Disruption This Week—–8/4/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年4月4日から2022年4月8日まで。

自分だけのオンライン書店を開設できる「BOOKSTORES.jp」をリリース 在庫持たずに必要な分だけ印刷・製本が可能
「簡単な情報入力と商品登録を行うことで、ノーコードで簡単にECサイトを開設なうえ、印刷可能なPDFデータを入稿すれば、受注・印刷製本・決済・発送までをワンストップで任せることができる。サイトへの登録料やシステム利用料など、初期費用や管理費用は0円。売れた分だけ印刷製本を行うPODのため、在庫保管費用などのランニングコストもかからず、コストをかけずに利用を開始することが可能だ」。

——引用箇所を読む限りにおいて、ある筆者が自己出版(KDPのような)をPOD(プリントオンデマンド)で出版し、自ら販売(EC)できる仕組みと読める。PODかどうか別として、自分だったら、もちろん自分の書物を売りたい気持ちと同じくらい、自分の選書で良書を合わせて販売し、アフィリエイト収入が得られる……というのが希望。キュレーション能力とプレゼンテーション能力のいずれもが求められ、難易度は高いが。

New York Times top editor says he wants newsroom to tweet less
米New York Timesの編集トップDean Baquet氏、同社編集者、記者らにTwitterなどSNSへの投稿を「有意義に減らす」よう指示。投稿が(過ぎれば)エコーチェンバーを引き起こし、ジャーナリズムに害を及ぼすとする。同社記者らがたびたびSNSで悶着に関わることも念頭にしての発言のようだ。
Bloomberg Looks To Subscription Revenue For The Stability That Advertising Can’t Provide | AdExchanger
近年購読者収入の拡大に成功しているBloomberg Media。3年半前に導入したペイウォールで37万人の購読者を獲得(10万人近くが2021年に)。同社は動的ペイウォールを採用。「そのユーザが最終的に購読するまでに、どれくらいの時間コンテンツを試したいかに基づき、ユーザごとに変化させている」と同社CDO(最高デジタル責任者)は語る。
Twitter、“編集ボタン”のテストを始めると正式ツイート
「Twitterでは一度ツイートすると、誤字脱字があっても修正できない。Twitterがこれまで一貫として編集機能の追加を否定してきたのは、ツイートが拡散されてから内容を大きく変えて悪用する可能性を懸念してのことだ」。

——イーロン・マスク氏による影響かどうかはさておき。個人的には有償サービスとしても欲しいと思っていた機能がようやく。引用にもあるように、その悪い影響も考えられるようだが、それはFacebook(では投稿後の編集機能がある)でも同じこと。修正履歴を表示すればいい。毎朝眠い目をこすりながら誤記の多い投稿をしてしまっている自分には期待の改修。

ユーザビリティの時代とUXの時代(1)
「ユーザビリティのなかでも、ノーマン(=D. A. ノーマン博士)が叫んだような『わかりにくさ』や『理解しにくさ』が高齢者にとって問題となっていたのは、せいぜい2010年頃までのことであり、それ以降の高齢者は『わかりにくさ』や『理解しにくさ』で困惑することは徐々に減ってきているのだと思う」。

——興味深い議論。ポイントは、ユーザビリティは機能上の欠如につながっていて、UXはその逆でプラスアルファの価値を形成すると読める点。高齢者にとってのユーザビリティ改善を主眼とする時代は終わったということ。

Plex wants to be the first TV app you open every day
複数のストリーミングサービスを横断するユニバーサル検索とユニバーサルウォッチリストに加え、Netflixやその他のサービスの新着作品を紹介し、そこから視聴できるという“夢のような”アプリ「Plex」が、すでに月間アクティブユーザ数1,300万人に到達とする記事。重要な背後の文脈としては、購読無料で広告付きの無数のストリーミングに対する“玄関(ポータル)”が必要とされるフェーズに市場が変化しているということ。
Substack makes a pitch for your podcasts
ニューズレター(メルマガ)配信のSubstackが、ポッドキャスト配信の取り組みを開始。Patreon(アーティストらの支援プラットフォーム)を通じて配信中だった3種のポッドキャストをSubstackがホストすると発表。同社は音声配信機能を開発中だった。
Substackがこの種の展開に成功するかどうかは分からないが、ポッドキャストでは、そのコンテンツをどうユーザに発見してもらうか(ディスカバリー)と、どう収益化するか(マネタイゼーション)が課題だった。これへの回答が今後は活性化しそうだ。
Linkedin news team grows in size to nearly 200 worldwide
ビジネスSNSのLinkedInが、編集系業務に携わる編集者を全世界80の業務で計200名近くを採用へ。LinkedInでは、メンバーによる投稿のチェック、ニューズレターの配信などを行っており、質の高い情報、議論を促す目的だとする。
Russia’s Bucha “Facts” Versus the Evidence - bellingcat
ウクライナの首都近郊ブチャで、ロシア軍が行ったとする民間人への虐殺行為を、OSint(オープンソース調査報道)活動を続けるBellingcatがデータを詳細に分析。屍体の位置と時間を確定し撤収後に(屍体を)配置との説、さらに「屍体が動いた」とする露側反論を、ビデオの解析を通じて完璧に論破したと、主宰者Eliot Higgins氏が解説する。
ゼロパーティデータ 、なぜいま バズワード となったのか?: Cookie 終焉を目前にブランドや小売業者の利用が加速 | DIGIDAY[日本版]
「ゼロパーティデータという用語は、2017年にフォレスター(Forrester)によって広く知られるようになったもので、顧客が購入を行う前に、まったく自発的に提供するデータを意味する。この用語は、eコマースブランドがサードパーティデータへの依存を減らそうと試みるにつれ、さらによく使われるようになった」。

——ユーザをめぐるプライバシーデータの追跡に対して、禁止や制限の動きが高まってきている。その大規模な収集と利用を可能にするサードパーティデータの活用が制限される一方、ユーザ自らが購読や購買体験を高めるために、自身のデータを提供する流れや手法に注目が集まってきている。

新しいGoogleアナリティクス「GA4」、変化とその価値 - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。メディア運営の実務に携わる方には必読。Googleアナリティクスのアップデート版「GA4」について、専門家が分かりやすくかつ詳細に解説します。

Disruption This Week—–1/4/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年3月29日から2022年4月1日まで。

アップル、リーダーアプリで「App Store」外部へのリンクを設置可能に
「リーダーアプリから開発者が所有または維持管理するウェブサイトへのリンクが可能となり、『ユーザーはアプリ外でアカウントの作成や管理ができるようになる』と伝えた。Appleがこれまで拒否してきた今回のApp Storeの新規則は、雑誌、新聞、書籍、オーディオ、音楽、ビデオを主要な機能として提供するアプリを対象に、世界で適用される」。

——アプリ開発者、コンテンツホルダにとっては朗報。App Storeによる“Apple税”を回避する道筋が生じる。もっとも、以前も書いたかもしれないが、ユーザ自身による“課金体験”はこれにより低下する可能性がある(あちこち画面遷移させられたりとステップ数が増えそう)。ユーザが気分良く支払えるポジティブなインフラ整備を行うことが長期的には重要だ。

Google is adding a “highly cited” label in Search results – TechCrunch
Google、検索結果上で、その記事が他から多く引用されていることを示す“高頻度引用”ラベルを表示すると発表。オリジナルな報道に優先度を与えることが主眼。また、話題が現在、急速に高まっているトピックスなどにもラベルを表示し、情報の確認を促すことにも取り組む。Webメディアと検索エンジンが台頭してからつとに指摘されてきた課題。
出版状況クロニクル167(2022年3月1日~3月31日) - 出版・読書メモランダム
「この表(コミックスの新刊点数推移)から歴然なのは雑誌扱いにしても、書籍扱いにしても、コミック新刊点数はいずれも四半世紀で2倍に及んでいることで、それは今世紀に入っての20年がコミックスの時代であったことを告げている」。

——ここで言及されているのは、「雑誌」コードにせよ「書籍」コードにしても、“出版”市場におけるデータの捕捉だ。これに昨今ブームとなっているウェブトゥーンのような流通(表現形式)の隆盛を加えてみるとどうなるのか。記事では、講談社の業績についても紹介されているが、現在潤っているコミックスのライツホルダーの地位がますます拡大するか、あるいは、別方向からディスラプトされてしまうのか。変曲点がきているような気がする。

Introducing the Experiments and Personalization Team | The New York Times Company
米New York Times、読者の行動履歴や閲覧傾向などデータを基にパーソナライズした編成を実験するべく、プロダクトおよび編集メンバーで組成した“Home“プロジェクトを発表。
「ホーム画面の一部をアルゴリズムでプログラミングし、パーソナライズすることで、読者が求めるストーリーを見つけやすくし、訪問するたびに新しいストーリーを発見できるようにする」と抱負を述べる。
個人情報保護法施行により、日本が世界一のCookielessマーケットになる可能性 - Exchangewire Japan
「iPhoneやその他のアップル製品が日本の消費者間で広く普及していることから、日本はすでにcookielessマーケットのトップに位置すると考えられます。
日本でのiOSとSafariの利用率は55%と非常に高くなっています。つまり、オープンウェブのユーザーの55%が従来の手段(cookie)を使って識別できないことを意味します」。

——iPhoneをはじめとするAppleの市場占有率の高い日本では、クッキーレス時代が深く進行とする記事。代替策が示されているわけではないが、代替技術の選択や試用に取り組むべしというマーケティングメッセージだ。

WhatsApp tops 7 billion daily voice messages – TechCrunch
メッセンジャーアプリのWhatsApp、同アプリで毎日70億通の音声メッセージが送信されていると発表。同アプリのユーザ数は世界で20億人以上。音声メッセージは自分の習慣にはないが、若い層を中心に音声検索が普及していることを考えると、今後伸び代がある分野だ。
2028年には3兆円市場の予測も──韓国発「ウェブトゥーン」はなぜ世界を席巻しているのか | DIAMOND SIGNAL
「ピッコマで公開された『俺だけレベルアップな件』が2020年5月に月間販売額2億円を突破した例もあり、『作品がヒットすれば月額数千万円規模を稼ぐことが可能』とあって、この領域はクリエイターからも注目され始めている」。

——スマホ時代の“リーディング体験”を創造した「ウェブトゥーン」。韓国発のトレンドながら日本のクリエイターらのパワー朋組み合わさり、国内での急成長はもちろん、世界市場を拓きつつある。、ビジネスモデルはプラットフォーマ+クリエイターの収入折半だが、多くはプラットフォームへ。その点が、今後の論議になるところなのだろう。

Spotify、音楽配信1位独走でも「4億ユーザー獲得してようやく黒字」のビジネスモデルに潜むリスク
【有料購読者向け記事】:
「なかなか黒字化できない要因の一つは、Spotifyのビジネスモデルでは、有料会員だけでなく無料会員が聴いた楽曲に対しても著作権使用料支払いが生じてしまうからです。
見方を変えると、4億人のユーザーを獲得してようやく利益が出るような、綱渡りのビジネスモデルといえます」。

——引用箇所に説明されているのが、Spotifyの最大のウィークポイント。同社はそもそも“無料で楽曲を好きなだけ聴ける”を初期の最大の成長力のエンジンにしてきた(代わりに広告で稼ぐ)。その意味ではトレードオフとも言える。はてさて、その転換の道はAppleと同様となるべきか。

Spotify puts its Podz acquisition to use with test of new podcast discovery feature – TechCrunch
ユーザがポッドキャストを“発見”するための仕組みを開発したPodzについては何度か紹介した。各ポッドキャスト作品を60秒のクリップに編集、TikTokなどのような縦スクロールフィードで提示する仕組みだ。同社を買収したSpotifyはこれの試験的な実装を開始したとする記事。
日本も「音楽ストリーミング」拡大期に入った。日本レコード協会のデータから読む音楽産業の現在地
「2005年から2021年までの音楽配信売り上げ。着メロ(青系)から着うたフル(オレンジ)にトレンドが変わり、さらにその落ち込みをストリーミング(緑)がカバーし始めたのがわかる」。

——ジャーナリストの西田宗千佳氏が発表された「日本のレコード産業2022」に加えて、過去ガラケー時代の資料を独自に取り込んだ資料を作成。すると日本では、ストリミーングで創りだされたピークと同等のピークを、過去、「着メロ」「着うた」が創っていたことがわかった。当時から続く右肩下がりをようやく回復した段階と言える。

JIMA : Internet Media Awards 2022 受賞作品発表
【ご紹介】:
私も参加するJIMA(インターネットメディア協会)が開催した「Internet Media Awards 2022」(2021年に発表、評価された優れた作品や活動の顕彰)のグランプリおよび各部門賞が発表されました。受賞された皆様おめでとうございます! これを機にどんな優れた作品があったのか、ご確認下さい。
ご協力いただいた多くの皆様に感謝します。

Disruption This Week—–25/3/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年3月22日から2022年3月25日まで。

【解説】4月に法改正、なぜ「個人情報保護法」は重要なのか?
【有料購読者向け記事】:
「(改正個人情報保護法の)変更点のなかでも、特に影響が大きいのは、以下の3点だとIT分野に強い三浦法律事務所の尾西祥平弁護士は指摘する。
①『仮名加工情報』の新設
②『個人関連情報』の新設
③『不適正な方法による個人情報の利用』の禁止」

——国内外の情勢から、国内法の改正ポイントまでよく整理された記事。

Google、アプリ外部決済容認へ Spotifyが世界各地で
「グーグルとスポティファイが23日に発表した。グーグルはアプリ配信サービス『グーグルプレー』で試験的なプログラムを立ち上げ、消費者が同社の決済システムと外部のシステムを比較して選べるようにする。第1弾としてスポティファイと組み、同社が年内にアプリを改修する。サービスの料金が安くなる可能性がある」。

——Apple、そしてGoogleのアプリストアでの独占的地位に対する各国の目が厳しくなっている。これまで非大手アプリ開発者からの徴収率を下げるなどのポーズを採ってきたが、より一段対応をすることになったようだ。
ポイントは「(ユーザにとり)サービスの料金が安くなる」のか?(その理由は?)と、Appleが同様の措置をとるのか? ということだ。

【POD特集】対談 紙とデジタル、ブロックチェーンをつなぐプラットフォームとして期待 - 文化通信デジタル
岡本幸憲代氏:
「たとえば既存の出版ビジネスのやり方だけだと縮小していても、新しいフォーマットで提供すると市場が拡大することがある。PODをやればとりこめるとか、また、グローバルに広げたり、業際的に広げたりすればとりこめる市場がたくさん見えるようになっている」。

——POD(オンデマンド印刷)の市場性とその進化の行方をめぐる刺激的な議論。IP(コンテンツ資産)のデジタルを介した有効利用へとつながる道筋を、理屈だけなく実践している人々の議論として有益。

BuzzFeed investors have pushed CEO Jonah Peretti to shut down entire newsroom, sources say
米BuzzFeedが、2021年通期および第4四半期業績を開示。同時に、赤字とされてきた報道部門BuzzFeed Newsの「黒字化のための施策」を発表。これには過去のHuffPost買収と同様、編集スタッフ30名(100名中)の依願退職などが含まれるとの情報がある。
決算内容は、通期売上が前年同期比24%増の約4億ドル。また、純利益は同比倍増の約2,600万ドルだった。
見かけ上悪い数字ではないが、買収等の一時的寄与があったかもしれない。主要株主からは不採算部門(BuzzFeed News)の閉鎖を求める声が高まっていたとも記事は報じている。
Discord(ディスコード)の始め方──初心者のためのWIREDガイド
【全文閲読には要購読】:
「ボイスチャンネルは通常、チャンネルパネルの下の方にある(見えない場合はスクロールしよう)。ボイスチャンネルには小さなスピーカーのアイコンがついている。ただし! これらのボイスチャンネルをクリックまたはタップすると即座にボイスチャットに接続されるので注意しよう」。

——趣味、嗜好が近い人々が和気あいあいとコミュニケーションできるDiscord。それ自体で巨大なコミュニケーションメディアとも言えるが、同時に副次的にコミュニティを組織していきたい場合にも使える。これからメディアでの活用が進むだろうDiscordを知るための良いテキスト。

How the FT got to 1M digital subscribers: Q&A with commercial chief Jon Slade
デジタル購読者が100万人に達し、総収入の約半分がデジタル購読で構成される英Financial Times。そのペイウォール路線成功の秘密とこれからを、同社CMOが語る記事。
成功への近道は、全社の各部門の行動に影響を与える共通の目標を持つこと。同社はそれを「読者エンゲージメント」とし、スコア化した。
「私たちは6年前に、読者のエンゲージメントを測定する非常に具体的な方法を確立した。消費されたコンテンツの頻度、頻度、量の組み合わせだ。その結果、スコアが加算される。購読者一人ひとりに、個別のエンゲージメント・スコアが設定されている」のだという。
TV, merchant media and the unbundling of advertising — Benedict Evans
投資家Benedict Evans氏の射程の深い論考。
TVは有料ケーブル購読者数を1/3にまで減らした。一方、ストリーミング市場は新たにターゲティング可能な無料ストリーミング市場を拡大。そしてAmazonはすでにYouTube以上の広告事業者へと成長中。これらはこれまでのマーケティング概念の変貌を意味することに。
Overlays: How journalists can avoid amplifying misinformation in their stories
さまざまな誤報を指摘する際、そのリンクやビジュアルをそのままに扱えば、かえって誤報を広げてしまう結果となる。誤報を指摘する際に、いかにして不用意な拡散効果を生じないように行うか。First Draftがそのための技法である「オーバーレイ」をジャーナリスト向けに解説した記事。
Cord cutting is sending TV networks to the cloud
少数によるレッドオーシャン化が進む動画配信(ストリーミング)市場で顕著となってきた、新たな破壊的なトレンド。それは広告表示ありの無料ストリーミング。そこで放送局がもつコンテンツ資産を簡単にストリーミング化するB2Bの新興クラウドサービスが立ち上がりつつあるとする記事。
ツイッター、スペースの聴きどころ30秒を共有するクリッピングツールをiOSで限定テスト中 | TechCrunch Japan
「iOS版の一部のホストは、録音したスペースから30秒間のオーディオを切り取って、Twitter上で他のユーザーと共有することができるようになった。iOSのすべてのユーザーは現在、タイムライン上でクリップを見たり聴いたりすることができ、Androidとウェブ版のユーザーは、まもなくアクセスできるようになる」。

——徐々に知名度(利用)が広がるTwitterのオーディオ機能「スペース」についての取り組み。音声コンテンツにはさまざまな効能があるが、弱点にその一覧性が低く、多くの人々へ魅力ある個店津を知らせる機能に欠けること。その一部を簡単に切り出して他人に共有できるとなると、その悩み解消に向けて前進するはず。

「ロシア機がキエフ上空で編隊飛行」ウソ情報、男性は「条件反射的にリツイート」 : 国際 : ニュース
【ご紹介】:
私が参加するファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)では、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐる真偽不明な情報を収集し検証した情報の告知を行っています。

Disruption This Week—–18/3/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年3月12日から2022年3月18日まで。

Spotify job ads calling for Web3 expertise hint at the streaming giant's NFT ambitions
音楽ストリーミングとポッドキャストのSpotify、Web3に向けて採用意欲。同社が求人広告で少数ながらNFTをはじめとするWeb3関連のシニアマネージャ職の採用に乗り出したことが判明。
How WordPress and Tumblr are keeping the internet weird
Web2.0世代ながら、大手SNSのような集権化に抗し断固として分散型企業を推進するAutomattic社。CEOのMatt Mullenweg氏に率いられた同社は、全世界のWebサイトCMSのやがて8割を支えると見られるWordPressなどを運営する。ユニークなCEOの戦略を聞く長尺インタビュー。CEOいわく、同社は「デジタルのバークシャーハザウェイ(ウォーレン・バフェット率いる投資会社)」だとする点、世界95か国に従業員を分散的に雇用していることなど、テックより独特の組織論に惹かれる記事だ。
ウクライナ侵攻巡るフェイク情報、国が分析強化 国家関与なら警告表示
「家の関与が疑われる偽情報については政府が注意喚起や警告表示をできるようにすることや、安全保障の観点から国として偽情報を分析する仕組みを構築することを『検討すべきだ』とした」。

——現状認識については首肯できる点が多いが、国が偽情報対策をリードすべきというコンセプトに関しては、注意したい。社会全体で取り組むことは必要だが、かの国で起きているのは、国が国営メディアを駆使してプロパガンダしている事実も忘れてはならない。「ベリングキャット」の成果を引き合いに出しているが、これ、国が取り組んだこと?

豪のスタートアップ企業Linktreeが13億ドルもの評価で大型資金調達。同社の「Link-in-bio」はいわば“クリエイターの名刺”サービスだ。各プラットフォームに散在する作品や投稿をまとめてリンクする。物販のShopifyとも連携できる。クリエイターエコノミー時代の産物といえる。
ロシア「報道の壁」に立ち向かう市民、ネット広告も駆使
「ロンドン在住のマーケティング・コミュニケーションの専門家であるロブ・ブラッキーは、ウクライナ紛争に関して、ロシア人読者を独立系ロシア語ニュースサイトへと誘導するターゲティング広告を配信するために、クラウドファンディングで資金を集めている」。

——ロシア国内の人々に、西側で共有されている報道をなんとか送り込もうとする努力が数々行われている。すでに紹介したように、短波放送など古典的な手法から、SMSを使ってランダムにショートメッセージを送る、放送システムをハッキングする、ロシア国内のIPからアクセスを強制的にリダイレクトする…など。さらに、ここで紹介されているのは、ターゲティング広告の仕組みを使ってメッセージを表示することなど。こう考えると、西側の巨大プラットフォーマは単にロシア国内での活動を停止すればいいというわけでもない。

Streaming boom propels movie industry's pandemic recovery
世界映画著作権協会(MPA)によると、動画配信(ストリミーング)の成長と劇場映画市場の回復で、2021年のデジタルおよび劇場用映画の市場は、新型コロナ前の規模をついに上回る約997億ドルに達した。とりわけデジタルは市場全体の7割強へと躍進した。分かりやすいチャートが記事中に示されている。

PIVOTが経済コンテンツ・アプリを始動、記事連載と映像番組一挙100コンテンツ配信開始

プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES

PIVOTが経済コンテンツ・アプリを始動、記事連載と映像番組一挙100コンテンツ配信開始
「当初3月1日に予定していたローンチを延ばし、約2週間かけて世界中の知性15名にインタビューを実施。各分野の専門家と、歴史的な出来事を深く読み解きながら、世界や日本の未来への示唆を導き出します」。

——新しいタイプのビジネスメディア「PIVOT」が誕生。動画、テキスト両面で新分野を狙う。まずはそのテーストを味わいながら、今後はユーザに対してどのようにコンテンツの発見を促していくのか、その届け方にも関心。

Two years of information chaos
「misinformation(誤報)」と「disinformation(偽情報)」をめぐるTwitter上の投稿を分析してきた米SNS分析企業のZignal Labs、2019年からの推移を整理。現在は、ロシア侵攻をめぐり2020年大統領選時に迫る広がりとなっている。
【解説】ツイッターが目指す「分散型SNS」とは何か
【有料購読者向け記事】:
「同社は現在、SNSにオープンプロトコルを構築するための独立したプロジェクトに資金を提供している。さらに、ツイッター上で暗号通貨を利用可能にし、開発者がカスタム機能を構築できるようにもしている」。

——10年も前に、Twitter社内にはその仕組みをオープンプロトコル化しようという構想が存在していたという。そしていま、そのプロジェクトが息を吹きかえしているのだとするNew York Timesmによる刺激的なリポート。うまく実装が進めば、ユーザはアルゴリズムによるお仕着せのものでない表示を、選択したりもできるようになる。

「会員制」が雑誌の生存戦略に
【有料購読者向け記事】:
「17年から(生活情報誌「ハルメク」)編集長の山岡朝子氏は『定期購読制の強みは会員と直接つながれること。ニーズを詳しく把握できる』という。同年以来、月間販売部数は約3倍に伸びた」。

——「毎月1000人の読者に記事の閲読や評価に関するアンケートを実施。結果は年齢別・購読歴別などで分析され、記事の企画に生かす」というのだ。記事ではこの「ハルメク」だけでなく、「子供の科学」や文芸誌「メフィスト」などを紹介する。

コマースでメディアの可能性を拓く——「ポストCookie時代」のメディア① - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。ポスト・クッキー時代、メディアビジネスはどう事業を広げていくか。メディアジーンおよびクラシコムのキーパーソンお二人に取材しました。
ハックされる民主主義
【ご紹介】:
共同執筆した書籍が発売されました。書店などで手にとっていただければ嬉しいです。

監査法人トーマツに自己粉飾疑惑 - 監査法人トーマツに自己粉飾疑惑
【ご紹介】:
「デロイトグループの監査法人トーマツは、3000社を超える企業を顧客に持つ4大監査法人の一つだ。監査すべき立場の法人が、自己の決算で粉飾した疑惑があるという」。山口義正記者とSlowNewsによるスクープが掲載されました。

Disruption This Week—–11/3/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年3月7日から2022年3月11日まで。

New study points to publisher priorities for revenue growth | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
英デジタル出版社協会(AOP)、2022年実施の調査を公表。回答の半数以上が、今後3年間の収益拡大面での最重点分野にサブスクリプションをあげる。その他の重要な優先事項として、リードジェネレーション、オーディオ、eコマースなどがあげられている。
Twitter Spaces for publishers: Pros and cons of audio platform
FT、Telegraph、Bloombergをはじめとする大手メディアでも利用が広がっている「Twitterスペース」。メディアの利用にとっての利点・欠点を整理する記事。利点はコミュニティ化、購読者獲得などに効く。欠点は「将来性が不明確」や分析機能の欠如などがあげられている。
TikTok launches a music distribution platform, SoundOn – TechCrunch
TikTok、音楽アーティスト向けに楽曲(とその動画の)配信およびその分析管理ツール「SoundOn」を発表。いまやヒット曲の重要な発信源でもあるTikTokはもちろん、Apple Music、Spotify、Pandoraその他メジャープラットフォームに投稿でき、ライツはアーティストに留保される。
動画広告、初めて5,000億円を突破/電通グループ4社が「2021年日本の広告費」の詳細分析を発表
先日、第一報が出た電通調べの日本の広告費。今回は、詳細分析版が発表され、特にインターネット関連広告の詳細データが発表された。以下は、そのポイント。
・ビデオ(動画)広告費は2021年初めて5,000億円を突破
・ソーシャル広告費、インターネット広告媒体費全体の3分の1に
・2022年のインターネット広告媒体費は前年比115.0%の2兆4,811億円まで成長見込み
・運用型広告は、1兆8,382億円、前年比126.3%と高い成長率を維持
Amazon launches a ‘live radio’ app, Amp, which lets you play DJ with music and call-ins – TechCrunch
米Amazon、ライブラジオ機能「Amp」を提供へ。番組タイトルを決め、プレイリストを作成しすればユーザは音楽番組をストリーミングできる。もちろん、DJ的機能も用意され、自身のおしゃべりを挿入できる。単なるポッドキャスト制作ツールではないようだ。お気に入りの楽曲についてだったら、いくらでもおしゃべりできるという人は多いだろうから良さそう。
「 パーソナライゼーション2.0 」は、いかに実現すべきか?:属性ではなく、興味・関心を | DIGIDAY[日本版]
「そもそもパーソナライゼーションに属性情報は本当に必要なのでしょうか。実際のところ、性別、年齢、住所といった属性情報を収集し、顧客の解像度を上げたところで、コミュニケーションの次の打ち手を考えるうえでは、あまり参考にならないのが実情です」。

——“顧客体験”をめぐるオピニオンから出てきている発言だが、依り広い分野でのパーソナリゼーションについて当てはまりそう。
実際のところ、紋切り型のパーソナリゼーション=個人情報収集=悪という論調がマスメディア中心にまん延しているが、もう一段深く考えたいところだ。

My Wife Tracked Me, for Journalism
米New York Timesの記者夫婦が、ジャーナリストを極秘裏に追跡し行動を監視する手法を、入手可能なIT機器を使って実践。夫婦それぞれがその“戦果”をリポート。
ここで紹介するのは追跡された夫による記事。発見は、どこにいるかの探索は容易だが、何をしているかを把握するのは困難だったこと。ただし、これにスマホの盗聴ツールが加われば、状況は異なりそうだ。
Axios Wants Us to Read Everything in Bullet Points
独創的なジャーナリズムのスタイルを築く米Axios。“スマートな簡潔さ”を売りに記事を極力短文化する一方、ニューズレターを整備し、米30州以上のローカル版を揃える。また、企業にもこのフォーマットを活用した社内メディアシステムを売り込む動きを見せると概観する記事。Axiosの簡潔さを紹介するNew York Timesのこの記事は長文なところが対照的で、笑わせる。
Epic Games、音楽配信・販売のBandcampを買収
「Bandcampは2008年創業のカリフォルニア州オークランドに拠点を置く音楽配信・販売企業。アーティストがプラットフォーム上で自分のショップを開き、音楽だけでなくグッズなども販売できる。…創業以来の『アーティストやレーベルへの支払いは10億ドルに迫っている』」。

——少し以前のニュースだが。オンラインゲームのフォートナイトが「なぜ、音楽販売のBandcampを?」という話題だが、“クリエイターエコノミー”の文脈で見ると納得感が生まれてくる。

Disney+、2022年後半に広告付きの低価格サブスクを導入 | TechCrunch Japan
「Disney+へのアクセスをより低価格でより多くの視聴者に拡大することは、消費者、広告主、そして我々のストーリーテラーのすべてにとって利益となります」。

——短期間に猛スピードでストリーミング市場での地位を築いたDisney+だが、伝えてきたように、もろもろ手練手管を駆使しないと成長を続けられないところまできたようだ。インドをはじめとするいくつかの市場では低価格帯商品がないと成長を続けられないし、米国内でもバンドル製品や広告付き商材の投入が必要になった。

五輪視聴、VRの向き不向き(写真=ロイター)
【ご紹介】:
日経MJ紙への連載が、日経電子版に転載されました。よろしければどうぞ。
ウクライナ – FactCheck Navi
【ご紹介】:
私も参加しているファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)では、ロシアによるウクライナ侵攻関連での誤/ニセ情報のファクトチェックを推進しています。ぜひ参照して下さい。
書評:「グラフの父」の栄光と挫折 ——『データ視覚化の人類史』 - Media × Tech
【ご紹介】:
私たちが編集する「Media×Tech」に新着記事です。今回は東洋経済オンライン「新型コロナウイルス国内感染の状況」の開発などで知られる荻原和樹さんによる『データ視覚化の人類史』の書評です。