Disruption This Week—–27/11/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年11月24日から2020年11月27日まで。

 

 

この夏設立された韓国の個人情報保護委員会、Facebookが韓国国内で、2012年から18年の間に、ユーザの少なくとも330万人の個人情報を無断で売買していたとして、60万ドル以上の罰金を科した。刑事捜査にも入ったという。争点は、Facebook認証を用いてサードパーティサービスを利用したユーザの友人のデータまで提供された、というCA事件と相似の事象だ。

 

 

オンラインゲームの隆盛とともに急発展したライブチャット(ストリーミング)の「Discord」、時価総額70億ドルで資金調達へ。注目すべきは、記事中にもあるが、もはや「ゲームの…」という冠が不要のコミュニケーションやメディア基盤へと成長しつつある点だろう。

 

 

「有料オンラインライブを視聴した感想としては『生のライブに行ってみたくなった』が24%と、オンライン上での体験が実際のライブ会場へ足を運ぶきっかけになり得ることがわかった。一方、ネガティブな感想としては『生のライブのような臨場感がなかった』という声が挙がった」。

——オンラインとオフライン、トレードオフの関係ではなくなれば、将来、ライブ市場はより拡大する。その方向感を意識させられた調査結果。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「月1800万人が利用するニュース情報サービス『LINE TODAY』で、19年7月にファクトチェックのカテゴリーを新設した。真偽を確かめたい文章やサイトのURLを利用者が投稿すると、ファクトチェックを行う連携先の4団体で専門家らが調査する」。——プラットフォーム自らファクトチェックを行う。懸念もあるアプローチ。第三者のファクトチェック団体とのつなぎ込みが良策と思うが。

 

 

「英語にて実現している精度に匹敵する、またはそれ以上の、日本語の超巨大言語モデルを創出してまいります。
開発された超巨大言語モデルは、新しい対話AIの開発や検索サービスの品質向上など、AIテクノロジーブランド『LINE CLOVA』をはじめとするLINE社のサービスへの活用のほか、第三者との共同開発や、APIの外部提供についても検討予定です」。——自分的に昨日最大のニュースは、これ。GPT-3が大きな話題を呼んでいるが、なにせ、日本語に特化した言語モデルは、なかった。世界最大級のデータを駆使した言語モデルが日本語上で創造されるとすれば…、その先の活用を考え始めてもいいかもしれない。

 

 

今どきの“ソーシャルメディア”アプリは皆、似たもの同士に。Axiosがまとめた12のSNSサービスやアプリ。DMはもちろん、ストーリーやフィルタなど、打ち出している機能がどんどんと共通化してきている。

 

 

2016年大統領選以後の“Trump景気”でデジタル購読者を伸ばし続けてきた米New York TimesとWashington Post。それぞれ2016年以降の購読者は3倍増に。しかし、両者は異なる戦略を採り、いよいよ“ポストTrump景気”局面を迎えることになる。

 

 

【有料購読者向け記事】:
ある分析によると、Facebookは2015年以降、前期比(四半期ベース)30%以上の広告配信増量を果たしてきた。同時に、配信が伸びれば単価が下がる明瞭な兆候。ついに同社広告ビジネスの曲がり角が到来か? 記事は、友達の投稿だけでは足りないとする。

 

 

「バズフィードのペレッティ氏は、ハフポスト買収をめぐるリコードのインタビューに対し、『(ニューヨーク・タイムズの)デジタル課金ビジネス(サブスクリプション)モデルは、特定のグループ、特定の読者に限定された新聞にしてしまい、幅広い大衆のための新聞であることを妨げている』と指摘する」。

——インターネットメディア時代のオリジナルなメディアとコンテンツを支えていた有名どころ編集長や論説家が、次々と創業メディアを去っていく。一方で、それを次々と取り込むNYT。次にメディアのエコシステムに到来することとは……。

 

 

Apple、中堅事業者へのApp Storeの仲介料率ディスカウント(30%→15%)を発表したばかりだが、同時に、購読者獲得のためのキャンペーンコード提供サービスも発表。App Storeで生成するオファーコードを用いれば、パブリッシャーは割引アサービスをシームレスに提供できる仕組みだ。Appleからする、パブリッシャーが発する不協和音打ち消しの動きだ。

 

 

【ご案内】:
自薦・他薦いずれも可です。JIMAが創設した「Internet Media Awards 第1回」、これはと思われたインターネットコンテンツやメディア、そしてプロジェクトをご推薦下さい。
JIMA会員でなくても応募可能です! 自分にも応募したい作品やプロジェクトがいくつもあって、関係者が投稿していいのか悩み中です。

 

 

【ご紹介】:
少々以前の記事ですが…。スマートニュースメディア研究所が取り組む「メディアリテラシー」。研究主幹の山脇岳志が、解説します。

Disruption This Week—–20/11/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年11月14日から2020年11月20日まで。

 

 

「Googleによれば、YouTubeでミュージックビデオを視聴するユーザーは月間20億人以上で、このうち15%近くは画面を見ていないという。音声広告を活用することで、YouTubeで音声だけを聴く層にも広告でアプローチできるとしている」。

——YouTubeの規模で全MAUの15%は大規模だ。Spotifyの強敵は、実はYouTubeなのではないか。Google Play Musicが終了というのも、納得だ。

 

 

驚きのニュース。米BuzzFeedが同HuffPostを買収へ。Verizon Mediaと大がかりな資本取引。BFのCEO、Jonah Peretti氏は、以前より、インターネットメディアが直面している経済危機に対して、大きな合従連衡をつくり出す必要を唱えていた。“買収される”ことも容認する発言をしていたが、する側に回ったようだ。両者、もしくはVerizonを交えた大きなコンテンツネットワークを生み出そうとする試みのようだ。

 

 

広告中心の事業モデルが限界に突き当たり、また、コロナ禍でマーケティング費用が縮小するなか、改めてリード生成事業モデルにスポットライト。Lead Monitorが公開したホワイトペーパーのポイントを要約した記事。テクノロジーと同じくらい、コンテンツの力は重要とする。

 

 

「テーブルを囲んでいたすべての編集者は、何が購読を促進し、何が山のようなページビューをもたらすか、という推測ゲームに参加していたが、単なる推測だけで、リーチとサブスクのトレードオフを見極めることに長けている編集者はほとんどいなかった」。
こうして始まったカナダの伝統的メディア「Globe and Mail」社内で始まったサイエンティストらが主導するAIによる分析・予測システム「Sophi」プロジェクトが始まった。「結果は驚くべきもので、最終的には数百万ドルの収益増になった」とする。ポイントは、“どの記事を有料化するか”だった。

 

 

「この結果に対し、同社は『若干の抵抗を生じさせ、会話に参加する意味や追加する内容について人々に少し考える時間を与えた』『情報の共有量全体を減らしたことで、誤情報の拡散を抑制した』と結論付けた」。

——Twitterが試みた“スローニュース化”、一定の成果があったという。とはいえ、分断のトレンドに効果的に切り込むアプローチが見つかったわけではない。良質な視点、知識に出会いやすくする手法の開発を進めていく必要がある。

 

 

「アップルはソフト配信基盤の『アップストア』を使う開発者に対し、売り上げの30%をアプリ配信手数料として徴収している。今回、20年のアプリ販売額合計が100万ドル(約1億400万円)以下の企業についてはこれを半額とすることを決めた」。

——現在は、30%の“Apple税”を嫌い広告収入に頼り、App Store経由での売上を立てていないアプリ提供者は、自動的に対象となるのだろうか? だとすると、自分の関心事であるメディア業界でも、アプリを通じた購読ビジネスにシフトする動きが高まる可能性がある。

 

 

米Vanity Fairが“Substack現象”を詳しく論じている。ある気象関連のニューズレターを刊行するライターは、Substack上で今年23万ドルの収入を得たという。読者25万人以上に対し、数千人のライター、専門家が集う決して大きくないネットワークが過熱している。

 

 

サードパーティCookieが利用不可となる時代に備える話題。米Penske Media傘下の主要タイトルでは、ファーストパーティデータ活用を導入し、CPMを前年比20%増加させたとの話題。データの分析活用はもちろん、広告主との緊密な関係が重要とする。関係者はまだ初期段階と述べる。
コンテンツ(広告)レコメンドのOutbrain社内から、最近過熱気味のニューズレターキュレーションアプリ「Listory」が誕生。文字通り、(無料ベースの)ニューズレター1,000本以上を収集して、ユーザにレコメンドする。スタート時、ユーザに謝礼を払いニューズレターを推薦してもらう「Listory Challenge」キャンペーンを実施するというのが興味深い。

 

 

Google News Initiative、欧州のメディア業界団体やFT調査部門と組み、メディアのサブスクリプション事業モデルへの転換を推進するためのイニシアティブを今年、組成。さまざまな課題を整理したフレームワーク「北極星モデル」を公開。従来型の数量重視のモデルから、読者のための価値創造型事業への転換に大きなギャップと課題があることを指摘。

 

 

【お知らせ】:
楽しみにしてきた企画、来週開催です。会員メディアの方々は、ぜひご参加下さい!

 

 

【ご紹介】:
インターネットメディア協会(JIMA)が、Internet Media Awards 第1回の応募作品を募集中です。JIMA会員・非会員に関係なく候補作を推薦・応募できます(自薦他薦とも可)。6つのカテゴリーを通じて、良質なインターネットメディアの営みを顕彰するプロジェクトです。ご応募をお待ちしています!

Disruption This Week—–14/11/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年11月9日から2020年11月13日まで。

 

 

メディアへの忠誠度(ロイヤルティ)の高い読者を見いだすことは、メディアへの読者による対価支払いに結びつく。よく語られることだが、ではそのロイヤルティはどう測るのかを掘り下げる論。習慣を形成し、それを維持する行為に結びつくことだとする。難しいが、一考に値する議論が提示されている。

 

 

「Facebook(およびその子会社Instagram)とGoogleは一緒に今年、英国のデジタル広告に費やされた推定150億ポンドの80%近くを獲得することになる」。

——英Press Gazetteによる、英国オンラインメディアの現況分析。著名オンラインメディア(ネット専業メディア)のパンデミック後が見えてくるが、もう一つの焦点として、英国内の広告市場でも複占が顕著だということだ。

 

 

「ブラウザがWebページをどのようにレンダリングしているか、図を用いてやさしく解説した記事を紹介します。
レンダリングの仕組みを理解することで、HTMLやCSSやJavaScriptなど実装時にも気をつける点があります」。——モダンなWebブラウザが、CSSを解析してWebページを表示するまでを、順序立てて分かりやすく解説した記事。JavaScriptがどのようなタイミングで実行されるのかなどを理解できる。(ちょっと勉強になる)

 

 

【有料購読者向け記事】:
Disney+など同社のストリーミング戦略を担い、今年TikTok USのCEOに就任。米中紛争のあおりを受けて、今はWarner Music Groupでデジタル音楽市場の戦略をリードするKevin Mayer氏。現代の音楽市場におけるSpotifyらストリーミングと、TikTokなどSNSの影響力の重要性を指摘する。オーディエンスからどうフィードバックを受けるかとの問いに、それは「データ」の分析が担うとの回答は、なるほどと思わせる。

「消費者のニュースへの注目は高まっているが、広告費はそれに伴っていない。その状況を打開すべくIABが調査したところ、ニュース内の広告はブランドの信頼性や評価を高め、購買意向に寄与することが明らかに」。

——「ニュース」と言っても、分野は広い。ただ、新型コロナウイルス禍をめぐる広告収入の下落局面では、ニュース(報道)は、ビューも伸ばしたし、ケースによるが広告単価をあまり落とさずに推移した事例は確かにある。

 

 

「複数の専門家と話をすると、いくつかの提案が返ってきた。まず、その人を排除しないこと。問題にはできるだけ素早く対応すること。しかも、相手に共感する姿勢を示しながら。
パンデミックに不安を抱く人は大勢いる。陰謀論は、とてつもなく複雑に見える問題に簡潔な答えを提供する。そうすることで、相手に満足感を与える」。——どこからが、虚構の世界なのか明確な線引きをすることが難しいことがら(やその理解)がある。記事にあるようにできるだけ素速く、コミュニケーションという架け橋を試みていくしかない。それを避けるわけにはいかない。これは、政治や宗教的な世界観の話題であると同時に、家族内の物語でもあるのだから。

 

 

「Quartzは再び独立したメディア企業になりつつあります。過去2年間、私たちは東京に拠点を置く株式公開会社Uzabaseに所有されていました。それはデジタルメディアの大きな変化の時代をナビゲートするのに役立ちましたが、今はスタートアップとして、自分たちの道を自由に切り開くことができています。私自身がQuartzを買収し、非公開化することに合意しました」。

——UzabaseからQuartzをMBOした、CEOのZach Seward氏の読者に宛てたレターから。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「同社はパンデミックが始まる数カ月の時点で、すでにサブスク戦略で新規獲得よりもリテンション重視へとシフトさせていた。だがコロナ禍で購読者が急増したことに伴い、この読者を維持するという『より一層の必要性』に迫られたという」。——終了したIMD2020のあるセッションでも語られていたが、サブスクを指向するには、このリテンション率を上げる、いい換えればチャーン率(退会率)をどう下げられるかというポイントがある。早くから取り組んでいたEconomistが新型コロナウイルス禍に対して持ちこたえられた経緯を解説する記事。

 

 

FacebookやTwitterは、新型コロナウイルスをめぐる風評や、大統領選をめぐる真偽不明情報の流布を抑止するために、「シェア」(やRT)ボタンの機能に変更を加えている。MITのDavid Rand教授の調査研究では、シェアする前に立ち止まって考えれば、偽情報を流布することが減るというわけだ。

タイムラインアルゴリズムからの脱却とパーソナルメディアの未来(前編)【ゲスト寄稿】

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

 

 

「誰もがメールアドレスを収集でき、読者と直接繋がれるニュースレターサービスの Substack が生まれています。タイムライン上でのコンテンツマッチングアルゴリズムに依存せず、自分だけのファンや読者を集め、独自のコミュニティを構築していけるサービスが次々に成長しています」。

——自分も注目する“ニューズレター”のトレンドについて、「theLetter」を展開する濱本至氏が論考。その前編。さまざまな事例が紹介されている。

 

 

【ご紹介】:
月一連載が日経電子版に掲載されました。よろしければご一読を。➡ ウェブ会議「疲れ」どう解消? 適度なムダ、織り込む余裕を

Disruption This Week—–21/8/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年8月17日から2020年8月21日まで。

 

 

かつてWebサイト分析のChartbeatを創業、現在は購読型のニュースアグリゲーション事業Scrollを推進中のTony Haile氏、サブスクリプションで進撃中のNew York Timesに、多様な小型メディアが対抗する道が一つあるとする。相互連携を基にしたハブ&スポーク戦略だと訴える。Scroll事業がそのものずばりというわけだ。

 

 

「数年後、計画がすべて実現すればイーサリアム2.0は事実上、無制限に近い処理能力を獲得し、デジタル時代の社会インフラとなれる能力を備える。計画がすべて実現しない場合でも、現状の混雑を解決できる高速化は達成する方向で開発が進んでいる」。

——星暁雄さんの充実したイーサリアムに関連する概説。話題は「イーサリアム2.0」の動向だ。実現に期待が集まるが、一方で、深甚なテスト障害も引き起こした。ブロックチェーンが社会の強力な基盤になるまで、もう少しだけ時間が求められそうだ。

 

 

Google、Chromeで上で高速表示(読み込みや応答など)するWebサイトをハイライト表示する機能を追加。Chrome for Androidのリンクから明示をする。以後、Chrome 85以降で標準に。
米New York Times史上最年少CEOに就任するMeredith Kopit Levien氏。そのキャリアから現在を概観する記事。同氏について解説した、最も詳細な記事。
同社がForbesから採用した典型的な広告ビジネス幹部は、デジタル広告を推進し、ネイティブ広告の立役者。そして非広告収益(=購読)へと、自身のキャリアをピボットしたとする。
「いつ寝ているんだ?」的な周囲のコメントなど、同氏の側面にも触れている。

 

 

多くの人々(特に若者世代)では、ニュースに触れるのは、TwitterからInstagramへ。最新のReuters Instituteの調査でも、ニュースのためのInstagram利用は、2018年と比較し、全世代で倍増していることが分かった。来年にはTwitter利用によるニュース接触を上回るとする。
米国でニューズレター(メルマガ)ブームをけん引するSubstackのCEO、Chris Best氏が語るポッドキャスト。1つのメルマガにNetflix以上の対価を支払っている購読者がいるとか、Substackは、同サービスで発行するメルマガには、対価を最低でも5ドル以上を義務づけている(多くのメルマガオーナーが「月50セントでいいかな」と言っていたが、それはあまりにも少なすぎるとする)など興味深い話題を盛り込んでいる。

 

 

【有料購読者向け記事】:
米国のテック系メディアCNET、多数のデジタル系企業を傘下に置くRed Venturesへ売却か? 事業再編中の親会社ViacomCBSが“非中核”資産の処分の一環と、米WSJが報道。その際の時価総額が5億ドルだと見立てている。

 

 

自社ドメインへのアクセスは、実は20%も低くカウントされている? サイト分析ツールが捕捉できないアクセスが増え続けている“シャドートラフィック”問題を解説する記事。プライベート閲覧や広告ブロック、分析回避ソフトなどから生じているとする。

 

 

新型コロナウイルスの影響で、英国内のジャーナリスト(メディア従事者)の削減が加速しているとの報道。主要メディア各社での削減状況がまとめられており、その規模は2,000名に及ぶとする。コロナ危機が高まった4月には、総計で1,000名程度の一時帰休が実施されたがそれが解雇へと転換しているとも。

 

 

「検索やソーシャルの領域とは違い、アグリゲーターのカテゴリーは消費者のニーズを満たすためにますます多様化し、すばやく対応できるようになっている。アップデイの数値は少ないかもしれないが、これからますます成長するだろう」。

——独アクセル・シュプリンガー傘下のニュースアグリゲーションアプリ「Upday」の話題。当然ながらのドイツをはじめ、英・仏・伊など欧州で伸びているという。利用者のコンテキストに合ったニュースの発見には、まだまだやるべきことがある。

 

 

【ご紹介】:
日経MJへの連載記事が、日経電子版に掲載されました。よろしければご覧を。➡ AIで進化する翻訳サービス 「同時通訳」可能な時代に

 

 

【ご紹介】:
私も理事として運営に携わるファクトチェック推進団体の「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」が、新たにファクトチェックの推進を支えるサポーターの募集を開始しています。小額の支援金を一定期間お納めいただくものです。ぜひご検討下さい。
また、「FIJってどんな活動をしているの?」というご興味があれば、活動概要を見ていただくのに最適なページを用意しました。

Disruption This Week—–14/8/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年8月11日から2020年8月14日まで。

 

 

Reuters、歴史的ビデオの発見を迅速化するAIベースのツールを発表。Googleのファンドの支援を受けて開発。ベータ運用を始めた。動画内の人間の出演時間をタイムスタンプし、音声からテキストへのトランスクリプトや翻訳を作成することができるという。日本でも報道映画などを対象にこの種のサービスが誕生するといいし、コンテンツホルダのビジネスチャンスにもなると思う。

 

 

ByteDance社、同社がインドネシアで展開していたニュースアプリにおいて、中国政府に批判的な記事の検閲を行っていたと、関係者がReutersに証言。ByteDanceはニュースアプリ各国版(日本にも)を提供している。米政府の排除令に傍証を与える報道と言えそうだ。

 

 

「この方式は、News+の会員のフラストレーションの原因を1つ取り除く。月に9.99ドル払うと、The New YorkerやThe Wall Street Journalなどのパブリッシャーの有料記事を読めるが、それはパブリッシャーのウェブサイトではなく、Newsアプリからでないとアクセスできない」。

——この議論で、パブリッシャーが怒るとすると(実際にそのような声について記事は触れているが)、Webワールドと(モバイル)アプリワールドの観点のギャップがある。このケースではApple+の有料購読者にとっては、ニュース体験の改善が見込まれるメリットをもたらすからだ。このギャップは、実はいまも随所に残っており、利用者、パブリッシャー、そしてアプリ開発者の悩ませている。

 

 

「状況はこれまで以上に『スプリンターネット(splinternet)』に近づいている。
テック業界のリーダーたちは、世界中の国家が他国のウェブサイトや製品をシャットアウトすることで、ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)が終焉を迎える可能性があると長い間警告してきましたが、8月5日にトランプ政権が提案した新しい計画は、アメリカがその方向に一歩踏み込んだことを表している」。——十数年前から指摘されてきた、“インターネット上で起きる国家間の分断”がスプリンターネットが現実のものになってきている。実際のところ、ロシア、中国、北朝鮮と、強権的な政治体制を敷く諸国では、ネットの本質である双方向性を阻害する仕組みが組まれてきているわけだが、いまや米国をはじめとする対抗軸もあからさまな姿を見せつつある。

 

 

【全文閲覧には要購読】:
「調査では、ライブエクスペリエンスに対する支出は過去30年間で70%増加し、コンテンツを自動的にカスタマイズすることが重要と答えた生活者の割合は67%という結果が示された。その一方で、パーソナライズされた広告コンテンツが倫理的であると回答した割合は17%、ニュースフィードでは24%と、広告やニュースフィードが倫理的かどうかについては、消費者は懐疑的であることが見受けられた」。——コンテンツの表示について、消費者の揺れる判断。ライブエクスペリエンス(さまざまなイベント性のある事象)に強い関心が取り出された点にも、興味を惹く。

 

 

大成功だった8年間の任期を終えようとしている、米New York Times CEOのMark Thompson氏、気楽になっているのか、CNBC Proの広範囲な質問に大胆に答えている。興味を惹いたのは、大流行のポッドキャストの先にあるニュースの未来形は、単に聴き流すモデルではなく、問えば答えるようなフォーマットだとしている点だ。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「ネットフリックスが大事にしているのは、『ユーザーが観たい作品を探すまでの時間をいかに短くし、実際に観ている時間を最大化するか』ということです。
そのためには、個々人に合った作品をおすすめするパーソナライゼーションは欠かせません。
どのようにして行っているのか、詳しく説明しましょう。ステップは大きく3つ。①作品ごとに、ジャンルやテーマなどをタグ付けする②ユーザーの好みを学習する③その人に合ったおすすめを表示するという流れです」。——Netflixユージーニー・ヨウ氏のコメント。そのレコメンデーションの仕組みについて、踏み込んだ解説をしている。タグ付けは人間の仕事と明言している。

「『ボット』によって『いいね』や『シェア』を自動的に増幅させることも可能になり、そのようなサービスを提供する業者もある。
そしてこのような『フェイクエンゲージメント』がフェイクニュース氾濫を後押ししている、とも指摘されてきた」。——コメントの書き込みや「いいね!」などのリアクションが、そのコンテンツへの信頼感や親しみを醸成すること、さらに、その種のリアクションを偽造できることは知られてきた。したがって、本論で紹介されている研究結果は、概ね想定されることだが、依然としてボットによる偽造対策が進んでいない事態が重要だと思う。

 

 

いま、ポッドキャストに代表されるオーディオビジネスに何が起きようとしているのかを、段階を分けて整理した論。完成段階として、収入モデルを内部化したアグリゲーションプラットフォームの誕生期に入ろうとしているという論。そのリーダーはもちろん、Spotifyだ。

 

 

「フェイクニュース問題に取り組んできたジャーナリズム組織『ファースト・ドラフト』は3月に公開した『コロナウイルス:責任ある報道と倫理』という記事で、13のルールを紹介した」。

——もちろん、偽情報の流布においては、“確信犯”の存在も重要だ。だが、他方、そこかしこで、誤った情報発信による過誤も指摘される。つまり、情報伝播のメカニズムを見誤ることによって、意図せぬ誤情報としての広がりを招くというリスク。このメカニズムについても、理解を深めていく必要がある。

 

 

【ご紹介】:
「デマはあらゆる国で拡散されています。今回、国連の新しいキャンペーン『Pause/ちょっと待って』をFIJとともに展開することは、日本におけるデマ拡散の防止と『シェアする前に考えよう』という考えの浸透に大きく貢献すると信じています」。——私も参加しているファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)は、国連が行っている「ちょっと待って」キャンペーンに、日本から協力している。5つの“W”について、注意を向けていきたい。