Disruption This Week—–12/8/2022
目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年8月8日から2022年8月12日まで。

また、ストリーミング勢力の大手が次々と広告表示に乗り出しているのは、いまだ伐採されていない膨大な原生林が広告に供されることになるとする。
Why Investors Value a BeReal User Double That of Snap
The Information

新興企業(上場、未上場を問わず)を同一基準(1DAUの金額評価)で評価すると? 現在急成長中の新たなソーシャル写真投稿アプリ「BeReal」が、投資にとって上場企業Pinterest、Snapを大きく上回った。BeRealは、1日1回ユーザに“盛らない”写真投稿を促す面白い趣向のサービス。写真を加工したりさせず、待ったなしで自らと周囲の風景などを同時に撮影させる。
Midjourneyを使って考えた「AIとクリエイティビティ」
ITmedia NEWS

もちろん絵のテイスト、というかモチーフには一定のベクトルがあり、言葉を飾らずにいえば『アメリカのコンテンツ企業でイメージボードに描かれる絵、それもゲームやSFなどのエンタメに偏っている』印象がある」。
——すでに話題になっている「Midjourney」。モチーフをテキスト入力すると、AIがこれを作画してくれる。引用したような“偏り”はこれまで学習していた膨大なデータにおける傾向を反映しているのだろう。さて、これがこのさきにどんな社会的な影響をもたらすのだろう。


——米Pew Research調べ。2014−15年、2018年、そして今年と遷移が伝わる記事。Facebookの下落が顕著だが、それは織り込んだInstaやWhatsApp買収だったのだろうが、YouTubeそしてTikTokの人気ぶりはそれを上回るものだった。

It’s Getting Harder to Hit 1 Million Followers on TikTok (Chart)
The Information

100万人以上のフォロワーを擁するTikTokerが減少傾向に。1年前に比し4割もダウン。SNS関連データを調査するTrendpop調べてわかった。フォロワー100万人に届かない規模のインフルエンサーも減少傾向。短尺動画市場もレッドオーシャン化か?


Coxは家族経営の在アトランタの非上場ファンドで地方メディアへの投資を経験。Axiosの創業メンバーらはその地位に留まるという。
ネトフリ変節の内幕、広告付きプランを急いだ訳
WSJ Japan
「春にこの計画を発表し、契約獲得合戦を演出。アルファベット傘下のグーグル、ケーブルテレビ(CATV)大手コムキャスト傘下のNBCユニバーサル、ダークホースのマイクロソフトが参戦した。ネットフリックスの目標の一つは、大きな『最低保証』を獲得し、多額の広告収入を確約してもらうことで財務リスクを抑えることだった」。
——記事はNetflixが広告表示バージョンを投入するに至るまでの複雑な経緯を裏側から明かすもの。Netflixは広告市場参入にあたり、数々のパートナー候補と会い、参考になる情報を得ていた。あまつさえ、強力なパートナー候補であるComcastの上級職を引き抜こうとして、マナーを知らないとまで怒らせていたそうだ(笑)
Web3とニュースの未来 SlowNewsイベントレポート – Media × Tech
Media × Tech

Media×Techから新着記事です。SlowNews代表の瀬尾氏とスマニューラボ取締役研究員の佐々木がWeb3でニュースの未来はどう変わるか? を議論しました!
国会議案データで「ワードクラウド」を作ってみよう – Media × Tech
Media × Tech

「Media×Tech」から新着のご案内。私も所属するスマートニュースメディア研究所のプロジェクト「国会議案データベース」の公開。これを研究所のスタッフ荻原和樹さんが「ワードクラウド」化する手法を解説しました。アウトプットには時代が刻印されています。プログラミングに興味のない方でも、このワードクラウドを眺めて見るとなにか伝わってくるはずです。
Consumer Reports chief content officer Bounds is departing for Smart News – Talking Biz News
Talking Biz News

米Consumer ReportsのvpおよびCCO(チーフコンテンツオフィサー)だったGwendolyn Bounds氏がSmartNewsのコンテンツ部門の責任者に就任するとの報。Vice President of Content & Chief Journalistの Rich Jaroslovskyが紹介している。
Disruption This Week—–5/8/2022
目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年8月1日から2022年8月5日まで。
Quantifying sleeper subscribers requires a nuanced approach | Subscription Publishing Toolkit
Toolkits
——すでに紹介しているが、購読基盤提供事業のPianoが発表したリポートで、“休眠購読者”(活動していないが購読料を払い続けている人々)の比率が4割を超えるという問題。その実態の正確な把握から、対策を施していくべきとする実践的な記事。“寝た子を起こすな”的姿勢は、長期的に見てメディアの利益にならないという前提の議論だ。


Two new Hollywood newsletters are betting they’ve got the town covered
Los Angeles Times

![IPアドレスに依存する CTV 広告、規制強化のリスクに直面:「IPアドレスは次のサードパーティCookieだ」 | DIGIDAY[日本版]](https://digiday.jp/wp-content/uploads/2020/05/tv_identity-eye.jpg)
——TVのような固定設置型機器であれば、IPアドレスは追跡の精度をある程度確保できるということか。視聴“調査”に使われているらしい。もちろん、CMのパーソナライズも可能だろう。だが、このような識別子を断り亡く収集し、利用することへの圧力は高まっている。IPアドレスの利用もCookie相当のものとなっていくのだろう。
オープンAI、文章から画像を描く「DALL-E2」を100万人に提供
MITテクノロジーレビュー

——GPT-3から発展した自動画像生成システム「DALL-E(ダリー) 2」がいよいよ商用テストに。ちょっと使ってみたい気も。問題は、“ハンドラの匣”を開けるように、さまざまな問題を引き起こすだろうということ。
Bad Algorithm! How to Retrain Your Social Media Feed
The Information

「アルゴリズムには挙動不審な点がある。SNS界のあちこちで、最近レコメンデーションエンジンが紡ぎ出すコンテンツに不満の声が上がっている」。
アルゴリズムの劣化が進んでいるらしい。対する利用者がどうアルゴリズムを調教するか(それは小犬のトレーニングのようなものだという)実践的手法のあれこれを解説する面白い記事。手間(と時間)をかけただけ賢くなるが、悪くなるのもあっという間だとする。

さらに7月には、その『フィード』もメインのタブを『ホーム』に譲る」。
——平和博さんが、Facebookにおける“ニュース離れ”の経緯をていねいに整理している。自分は「ニュースフィード」という名称から「フィード」に変更されたというのは認識していなかった。なるほど象徴的だ。
出版状況クロニクル171(2022年7月1日~7月31日) – 出版・読書メモランダム
出版・読書メモランダム

再び『鬼滅の刃』のような神風的ベストセラーが現われないかぎり、下半期も同様に推移していくだろう。
それは取次と書店の体力の限界へと誘っていくことになると推測される」。
——「トリプルプラス」から「トリプルマイナス」へ。出版界でも、厳しいリバウンド症状が現れているらしい。
Facebookの変化は「これまでのSNS」の終わり…すべてがTikTokになる?
BUSINESS INSIDER JAPAN

——何度かこのFacebook(そして、Instagram)の大改修の意味を追って投稿しているが、その整理となるような記事。
ポイントは、ここに書かれているように、自分と接点の高い人々(通常は、仲の良い知人や身内)の投稿を重視してきたFacebookのソーシャルなアルゴリズムが、特に若者にとってひどくイケてないものと受け止められているらしいことと、どうやら関連がありそうだ。
Disruption This Week—–29/7/2022
目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年7月26日から2022年7月29日まで。

「今、我々が最も関心を寄せるのは、ある記事を評価する際、それを特別に注目すべきかどうかを判断する重要なシグナルの1つである筆者についてだ。彼は専門家か?彼に見識があるか、専門知があるか?」
スマホ最適化 「縦読み漫画」急拡大 グリー参入 大手出版社も攻勢
ITmedia NEWS

——記事は、同市場へのグリーの参入を取り扱っているが、やはり興味を惹くのは、「日本で築き上げられてきた漫画文化は転換点を迎えようとしている」という点。韓国が先行したこのコンセプトと市場に対し、日本での層の厚いクリエイター蓄積を生かしてリードを創りだせるか? また、アプリから制作体制までに及ぶ革新でだれが覇者となるのか。

メタ株下落、4-6月売上高が市場予想下回る-四半期で初の減収
Bloomberg.com

メタは大きな変化のさなかにあり、ザッカーバーグCEOはユーザーのつなぎ留めや若い世代の呼び込み、 バイトダンス(字節跳動)の人気動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」への流出阻止に向けてさらなる努力を惜しまぬよう従業員を鼓舞しようとしている」。
——IT大手のうち最も注目されていたMetaの業績が開示された。同社にとって初の、歴史的な減収。「世界経済の不確実性」はもちろんだが、今朝のNHKのニュースでも、「Appleによるターゲティング広告の抑止策」「TikTokの脅威」を同社スランプの要因に挙げていた。


アルファベットの4~6月、純利益14%減 ネット広告減速
日本経済新聞

ただ、全社の売上高の前年同期比増加率は過去8四半期で最低になった」。
——GAFAMが続々第2四半期業績を開示。広告無敵のGoogleを傘下に擁するAlphabetも成長力を落とした。広告で前年比12%増だが、YouTubeのそれは5%と“低迷”。Google CloudもAWSの背中が遠くなりそうだ。
TikTok Owner ByteDance Distributed Pro-China Messages To Americans, Former Employees Say
BuzzFeed News



Global Fact 9レポート(2) 陰謀論の生態系:「鳥は本物じゃない」運動が問いかけるもの
FIJ|ファクトチェック・イニシアティブ

「昨夜の帰り道、ハチドリのドローンに命を狙われた。針山に針を刺すように一直線に飛んで来て、くび元を狙われたが、すんでの所で逃れた。クラヴマガ(護身術の一種)を習得しておいてよかった。とにかく空を信用してはならない(会場から笑い声)」。
——FIJ理事の奥村信幸さんが、オスロで開催されたファクトチェッカーの国際組織年次総会をリポート第2弾。陰謀論を指摘する運動「Birds Aren’t Real(鳥は本物じゃない)」のセッション紹介。あまりに手が込み迫真的で、ついには信者が集まるようになってしまった……。
Disruption This Week—–22/7/2022
目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年7月19日から2022年7月22日まで。
キャッチコピーや商品説明文を自動生成、超高精度言語AI「GPT-3」を使ったコピーライター「Catchy」が登場
BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

——「GPT-3」についてはたびたび言及してきたので、その説明は省くが、このAIによる自然言語などの生成能力が広告などのコピーライティングに実際に利用され始めているという。私が思いつくのは、スペックなどの基礎情報がそろう不動産や商品カタログなを用いた創作力は、応用用途が広そうで興味深い。報道系のストレートニュースにも進出するかどうか?
フェイスブック、クリエーター機能強化へ ニュースとブレティンから人員再配置
WSJ Japan
「ブラウン氏(=グローバル・メディアパートナーシップを率いるキャンベル・ブラウン氏)によると、これらプロダクトのエンジニアリングおよびサポート担当者を移動させ、『両チームはより安定したクリエーター機能の構築に注力する』ことになる。これはプロダクトレベルの決定であり、ブラウン氏の所属チームが決めたことではないと関係者は話した」。
——Facebookにとっては、“パートナーメディア(ニュース)”への力点を変える(言い換えれば、重要視しなくなる)、何度目かの戦略変更。ニュースメディアとの協業を重要視し続けることは同社の哲学ではムリということだろう。

「オープンソース調査を、地をはうような伝統的な取材と組み合わせるのが最も優れたアプローチだと私は思います。実際、公開情報から極めて決定的な情報を得ることができます。人間の記憶一つとっても、ある出来事をめぐる人間の時系列的な記憶は時間とともに変化します。それが人間の特性です。オープンソースの調査で得た情報によって、証言者の時系列の記憶の正確さなども確認できます」。
——オープンソース調査報道(OSINT)に積極的に取り組み、いまでは17名のスタッフを擁する米New York Times。そのシニアプロデューサーのマラキー・ブラウン氏に取材した記事。
「アドテクに興味を失った」 マイクロアド渡辺社長
日本経済新聞

「リタゲは一部のユーザーを行動データに合わせて、過剰なまでに追及する広告だ。果たして消費者のためになっているかのどうかという課題を感じていた。計測ツールで見れば、確かに結果はコンバージョンという形で出ているが、イノベーションは起きないと思い始めた」。
——まさにアドテクをテコに成長してきたマイクロアド、つい最近IPOを成し遂げたが、同時に過度な広告技術の跋扈から離れてデータ分析分野へと業態をシフトしつつある。ここにも課題があるとは思うが。ともかく、ここにもまた、“ポスト・クッキー(ポスト広告)時代”を示唆する動き。
Global Fact 9レポート(1) ナラティブ:誤情報の背景にあるストーリー全体をファクトチェックする
FIJ|ファクトチェック・イニシアティブ

——世界のファクトチェック団体をネットワークするIFCNが例年開催するGlobal Factが開催。先ごろ行われたGlobal Fact 9に参加した奥村氏からのリポート。確かに“ナラティブ”はほぼ流行語になりつつある。

人だけでなく組織、機器、製品、場所、抽象的な実態や概念などさまざまなものを一意に識別するために使用でき、属性などを示す関連情報が正しいことを暗号技術などによって証明可能です」。
——ID管理は、中央集権的基盤にうえに実現し、運営されるという“常識”を壊すWeb3的世界の進ちょく。W3Cという標準としていよいよ動き出した。次はどう実装し、どう稼働するのかに注目。



Disruption This Week—–15/7/2022
目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年7月11日から2022年7月15日まで。


「『これをやったら滑りました』というメールが、メンバー間で交わされるチームって成功するんです。一方で紙媒体の場合、トライアンドエラーが許されづらい。(新聞社のように伝統を重んじる)堅い組織では、ある程度新しいことがやりやすい部署や職域で得られた知見を、社内で共有するのが良いでしょう」。
——面白く読めた座談会。メディア(それも新聞社)固有のテーマというより、一定の歴史を有する組織からどう新規事業やイノベーションを生み出していくかという議論と読める。withnewsがそうであるように、周縁上にある小さな自由を半分放置気味で芽を育てたい。

若者が使わない印刷版の地図をオンラインで再現する表現手法の無意味さも指摘する。実に興味深い。

——Metaはこの「Sphere」をオープンソース化する。難しい技術的解説はともかくとして、可能性を感じるのは誤・偽情報の検証フローに使えそうという点(実際、Wikipediaが蓄積された情報の検証を試行しているという)、もっと汎用的にはブラックボックスなGoogle検索に頼り切りの“検索”を、透明化したうえで新たな結果を得られるかもしれないということ。

2021年のニュース消費は、2020年の歴史的な高水準に続いて急降下した。2022年では大きなニュースが相次いだにもかかわらず、らに後退。一時的に潤ったメディアが改めて危機に直面している。

陰謀論と戦うストリーマーたち–対話と理解のコツを語る
CNET Japan

——Twitchが材料として引き合いに出されているが、この数年、音声やチャッティング分野に政治的会話(のメディア的役割)が広がっているのを感じる。現代のメディアにおけるホットな分野。

Announcing The Information Profiles, Directory and Forum: Connections Worth Your Time
The Information


——AIを活用した情報操作のありようを、外観した貴重な論が「Just Securit」に掲載。重大なポイントは、Facebookが発表した論文から、この情報操作が、アドテク(高度なターゲティング広告の技術)依拠したものであると指摘していること。アドテクの発展と、いま世界を揺るがしている情報操作(認知戦)の高度化は無縁のものではない。
2022.7.22 オンラインセミナー① メディアリテラシーとアントレプレナーシップ | 京都大学経営管理大学院 グローバル社会起業寄附講座
京都大学経営管理大学院 グローバル社会起業寄附講座

私も登壇するメディアリテラシー×アントレプレナーシップをめぐる討議の告知です。無料ですので、ぜひご参加を!