Disruption This Week—–31/7/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年7月27日から2020年7月31日まで。

 

 

ユーザ(読者)の利用体験に着目し、アプリの訪問頻度などの利用習慣を4割改善。英Financial Timesの「プロダクトとテクノロジー」担当者が実践した改善を、3つのポイントで紹介するブログポスト。コンテンツの改良ではなく、ナビゲーションなどの利用体験に焦点を当てた論だ。

 

 

「アーティストが音楽ライブや演劇などを主にステージ上で演じ、ライブ配信で提供されるコンテンツを、デジタルライブエンターテインメントと定義。その市場規模を推計・予測したもの。2020年の市場規模は140億円に達する見通しとなり、2021年には前年比約2.2倍となる314億円に急拡大と予測している」。

——自分が最近感じているメディアとエンターテインメント業界の大きなトレンド。それが(パフォーマンスやアクション、競技などの)デジタルライブ化だ。ライブならではの体験を、デジタル化することで、安全はもちろん、コスト低減効果でニッチ分野が主役になり得ると見る。

 

 

「1兆語から成るきわめて巨大な例文集を元に、1750億種類の変数を持つ『言語モデル』に言葉と言葉の関連の度合いを記憶させておく。この『言語モデル』に対して『数種類の実例と課題文』を与えると、それらしい文章を出力する。これがGPT-3の動作だ」。

——テック関連の人々にとって話題騒然の「GPT-3」。ライターの星暁雄さんが、分かりやすく解説。現在のAIテクノロジーの急激な進化の理由についても、理解が得られるだろう。

 

 

「Google検索の検索結果トップは、Googleだった!」。
テクノロジー企業を中心に調査報道を行う米The Markupが1万5,000以上の人気検索語の検索結果を調査。その結果は、41%で自社製品をトップページやダイレクトアンサーに掲載しているとする。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「ニュースレターのサブスクリプションを手がけるパブリッシャーのリーダーたちは、既存サブスクライバーによる『口コミ』と『ブランドアドボカシー』こそが、良質な新規サブスクライバーの獲得にもっとも重要な要素だと話す。多くの場合、参加者がニュースレターのサブスクライバー基盤に与えた影響の大きさを、ゲーム感覚でトラッキングできる紹介プログラムは、こうした参加者が持つサブスクライバーとしての価値を、ほかの読者のそれよりも高いものにするという」。——記事では、上記のような結論(とはいえ、口コミ手法がすべてうまくいくわけでないと断るが)から、読者からの「紹介プログラム」について解説をしている。「Morning Brew」のある意味で原始的だが、効果のある紹介プログラムについては、過去私の投稿で紹介している。

 

 

米国ではポッドキャストが大人気で、マイクなど録音機器が売れているが、ポッドキャスト専用の編集ソフトウェアも登場している。「Descript」は、無料版から各種購読オプションをラインナップ。AIによる音声合成やオーバーダビング機能まで提供する。さながら音声版「フォトショ」のようだ。

 

 

「出版科学研究所のまとめによりますと、ことし1月から6月にかけての紙の出版物と電子出版の売り上げの合計は、推計で、前の年の同じ時期より202億円、率にして2.6%多い7,945億円となりました。
このうち電子出版は前の年の同じ時期を28.4%上回る大幅な伸びとなっていて…」。——改めて今年前半を振り返っても、電子版(電子版コミック)へのトレンドが、パンデミックで加速されたことが見えてくる。

 

 

次期iOS(14)は、iPhoneでWebサービスやアプリによるユーザのセキュリティ侵害に対して一段と厳しい仕組みを実装。そのベータ版の段階から、次々と素行の悪いアプリを暴いている。今度は、米Vergeが、Instagramが使われていない際にもiPhoneのカメラにアクセスすると指摘。その親会社Facebookは、これをバグだとし、対処中と返答した。

 

 

「まず最初に、森をひとりで散歩する際にぴったりの曲がかかる。新古典主義の心踊るようなメロディーだが、シェパードがスマートフォンを左に動かすと、ジャイロスコープがこれに反応して調子ががらりと変わった」。

——先日、Appleのウェアラブル製品群の連携について記事を書いたところだが、この記事のLifeScoreに“立体音響”が加わるとどんなことが起きるだろうか? 楽しみ(と自分は思う)な分野。

 

 

何度か紹介している米メルマガ「Morning Brew」。いまや45名の従業員を擁し、20年度には年商2,000万ドルに達する(!)と、CEOのAlex Liebermanは語る。インタビューワもまた、AdWeekを解雇され、一念発起、Substackを使ってメルマガビジネスを開始したJosh Sternberg氏だ。

Disruption This Week—–24/7/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年7月20日から2020年7月24日まで。

 

 

【有料購読者向け記事】:
米The InformationのCEO、早くもNew York Times次期CEOに指名されたMeredith Kopit Levien氏にインタビュー。
NYT次期CEOのビジョンとは、ジャーナリズムに投資するのは当然として、同時に、同社を世界最高クラスのテック企業とすることと述べる。音楽やゲームをしながらニュースを消費できるようにするというものだ。

 

 

「この記事で最も注目すべきところはラインで区切られた部分より下、『Now for the fun part』以降にあります。ここでマヌエル氏は上記記事の本文部分が自分の書いたものではなく、GPT-3が書いたものであることを明かしています」。

——ここのところテック界を騒がせているGPT-3。その出現のインパクトに、メディア業界が騒がないのはなぜだろう?

 

 

「広告大手のWPPが、世界中に数万人いる社員に対し、ちょっと変わった企業研修ヴィデオを送付した。AIの基本的なコンセプトを説明する映像なのだが、プレゼンターはヴィデオを観る社員たち一人ひとりの名前を呼び、それぞれの言語で話している」。

——ディープフェイクの事例と呼ぶことがここで重要なのではない。このような仕組みが、どれだけコスト的にも、そして精度が高まれば、どれくらい一人ひとりに親密な影響を与えられるか、次のメディアの可能性としても大きなインパクトを海だそうだ。

 

 

Spotify、動画ポッドキャストを発表。世界中で利用可能になる。当初は、無料ユーザーと有料版ユーザのいずれも、厳選されたクリエイターのポッドキャストで実施される。動画版と音声版を使い分けることもできるという。音声ストリーミングと動画のそれとの境界が消失する?

 

 

「仕様を認識しているか否かを問わず、リツイートした人の行為が著作者人格権侵害の主体であること」「リツイート時に著作者名を追記しなかった」「リツイートした画像をクリックすれば署名などが表示されるが、Twitterの利用者が必ずしもクリックして閲覧するわけではなく、リツイートした人が著作者名を表示したことにはならない」。

——これは知財高裁の判決上の指摘だが、最高裁でもおおむね同様の指摘のようだ。Twitterの仕様では画像は“サムネール”であり、リンクから著作権を明示したオリジナルに到達することができるわけだが、そのような行為(リンクバック)を誰もがするわけではないと解釈。

 

 

「CMP(Consent Management Platform/同意管理プラットフォーム)とは、訪問者の利用目的ごとにユーザー本人の同意を取得・管理することができるツールです。言い変えると、『同意していないユーザーのデータを”保持しない”ための機能』でもあります」。

——言わずもがなのことだが、従来、サービスを利用したいがために、過度な許諾をWebやアプリのサービスに与えすぎ、結果として個人をめぐるデータが過度に利用されるという“社会問題”があった。また、分散的に取得されたデータが統合されることで、個人データがまるごと掌握されるような意図せぬ事態も生じてきた。これを管理するためのツールがCMP。だが、CMPを提供・運用するのがプラットフォーマに占有されてはいけない(なんとかサンドボックス)。これからの大きなテーマだ。

 

 

米Fox Sportsは、ライブスポーツへの希求が高まる中、テクノロジーで視聴者の欲求を満たす取り組みを続けている(先日も紹介した)。この記事では、MLBのゲームを中継するアプリを開発。Tinderのような左右スワイプを取り入れ、直観的な操作で試合情報を得られようにと工夫しているという。この分野は、いろいろとやれること・やるべきことが多そうだ。

 

 

WNPが、欧州メディアにアンケート調査を実施中。(途中経過の)その結果、メディアの7割が新たな収益源を模索している。記事が注目するのは、リードジェネレーション型広告の一種で「コンテンツ・ツー・キャプチャー」と呼ぶ手法。一般的なリードジェン型に比し3割CPCが高いという。

 

 

米地方紙Salt Lake Tribuneが営利事業を非営利化する選択して1年。その間、寄付基金も設置した。その後、同メディアと基金は、個人から3,000件以上の寄付を受け付け、入金も好調だ。メディアへのアクセスと購読は伸びたがパンデミックの影響も大きく、今後は不確定とする。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「ニュースレターのサブスクライバー数は3000人超。そのなかの400人以上が、ボーナスコンテンツの『フライデーQ&A(Friday Q&A)』読むために、月額5ドル(約534円)、または年額30ドル(約3211円)の有料会員になっている。このSubstackでの収入は現在、いまやケネディ氏の支えになっているという。現に業界では、いまやSubstackは『生活費を稼げるレギュラーの仕事』を意味する、フリーランサー用語になっている」。——上記は、あるフード関連ライターが、自身の志向を反映できるパーソナルメディアとしてニューズレターを創刊、その後、誤って有料化ボタンを押してしまったところ、続々読者からのチップが入ってきた……という部分。面白いエピソード。

 

 

【ご紹介】:日経MJ紙への月いち連載が、日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ アップル、スマホの次はウエアラブル 立体音響技術でARに布石

Disruption This Week—–5/6/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年6月1日から2020年6月5日まで。

 

 

「『ソーシャルメディアは”真実の裁定者”になるべきでない』とするザッカーバーグ氏。『”真実の裁定者”などではない。選挙に関する不正確な情報を指摘していく』と述べるドーシー氏。
問題コンテンツへの対応は、2社だけの課題ではない」。——とても重要な事象について、平和博さんが状況を整理。

 

 

「筆者は仕事柄、講演会やトークイベントの運営をサポートする機会が多い。その試行錯誤の中で見えてきた、初心者に使いやすいツールや手法を、いくつか比較して紹介する」。

——何回かこの比較記事を紹介してきた。今回はいよいよ「完全版」らしく、実践的かつ痒いところに手が届く内容。

 

 

米ニュースメディアの間では、パンデミックの脅威に際し、読者に質問を募り、メディアから回答する“読者フィードバック型”記事スタイルへの模索が広がる。不安や疑問の募る時期、読者とのエンゲージメントを高めるトレンドとして事例を紹介する記事。

 

 

独自のスタンスから、長く購読者制を採用せずにきた英The Guardian。その一方で、読者に“登録制”を求める施策を強化中。同メディア最高技術責任者との会話では、テストを通じてグロースポイントを発見したとし、登録制の“壁”を強化する動きが加速していると記事は述べる。

 

 

「例えば、ある部分ではメンバーのことを考え、ある部分ではオーディエンスのことを考え、ある部分では顧客のことを考え、プロダクトデザイナーやエンジニアはユーザーのことを話していました。言葉が違っていても、みんな同じ人のことを言っているのです」。

——米Wall Street Journalで、最高ニュース戦略担当兼最高プロダクトおよびテクノロジー担当者に着任したLouise Story氏に聞く記事。同氏はWSJで進行中のデジタル改革「DXS」を統括する。

 

 

「業界で人気かつ評判も高いものといえば、Blue microphones(ブルーマイクロホンズ)のマイクでしょう。たとえば、130ドル(約1万4000円)のYeti(イエティ)や、100ドル(約1万800円)のYeti Nano(イエティナノ)。空いているUSBポートに直接プスッと差し込んで使えるもので、なかなかの音質が得られます」。

——Zoomのメディア化が進んだが、並行してポッドキャストもブレークすべきでは? Zoomのような会話型でなく、勝手なことをしながら“あの人のあの話題”を聴きたいというのには、ニーズがある。Zoomでカメラ、マイク、証明などに凝るより、安価に始められそう。

 

 

「Microsoftが、同社MSNニュースのために雇用していた数十人の編集スタッフと契約を更新せず、AIにそれらの業務を代行させることが明らかになった。…AIを用いたコンテンツの取捨選択のアルゴリズムにめどが立ったことで、編集スタッフの契約終了に踏み切ったとみられる」。

——高度に人間的な業務であるはずの編集職を、AIによって置き換えられた事例と言うべきか。

 

 

「ヤフーは6月1日、『Yahoo!ニュース』コメント欄の健全化に向けて使用しているAIを、外部の事業者に提供する方針を明らかにした。ヤフーでは現在、深層学習を用いた自然言語処理モデルによって、個人への誹謗中傷などの悪質なコメントを検知し、1日に平均で約2万件を削除している」。

——重要な動き。ファクトチェックもそうだが、社会に共通して生じている課題を、各社内だけに閉じられた対策を実施するのは、損失。各社は責任をもって対策を実施すべきだが、それを社会の動きにも開いていくことが望まれる。

 

 

Facebookのターゲティング広告を活用して、自社メディアの購読者を獲得する手法の解説。汎用性の高いマーケティングファネルを用いた概念説明で理解しやすい。ポイントは、自社メディアへの見込み購読者と新規来訪者を効率的に選別する、“(ファネルの)入り口”部分の設計だ。

 

 

「TRCの電子図書館サービスは全国276館に導入されているようだが、3月期の貸出は4万5100件、前年同月比255%増、4月貸出は6万7000件、同423%増となっている。
これらがコロナ禍の図書館の光景をいえるが、書店や古本屋だけでなく、コロナ後の図書館もどうなるであろうか」。——在宅業務期間が続く中、切実に図書館の再開を望んできたが、電子貸し出しサービスは順調に利用を増やしたらしい。こうなってくると、図書館の今後は“箱”ではなく、継続可能なサービスの一層の開発になると感じる。

 

 

【ご紹介】:
私もその推進に携わるファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)、理事兼事務局長の楊井さんが、「ファクトチェックとは何か?」など基本的な問いに答えました。➡ 今求められるコロナ禍でのファクトチェック FIJ事務局長楊井人文インタビュー

Disruption This Week—–22/5/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年5月18日から2020年5月22日まで。

 

 

米国では有料はもちろん、無料で提供される動画ストリーミングサービスが乱立している(一説によると数百)。ScreenHits TVという新たなアプリは、これらをアグリゲーション(収集)して単一のサービスで見せるもの。ユーザは効率的に観たい番組を視聴できるとする。無料系ストリーミングとはユーザデータの共有を見返りに行うとしているが、大手有料系とはどう連携するのか。同社サイトには大手との提携を示すロゴが並んでいる。

 

 

「読者から文字のチャット機能で寄せられた質問に答える場面もあり、話題は野党のあり方やPCR検査(遺伝子検査)拡充の遅れ、記者クラブ制度の是非などにも及んだ」。

——読者からの質問に学識や記者がそれぞれ答えるというのは、好ましい。ノイズも多いだろうが、この種の取り組みはぜひ、なんらかレギュラー化してもらいたい。

 

 

Spotifyのもう一人の大物買収劇。それはESPNなどスポーツ界のレジェンドBill Simmons氏が自ら立ち上げたスポーツ放送局Ringerを、この3月に買収したことだ。
契約が調印された直後、パンデミックの猛威が台頭、中継すべき競技がことごとく停止してしまった。同氏とSpotifyは、しかし、スポーツをめぐるポッドキャストの可能性を強く信じている。同氏への取材記事。

 

 

【有料購読者向け記事】:
米タレント(コメディアン、番組司会者、ユーチューバー)のJoe Rogan氏がSpotifyと1億ドルとも目される独占契約へ。同氏は米国でも最も著名なタレントのひとりと言われ、これまで収益化が可能なYouTubeなどに力点を置いてきた。11年分のアーカイブも契約の対象ということなので、YouTubeからもコンテンツを引き上げるのか。動画ポッドキャストの時代の始まりかもしれない。

 

 

Reuters Instituteによる英国での調査(5月初〜中旬実施)では、「ニュースを避ける」行為をする人々が、59%に増加傾向(4月中旬には49%)。また、中でも新型コロナウイルス関連ニュースを避ける、が大多数(86%)。約3割は「ニュースを知ってもできることはない」との回答している。

 

 

米New York Times、2021年よりサードパーティクッキーの利用を取り止める。現在、ファーストパーティクッキーベースのユーザターゲティング基盤へ移行中。7月からは45のユーザセグメントを広告主に提供開始する。(記事中にセグメントの詳細を含む)

——NYTに絞ったユーザ規模で詳細なプロフィールを保有していることが強みになるとの趣旨を、同社イノベーション担当SVPが語ったという。

 

 

ebay共同創業者の一人、Pierre Omidyar氏が拠出する研究プロジェクトPublic Knowledgeが、広告市場(ディスプレイ型広告)においてGoogleが独占し、1ドルの広告費中40セントを同社が占める実情を調査し、公開。Omidyar Networkはプラットフォーマの振る舞いを追求中だ。

 

 

Steve Jobs氏未亡人Laurene Powell Jobs氏らが率いる財団傘下に入ったThe Atlantic、同氏の強い要望で、テクノロジー(Pianoと提携)とデータ主導により、価格設定など新たなペイウォールモデルを構築。当初の倍額で読者は電子版を購読するようになったという。興味深いのは、電子版購読にどんな機能があるのか、購読者は関心なく、関心があるのは、年額と月額の関係に絞られるのだという。(月額をぐっと高く、年額をぐっと安く設定すれば、“お得”と見られる)

 

 

米大手地方紙のBoston Globeで、電子版購読者が20万人を超える。10万人に到達するのに7年かかったが、その後の11か月で20万人を超過。編集長の Brian McGrory氏が公表したもので、Dan Kennedy氏が2016年に取材した際には、大手都市新聞の持続可能な条件を20万人と語っていたという。

 

 

「ラップトップ一台を武器に、世界中、いつどこからでも調査報道を行い、プーチン大統領や中国政府など、国際政治を動かす強大な権力と対峙して、世界の耳目を集める事件の真相を暴いていく」。

——昨晩放映。録画してあり、出だしだけを観てわくわくしているところ。NHKは再放送が多くなっているので、いずれまた再放映もされるだろう。

 

 

【ご紹介】:
「LINE NEWSでは、いわゆる『フェイクニュース』やデマ情報への対策を一層強化するため、今回、日本でファクトチェックの普及活動を行う非営利団体『FIJ』の正会員として新規参画しました」。——私も関与しているFIJ関連の話題。FIJは日本で検証されたファクトチェック情報を海外向けに英語でも提供を開始している。

Disruption This Week—–15/5/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年5月12日から2020年5月15日まで。

 

 

「ちなみに、この寄稿を読んでいる方で、
1)実名Twitterで日々情報発信をしている
2)Zoomを使ってウェビナーを開催したことがある
という方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか」。——これからはSNSの延長上でZoomなどを使い、ウェブセミナーを発信することが、ビジネスパーソンのたしなみになる。ってなかなか面白い。ポッドキャストなども同じように取り組むべきかもしれない。さて、自分だったら何ができるだろうか。

 

 

「Quartzのオーナーである日本の金融情報会社Uzabaseは、木曜日に…レイオフを発表した。同社によると、Quartzのスタッフの約40%が広告部門を中心に職を失うことになるという。Uzabaseによると、Quartzは昨年末時点で188人の従業員を抱えていたという」。

——国際的なビジネスニュースに焦点を当てたQuartz、大規模なリストラに踏み切る。ここでも広告収入の激減と、対策としての購読制への転換が述べられている。

 

 

米Apple、海外で開始したプレミアム購読モデルのApple News+をベースに、コンテンツをポッドキャスト化をパブリッシャーに提案中。制作をAppleが担い、購読者からの収益の50%をパブリッシャと折半するモデルは従前通りという。報道したDigidayは4メディアからその動きを確認。

 

 

世界のファクトチェック団体の連合体IFCNが推進する、新型コロナウイルスをめぐる誤・偽情報に対する世界的取り組み(日本ではFIJも参加)。
集約された5000もの検証情報で、猛威をふるう誤・偽情報Top5を紹介。トップはローマ教皇の指示による白いハンカチ運動。その他、埋葬が追いつかない各国が、コロナで死亡した人々を海に流しているといったビジュアル付きの偽情報もある。

 

 

「どのメンバーも委員会に加わることで世界に変革を起こせると考えている。
監督委員会を巡る動きを追ってきた法学者のケイト・クロニックは、『歴史的な瞬間です』と話す。『世界展開する民間企業が、自社戦略の一部を自主的に外部機関に委ねるのはこれが初めてでしょう』」。——極めて重要な動き。Facebookが内部的に運用してきたガイドラインとそれに基づくコンテンツ監視に関する統治を、頂点にあるCEOから監督委員会に移す。しかし、これまで配信してきたコンテンツをめぐる責任論議の矢面にザッカーバーグ氏が常に立たされてきたことを、オフロードすることもできるわけだ。その意味で、同社は責任を丸投げできるのであれば、メリットも生じる。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「たとえば、消費財大手のP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)などは、日用品を買い置きしておく家庭が増えて、売上が伸びていることもあり、マーケティング支出を増やしているという。一方、コカ・コーラ(Coca-Cola)などは、広告予算を大幅に削減している」。——世界でも最大手クラスの広告主が、この時期どう振る舞っているのか。P&G、ユニリーバ、ロレアル、ルノー・日産連合、Amazon、コカ・コーラ、グラクソ(製薬大手)、フォルクスワーゲン、マクドナルドその他の動向を要約した記事。

 

 

「信頼性の高いドメインは、Googleの検索結果で上位に表示される傾向がある」「被リンクの数が多いページは、被リンクの数が少ないページよりも順位が高くなる傾向がある」「包括的なコンテンツであることは、上位表示されることと強く相関している」…

——今回の調査結果で一番驚かされたことは、「ページの読み込み速度は、順位との相関関係がない」というポイント。漠然と理解していたことと違う指摘。

 

 

デジタル分野の広告業界団体IAB、そのCEOであるRandall Rothenbergは、「多くのメディアが広告へ過度に依存する過ちを犯してきた。それは、新型コロナウイルス禍のはるか前から続いてきたことだ」と述べる。「収入源を多様化すべし。以上だ」と強いメッセージ。

 

 

4月にスタートした短尺ストリーミング動画のQuibi。1年以上前から話題と資金を集めたプロジェクトだが、アプリダウンロードは1週間後には50位に転落、いまでは125位。立役者Jeffrey Katzenberg氏は「すべてはコロナのせい。だが自分たちの責任だ」とインタビューに答える。
「ジェニファー・ロペス、レブロン・ジェームズ、イドリス・エルバ、スティーブン・スピルバーグ、クリッシー・テイゲンなどのプロデューサーやスターを含むラインナップにもかかわらず、ダウンロード数は低迷している」と記事は手厳しい。

 

 

英Politico編集長Matthew Kaminski氏へのインタビュー。2015年にたった1人の記者で始めた同メディアは、いまでは12箇所の拠点を持ち、いまも拡張を考えているとする。プレミアムサブスクリプションの基盤が強く、広告も消費財などが対象となっていない点の強みを語る。