Disruption This Week—–30/10/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年10月26日から2020年10月30日まで。

 

 

新型コロナウイルスの影響で消えていく米地方メディアの肖像。25のメディアをリストアップした研究者。「こで紹介したサイトの多くは、予告なしに消えていくので、かつて存在していたことを示したかった」と哀切の論。米Poynter.より。

 

 

「私たちがこのガイドで伝えようとした重要なことは、会員制プログラムと会員制ルーチンの両方があるということです」。会員制(メンバーシップ)を運用する世界のメディア編集部を取材した「The Membership Guide」が公表された。記事内リンクから参照できる。

 

 

カナダの社会心理学者が、学生らと進める調査・研究で、偽情報への対抗力を育てる「コミックス」を制作。没入型のメディアで出会う偽情報の見分け方などに取り組む。メディアリテラシー分野ではこのような取り組みが目に付くようになった。

 

 

危機に瀕する米ローカルジャーナリズム。「2020年にはジャーナリストら7,000名の雇用が失われる。このままでは“すべて消滅する”」。米議会上院に提出された衝撃のリポート。GoogleとFacebookは、ローカルジャーナリズムを「ハイジャック」しながら、ほとんど補償をしないとも指弾。

 

 

ソーシャルメディア(SNS)を用いたブランドマーケティング支援企業Socialbakersが、世界のSNS広告費をめぐる調査「Social Media Trends Report」を公開。6月からの第3四半期のSNS広告費は急回復。前年同期比でも約3割増。特に米市場の回復が急上昇だ(大統領選の影響もあるのか)。

 

 

「・新聞を読む人『世の中のことを幅広く知れる』 50.8%
・読まない人『読むのが面倒くさい・読む時間がない』 47.8%」——新聞を読む理由・読まない理由を見る限りにおいて、悲観には及ばないと思った。「お金がかかるから」以外の、読まない理由は克服可能だと思うからだ。
一方で、「世の中のことを幅広く知れる」については、当たり前ながら、その便宜をより深める取り組みが必要かも知れないが。

 

 

「オカシオ=コルテスは実際にゲームのプレイ動画を配信した。東部標準時で20日午後9時に初ストリーミングを始める前から、チャンネルにはすでに26万人以上のフォロワーが付いており、彼女がログインする20分前から50,000人がPCの前で待機したのである。コメント欄には励ましの声と絵文字が溢れた」。

——米国では、4年おきの大統領選をテコに新たなメディアやテックトレンドが生じる。今回はTwitchなどのライブストリーミングがそれに当たるだろうか。面白いのは、メッセージングプラットフォームとしてではなく、ゲームをしてみせたということ。AOCの“新しさ”がそこにあるのだろう。

 

 

Netflixが“(音声のみの)オーディオブックモード”を試行中。映像用に作られた番組でも音声で聴くのに適したものがある。一方のSpotifyが傾注しているのが、(映像も含む)ポッドキャスト。これらのトレンドがいよいよクロスする段階に。

 

 

米Wall Street Journalの「Digital Experience & Strategy」チームリーダーによる興味深い解説。同メディアは、大統領選報道のためにユニークな「TALK2020」を提供している。利用者が自由な文字列を入れることで、候補者がそれをどこでどのくらい語っているのかを可視化する。このツール(サービス)の出発点は2018年の中間選時。ある記者による大統領らの発言をデータベースから分析するもの。その後、これを改良・発展させ、自然言語処理などの高度な処理を加えて実現しているという解説だ。テックが報道をどう進化させているかの例。

 

 

「FacebookとInstagramからコンテンツを削除されたり、逆にコンテンツの削除を求めても拒否された場合、監督委員会に異議を申し立てると、委員会がFacebookの判断の是非を検討し、その結論をFacebookに通告する」。

——長らく課題とされてきたFacebookのコンテンツ審査の外部化。ようやくその仕組みが動き始めたという。

 

 

【ご紹介】:
私が編集に携わる「Media×Tech」から、また、新着記事。ブロガーはどこにどのような記事をポストすべきなのか? 改めて混沌とする状況を論じてもらいました。

 

 

【ご案内】:
ここしばらく忙殺されっぱなしのカンファレンス企画、ようやく、全プログラムが固まりました! ぜひ、ご参加を。どれも無料ですよ。

Disruption This Week—–23/10/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年10月20日から2020年10月23日まで。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「新型コロナウイルスの流行がゲーム人気を加速させており、ゲームに費やす時間は流行期間中に29%増加した。ゲームプラットフォームを利用してバーチャルコンサートの鑑賞やメッセージの送受信などを行う人が増えており、バーチャル結婚式・誕生日会を開く人までいるという」。——新型コロナウイルスの猛威は、人々の生活における“バーチャル”部分を急拡大させている。バーチャル分野で先行して生活に浸透していた「ゲーム」がその先頭で切り拓いていくのは当然のことだ。

 

 

「アドビはこのプロジェクト(CAI、コンテンツ認証イニシアチブ)のミッションを、『クリエイティブと消費者の両方の立場を法的に強力にする、全業界的な作品の帰属の枠組みにより、オンラインの信頼と透明性を増すこと』としている」。

——Adobeは開催中の同社プライベートカンファレンスで、さまざまな同社製品やプロジェクトを公開しているが、待たれている「CAI」の実装形が見えてきてた。偽情報の流通対策としても重要性を帯びている。

 

 

こちらもパンデミックの猛威にさらされた期間を、重要なビジネス機会として成長した英メディア「Financial Times」の事例。それまで厳格なペイウォール運用をしてきた同メディアは、急きょ方針を転換。新型コロナウイルスをめぐるビジュアルデータ開示で成功したことは有名だ。どのように全社的な変身を遂げたか、戦略担当の幹部が解説する。
英The Economist Groupの社長に、今春先着任したBob Cohn氏。その後に生じた“緊急事態”に際して、購読者が倍増したThe Economist。同氏は、それまで購読者の新規獲得に注力していた同社のビジネス戦略を、購読者の“維持(リテンション)”を最大テーマへと転換したという。

 

 

「視聴者がライブ視聴中に有料の『バッジ』を購入し、配信者を応援できる仕組み。バッジは120円、250円、610円の3種類。購入するとライブのコメント欄に、視聴者のアカウント名と購入したバッジのアイコンが表示される」。

——記事中には、バッジ販売で得られた金額と同額を上乗せするキャンペーンも開始という。クリエータ支援策としては望ましいが、将来的に事業の柱になっていくのかどうかにも興味が生じる。

 

 

【有料購読者向け記事】:
モバイル利用をターゲットにした短尺動画サービスの米「Quibi」。思わぬ苦戦で番組の買取や、事業そのものの売却を水面下で行ってきているが、不調との報道。ハリウッドの大物ディレクターらを揃えた野心的プロジェクトは、事業閉鎖の危機を迎えた。

 

 

「ビットフライヤーブロックチェーン(東京・港)は、日本のアニメをファンが英語に翻訳するとトークン「HON」を付与する。TART(東京・品川)は電子書籍を読んだことをブロックチェーンで記録して、中古市場に出品する実証実験を2月まで実施した」。

——いろいろと実用的な利用シーンを意識したアプローチが具体化。問題視されることがある高トランザクションなものでなくとも、実用性は得られる。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「グーグルは1200億ドル(約12兆6000億円)に上る潤沢な手元資金を保有しており、訴訟にもひるまないとみられる。同社は各事業で激しい競争に直面しており、自社の商品・プラットフォームが大小を問わず企業の新規顧客への働きかけを支援していると主張してきた」。——その結果が出るまでに数年を要するのだろう。行方は分からないが、Microsoftのケースを考えると、さすがに当時の同社の勢いにマイナスの作用をしたことは、歴史的に見えてはいるのだが。

 

 

「オーディエンス・ジャーニー」。メディアへのアクセス解析サービスのParse.lyの創業者らが、コンテンツをめぐるユーザ獲得を、ファネルモデル(注意→エンゲージメント→購入/購読)の構築によって進める仕方を解説する記事。

 

 

大規模なソーシャルメディアらがどのようなアルゴリズムによって情報を配信しているのか監視するため、米調査報道メディアThe Markupは「The Citizen Browser Project」をスタート。同メディアによるカスタム設計のWebブラウザを読者らに提供し、そのデータ提供を求めるユニークで踏み込んだプロジェクトだ。

 

 

【ご紹介】:
迫る米大統領選をめぐって、選挙後の姿、深まる政治的対立・分断、メディアの役割などを論議します。スマートニュースメディア研究所の企画です。ご参加を。

 

 

【ご紹介】:
自分がどっぷり企画・運営に携わっているインターネットメディア協会(JIMA)主催のオンラインカンファレンス「Internet Media Days 2020」各プログラムの申し込み受け付けを開始しました。
まだ、企画調整中のものもありますが、順次、公開していきます。皆さんのご参加をお待ちしています。
告知ページは→ https://jima.media/imd2020/

Disruption This Week—–9/10/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年10月5日から2020年10月9日まで。

 

 

TEDの運営などで知られるChris Andersonが80年代に創業した英メディア企業Future PLC、いまでは傘下に200を超える動画やゲーム、エンタメなどのブランドを運用。新型コロナウイルスの影響を受けたものの急速に回復。来訪者も前年比で成長。今後3か月で150名もの増員を行うと公表。

 

 

米New York Timesが2020年の「Innovation by Design Award」を受賞。同社編集トップのDean Baquet氏が、いま新聞紙面(の特に一面)に力を注ぐ意義を語る。新型コロナウイルスで亡くなった人々の名前で1面を埋めたり、失業者登録をする人々の数が、飛び抜けたチャートを示したりと、ビジュアル表現のイノベーションは、「人々が一面を手に取り、自分たちが本当に注目すべき何かの真っ只中にいることを理解してもらう必要があるのだ」とする。

 

 

「実際のライブで、音響や映像、照明データを収録。これらのデータを使い、『ディスタンスビューイング会場』で同じライブを再現する。1回のライブを、臨場感そのままに繰り返し上演する、といったことが可能だ。
ヤマハのリモート応援システム『Remote Cheerer powered by SoundUD』との連携も可能」。——「Remote Cheerer…」は、リモートからユーザの声や拍手を届けることができる仕組みだという。この半年、すごい勢いでバーチャルイベント(ライブ)の仕組み化が進んでいる。

 

 

「報告書では各社の問題点を指摘した。グーグルについては検索市場における圧倒的なシェアを武器に、検索結果に自社のサービスや広告を優先的に表示したり、スマートフォンのメーカーに検索サービスの標準搭載を求めたりしていると指摘した」。

——記事では「与党・共和党は賛同せず、法的拘束力もないため、すぐには規制強化につながらない」ともしており、今後の動きについては見えない。与党・共和党もGAFAについては、苛立ちを持ってはいるわけだが。いずれにせよ、“選後”問題だ。

 

 

「ミュージシャンの山下達郎さんは、ある異変を語った。
1970年代から活躍する山下さんのファンは中高年層が中心だが『信じられないこと』に『10代、20代の方々が本当にたくさん(メールやはがきを)くださいます』。その要因は『radiko』だろうと指摘した」。——記事でも触れているが、必ずしもradikoのユーザ層で若者が多いというわけではない。ポイントは利用シーンにおけるラジオ特有の限定が外れたことが、ユーザの聴取活動を活性化しているのだろうと想像。自分の利用経験でもradikoにはアルゴリズムによる“発見”機能はないに等しい。より発展の余地がある。

 

 

「この分析で、10のうち4(44%)の人気YouTubeチャンネルが『個性重視』という特色を持っている、つまり、チャンネルが個人に関するものであることがわかった。これは既成の報道機関に雇われたジャーナリストである可能性もあるし、独立したホストである可能性もある」。

——すでに紹介した調査だが、改めての要約として。YouTubeがニュース消費のために重用されている背景には、視聴者が“個性(個人性)”に好感しているからという仮説が得られる。そこに、独立系(個人)メディア隆盛とが結びつく。肯定と懸念、両方の思いが自分にはある。

 

 

米地方紙「Arkansas Democrat-Gazette」は日刊の印刷版を廃止、購読者には購読期間中iPadを貸与。このデバイスで印刷紙面を模した電子版をするという大胆な転換を実施、印刷・配布コストを激減すると同時に、退会率を業界平均の1/3にまで下げた。この取り組みを取材した記事。購読者の声も紹介しているが、紙がなくなり助かったといった声や、印刷版以上に読むようになったとの声も。

 

 

「もうひとつ導入が進められている手法が、コメントの書き手に自動化されたフィードバックを送り、投稿ボタンを押す前に有害なコメント内容の再考を促すアプローチである。最近発表された研究では、本人にコメントを書き直すよう誘導するこうした手法の効果を分析している」。

——大変に興味深い研究開発。実際に、ユーザが、このフィードバックからの指摘で自らの投稿を修正したりする効果が生じているという。ただし、意図的な書き込みをする1/4はこのフィードバックをすり抜けようと反応するという。まあ、当然だろうが。

 

 

Sensor Towerが2020年上半期のアプリ関連収益を分析。それによればアプリ内課金が対前年比で23.4%の急増。その7割がゲーム関連。AppsFlyerによれば、広告収入が11%減少する一方、アプリ内課金は15%増。またApp Annieでは購読(サブスク)のシェアが急増との報告も。

 

 

「AFPのファクトチェックチームはその合意の下、フィリピンやインドネシア、パキスタン、オーストラリア、ニュージーランドなどの国々で、ティックトックに投稿された虚偽の可能性がある動画について検証する。こうした検証によって、ティックトックは虚偽動画を削除し、ユーザーに通知することで誤情報の拡散に対抗できるようになる」。

——記事によれば、AFPはFacebookともファクトチェックで提携しているという。

Disruption This Week—–3/10/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年9月28日から2020年10月2日まで。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「ショーケースは、発行元が選んだニュース画像やサマリーを、グーグルのニュースセクションにパネル表示する。個々のストーリーパネルをクリックすると報道機関のウェブサイトに飛び、全文が読める仕組みだ」。——すでに、Googleが、一部の地域で試行的に、ニュース記事への支払いを含む新たなコンテンツディスカバリの仕組みを提供することは紹介した。今回の「Google News Showcase」報道は、その具体的なイメージを伝えるものだ。従来のGoogle Newsとどう区別(もしくは連携)するのか、まだよく分からない点があるのだが。

 

 

米大統領選をめぐる第1回のディベート。CNNはNielsen調査によって「少なくとも7,300万人の米視聴者が見た」とする。「少なくとも」は、広範なストリーミング視聴者を計測不可能だからだ。記事は、代表的なライブストリーミングTwitchでディベートがどう視聴されたかを伝える。

 

 

「アマゾンジャパンは府中、上尾、久喜、坂戸に4つの物流拠点のフルフィルメントセンター(FC)を開設し、合わせてFCは21拠点となる。
久喜はすでに稼働し、4万5800坪、府中は9400坪、坂戸は2万3500坪、上尾は2万2600坪で、それらはいずれも10月から稼働予定」。——破竹の勢いのAmazon、書籍や雑誌流通において同社のロジスティクスが重大な基盤であることにもちろん敬意を表するが、直前の記事で紹介したような、危険、過重な労働環境に陥らないことを願う。

 

 

出版社、メディアを対象にAI技術サービスを提供するEchobox、メディアらによるFacebookへのニュース投稿25万件を分析。メディアによる投稿が多すぎるか、少なすぎるか、その投稿間隔によって、記事へ振り向けるトラフィックを変化させていることが明らかになった。特に投稿間隔が10分未満では、投稿へのトラフィックが減少、さらに5分未満では、急速に減少した(記事内にチャートあり)。

 

 

「ドイツのデュッセルドルフ大学病院でランサムウェアが救急医療を妨害し、警察が『過失致死』容疑で捜査を開始した。サイバー攻撃が史上初めて、患者の死亡に直接つながったケースだ」。

——ランサムウェア攻撃は、基本的にゆすりによる金もうけが目的なので、人命がターゲットにされたものではないとしても。このような事態が出来することは今後も見込まれる。

 

 

米New York Postの報道によれば、米大手通信会社傘下のVerizon Mediaは、損失が止まらない傘下のHuffPostの売却先を見つけるべく“奔走”しているという。同メディアは新型コロナウイルスの影響で損失が加速しているとする。

 

 

「『見出し』『短文』などのスタイル別に、独自のスタイル転移技術によってスタイルの特徴を再現した要約を生成します。『速報テロップ向け短文スタイル』の場合には、『だ、である調でニュースの要点をまとめた短文約50文字』を生成するなど、現在は6スタイルの要約に対応しています」。

——新聞や放送など、各報道機関が持つ起承転結などフォーマットを分析しているのではないかと想像。気になるのは、要約の対象ニュースと、要約文そのものの権利をどう見なしているのかという点。“縛り”を限定すればするほどビジネスへ応用する道が開けてくる。

 

 

スイスで1833年に創業したというメディアグループRingier。現CEOのMarc Walder氏が13年間に超積極的なデジタル化を推進。EC、マーケットプレイスなどへ100超ものメディア事業を拡張。いまや利益の7割以上はデジタルから、と述べる同氏のオピニオンを中心にまとめた記事。“デジタルテクノロジーがあってこそ”のメディア事業とは。

 

 

「新しいプレイリストでSpotifyが優先させたいのは、更に音楽をレコメンドすることより、政治やビジネス、スポーツのニュースであることは、音楽の未来を考えるアーティストや音楽業界関係者にとっては、気になるポイントであるはずです」。

——これは、つまるところ、個人個人に最適化されたラジオ番組をアルゴリズムが生成するものと受け取れる。好きな楽曲も流れてくるし、合間には、時事ニュースも流れる。だれもが音楽やニュースそれぞれの最適化について考えるが、Spotifyはその全体を意識しつつある。

 

 

「ディープフェイクを技術的に暴くためには、動画技術者の知識、動画開発者の知識が必要です。しかし、それはコインの片側に過ぎません。ジャーナリズムの知識も同様に重要です。ジャーナリズムの知識は『あるディープフェイクと疑われる動画の中の情報は論理的か?』という疑問が生じる際に必要です」。

——ドイツ最大の通信社「ドイツ通信社(dpa)」におけるファクトチェック態勢と、ドイツにおける誤・偽情報をめぐる情勢。

 

 

【ご紹介】:
Media Innovationに、SmartNewsのクーポン戦略について、担当の町田雄哉へのインタビューが掲載されました。

Disruption This Week—–25/9/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年9月23日から2020年9月25日まで。

 

 

Spotify、ポッドキャストの提供元として組んでいる米Chernin Entertainmentとの提携を、TVや映画制作にまで拡張することを発表。音楽ストリーミング→ポッドキャスト→映像ストリーミングへと、Spotify拡張戦略が徐々に見えてきた。Spotify自体が映像ストリーミングプラットフォームへと変身していくのか。あるいは、そのような各プラットフォームへの配給元となるのか。

 

 

メディアビジネス専門メディアの「Digiday」編集長Brian Morrissey氏が退任。自らのニューズレター(メルマガ)を創刊するということだ。先日はVergeを退社したCasey Newton氏についても紹介した。ニューズレターで“自分メディア”ビジネスを開始という点で共通だ。

 

 

「アバーズ(=人権団体、Avaaz)は反ワクチン運動のような医療デマや、ときには命の危険もある新型コロナの誤った治療法の主張、死者数が過大に集計されているという事実無根の記事などを広めていた、合計82のWebサイトを調査した」。

——記事にもあるが、たとえば、新型コロナウイルス関連の偽情報をめぐっては、これがデマ化し、誤った対症療法に走って命を落とす事例が数多く報告されている。偽・誤情報は命に関わる危機なのだ。

 

 

「パンデミック以降、アプリでの利用時間が最も伸びたのが『ソーシャルメディア』『動画』『メッセージアプリ』だ。それ以外に関しては、それほどはっきりとした影響は見られず、ウェブサイトへのトラフィックが増えた可能性もある」。

——米eMarketer調べ。つまり、米成人消費者のトレンドを見たものであることに注意。新型コロナウイルスの脅威下にある消費者がWeb回帰の傾向が見えるのは、やはり家庭ではPCやタブレットの利用が促進される傾向があるからか。

 

 

世界的なファクトチェッカー団体IFCN、大統領選をめぐる偽・誤情報の流通に対抗すべく、AFP、Washington Post 、PolitiFact、USA Todayなど主要メディアと主要ファクトチェッカーらと協業する「FactCHAT」を立ち上げ。自動化、データ標準形式、メッセンジャーなどを駆使する。

 

 

「『価値をパッケージ化して届ける』という従来のコンテンツプロバイダーの仕事は、その根幹から危機に瀕しているわけで、私たちは自分たちの仕事を改めて抽象化してとらえなおし、その中でこれからも求められる価値とは何かを見つめ直す必要があります」。

——KODANSHATechの長尾氏によるオピニオン。パブリッシングを“抽象的”に捉え直すという、論点が新鮮。抽象化すれば、印刷・流通もデジタルも等価だろうという意見もあるだろうが、印刷・流通と異なる付加価値もデジタルでは可能になる。そこに未来を見いだしたい。

 

 

The Vergeで尖鋭なテック系プラットフォーム批判の報道を続けてきたCasey Newton氏が、Vergeを退社、自らのニューズレターメディア「The Platformer」を開始する。利用するのはニューズレター発行基盤のSubstack。New York Timesの記事はこのようなトレンドを追う。

 

 

「新型コロナウイルスによるパンデミックは、オンライングローサリーからマルチプラットフォームゲーミング、ストリーミングサービスに至るまで数多くのテクノロジーの浸透を加速させた。しかし恩恵を受けなかった部門が、従来型の有料テレビだ」。

——eMarketerの調査によると、「2020年に米国の600万世帯が有料テレビを解約し、コードカッター(有料テレビの契約をやめる)数は累計3120万世帯となる」のだという。パンデミック前からのトレンドではあるが、それを加速させたという論点はもう少し掘り下げてみたいところ。私はストリミーング系サービスがそれぞれマーケティング(特に、○×か月無料というような)が、乱立したことがポイントではないかと想像している。

 

 

米BuzzFeed Newsが米財務省が作成した内部文書(“FinCEN文書”と呼ぶ)を入手。世界の調査報道ジャーナリストをネットワークするICIJと連携して、88か国400人による、世界有数の金融機関と各国政府がそのマネーロンダリングを黙認してきた振る舞いの暴露が始まった。

 

 

「規制当局は、共有されたコンテンツでパブリッシャーが報いを受けられるよう、独占的なテックプラットフォーム上での『条件を平等にする』ことを望んでいる。だが、批評家やプラットフォーム側は、規制当局はインターネットをベースとしたビジネスモデルを理解しておらず、充分に適応できていないと証言している」。

——各地域でこの種の小競り合いが生じているようだが、競争環境が行き着いた末の議論なので、今回はハードランディングの可能性が生じている。

 

 

【ご紹介】:
米国市場で新たな大統領選報道のための機能やサービスをリリースしたばかりのSmartNews。米市場での取り組みや体制について創業者のひとり、浜本階生が語りました。

 

 

【ご紹介】:
SmartNews米国版が、大統領選への投票をめぐる各種情報を集約し提供する「Election 2020」をスタートしたことを、Media Innovationに取り上げてもらいました。