Disruption This Week—–14/5/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年5月2日から2022年5月13日まで。

Disney+ Hits 137.7M Subscribers, Beating Wall Street Expectations in Streaming
米Disneyが第1四半期の業績を発表。注目のストリーミングDisney+は、アナリストらの予測を尻目に購読者790万人を追加。計1億3,770万人に。約2億2,000万人で停滞するNetflixに一歩近づいた。Hulu、ESPN+もそれぞれ購読者を伸ばした。他方、ロシア市場の減損を反映させた。
【2022年4月】改正個人情報保護法の施行に各社はどう対応したか?3パターンに分けて検証する
「各社で実施しているデータ利活用の内容や必要とする対応のレベル感などによって、やるべきことは異なります。記事では、どのレベルで何を行えばいいのか、以降の継続的な見直しにおいてどう対応すればよいかわからない方に向け、各社の対応状況を3パターンに分類し、ご紹介します」。

——パターン1:「最低限のプライバシーポリシーを整備」、パターン2:「個人情報と個人関連情報を掛け合わせて利用するための対応」、パターン3:「Cookieレベルでの同意を取得する対応」について分かりやすく解説している記事。有益。

Digital subscription economy to grow to 1.5T by 2025: Key trends for publishers | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
購読管理ソリューションを提供するLineupが世界のサブスクリプションの動向調査を公開(ダウンロードできる)。なかでも7つのトレンドを提示。1) パンデミック以後もサブスクは成長、2) 購読者の強い支持が維持されるか課題、3) Substackの成長はメディア事業者の課題に、4) パーソナリゼーションは最重要課題…など。
サブスクのオファが多様化し、膨れあがっていることもあり、利用者にフィットするパーソナライズは、画一的にしか売らない仕組みに対し優位性を持つだろうという視点は重要だ。
「追跡は止まらない」 ネット広告、精度と規制の板挟み
【有料購読者向け記事】:
「メールアドレス、ID管理、興味の分類――。代替技術は続々と生まれている。『今後も個人データの追跡は止まらず、広告会社と規制のいたちごっこは続く』と政府の研究会で委員を務める日本情報経済社会推進協会の寺田真治は言う」。

——AppleがATTを実装してから時間が経つが、時間の経過によって小手先の(あるいはグレーな)“回避策”へのノウハウが積み上がり、本質的な転換への方向性は見えないままだ。

Do browser extensions keep anyone away from fake news sites? Maybe a tiny bit
米New York大の研究者らが、Webブラウザが閲覧しようとするメディアの信頼性について警告表示をする(NewsGuardの拡張機能を利用)ことが、読者(ユーザ)の行動変容を促すかどうかを調査。大きな差異は生じなかったと結論(学術誌に発表)。だが考慮すべき肯定的要素も指摘。
Economist hires chief tech officer, chief product officer - Talking Biz News
英Economist、CTO(最高技術責任者)とCPO(最高製品責任者)の2名を採用と発表。同社はすでにデジタル版収入が総収入の2/3を占めており、新規購読者の2/3はデジタル専用購読を選択している。CEOは採用にあたり「テクノロジーは当社の成長戦略の中心的推進力」と述べている。
Q&A:Apple による「 ATT 」導入から1年 - マーケターたちが置かれている状況は | DIGIDAY[日本版]
「ユーザーの同意に関係なくユーザー追跡を継続した企業たちは、Appleがデバイスから収集されるユーザーデータの量を監視・判断するのは難しいだろうという推測に賭けたのです。そして、彼らの推測は正解でした。ATT(App Tracking Transparency:ユーザによる追跡オプトイン機構)が登場したあとも、悪名高い『フィンガープリンティング』の慣行が続いていることは、このことを証明しています」。

——ポイントは、ATTを無視してユーザ追跡を止めないアドテク企業や広告事業者に対して、Appleが厳しい罰則を課していないという事実と、それによる楽観ムードが高まっているというが指摘されている。まじめにATTを実装した事業者がソンをした格好にもなっていると。

Meta Rethinks News Partnerships as Priorities Shift
【有料購読者向け記事】:
Metaの関係者は、同社がコスト削減策としてメディアとの提携関係を見直しに入っており、パートナーへの支払いを削減する可能性があるとの見方を示していると米The Informationが報道。Trump政権以降のニュース需要の低迷を理由のひとつにあげる。当面のライバルであるTikTokに伍していくために、ショート動画に力を注ごうとしているとも記事は述べる。
U.S. Podcast Ad Revenue to Top $2 Billion in 2022, IAB/PwC Study Predicts
米IAB(デジタル広告事業者団体)ら、2022年のポッドキャスト広告市場が、前年比47%増の21億3,000万ドルに達するものと予測。21年には前年比72%の成長を遂げており、これはネット広告市場全体の約2倍だった。
中日新聞による実に魅力的なビジュアル解説記事。インタラクティブな表現手法に感銘する。記事に是非触れてみて欲しい。
Detailed 'open source' news investigations are catching on
StoryfulやBellingcatなどをお手本とするOSInt(オープンソース調査報道)のトレンドを、過去の報道事例や、OSIntに取り組んでいる報道各社を取り上げながら解説するAP通信の記事。米カリフォルニア大Berkeley校は昨秋、この種の調査報道に関する講座を設けたという。
投げ銭で月売上540万円や脱サラ専業配信者も登場──稼げる音声配信目指す「Radiotalk」の戦略 | DIAMOND SIGNAL
「投げ銭スタイルの音声配信サービスであるRadiotalkには月間540万円を売り上げる配信者も現れ、上位100人の年間収益合計は約1.7億円に上る。その中には会社を辞め、専業配信者として生計を立てている人もいるという」。

——引きの強いカネに関する記述を引用したのだが、実際に興味を惹いたのは「動画だとスマホで5人、6人でコラボするということは、ちょっと難しいと思うんですけれども、Radiotalkのような音声の場合だと、声だけだからこそ、配信者同士が何人も集団でコラボできるんですよね」といった部分。
単なる“朗読・ナレーション”でもなく、会話性の高いところが魅力をつくり出すポイントのように理解した。

Here are the winners of the 2022 Pulitzer Prizes - Poynter
20を超える部門がある米ピューリッツァ賞。2021年を対象とする受賞作品・受賞者が発表された。一時は賑やかだった新興メディアの名前がほとんど姿を消した今年。老舗以外では「イラスト部門」で米Insiderの名前が見当たるぐらいだ(これはすごく良い作品)。メディアの趨勢を感じる。
What is the ‘product’ of journalism? - Poynter
“ジャーナリストたちは、長く自分たちの「製品」を、自分が書いた記事だと思っていた。が、そうであったことはない。20世紀の大部分、製品とは物理的な新聞であり、それに対し消費者は支払っていた”。では、ネット時代のジャーナリストは、「製品」をどう理解すべきかとの論。“製品=プロダクトとしてのメディア、コンテンツ”を考える視点について、いろいろと示唆に富む指摘。
Tech firms sell creators as the future of ads
米IAB(オンライン広告関連事業者団体)が開催する広告関連プレゼンカンファレンス「NewFronts 」がNYで開催。大手プラットフォーム、Snap、Meta、TikTok、Amazonなどが揃ってインフルエンサー(クリエイター)事業に注力、新たな取り組みをアピール。対照的にTwitterはその分野での発表行わなかった。
Apple、自社アプリ「自虐」 劣勢の調査結果あえて公表(写真=共同)
【ご紹介】:
日経MJ紙への連載が、日経電子版に転載されました。よろしければどうぞ。➡️ Apple、自社アプリ「自虐」 劣勢の調査結果あえて公表
OSINTが切り拓く「報道の新時代」——世界のジャーナリストが注目する調査報道テクニック - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techからの新着記事。今回は話題となっている「OSINT(オープンソース調査報道)」について、SlowNewsのキーパーソン熊田安伸氏の力作解説です。ぜひご一読下さい!

Disruption This Week—–8/4/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年4月4日から2022年4月8日まで。

自分だけのオンライン書店を開設できる「BOOKSTORES.jp」をリリース 在庫持たずに必要な分だけ印刷・製本が可能
「簡単な情報入力と商品登録を行うことで、ノーコードで簡単にECサイトを開設なうえ、印刷可能なPDFデータを入稿すれば、受注・印刷製本・決済・発送までをワンストップで任せることができる。サイトへの登録料やシステム利用料など、初期費用や管理費用は0円。売れた分だけ印刷製本を行うPODのため、在庫保管費用などのランニングコストもかからず、コストをかけずに利用を開始することが可能だ」。

——引用箇所を読む限りにおいて、ある筆者が自己出版(KDPのような)をPOD(プリントオンデマンド)で出版し、自ら販売(EC)できる仕組みと読める。PODかどうか別として、自分だったら、もちろん自分の書物を売りたい気持ちと同じくらい、自分の選書で良書を合わせて販売し、アフィリエイト収入が得られる……というのが希望。キュレーション能力とプレゼンテーション能力のいずれもが求められ、難易度は高いが。

New York Times top editor says he wants newsroom to tweet less
米New York Timesの編集トップDean Baquet氏、同社編集者、記者らにTwitterなどSNSへの投稿を「有意義に減らす」よう指示。投稿が(過ぎれば)エコーチェンバーを引き起こし、ジャーナリズムに害を及ぼすとする。同社記者らがたびたびSNSで悶着に関わることも念頭にしての発言のようだ。
Bloomberg Looks To Subscription Revenue For The Stability That Advertising Can’t Provide | AdExchanger
近年購読者収入の拡大に成功しているBloomberg Media。3年半前に導入したペイウォールで37万人の購読者を獲得(10万人近くが2021年に)。同社は動的ペイウォールを採用。「そのユーザが最終的に購読するまでに、どれくらいの時間コンテンツを試したいかに基づき、ユーザごとに変化させている」と同社CDO(最高デジタル責任者)は語る。
Twitter、“編集ボタン”のテストを始めると正式ツイート
「Twitterでは一度ツイートすると、誤字脱字があっても修正できない。Twitterがこれまで一貫として編集機能の追加を否定してきたのは、ツイートが拡散されてから内容を大きく変えて悪用する可能性を懸念してのことだ」。

——イーロン・マスク氏による影響かどうかはさておき。個人的には有償サービスとしても欲しいと思っていた機能がようやく。引用にもあるように、その悪い影響も考えられるようだが、それはFacebook(では投稿後の編集機能がある)でも同じこと。修正履歴を表示すればいい。毎朝眠い目をこすりながら誤記の多い投稿をしてしまっている自分には期待の改修。

ユーザビリティの時代とUXの時代(1)
「ユーザビリティのなかでも、ノーマン(=D. A. ノーマン博士)が叫んだような『わかりにくさ』や『理解しにくさ』が高齢者にとって問題となっていたのは、せいぜい2010年頃までのことであり、それ以降の高齢者は『わかりにくさ』や『理解しにくさ』で困惑することは徐々に減ってきているのだと思う」。

——興味深い議論。ポイントは、ユーザビリティは機能上の欠如につながっていて、UXはその逆でプラスアルファの価値を形成すると読める点。高齢者にとってのユーザビリティ改善を主眼とする時代は終わったということ。

Plex wants to be the first TV app you open every day
複数のストリーミングサービスを横断するユニバーサル検索とユニバーサルウォッチリストに加え、Netflixやその他のサービスの新着作品を紹介し、そこから視聴できるという“夢のような”アプリ「Plex」が、すでに月間アクティブユーザ数1,300万人に到達とする記事。重要な背後の文脈としては、購読無料で広告付きの無数のストリーミングに対する“玄関(ポータル)”が必要とされるフェーズに市場が変化しているということ。
Substack makes a pitch for your podcasts
ニューズレター(メルマガ)配信のSubstackが、ポッドキャスト配信の取り組みを開始。Patreon(アーティストらの支援プラットフォーム)を通じて配信中だった3種のポッドキャストをSubstackがホストすると発表。同社は音声配信機能を開発中だった。
Substackがこの種の展開に成功するかどうかは分からないが、ポッドキャストでは、そのコンテンツをどうユーザに発見してもらうか(ディスカバリー)と、どう収益化するか(マネタイゼーション)が課題だった。これへの回答が今後は活性化しそうだ。
Linkedin news team grows in size to nearly 200 worldwide
ビジネスSNSのLinkedInが、編集系業務に携わる編集者を全世界80の業務で計200名近くを採用へ。LinkedInでは、メンバーによる投稿のチェック、ニューズレターの配信などを行っており、質の高い情報、議論を促す目的だとする。
Russia’s Bucha “Facts” Versus the Evidence - bellingcat
ウクライナの首都近郊ブチャで、ロシア軍が行ったとする民間人への虐殺行為を、OSint(オープンソース調査報道)活動を続けるBellingcatがデータを詳細に分析。屍体の位置と時間を確定し撤収後に(屍体を)配置との説、さらに「屍体が動いた」とする露側反論を、ビデオの解析を通じて完璧に論破したと、主宰者Eliot Higgins氏が解説する。
ゼロパーティデータ 、なぜいま バズワード となったのか?: Cookie 終焉を目前にブランドや小売業者の利用が加速 | DIGIDAY[日本版]
「ゼロパーティデータという用語は、2017年にフォレスター(Forrester)によって広く知られるようになったもので、顧客が購入を行う前に、まったく自発的に提供するデータを意味する。この用語は、eコマースブランドがサードパーティデータへの依存を減らそうと試みるにつれ、さらによく使われるようになった」。

——ユーザをめぐるプライバシーデータの追跡に対して、禁止や制限の動きが高まってきている。その大規模な収集と利用を可能にするサードパーティデータの活用が制限される一方、ユーザ自らが購読や購買体験を高めるために、自身のデータを提供する流れや手法に注目が集まってきている。

新しいGoogleアナリティクス「GA4」、変化とその価値 - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。メディア運営の実務に携わる方には必読。Googleアナリティクスのアップデート版「GA4」について、専門家が分かりやすくかつ詳細に解説します。

Disruption This Week—–18/3/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年3月12日から2022年3月18日まで。

Spotify job ads calling for Web3 expertise hint at the streaming giant's NFT ambitions
音楽ストリーミングとポッドキャストのSpotify、Web3に向けて採用意欲。同社が求人広告で少数ながらNFTをはじめとするWeb3関連のシニアマネージャ職の採用に乗り出したことが判明。
How WordPress and Tumblr are keeping the internet weird
Web2.0世代ながら、大手SNSのような集権化に抗し断固として分散型企業を推進するAutomattic社。CEOのMatt Mullenweg氏に率いられた同社は、全世界のWebサイトCMSのやがて8割を支えると見られるWordPressなどを運営する。ユニークなCEOの戦略を聞く長尺インタビュー。CEOいわく、同社は「デジタルのバークシャーハザウェイ(ウォーレン・バフェット率いる投資会社)」だとする点、世界95か国に従業員を分散的に雇用していることなど、テックより独特の組織論に惹かれる記事だ。
ウクライナ侵攻巡るフェイク情報、国が分析強化 国家関与なら警告表示
「家の関与が疑われる偽情報については政府が注意喚起や警告表示をできるようにすることや、安全保障の観点から国として偽情報を分析する仕組みを構築することを『検討すべきだ』とした」。

——現状認識については首肯できる点が多いが、国が偽情報対策をリードすべきというコンセプトに関しては、注意したい。社会全体で取り組むことは必要だが、かの国で起きているのは、国が国営メディアを駆使してプロパガンダしている事実も忘れてはならない。「ベリングキャット」の成果を引き合いに出しているが、これ、国が取り組んだこと?

豪のスタートアップ企業Linktreeが13億ドルもの評価で大型資金調達。同社の「Link-in-bio」はいわば“クリエイターの名刺”サービスだ。各プラットフォームに散在する作品や投稿をまとめてリンクする。物販のShopifyとも連携できる。クリエイターエコノミー時代の産物といえる。
ロシア「報道の壁」に立ち向かう市民、ネット広告も駆使
「ロンドン在住のマーケティング・コミュニケーションの専門家であるロブ・ブラッキーは、ウクライナ紛争に関して、ロシア人読者を独立系ロシア語ニュースサイトへと誘導するターゲティング広告を配信するために、クラウドファンディングで資金を集めている」。

——ロシア国内の人々に、西側で共有されている報道をなんとか送り込もうとする努力が数々行われている。すでに紹介したように、短波放送など古典的な手法から、SMSを使ってランダムにショートメッセージを送る、放送システムをハッキングする、ロシア国内のIPからアクセスを強制的にリダイレクトする…など。さらに、ここで紹介されているのは、ターゲティング広告の仕組みを使ってメッセージを表示することなど。こう考えると、西側の巨大プラットフォーマは単にロシア国内での活動を停止すればいいというわけでもない。

Streaming boom propels movie industry's pandemic recovery
世界映画著作権協会(MPA)によると、動画配信(ストリミーング)の成長と劇場映画市場の回復で、2021年のデジタルおよび劇場用映画の市場は、新型コロナ前の規模をついに上回る約997億ドルに達した。とりわけデジタルは市場全体の7割強へと躍進した。分かりやすいチャートが記事中に示されている。

PIVOTが経済コンテンツ・アプリを始動、記事連載と映像番組一挙100コンテンツ配信開始

プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES

PIVOTが経済コンテンツ・アプリを始動、記事連載と映像番組一挙100コンテンツ配信開始
「当初3月1日に予定していたローンチを延ばし、約2週間かけて世界中の知性15名にインタビューを実施。各分野の専門家と、歴史的な出来事を深く読み解きながら、世界や日本の未来への示唆を導き出します」。

——新しいタイプのビジネスメディア「PIVOT」が誕生。動画、テキスト両面で新分野を狙う。まずはそのテーストを味わいながら、今後はユーザに対してどのようにコンテンツの発見を促していくのか、その届け方にも関心。

Two years of information chaos
「misinformation(誤報)」と「disinformation(偽情報)」をめぐるTwitter上の投稿を分析してきた米SNS分析企業のZignal Labs、2019年からの推移を整理。現在は、ロシア侵攻をめぐり2020年大統領選時に迫る広がりとなっている。
【解説】ツイッターが目指す「分散型SNS」とは何か
【有料購読者向け記事】:
「同社は現在、SNSにオープンプロトコルを構築するための独立したプロジェクトに資金を提供している。さらに、ツイッター上で暗号通貨を利用可能にし、開発者がカスタム機能を構築できるようにもしている」。

——10年も前に、Twitter社内にはその仕組みをオープンプロトコル化しようという構想が存在していたという。そしていま、そのプロジェクトが息を吹きかえしているのだとするNew York Timesmによる刺激的なリポート。うまく実装が進めば、ユーザはアルゴリズムによるお仕着せのものでない表示を、選択したりもできるようになる。

「会員制」が雑誌の生存戦略に
【有料購読者向け記事】:
「17年から(生活情報誌「ハルメク」)編集長の山岡朝子氏は『定期購読制の強みは会員と直接つながれること。ニーズを詳しく把握できる』という。同年以来、月間販売部数は約3倍に伸びた」。

——「毎月1000人の読者に記事の閲読や評価に関するアンケートを実施。結果は年齢別・購読歴別などで分析され、記事の企画に生かす」というのだ。記事ではこの「ハルメク」だけでなく、「子供の科学」や文芸誌「メフィスト」などを紹介する。

コマースでメディアの可能性を拓く——「ポストCookie時代」のメディア① - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。ポスト・クッキー時代、メディアビジネスはどう事業を広げていくか。メディアジーンおよびクラシコムのキーパーソンお二人に取材しました。
ハックされる民主主義
【ご紹介】:
共同執筆した書籍が発売されました。書店などで手にとっていただければ嬉しいです。

監査法人トーマツに自己粉飾疑惑 - 監査法人トーマツに自己粉飾疑惑
【ご紹介】:
「デロイトグループの監査法人トーマツは、3000社を超える企業を顧客に持つ4大監査法人の一つだ。監査すべき立場の法人が、自己の決算で粉飾した疑惑があるという」。山口義正記者とSlowNewsによるスクープが掲載されました。

Disruption This Week—–11/3/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年3月7日から2022年3月11日まで。

New study points to publisher priorities for revenue growth | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
英デジタル出版社協会(AOP)、2022年実施の調査を公表。回答の半数以上が、今後3年間の収益拡大面での最重点分野にサブスクリプションをあげる。その他の重要な優先事項として、リードジェネレーション、オーディオ、eコマースなどがあげられている。
Twitter Spaces for publishers: Pros and cons of audio platform
FT、Telegraph、Bloombergをはじめとする大手メディアでも利用が広がっている「Twitterスペース」。メディアの利用にとっての利点・欠点を整理する記事。利点はコミュニティ化、購読者獲得などに効く。欠点は「将来性が不明確」や分析機能の欠如などがあげられている。
TikTok launches a music distribution platform, SoundOn – TechCrunch
TikTok、音楽アーティスト向けに楽曲(とその動画の)配信およびその分析管理ツール「SoundOn」を発表。いまやヒット曲の重要な発信源でもあるTikTokはもちろん、Apple Music、Spotify、Pandoraその他メジャープラットフォームに投稿でき、ライツはアーティストに留保される。
動画広告、初めて5,000億円を突破/電通グループ4社が「2021年日本の広告費」の詳細分析を発表
先日、第一報が出た電通調べの日本の広告費。今回は、詳細分析版が発表され、特にインターネット関連広告の詳細データが発表された。以下は、そのポイント。
・ビデオ(動画)広告費は2021年初めて5,000億円を突破
・ソーシャル広告費、インターネット広告媒体費全体の3分の1に
・2022年のインターネット広告媒体費は前年比115.0%の2兆4,811億円まで成長見込み
・運用型広告は、1兆8,382億円、前年比126.3%と高い成長率を維持
Amazon launches a ‘live radio’ app, Amp, which lets you play DJ with music and call-ins – TechCrunch
米Amazon、ライブラジオ機能「Amp」を提供へ。番組タイトルを決め、プレイリストを作成しすればユーザは音楽番組をストリーミングできる。もちろん、DJ的機能も用意され、自身のおしゃべりを挿入できる。単なるポッドキャスト制作ツールではないようだ。お気に入りの楽曲についてだったら、いくらでもおしゃべりできるという人は多いだろうから良さそう。
「 パーソナライゼーション2.0 」は、いかに実現すべきか?:属性ではなく、興味・関心を | DIGIDAY[日本版]
「そもそもパーソナライゼーションに属性情報は本当に必要なのでしょうか。実際のところ、性別、年齢、住所といった属性情報を収集し、顧客の解像度を上げたところで、コミュニケーションの次の打ち手を考えるうえでは、あまり参考にならないのが実情です」。

——“顧客体験”をめぐるオピニオンから出てきている発言だが、依り広い分野でのパーソナリゼーションについて当てはまりそう。
実際のところ、紋切り型のパーソナリゼーション=個人情報収集=悪という論調がマスメディア中心にまん延しているが、もう一段深く考えたいところだ。

My Wife Tracked Me, for Journalism
米New York Timesの記者夫婦が、ジャーナリストを極秘裏に追跡し行動を監視する手法を、入手可能なIT機器を使って実践。夫婦それぞれがその“戦果”をリポート。
ここで紹介するのは追跡された夫による記事。発見は、どこにいるかの探索は容易だが、何をしているかを把握するのは困難だったこと。ただし、これにスマホの盗聴ツールが加われば、状況は異なりそうだ。
Axios Wants Us to Read Everything in Bullet Points
独創的なジャーナリズムのスタイルを築く米Axios。“スマートな簡潔さ”を売りに記事を極力短文化する一方、ニューズレターを整備し、米30州以上のローカル版を揃える。また、企業にもこのフォーマットを活用した社内メディアシステムを売り込む動きを見せると概観する記事。Axiosの簡潔さを紹介するNew York Timesのこの記事は長文なところが対照的で、笑わせる。
Epic Games、音楽配信・販売のBandcampを買収
「Bandcampは2008年創業のカリフォルニア州オークランドに拠点を置く音楽配信・販売企業。アーティストがプラットフォーム上で自分のショップを開き、音楽だけでなくグッズなども販売できる。…創業以来の『アーティストやレーベルへの支払いは10億ドルに迫っている』」。

——少し以前のニュースだが。オンラインゲームのフォートナイトが「なぜ、音楽販売のBandcampを?」という話題だが、“クリエイターエコノミー”の文脈で見ると納得感が生まれてくる。

Disney+、2022年後半に広告付きの低価格サブスクを導入 | TechCrunch Japan
「Disney+へのアクセスをより低価格でより多くの視聴者に拡大することは、消費者、広告主、そして我々のストーリーテラーのすべてにとって利益となります」。

——短期間に猛スピードでストリーミング市場での地位を築いたDisney+だが、伝えてきたように、もろもろ手練手管を駆使しないと成長を続けられないところまできたようだ。インドをはじめとするいくつかの市場では低価格帯商品がないと成長を続けられないし、米国内でもバンドル製品や広告付き商材の投入が必要になった。

五輪視聴、VRの向き不向き(写真=ロイター)
【ご紹介】:
日経MJ紙への連載が、日経電子版に転載されました。よろしければどうぞ。
ウクライナ – FactCheck Navi
【ご紹介】:
私も参加しているファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)では、ロシアによるウクライナ侵攻関連での誤/ニセ情報のファクトチェックを推進しています。ぜひ参照して下さい。
書評:「グラフの父」の栄光と挫折 ——『データ視覚化の人類史』 - Media × Tech
【ご紹介】:
私たちが編集する「Media×Tech」に新着記事です。今回は東洋経済オンライン「新型コロナウイルス国内感染の状況」の開発などで知られる荻原和樹さんによる『データ視覚化の人類史』の書評です。

Disruption This Week—–4/3/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年2月28日から2022年3月4日まで。

TikTok、米国の州司法長官が子どもへの悪影響を調査
【有料購読者向け記事】:
「州司法長官のグループは2日、共同声明で『全米の司法長官は本日、ティックトックの調査に加わった。子どもや若者へのこのソーシャルメディアの提供・宣伝が心身の健康への悪影響と関連しているかを調査する』と述べた」。

——第一報レベルなので、続報が必要だが、Instagramに向けられた調査の意向と連続するもの。子どもや若者をめぐっては、米国の政治家は敏感に行動する。

Bellingcat's Grozev on Investigating Russia's Invasion of Ukraine
オープンソース情報分析による調査報道のBellingcat。中心人物の一人Christo Grozev氏がロシアのウクライナ侵攻と、データを手にしたジャーナリストの仕事を語る。データと分析力を手にしたジャーナリストの役割は、かつての戦争報道と決定的に異なるものとなったとする。重要な指摘がいくつも盛られた重要なインタビュー。
音楽配信は4年連続2ケタ成長 ストリーミングはダウンロードの5倍強に
「(音楽配信売上の)800億円超えは11年ぶり。市場をけん引したのはストリーミング配信だった。
21年は前年比126%増の744億円とストリーミングが伸長し、音楽配信売上の区分別シェアでは約83%を占めた。『主要カテゴリとしてさらなる成長を遂げた』という」。

——世界の音楽ビジネスは、近年かつてない成長を遂げたが、日本でもそれを追うような軌道に。もちろん、その立役者はストリーミングの潮流だ。

U.S. vs Russia for the future of the internet
インターネットの統治をめぐり、中国・ロシア勢と米国の闘いが進行中。国連の専門機関であるITU(国際電気通信連合)の次期指導者に、米、そしてロシアから対抗馬。ロシア・中国勢はネット標準やプロトコル策定に政府がより強い影響力を持つべきと主張しているとする記事。
反ウクライナの主張を繰り返すSNSアカウントは偽物でプロフィール画像もAI製、さらにそのフォロワーもニセのAI製だったことが明らかに
「ニュース編集者・航空技術者・科学出版物の著者などを装った架空の人物になりすましたアカウントや、架空の報道機関を装ったアカウントを用い、反ウクライナのフェイクニュースを報じています。架空の人物になりすましたアカウントのプロフィール画像には、敵対的生成ネットワーク(GANs)などの人工知能(AI)関連技術を駆使して生成されたプロフィール画像が用いられていると指摘されています」。

——やはり出てきたディープフェイク系の欺瞞工作。NBC Newsの記者が詳細に、そのAIによる合成画像の見破り方を解説。示された女性の写真ではイヤリングを、男性の写真では耳の形状が注目点だという。大手メディアにもこのようなノウハウが蓄積されてきているようだ。

Denver is NewsBreak’s “test market” for original local news on a national app
米国内でローカルニュースに力を入れる「NewsBreak」が、デンバー州をテスト市場に、フルタイムおよびパートのジャーナリストと専任の編集者を雇用。オリジナルニュースの配信に取り組む。同社は全体で1,400人の無給の記者をネットワークし、クリックベースで支払をしている。
ヤフー、デマや誤情報にだまされない力を測る「Yahoo! ニュース健診」公開
「問題は桜美林大学リベラルアーツ学群の平和博教授(メディア・ジャーナリズム)が監修。記事例の中に不審な点がないか、どうすれば信用に足る記事になるか、怪しい情報を見たときにどう行動するべきかをチェックする。
獲得点数に応じて受診結果を3段階評価。『見だし釣られ傾向』『突発性シェア衝動』などの弱点を提示する」。

——これから取り組んで見る。

Insider has a new audio show that combines the immediacy of radio with the convenience of podcasts — here's how the tech works
米Insider、“ラジオのようなリアルタイム(速報性)とポッドキャストの利便性”を提供する、新たなオーディオ配信技術を用いたコンテンツチャンネル「Refresh by Insider」を提供する。ポッドキャストの挿入広告の技術を応用したという。ポッドキャストアプリに配信する。
出版状況クロニクル166(2022年2月1日~2月28日) - 出版・読書メモランダム
「弓立社の最初の出版物である吉本の『敗北の構造』は忘れられない一冊だし、宮下(和夫氏)もまた近代出版史の掉尾を担った一人だったといえよう。
報道もされていないので、まだ彼の死は知られていないと思われるが、謹んでご冥福を祈る」。

——私にとっても、『敗北の構造』は忘れ得ない鮮烈な書物だった。神保町近くの小さな出版社に勤務していた自分は、ラドリオやミロンガなどのある裏道に、自分の書肆を営みたいとの願望を持ったことがあったな。

電子コミック市場、前年比20%成長で過去最高に コロナ、縦スクロール漫画で需要増
「電子コミックのシェア拡大の理由については『コロナ禍の自粛生活で拡大した新規ユーザーがそのまま定着して電子コミックを購入、さらに「縦スクロールコミック」が漫画を読んでこなかった新たなユーザーを掘り起こしている』」。

——チャートと数表を見ていると、電子版コミックスが書籍版を凌駕したのが、2019年だったことがわかる。書籍版では大ヒット作が次々誕生しながらも(加えて、盗用サイトの跋扈もありながら)、力強く成長しているのが見て取れる。単にスマホの普及と同期しているのではなく、革新的なフォーマット誕生の影響を見るべきということなのか。

アウラの奪回とパブリッシングの拡張 メディアヌップ#6
【ご紹介】:
同僚の佐々木さんが、自身のニューズレターで拙稿に言及してくれました。
スマートニュース、米国事業の成算 現地幹部人材が支え
【ご紹介】:
SmartNewsによる世界への挑戦を、出発点から詳細に紹介してもらいました。2014年にサンフランシスコでのユーザインタビューに参加したころを懐かしく思い出します。