Disruption This Week—–24/6/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年6月20日から2022年6月23日まで。

グーグル・ニュース、スペインで8年ぶり再開
「スペイン政府は昨年、2020年に改定された欧州連合(EU)の著作権規則を法律に移項。メディア企業がハイテク企業と直接交渉できるようにした。
これを受けてグーグルはサービスの再開方針を表明していた」。

——Googleのスペインからの撤退ぶりは歴史に残るものだが、取引スキームができたことで、ようやくサービス再開。同社は「スペインでできるだけ早期にニュースパブリッシャーに対価を支払う仕組み『ニュースショーケース』を始めるとしている」そうだ。

U.S. digital newspaper ad revenue expected to surpass print by 2026
米PwC、米国の新聞社におけるデジタル版広告収入が印刷版を、2026年には追い抜くとの調査を公表。チャートを見れば分かるように、デジタル版広告が急増する楽観シナリオではなく、印刷版の低減によるものだ。調査担当者は、「デジタル化への意欲の差ではない」と述べる。
EU、「偽情報に関する行動規範」改訂版を発表--ディープフェイクなどの抑止を強化
「欧州連合(EU)の欧州委員会は現地時間6月16日、偽情報の流布を食い止めるための規則を全面的に見直した改訂版を発表した。EUが強化したのは「偽情報に関する行動規範」(Code of Practice on Disinformation)で、この規範に署名しながら対策を講じなかった企業は、世界売上高の最大6%にあたる罰金を科せられることになる」。

——重要な動き。そもそも同規範に署名しなければ、罰金を科せられることもないのだろうが、これから逃れることはIT大手にとって、欧州での経済活動に支障があるということだろう。「大手テクノロジー企業では、Meta Platforms、Google、TikTok、Twitterなどがこの規範に署名している」とある。Appleを除く勢力が集合している。

The Washington Post is not selling its software business, despite offers
米Washington Postが外販するクラウド型パブリッシングソフトarc XP。同ソフトウェア事業はすでに数百億ドルの評価を受けているが、同社はいまだ黒字化されていない事業に投資を加速する意思と同社幹部らがコメント。近い将来、同社最大の収入源へと成長すると期待。
【3分解説】なぜ食べログ「敗訴」は大問題なのか?
【有料購読者向け記事】:
「例えば、YouTubeの場合、動画がサイトの上部に表示されるかどうかは再生回数を大きく左右するだろう。クリエイターの収入に直結するため、アルゴリズムの変更は死活問題で、食べログと同様の問題提起がなされてもおかしくない」。

——良い意味でも、そしてそうでない意味においても、アルゴリズムが果たす役割は、現在、ネットを泳ぐために決定的に大きい要素。そのぜひをめぐる判例でもあり、とても重要なケースだ。

「ニセ・誤情報に騙されないために」 総務省がネットリテラシー教材を公開
「総務省は偽情報や誤情報について、メディアリテラシーと情報リテラシーを掛け合わせた『メディア情報リテラシー』の向上が必須とし、各国の政策を調査。有識者と共に教材と効果検証手法を開発した」。

——作成された資料のなかには、「その分野の専門家?」というページもある(サムネールで表示されているページだ)。信頼性を測る指針として、「その情報は、専門知識や必要な資格を持った人が、責任を持って発信しているか?」などをあげている。茶化すつもりはないが、「専門家」「専門知識」を基準にして信頼性を測ることの難しさを感じている自分としては、違和感が強い。

Trends in US news media 2022: Subscriptions, trust, newsletters and more
最近公開されたReuters Institute「Digital News Report 2022」のリポートに関連する話題。調査によれば、ニュースにお金を払う米国人の約56%は、2つ以上のタイトルを購読。全国紙と地方紙の組み合わせが多いが、政治、文化系雑誌を組み合わせるパターンも見られる。
Community building platforms for publishers: Facebook Groups vs. Twitter Communities vs. Discord | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
メディア運営者がコミュニティを運営、強化していくため選択すべきプラットフォームはどれか? Facebookグループ、Twitterコミュニティ、そしてDiscordの利点とマイナス点を実践的に検討する記事。Discordが評価されるが、万人向けではない面もあるとする。
Leaked Audio From 80 Internal TikTok Meetings Shows That US User Data Has Been Repeatedly Accessed From China
米TikTokの複数の社内会議の録音が漏えい。解散する米BuzzFeedによる衝撃のリポート。
「『中国ではすべてが見られている 』と、2021年9月の会議でTikTokの信頼・安全部門のメンバーが発言。別の会議では、ディレクターが北京にいるあるエンジニアを 『マスター管理者』と呼び、『すべてにアクセスできる 』と述べた」。
まさにTrump前大統領がTiktokについて懸念を表明していたとおりの実態が暴露された。
「ニュースを見るのが嫌」38%のユーザーが伝えたい、その切実な本音とは?
「その理由は何か。
最も多かったのは、『政治やコロナの話題が多すぎる』(43%)だ。次いで『ニュースを見ると気分が落ち込む』(36%)、『大量のニュースに疲れる』(29%)、『ニュースは信頼できない・偏向している』(29%)、『論争に関わりたくない』(17%)、『自分にできることは何もないから』(16%)、『時間がない』(14%)、そして『難しすぎて理解できない』(8%)」。

——すでに紹介したReuters Instituteによる調査結果を論じた平 和博氏の論。「ニュース忌避」と自分は呼んでいるが、重視しなければならない現象だ。実はニュースをめぐる両極的な“分断”以上に大きな問題が潜んでいるのではないか。

鼎談「これからのメディアリテラシー教育、そしてメディアについて」第1部~メディアリテラシーの課題をめぐって - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
最近参加したスマートニュースメディア研究所で、メディアリテラシーをめぐる討議を行いました。専門家の方々の議論をモデレートすることできました。よろしければご一読を。➡ 鼎談の第1回

Disruption This Week—–10/6/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年6月7日から2022年6月10日まで。

過去2年間のWeb・アプリ利用状況発表 新型コロナの影響でサイト利用増加【Amplitude調査】
「2020年1月から2021年12月の約2年間で、全世界のアプリのMAUは36ポイント、WebサイトのMAUは57ポイント上昇していた。2021年12月時点の全サービスにおけるアプリとWebサイトのMAUの内訳として、54%がアプリ、46%がWebサイトという割合となっており、事業者はWebサイトとアプリのどちらかではなく双方への投資が必要なことがわかる」。

——自分の関心からは重要な情報がいくつも。ネット利用が2020年1月以降、おしなべて各国で伸びたことは理解できる。が、業種別や一部国別で、Webかアプリかという違いがある。消費者の利用は、大きく“Webからアプリへ”という遷移を示していると思っていたが、実はそうでもない。金融分野でWebがアプリに拮抗しているのには、びっくり。

Open source intelligence key to fighting Russian disinformation during Ukraine war
英国における中心的なAI研究機関であるAlan Turing研究所が設置した「Center for Emerging Technology and Security」がロシアによるウクライナ侵攻をめぐって交わされている情報戦において、ロシアの欺瞞工作の解明にOSINTが重要な役割を果たしているとする調査報告「The Information Battlefield: Disinformation, declassification and deepfakes」を公開。原文はダウンロードできる。
動画視聴とニュース…子供達はインターネット接続テレビで何をしているのだろうか(最新) : ガベージニュース
「インターネット接続ができるテレビで、子供達は具体的にどのようなことをしているのだろうか。内閣府が2022年3月31日付で報告書を発表した、【令和3年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】の内容から、小中高校生における実情を確認する」。

——「動画視聴以外にもニュースが21.4%と2割超え、音楽視聴は11.3%と1割超え。テレビによるインターネットは、大体この3項目の用途に利用されていると見ればよいだろう」というのが概観。興味深いのは、高学年になるほど(たとえば高校生に限ると)、「テレビ(ネット接続)」への指向性が低くなる。記事では自分のスマホに向かう比率が高いと想定していること。スマホの利用度がメディア視聴を規定しているとも考えられる。

Spotify CEO teases major push into audiobooks
米Axios、SpotifyのCEO、Daniel Ek氏にインタビュー。同氏は、同社の長期戦略としてオーディオ分野への投資継続を強調。Appleのポッドキャストを追い抜いたのに続き、Amazonが独占するオーディオブック市場に挑戦することを明言。
NFTはなぜ誤解され続けるのか?:所有をめぐる真実からミントの収支まで
「同じトークンはこの世にふたつと存在せず、それがあなたのクリプトウォレットの中に入っているとしたら、そのトークンの意味するものは当然あなたのものということになる、というわけだ。この考え方はいくつかの理由で間違っている」。

——正直な話、自分も理解できていなかった点がいくつも指摘されている記事。NFTをめぐっては基礎的な理解がさらに必要なようだ。

偽動画、東京大学は検出精度9割 米メタも封じ込め急ぐ
【有料購読者向け記事】:
「東大の山崎俊彦准教授らは米テック企業をしのぐ世界最高水準の性能を誇るディープフェイクの検出手法を開発した。代表的な5つの評価指標を用いて検証したところ、4つの指標で既存の検出技術を上回った。ほとんどで9割前後の精度を示し、最も判別が難しい指標でも7割以上を見分けた」。

——紹介された東大・山崎氏らの研究成果はソースも公開されるとのこと。喜ばしいが、“ディープフェイク”を研究開発する陣営にとっても材料になることだろう。長く続くテクノロジー開発のレースになりそうだ。

GQ jumps on Discord to reach Web3 early adopters and crypto-curious
雑誌大手Condé Nast傘下の高級男性誌「GQ」がWeb3に熱心に取り組む。「GQ3」名のサーバをDiscordに開設。「私たちが考えは、GQがホストで、Discordが会場で、みんなを招待してパーティーを開くということだ」と同誌の読者開発担当者は述べる。
顔認証普及の裏で進むディープフェイク対策 AI、多要素認証……
「ディープフェイク技術とその検知に詳しい国立情報学研究所の越前功教授(情報セキュリティ)も『ソフトの進歩で1枚の写真から比較的簡単に偽動画が作れるようになっていて、認証が突破される危険性はある』と指摘する」。

——本人が語ったり、行動したりと見まごうような“ディープフェイク”の広がりが懸念されているが、それが顔認証さえも容易に突破されてしまう可能性が問題になっている。実は顔認証、意外に突破されやすい仕組みとは最近よく語られているところ。

New IAS Report Uncovers How Misleading Content Impacts Digital Advertising
アドベリフィケーション企業のIAS(Integral Ad Science)、誤報(虚報)と広告との関連性について、新リポート「誤報とメディア品質」を公開。広告およびメディア関係者は「誤報の忌避」の7割以上が表明する一方、どのように排除するか定めるガイドラインの運用は半数以下と指摘する。まだ、誤報・虚報コンテンツに広告費が膨大(年間2億3500万ドル)に流入しているとも推測。
【ライブレポート】ABBA、想像を遥かに超えた驚異のアバター・パフォーマンス | BARKS
「ステージ上には、向かって左サイドに10人からなる生バンド。そしてアバターのメンバー4人もステージ上に現れる。照明と映像による演出効果とはまた別であり、スクリーンもメンバーを覆うような前方カーテン状のものもあり。どのような仕組みなのか、投影されているものなのか、これは目の錯覚なのか、とにかくアバターの4人はステージに居るのだ」。

——実際にライブ会場を訪問した記者のリポート。完成度が非常に高かったようだ。興味深い。

Disruption This Week—–3/6/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年5月30日から2022年6月2日まで。

ジャーナリズムの価値観は2割の支持層にしか受け止められていない、その信頼を広げる方法とは~平和博 - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
「ニュースソース(情報源)への信頼度を尋ねる質問で、トラディショナル(既存)メディアについての日本の回答は39%。各国比較で見ると、最低のロシア(35%)に次ぐ低さだった」。

——スマートニュースメディア研究所に寄せられた平 和博・桜美林大教授の論考。ジャーナリズムへの評価をめぐる各種研究、調査をめぐり、ジャーナリズムへの信頼感の喪失、低迷を分析している。
私自身は、ニュース(ジャーナリズム)への信頼感を支えるのは、「ファクト(事実)」と「ビュー(見識)」であり、この2点の混同を解くところから始めたいと思っている。

Economist podcasts reach 3m people a month - a paywall could come next
ABC公査で100万部の購読者を有し、厳格なペイウォールを運用する「The Economist」。一方で同メディアは同時に無料の人気ポッドキャストを運用する。有料誌の3倍のリーチにまで成長した無料ポッドキャストを抱える同社の戦略と理由を、オーディオ部門の責任者に取材した記事。
Content of the future: the demand for faster, more succinct and digestible storytelling | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
「実際、メディア消費動向に関する当社(=Tickaroo)の消費者調査では、英国人の27%が1日に何度もニュースの実況をチェックし、20%が1日に少なくとも1度はチェックしていると回答している。また、40%の回答者が中程度の長さの記事に興味を示しており、ニュース記事を読むのに最適な時間は2~6分であることがわかった」。

——ライブブログ基盤を提供するTickaroo社による調査とオピニオン。その分は差し引いて読むべきだが、「今日の人々は、簡単にアクセスでき、消化しやすく、簡潔なコンテンツを消費することを望んでいる。つまり、クリエイターは、コンテンツをどのように『パッケージ化』し、『配信』するかにもっと注意を払う必要がある」という主張には、示唆されるものがある。

出版状況クロニクル169(2022年5月1日~5月31日) - 出版・読書メモランダム
「22年1月から4月にかけての販売金額累計は7.2%減、書籍は3.5%減だが、雑誌のほうは12.6%の大幅なマイナスとなっている。
雑誌の時代の凋落はとどめるすべもなく、コミック頼みで、このまま進行すれば、22年後半は何が起きてもおかしくない出版状況に追いやられると考えるしかない」。

——「雑誌」分野の前年比減のトレンドが変わらない。さらに言えば、その返品率も業界挙げての努力にもかかわらず、40%台半ばと下げ止まり。特に週刊誌はマイナス面での象徴的存在ということになる。この先について、関係者はだれもが自覚していることだろう。

若年層「テレビよりスマホ」鮮明、10代は75% NTTドコモの研究所が調査
「休日も平日と同様、若年層ほどテレビよりもスマホを長く利用する人の割合が高く、30代では約4割。10代では約7割に達した」。

——余暇に可処分時間を多く使える休日でも、TVではなくスマホ。若年層に定着した“マイ・メディア”習慣。加えて、60〜70代に顕著なTVへの固着ぶり。断絶はメディア消費の仕方に表れている。

Jonas Brothers Launch Smartphone-Only Video Subscription Service on Scriber
米ロックバンドのThe Jonas Brothers、新興企業が開発するSMSベースの有料購読サービス「Scriber」と提携。バンドの大ファンは月額購読費を払いSMS経由でスペシャルコンテンツやプレミアムサービスを得られる。ブロックチェーン技術を使い収益を分配(実際は慈善寄付に使われる)。超大手プラットフォームを迂回するアプローチとしても注目。
On Discord, Music Fans Become Artists’ Besties, Collaborators, and Even Unpaid Interns
ゲーマーのためのチャットツールに始まり、いまではアーティスト全般が依拠するコミュニティに欠かせないコミュニケーションプラットフォームとなった「Discord」。「8人のドストエフスキー読書会から78万人以上のRobloxプレイヤーが集う場」の生態系をていねいに語る記事。音楽メディア「Pictchfork」掲載。いまではConde Nast傘下入りしたが、本当に良いメディアだ。
キーワードから約6秒で文章生成する執筆AI、“求人原稿の自動作成”へ開発元がマイナビと実証実験 | DIAMOND SIGNAL
「両社(=ELYZAとマイナビ)ではELYZAが保有する大規模言語AIを用いて、求人原稿のドラフトなどを自動生成する仕組みの共同開発に取り組む。まずは2022年度中に求人原稿に特化した生成型執筆モデルの開発を進め、実証実験を経て現場への実装を目指す計画」。

——何度か紹介してきた自然に近い日本語文の生成をELYZAの試み。求人票のような定型文に応用する商業ベースに近い試行が始まるという。

60代と70代のSNS利用、前年から大幅増…外出自粛で子や孫との連絡手段に
「SNSを使う人の割合は、60歳代が71.7%で前年の60.6%から11.1ポイント、70歳代が60.7%と前年の47.5%から13.2ポイント、それぞれ上昇。他の年齢層に比べて60、70歳代の伸びが目立った。
SNSを利用していると回答した人に目的を複数回答で聞いたところ、『知人とのコミュニケーション』が88.6%で最も多く、次いで『知りたい情報を探すため』が63.7%だった」。

——私のような人間が増えているのか(苦笑)。要するにようやくスマートフォンの使いこなしが高齢者に及んできたということだろう。次にテレビからストリーミングへのシフトが起きるか? YouTubeは高齢者にだいぶ浸透しているはずだ。

“スローニュース”を謳う英Tortoise、有償コンテンツ強化策の一環として、デイリー、ウィークリーのPodcast作品のラインナップを推進。CMOは「我々が発見したのは、スローな物語主導のストーリーには、小さなスクリーンで読むよりも、オーディオの方がよく生きること」とする。
脱 Excel ! Jupyter で始めるデータ分析 - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。スマートニュースの有野が実務家向けに解説するデータ分析ツールの使いこなしです。

Disruption This Week—–27/5/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年5月23日から2022年5月27日まで。

Twitch Is ‘Absolutely Dominating,’ Says TikTok Star Josh Richards
【有料購読者向け記事】:
TikTokで2,500万人ものフォロワーを擁するクリエイターのJosh Richards氏、今後ライブストリミーングが絶対的に支配的な存在となると述べる。具体的には「Twitch」。ゲームファンの必須アイテムだが、いまではクリエイターの活性化策に必須だとする。
Twitter、FTCおよびDoJによるプライバシー関連申し立てで和解 1.5億ドル支払い
「米連邦取引委員会(FTC)は5月25日(現地時間)、米Twitterがターゲティング広告にユーザーアカウントのセキュリティデータを不正に使用したとして、米司法省(DoJ)とともに申し立てていた訴訟でTwitterと和解したと発表した」。

——詳しくは記事を参照されたいが、要するに“セキュリティ強化のため”と2段階認証のためのメールアドレス、電話番号をユーザに求め、その情報を広告ターゲティング用に用いていたという、呆れた問題。「不注意」な利用ですでに対処ずみだということだそうだ。

SBJ Unpacks: NFL looks at the plus side
NFL、ご存じ米プロフットボールリーグがオーナー会議で独自の動画配信サービス「NFL Plus」の開設を決定。月額5ドル程度で7月から配信開始。動画だけでなく、ポッドキャストなど各種フォーマットのコンテンツが提供されるという。
This college ‘nerd’ investigates the Ukraine war from the digital front lines - Poynter
匿名で運用されてきたOSINT情報アカウント「Intel Crab」。10万以上のフォロワーを持つ人気アカウントだが、その運営者は米国の20歳!Bellingcatに憧れる“オタク系学生”。 ウクライナ東部、そして今回の侵攻を詳細に調べアーカイブするそのスタイルをインタビューした記事。
2022 エデルマン・トラストバロメーター
「『虚偽の情報やフェイクニュースが武器として利用される可能性を心配している』と答えた回答者は、グローバル平均で76%、日本では64%に上り、現在繰り広げられているロシアとウクライナの情報戦を示唆する結果が出ています 」。

——毎年注目している調査結果が公表。“フェイクニュース”への脅威感が、国内外で増している。それでも世界比較では日本は穏やかなものなのだが。

The Era of Borderless Data Is Ending
【有料購読者向け記事】:
“各国はデータ鎖国をめざす”。個人をめぐるデータの重要性について認識が高まるにつれ、各国はその国外への流出に懸念を募らせている。特にその焦点は、GoogleやAmazonなど多国籍大企業の動きだ。各国のデータ保護法制がこの数年で倍増と報じる記事。
Snap Plunges, And There Goes Social Media’s Online Ad Biz
【有料購読者向け記事】:
こちらもSnapの業績下方修正から引き起こされた市場クラッシュを伝えるWSJの記事。Bloombergと同様、マクロ経済と結びつける貴重だが、同時に記事タイトルが示すように、WSJはオンライン広告の不調に起因するものと語っているのがポイントだ。
広告にからむ各社(Snap、Meta、Pinterest、Twitter、Google、そしてAmazon)が打撃を受けていることからも明らかだ。
“メジャーメディア”に近づくTVer、月間2億5000万回再生…「かまいたちの掟」など地方番組も人気
【有料購読者向け記事】:
「利用は着実に増え、3月の月間動画再生数は前年同月比約1.4倍の約2億5300万回。月間ユーザー数は1月に1850万人を記録した。龍宝社長は『毎月2000万人弱が利用するサービスは日本トップクラス。3000万、4000万になれば完全なメジャーメディアになる』と話す」。

——ユーザにとっての利便性にはまだまだ届かないところはあるが、ともかくもフィージビリティの効能はあった。次に放送業がどんな意思決定を行うかどうか。

「Discord」は男子の半数以上、「TikTok」は女子の半数が利用 大学1年生調査 東京工科大
「東京工科大学(東京都八王子市)は5月24日、新入生にコミュニケーションツールの利用状況などを尋ねる調査の2022年度の結果を発表した。TikTok、Discordの利用率が急上昇しており、TikTokは女子の48.5%(前年度比9.5ポイント増)、Discordは男子の53.5%(同8.0ポイント増)に伸びた」。

——Discordが、SNSとしてLINE、TwitterそしてInstagramを追うポジションに。TikTokは大人気というトレンドではあるが、むしろまだ小さいようだ。当然ながら東京工科大学という特性が関係しそうではあるのだが。

アングル:「ディープフェイクから守って」、声優や俳優が権利訴え
「何年も前に別のクライアントのために録音した自分の声をティックトック(TikTok)が何らかの手段で取得し、アルゴリズムで処理して、テキスト入力した文章を読み上げて音声として動画に重ねることができる機能としてアプリに導入した──」。

——TikTokが自らの声(音声)をサンプリングして、サービスとして提供していたとする記事。声優らがTikTokを訴えたかどうか記事は説明していないが、この種のサービスは、事業としての将来性が大きい。合法性をどう定義するか結論が欲しい。

スマートニュース子会社運営の「SlowNews」、サービス停止へ 事業モデルを磨いて仕切り直し
【お知らせ】:
「調査報道集団『Bellingcat』の翻訳記事を含む、一部の既存コンテンツはスローニュース公式noteで無料配信する。後継サービス登場までは、新規コンテンツも公式noteで公開するという。公式TwitterでもSpaceのイベントなどを開催予定」。

——前年ながら現行のアプリ形式での「SlowNews」の運用はいったん終了。別形式でのサービス提供をめざす方向へ。

Disruption This Week—–20/5/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年5月16日から2022年5月20日まで。

アップル、VR/ARヘッドセットを取締役会で披露-関係者
「アップルは今年末、もしくは来年早々にもヘッドセットを発表し、来年中の一般リリースを目指している。今年6月の世界開発者会議(WDC)での披露を目標にしていたが、コンテンツと過熱に関連した問題で遅れが生じている可能性があると、ブルームバーグが1月に報じていた」。

——AppleはVRとARを組み合わせた“ミックスド・リアリティ”をめざすという話題が業界では騒がれている。また、Metaとの呉越同舟を避けるという考えも強く、Apple内での取り組みは曲折もあったという。完成度の高いエディションを披露するのが伝統なので、お披露目はまだ先だと思うが。

Ad Tiers Are Crucial for Streamers in Their Domestic Battle for Viewers
米調査&コンサルティング会社Morning Consult、米成人のすべての年齢下位層において、有料購読より低価格もしくは無料で購読できる動画配信(ストリーミング)を好むとする調査結果を公表。特に今後の市場で重要なZ世代(1980年から95年に生まれた世代)の成人は59%が広告表示付きの(低価格もしくは無料)サービスを好む。記事中にチャートあり。
Appleの「ATT」は本当にユーザーのプライバシーを守れているのか? 英オックスフォード大が指摘
「Alibabaの子会社である『Umeng』は、AppleのATTを回避するために、サーバ側のコードを使用してユーザーのプライバシーに敵対するフィンガープリントを作成していた。フィンガープリントの使用はAppleのポリシーに違反している」。

——Appleがユーザ追跡の抑止機能として実装しているATTなどのその効果について、研究者ら第三者による実証研究論文が公表されている。そこで浮上したのが、「フィンガープリンティング」などと総称される不純な動機にもとづく対抗策。イタチごっこの感はあるが、Appleには徹底を望むしかない。

Netflix Cancellations Rise Among Long-Standing Subscribers
【有料購読者向け記事】:
Netflixは長期間にわたる購読者を徐々に失いつつある。調査会社Antennaので判明。この第1四半期での解約者(約20万人)のうち、3年以上の購読者の比率が高まっていた。第2四半期は200万人が退会する可能性をNetflixは示唆している。もちろん、その一部は、パスワードの不正な共有などをしているユーザへの措置によるものだが。
NFT の不確実性は高まるも、タイムは1000万ドル以上の利益をあげる:「クリプトネイティブなコミュニティに価値がある」 | DIGIDAY[日本版]
「タイムのNFTの売り上げの60%はセカンダリーマーケットで発生し、その総額は5000万ドル(約62億5000万円)にのぼるが、同社のビジネスに組み込まれたロイヤルティ構造のおかげで、自社のエコシステム外で発生した売り上げからその一部を得ているのである」。

——“自社のエコシステム外で発生した売り上げから…”は興味深い。NFTを生成して売り出す初動の売上に引き続く収入を織り込めるのであれば、コンテンツクリエイターにとって重要な道になる。

WSJ News Exclusive | Disney Vows to Show Very Few Commercials on Ad-Supported Disney+
【有料購読者向け記事】:
広告付き映像ストリーミングのトレンドが台頭。Disney+は、今年後半に予定する広告付きバージョンで、CMの露出を1時間当たり4分以内に抑えると言明。また、未就学児童の視聴に際しては非表示とするという。ライバルらに対してその健全性をアピールする。
As Google offers more personalized advertising, Apple suggests that in some cases, personalization doesn’t matter
AppleとGoogle、パーソナライズされた広告をめぐり対照的なアプローチ。Googleは先日のGoogle I/Oで、よりパーソナライズされた広告体験を提供するためのMy Ad Centerを発表。Appleは“追跡されない”広告に消費者がより好感度を持ち、かつ好結果を得られたとするデータを公表したとする記事。ただし、Appleのケースはいくつかの条件下でそうだということ。“ポスト・クッキー時代”の広告をめぐる戦略を考えさせられるものだ。
19.42% of active Twitter accounts are fake or spam: Analysis | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
お騒がせ者のElon Musk氏がまた騒動。買収しかかったTwitterのボットアカウントの多さで、買収に“一時”ストップ。実際はどうか? SparkToroとFollowerwonk両社が、実証的にフェイクアカウント(ボット)の数を調査測定した。その結果は、なんと2割がボットと判定されるということに。この調査を詳細に伝える記事。
‘The opportunity has never been bigger’: How the creator economy has opened options for creators to profit from their intellectual property
「タレントマネジメント会社Matter Media Groupの創設者兼CEOであるEvegail Andal氏は、『多くの中堅クリエイターが、自身のブランドやお気に入りのブランドとのコラボレーションに積極的に参加し始めている』と述べている」。

——クリエイターエコノミーの現状を概観する記事。フォロワー数が数千万人に達するようなトップ層のクリエイターから、中堅層にまで広がりを見せているという。

メタ、「GPT-3並み」の大規模言語モデルを研究者向けに無償提供
「今回のメタの動きは、完全に訓練された大規模言語モデルが、研究を望む研究者なら誰でも利用できるようになる初の試みだ。このニュースは、強力なテクノロジーが密室の小さなチームによって作られていることを懸念する多くの人々から歓迎されている」。

——GPT-3については、私の注目を何度か説明してきている。大規模データから生成された言語モデルで、その応用用途は巨大だ。問題はその基礎的データ収集や分析、インフラ整備など、ともかくお金がかかることだ。MicrosoftがGPT-3に資金提供を始めているが、今回MetaがGPT-3と同程度の取り組みを支援することになった。