフリ広告付きプラン、普及まだ先
【有料購読者向け記事】:
「今回のデータが公表される数日前、ネットフリックスは広告付きプランの保証視聴回数を達成できず、その結果出稿されなかった広告分について、返金に応じていると業界誌ディジデイが報じていた」。

——すでにAntennaの調査などについて紹介したが、WSJも、Netflixの広告表示付き廉価版の試みに、否定的な報道。ただし、記事中にもあるが、まだ、滑り出し1か月の段階。今後の展開に引き続き注目すべき。

Porn, Piracy, Fraud: What Lurks Inside Google’s Black Box Ad Empire
「Googleは、広告販売パートナーの大方を秘匿する唯一の主要広告プラットフォームだ。つまり、Googleは広告を掲載するサイトやアプリ、その背後の人々や企業をすべて非公開としている」。
それにより驚くべき偽情報で荒稼ぎするサイトでの広告収入を、匿名のサイトオーナーと折半しているとする詳細な米ProPublicaの調査報道。
米Axios、記事「箇条書き」に活路 ネット系停滞と一線
【有料購読者向け記事】:
「アクシオスは、立ち上げ前に既存メディアの欠点を徹底的に分析し、記事が長すぎるとの結論に至ったという。忙しい読者が短時間で要点をつかめるように、記事は『スマート・ブレビティー(賢く、短く)』と呼ばれる箇条書き方式で提供する」。

——傾く老舗メディアに挑む新興メディア……という図式が揺らいだここ数年。新たな挑戦者はAxiosと見なす記事。ビジネスの仕方、稼ぎ方などに目が行き届いた新興メディアへ注目が集まる。

ByteDance Inquiry Finds Employees Obtained User Data of 2 Journalists
【有料購読者向け記事】:
TikTokおよびその親会社であるByteDanceの従業員らが、米ユーザのデータに不適切にアクセス、監視活動を行っていることはすでに報道されてきたが、今回、新たなに米ジャーナリストの個人データをTikTok従業員が漁っていた事案も内部調査から判明した。
メタバース・ビジネス新展開
25年前に亡くなった
伝説のラッパーが復活ライブ
【有料購読者向け記事】:
「(早逝したラップ・アーティストの)スモールズの超リアルなアバターは、見事な技術的偉業というだけのものではない。メタバース・プラットフォームが普及すればすぐに直面することになる、2つの大きな疑問に対する重要なテストでもある。その疑問とは、亡くなったアーティストのアバターのパフォーマンスを人々がお金を払って見るか、そして、そのビジネスは倫理的か、ということだ」。

——非在の人物をテクノロジーで甦らせる試みは、映画やこの種の芸術ステージ、そして親族と触れあっていたい私的な欲求などに応える産業となっていく可能性がある。この記事ではVRによる見た目の再現と新たな創造が軸だが、ChatGPTのような会話力の人工的な創造がここに組み合わされていくことになることは間違いない。その亡くなった人物の考えや声をAIが学習できれば、応用は広がっていく。

ワシントン・ポスト、SaaSで稼ぐ 2000媒体に基盤提供
【有料購読者向け記事】:
「会社は異なるがArc XPとアマゾンのクラウド部門、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)には共通点が多い。例えば顧客の声に耳を傾け、矢継ぎ早に機能を追加することだ。最近は記者がスマートフォンで撮影した動画をサイトで生中継できる機能など『21年は機能追加数が過去最多だった』(広報担当者)」。

——米Washington Postが自ら内製開発したCMS「arcXP」をめぐる奥平和行記者による充実した取材記事。ただし、同氏が知ってか知らずか、arcXPをめぐる同社の経営は揺らぎ、その戦略は転換を遂げているのだが。メディア企業がテクノロジー事業(企業)を胚胎し育て上げることの難しさが伝わる。期せずしてVox MediaもCMS「Chorus」のディスコンを決めたと報道されている。

Slow fade for Google and Meta's ad dominance
“デジタル広告複占時代”の衰退?
米調査会社Insider Intelligence、2022年の米デジタル広告収入の48.4%をGoogleとMetaの合計が占めると予測(Google28.8%、Meta19.6%)。2014年以来初めて5割を下回る。2017年のピーク時には、54.7%だった(Googleは34.7%、Metaは20.0%)。
5 themes that governed the news industry in 2022 | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
2022年、報道メディアをめぐる5つのトレンド。1) ジェネレーティブAI出現で制作自動化の動き、2) 印刷コスト増大でデジタル化進展、3) Web3、NFTが本格化、4) 改めて広告に頼るメディアも、5) “音声(ポッドキャスト)トレンド”加速
Finding new ways to reach news avoiders
ニュースをめぐるエコシステムは、“ニュース・ジャンキー(中毒者)”に向けて作り出されている。ニュースをよく読む人より、ニュースを大量摂取する人向けにビジネスが最適化されており、それがまたニュースメディアの首を絞め、“ニュース忌避”を呼んでいるとする貴重な論。
最近までCNNでアンカーをしていた筆者が、抜け出す方向性を示唆する。
2023年に最も注目すべきテクノロジーは、世界を変えうる技術革命「生成型AI」だ | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」
【有料購読者向け記事】:
「AIは計算負荷が高く、高価なデータセンターを必要とするため、政府や超大企業しか利用する余裕がない。しかし、AIにはストーリーがあり、実用性がある。それこそ、2021年と2022年に登場した技術(Web 3.0とメタバース)が提供しなかったものだ」。

——スコット・ギャロウェイ氏のお馴染みの論説。今年1年の間にも歴史に残るようなAI研究の成果が生み出されている状況を、的確に論じている。Web3トレンドより実用性が高く、その分、日社会に良い影響も悪い影響ももたらすだろうことを示唆している。
で、最大の難点は、大規模言語モデルの駆使は、ブロックチェーンのマイニング同様、設備集約、高エネルギー消費型の産業であること。むしろGAFAを生き延びさせる可能性が高いことかもしれない。

Disruption This Week—–16/12/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年12月12日から2022年12月16日まで。

An Alternate Reality: How Russia’s State TV Spins the Ukraine War
【有料購読者向け記事】:
米New York Times、ロシア最大の国営メディア企業「全ロシア国立テレビ・ラジオ会社(通称VGTRK)」から流出した膨大なデータからメール通信部分を分析。ウクライナ侵攻開始後のやり取りから、数々の情報工作(キャンペーン)の実態を明らかにした。
ユーチューバー、映像権売却で大金獲得
【有料購読者向け記事】:
「同氏(=ジャスティン・ワトキンス氏)はあるスタートアップ企業からの売り込みに驚いた。それは、同氏が制作した何千もの古い動画から得られる広告収入と引き換えに200万ドル(2億7000万円)以上を受け取らないかというものだった」。

——過去の投稿記事をめぐる権利を売却するような取引がYouTuberにも生じている。もちろん、このトレンドは音楽業界で起きており、ビッグネームが次々と過去の楽曲をめぐる権利を手放している。個人的にはこのスキームをより小型にして汎用化できないものかと考える。もちろん、それもまた今起きているトレンドだ。

Synthetic media forces us to understand how media gets made
「実在の人物がしてもいないことをしているリアルなシーンや、性的な女性の画像、あるいは戦争犯罪の偽画像の氾濫を簡単に偽造できるようにすることは、決して笑えない事態だ」。
“ジェネレーティブAI”が生み出す人工合成メディアの時代に備え、取り組む動きを紹介・論説する記事。
Twitterの「シャドウバン」の実態を暴露するイーロン・マスクお墨付き社内文書「Twitterファイル」第2弾が公開される
「Twitter Japanの公式アカウントが2020年に『Twitterがシャドウバンを行っていると指摘されますが、現在も過去にも行ったこともありません』と述べるなど、Twitterはシャドウバンの実施を否定しています。
そんなシャドウバンの実態を明かす『Twitterファイル』第2弾が、2022年12月9日に公開されました」。

——昨日から紹介しているTwitter社内で行われてきた恣意的な投稿検閲(党派的な偏りから投稿を排除するなどの行為)、“シャドーバン”について、第2弾の報道が米国で行われている。記事はそれを紹介したもの。興味深い事例が含まれている。

Will your paywall kill your website traffic (and ad revenue)? | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
従量型ペイウォール(たとえば、月々一定数の記事は無料とし、それ以上を有料とするような運用)を推進する筆者が、設計によってペイウォール化しても読者流入、広告収入などを激減させることはなく、むしろ向上させるケースがあるのだと論説する記事。
Bari Weiss reveals business plan for buzzy new media startup
Elon Musk氏がSubstack買収に関心を持つようになった背景? New York Timesコラムニストを辞め、Substackニューズレターで独立メディアを立ち上げたBari Weiss氏の話題。Musk氏提供の資料でTwitter内部における“影の検閲”体制を暴いたことから知名度急上昇だ。
Who will win digital advertising’s ‘Game of Thrones’?
米Insider Intelligenceアナリストらによる、2023年のデジタル広告市場予測。15年にはGoogleとMetaで8割近くを占めるという複占状況が相当程度崩れる。市場伸長のわずか15.8%を両社が占めるのみに。では成長株は…? チャートを見れば一目瞭然だ。
The traditional story structure gets deconstructed
「ニュースのテクノロジーは大きく変化しているが、今日の記事の基本構成は、例えば1932年のものと大きくは変わっていない」と指摘し、新興メディアのAxiosやSemaforなどについて触れ、今後のChatGPTなどとのインタラクションに可能性を見る論説。短いが刺激的だ。
How ChatGPT could disrupt the business of search
米Axiosが「ChatGPTがどう検索ビジネスをディスラプトするか」との論説。簡単な質問を文書で入力すると、ひとつのまとまった文章で回答を返してくれるChatGPT。あふれかえる候補群とリンクの束がかえってくるのとどちらが消費者にとって魅力的に見えるか? 答えは見えている。
BBC preparing to go online-only over next decade, says director general
英BBC会長Tim Davie氏、今後の10年間で放送を終了し、BBCがオンライン専業となるビジョンを呈示。
「やがて、リニア放送は減少し、よりカスタマイズされたオンラインサービスが提供されることになるだろう」「BBCを1つの提供物(アプリ)にまとめる」とも述べた。
実践ノウハウ公開!ニュースレターとポッドキャストで「個人メディア」 - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着です。個人メディアの運営にまつわるノウハウ、実践記をお届けします。ぜひご参考に。

Disruption This Week—–25/11/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年11月21日から2022年11月25日まで。

Knowing the news: How Gen Z and Millennials get information on essential topics
AP通信と米国報道協会が協力、米国16歳から40歳(Z世代・ミレニアル世代)がさまざまなテーマのニュースとどう接触しているのか多角的に調査したメディアインサイト・プロジェクト概要。「難しい(ハード)ニュース」「使える(役立つ)ニュース」などの分類が参考となりそうだ。
【コラム】ツイッターが日本で見い出した価値、イーロン・マスク氏は守れるか-ガロウド
「イーロン・マスク氏によるツイッター買収について議論はあるが、マスク氏には正しい点が少なくとも一つ存在する。ツイッターが『ニュースのオープンソース化のようなものだ』という認識だ…(日本では)ツイッターは情報共有や避難所探し、安否確認、危険時の救援要請のために利用された」。

——Twitterをめぐり情報の公共圏を考えるようなことも、日本ではずいぶん以前から語られてきた。いま、マスク氏によって思い出されるという皮肉。

コンテンツを自動生成するAIに「著作権」の課題、その命運を握るかもしれない集団訴訟の中身
「(GitHub)Copilotのライセンスでは、コードにはクレジットのような帰属の表示が義務づけられている。これに対して訴訟を起こしたプログラマーたちは、ライセンス下にあるオープンソースプログラムをCopilotが複製する際にGitHubが帰属を示しておらず、著作権を侵害していると主張している」。

——GitHub Copilotは、記事が解説するように、プログラマが書き始めたコードをAIが補完してプログラム全体を生成する“創造的なAI”の応用事例。Copilotはその利用にクレジットを求めるが、そもそもこの技術自体、膨大なプログラマらのオープンなコードを学習したことにより作り出された(とクレジットを明記もしていない)という不満や批判があり、これが集団訴訟に繋がっている。先に紹介したStable Difusionの事例と同様、ジェネレーティブAIが引き起こす社会的インパクトが広がろうとしている。

Stable Diffusion made copying artists and generating porn harder and users are mad
最もホットな分野、ジェネレーティブAIの代表格Stable Diffusionが新バージョン(Ver.2)がリリースされた。各種機能改善が図られたのは当然だが、話題はポルノ系の出力や特定アーティストのタッチ模倣が抑えられたことだ。これが一部マニアらの不満を呼んでいるとの記事。
Stable Diffusionが法令遵守や公序良俗問題にどう対処していくかは、今後のこの分野の発展を見通す上で重要だろう。
New product thinking resource for newsrooms has launched
報道系メディアで“プロダクト指向のメディア”を考える人々のコミュニティ「News Product Alliance」(NPA)は、メディア関係者向けに300以上のオープンな教材を集めたライブラリを公開したとする話題。
教材のテーマは、読者エンゲージメント、多様性と包括性、リーダーシップと人材管理、ビジネスモデルと収益化、製品設計、技術など多岐にわたる。Google News Initiative(GNI)の支援を受けたプロジェクトだ。
Media layoffs spike amid recession fears
調査会社Challenger, Gray & Christmas社調べでは、米メディア業界では今年10月までに3,000名がレイオフされ、それは今後も続くとされる。先ほど紹介したDisney以外にも、Warner Bros. Discovery、Paramount Global、Comcastなどでレイオフが進行中か計画されている。
記事は、2020年にも起きたが、その際は新型コロナ禍に見舞われたことで、政府の公的支援が潤沢にあった。現在、それはないとも記事は伝える。
AIが書いたコンテンツ、見分けるのはもはや至難
【有料購読者向け記事】:
「AIコンテンツサービスは大盛況だ。そのためコンテンツ制作者の生産性は向上している。だが同時に、自動生成コンテンツだと誰も気づかないものも作れるようになった。他の種類のAI生成コンテンツ(画像や動画、音声、合成されたカスタマーサービス係など)に関しても同じことが当てはまる」。

——私たち消費者が目にする(耳にする)コンテンツの多くにAI生成によるものが増えているとし、その事例を紹介する記事。実際、今日目にしたDisney内の異変を伝えた第一報は、Bloombergの「Automation」生成記事だった。

TikTokは中国の監視手段、米上院議員が超党派で相次いで警告
共和党のコットン上院議員:
「それは単にティックトックにアップロードされるコンテンツだけでなく、電話端末や他のアプリの全てのデータ、あらゆる個人情報、それに顔画像や目が端末のどこを見ているかの情報も含まれる」。

——広がる政治家によるTikTok排除論。妥協的なバイデン大統領のTikTok容認をめぐる政治的な動きという面もありそうだ。

The Future of Podcasting Isn’t Just Audio; Taylor Swift and MrBeast Break Records
【有料購読者向け記事】:
Lightspeed Venture Partnersのパートナー Michael Mignan氏、今後はビデオポッドキャストが動画サービスと境界をなくしていくとの予測を語る。ポッドキャストがSpotifyとAppleに支配されているのに対して、市場の多様性が期待されるとも述べる。
インテル、96%の精度でディープフェイクを検出する新技術「FakeCatcher」
「Intelのプレスリリースによると、FakeCatcherは「われわれを人間たらしめるもの、すなわち動画のピクセルに表示される『血流』を確認する」ことにより、ディープフェイクをリアルタイムで検出できるという」。

——「顔から血流のシグナルを収集し、アルゴリズム使って変換することで、動画が本物かディープフェイクかを判別できる」のだという。これがどの程度精細度の高い(低い)動画データで可能になるのかが知りたいところだが、重要なアプローチ。