Disruption This Week—–26/3/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年3月22日から2021年3月26日まで。

1週間ほど前に紹介したが、英Guardianが同じ英国のDaily Telegraphが、電子版で購読への寄与度をスコア化し担当者の給与に反映させる動きが報じられた。この記事ではそれは必ずしも悪いことではないとする。メディアは、もっとツールや計測実験を行うべきとするオピニオンだ。
米New York Timesのテック系コラム記者が、話題のNFTを試してみようと、自身のコラムをNFTでオークションしてみたことは、昨日紹介した。驚くなかれ、それが24時間以内に、54万ドルで落札された!との報道。
「(増えるとされる動画広告の)中でもTVerをはじめとするテレビ関連メディアの動画広告はまだ伸びしろがあります。例えば、仮に同時配信の流れが加速するようなことがあれば、今後爆発的に需要が増える可能性もあるでしょう」。

——インターネット広告関連の仕事をされている人は、読んでおいた方が良い、網羅的な解説。在宅視聴時間が伸びる環境での動画関連と、引き続き影響力の大きいSNS関連広告には、課題も含めて注目しておく必要がある。

【有料購読者向け記事】:
米メディア各社はペイウォール利用を様々に進化させている。Washington Postでは細かな工夫で購読コンバージョンを向上。購読料の支払情報の記入位置を変えるテストで、定期購読が10%も上昇した。「認知的負荷と摩擦」を減らすことが重要と指摘。
視聴者データの分析サービスSparkToroによれば、2020年のGoogle検索結果の3分の2は、何のクリックも生まなかった。この「ゼロクリック検索」問題は数年前から指摘されてきたが、前年の19年の約50%からさらにその比率を高めた。他の記事によれば、Googleはこの分析結果を否定する。Googleがますます検索をめぐるトラフィックを独り占めしているとの批判が高まれば、これから高まってくる独占禁止的な論調に拍車をかけることになる。
米メディアコングロマリットのVerizon(トラフィックベースでは、Google、Facebook、そしてMicrosoftに次ぐ第4位)、メディアポートフォリオを「Yahoo」ブランドへと集約中。さらに今後の同社コンシューマ事業の中心を、Ya買収時のターゲティング広告から「Plus」名を付加したサブスクリプションへと転換する。現在もすでに有料購読者は300万に達する。
【有料購読者向け記事】:
「たとえば『アジア経済低迷により70万人のポップスターが解雇(Asian economic woes force layoffs of 700,000 pop stars)』という風刺ニュースの見出しは、『ポップスター』を『労働者』に入れ替えると簡単に真面目なニュースにできる」。

——AIはユーモアを創りだせるか? 非常に面白い研究の一端。詳しくは解説しないが、見出しの名詞を操作するだけで、ユーモアが出現する。さらに「重要な発見」が。「分析の結果、ユーモアは見出しの終わりの方に宿る傾向にあることがわかりました」という。オチが最後にやってくるという。

“クリエイターエコノミー”の隆盛は、老舗ジャーナリズムの零落を招くのか? 本記事の論者はFacebook、Twitter、Substackなどの新エコノミーへの取り組みを紹介しつつ、伝統メディアが培った資産を投入しジャーナリストをタレントとして育成、支える事業モデルへの転換を説く。

9 subscriber retention strategies

American Press Institute

米国のメディア(報道)分野の非営利教育団体American Press Instituteが、メディアが取り組むべき購読者の維持策(Retention)を大がかりに調査、分析した。この記事では、9つのアプローチを紹介し、メディアが不得意とし避けてきた策を浮かび上がらせ、解説をしている。
米Bloomberg MediaのCEO、Justin Smith氏が講演。同メディアは、直近5年間で6つの新規事業を立ち上げ、中でもストリーミングチャンネル「Quicktake」は2年強で有料購読者25万人で、今年中にも40万に到達するとする。同氏は「メディアは発明(イノベーションではなくいインベンション)主導」の起業家精神が必要と強調する。