Disruption This Week—–23/4/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年4月19日から2021年4月23日まで。

「情報衛生の状態が『良い』とされた日本人回答者は19%にとどまり、27カ国平均の26%を下回った。
一方で、4つのうち1つしか実施していない、もしくは何も実施していない、情報衛生の状態が『悪い』とされた日本人は56%で、27カ国平均の39%を大幅に上回ったという」。

——世界的な大手PR企業エデルマンによる例年の調査結果が発表。今回は「情報衛生」という観点の各国比較が加わった。
「情報衛生」とは、1)ニュースの積極的収集、2)エコーチェンバー現象を避ける、3)情報の真偽確認、4)不確かな情報の拡散抑止、の総合値。面白いアプローチ。

英Guardianが20年度の業績および財務を開示。総収入は2億2500万ポンドとほぼ横ばいだったが、その内訳には大幅な変化があった。印刷出版物や広告からの収入は引き続き減少しているが、デジタル購読費や同じく1回限りの寄付収入は、61%増の6900万ポンドに達したとする。
米FTC長官に指名されたLina Khan氏への議会公聴会が実施。「ローカルジャーナリズムが危機に瀕しているのは明らか」とし、「広告市場の集中化が進んでいることや、(巨大IT企業が)アルゴリズムの変更などを恣意的に行い、業界全体に広範な影響を与えている」と明快に述べる。
「はてなと集英社は4月21日、Web漫画を投稿・閲覧できるサービス『マンガノ』を始めた。漫画を有料配信する、広告を設定して公開するなど、作者がさまざまな方法で作品をマネタイズできる点が特徴という」。

——大変に興味深い。利用者(読者や作家)にとってのユーザビリティが練られていることに期待。

The Guardian、BBC、The Financial Times、The New York Times、The Wall Street Journalなどにおけるメディアの革新事例を紹介する記事。例えばBBCのテキストや写真など用意すると、InstagramなどのStories形式を自動生成してくれるGraphical Story Editorが興味深い。
元BuzzFeed News編集長のBen Smith氏のNYTimesへのコラム。先端的なメディアではサブスクリプションが喧伝されているが、実は20年〜21年は広告が改めて急成長を見せているという。問題はメディアへとその収益がどれほど還元されるかだが。
皮肉な事実を指摘する声も。「ATTNの共同設立者であるマシュー・シーガルは、『サブスクリプションの販売にはかなりの費用がかかり、ストリーミングエンターテインメント企業は』マーケティングに莫大な資金を費やす必要がある』」ともコラムは書いている。
【有料購読者向け記事】:
「グーグルで働く中で、『広告モデルでは、ユーザーに利する検索エンジンを作れないのでは』という思いが徐々に強まっていきました。
広告で稼いでいる以上、『より多くの広告を見せなければいけない』というプレッシャーが常にあります」。

——購読型の新たな検索サービス「Neeva」を創業した元Google幹部への取材記事。購読料という対価を引き換えにしてでも使いたい検索結果は、たとえば「ショッピング」分野。レビュー記事は重要な分野だと自分も考える。

「5つのジャーナリズム的価値のうち、過半数の支持が得られたのは『ファクト重視』の67%のみ。最も支持が低かったのは、調査報道などで社会の問題点を明らかにする『社会批判』の29%だった」。

——過去には7割を超えるマスメディアへの信頼度。なぜ、嫌われるのか、調査結果が興味深い。重要な「誰に顔を向けているのか」という問い。

「2006年4月23日にストックホルムで設立されたSpotifyは、海賊版問題解決のために、『特定のアルバムや曲を買う気がない消費者も、大量の音楽ライブラリに簡単にアクセスできるならお金を払ってもいい』という考えに基づいて作られた」。

——15年でSpotifyが変革した15のポイント。2015年には最盛期のビジネスの半分にまで激減した音楽業界を再興させたSopitfyの功と罪(自分は、功がもちろん大きいと見るが)を、テクノロジーとアイデアの面で整理した重要な論。

GoogleがサードパーティCookie代替技術として推進を図る「FLoC」(Federated Learning of Cohorts)に対し、EdgeやMozilla、Braveら多くのブラウザメーカーが採用を拒否。その1社Braveは、「FLoCの最悪の側面は、プライバシーに配慮していると見せかけて、ユーザーのプライバシーを著しく侵害していることだ」と批判の声をあげる。
【ご紹介】:
米TechCrunchが、SmartNews(日本語版)のワクチンアラート利用者が、サービス提供開始から1週間で100万人を超えたとの発表を紹介。

Disruption This Week—–16/4/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年4月12日から2021年4月16日まで。

世界最大手の通信社Reutersが、自社Webサイトをリニューアルし、ペイウォール化を発表。登録と無料プレビュー期間を経て、購読料は、Bloomberg Newsのデジタル購読料と同額の34.99ドル(月額)となる。これまで速報やお楽しみ動画を求めて来訪してきた読者は剥落するのだろう。今後は特定業界ごとの分析などを強化し、ニューズレターなども投入するという。
Amazonの現CEOであるJeff Bezos氏、株主宛て書簡で、Amazon Prime会員が2億人を突破したことを公表。20年1月に1億5,000万人を突破したと公表して以来の進ちょく。ちなみに、Netflixの会員は2億4,000万人、Disney+では1億人を突破したばかりだ。Bezos氏は以後会長職へと退くため、この書簡は最後のものとなる。
英メディアPress Gazetteが、10万人以上のデジタル購読者を有する英語ベースのニュースメディアをランキング。1位のNew York Times(670万人)から、28位のInvestor’s Business Dailyまで。興味深いのは、ニューズレターのSubstackも新顔で10位にランクイン。
「ローカルの事業主は、フェイスブックやグーグルでは届かない特定のマーケットにリーチすることを知っています。もし、経済的に平均的、あるいは平均以上の成長が見込めるコミュニティで、そこに根を下ろしたオーナーや発行人がいれば、住民やローカルビジネスの最大のニーズに応じる決断を下すことができます」。

——「ニュース砂漠と幽霊新聞 ローカルニュースは生き残るか?」調査に携わったPenny Abernathy教授へ、ジャーナリストの津山恵子氏がインタビュー。上記の報告の良いサマリーでもある。

クリエイターやブランドの収益化と読者データ管理のPicoがバージョンアップし、資金調達。共同創業者のJason Bade氏は、最も重要な進化として「CRMの力でクリエイターが読者を理解できるようになった」と述べ、「PicoがクリエイターエコノミーのためのOSになる」と主張する。
Vanity Fair(Condé Nast傘下の老舗メディア)の元編集長Jon Kelly、著名作家らを集めたメディアを計画。作家らには出資金と配当ベースの還元を行う計画で、タイトルは未定だが「Substack時代のVanity Fair」と呼ぶ。クリエイターエコノミーと伝統的出版を連携する取り組みだそうだ。
米Vergeから独立、個人メディア「Platformer」を運営するCasey Newton氏、同メディアの報道をベースに議論をするコミュニティ「Sidechannel」の開設を公表。Discordサーバーで運営する。仲間の7人のジャーナリストも参加するという。ジャーナリストが本能的にコミュニティ形成を恐れる理由に触れ、Disocordでは匿名アカウントでも参加できるとメリットを語る。
「開封やクリックだけでなく、ホワイトペーパーのダウンロードやウェビナーへの登録など、ウェブサイトでの行動パターンをCRMで追跡することができた」。
航空関連出版社の事例。印刷物購読者データとオンライン行動など組み合わせて「深く豊か」なファーストパーティデータの利用手法を取り上げた記事。
米Wall Street Journalは、新聞ビジネスとしては異例なほど成功を持続。だが、そのためにイノベーションが遅れてもきたという。「購読者が減る一番の理由は、彼らが死ぬことだ」とは同社編集者のジョークだ。これを早急に若返らせる必要がある。電子版購読者数を、現在の246万人を、24年には倍増しなければならないのだ。
だがそこに文化的壁が立ちはだかる。詳細に解説する記事。
英Hearst傘下のCosmopolitanは動画に注力中だ。動画担当責任者Edie Jefferys氏へのインタビュー。同氏はForbesの「30 under 30」受賞の著名ディレクター。Cosmopolitan UKは、昨年、動画再生回数を40%増加させ、収益は27%増となったという。
【ご紹介】:
私が編集に携わるMedia×Techから新着記事です。有料購読モデルに挑戦中の「KAI-YOU Premium」の挑戦を紹介します。
【ご紹介】:
SmartNewsが「ワクチン」チャンネルを開設。地元での接種時期や接種会場などがわかる機能を盛り込んでいます。ITmedia Newsが記事にしてくれました。

Disruption This Week—–9/4/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年4月5日から2021年4月9日まで。

「(Facebookが買収した)tbhは、わかりやすさを重視したQ&Aアプリで、エグジット前の9週間でアクティブユーザー数を250万人に伸ばし、質問への回答の投稿は10億件を上回った。Hotlineで、ハザード氏は再びQ&Aスペースで製品開発を行うこととなった」。

——FacebookがClubhouseに似たサービスを試験的にローンチ。オリジナルは同社が買収したtbhというサービスで、著名人らに対して、参加者がライブに質問ができるというもの(Q&Aサービス)。その創業者がHotlineプロジェクトを担当する。

数日前に紹介したことだが、米Forbesがその表紙のデジタルアートをNFT(非代替性トークン)化してオークションにかけた。その結果、最高入札額333,000ドルで売却が決まったという(記事は、オークション中としているが)。収入は市民団体へ寄贈されるという。
【有料購読者向け記事】:
直前に投稿したPew Researchの調査に対し、米The Information編集者Martin Peers氏が興味深い解説。YouTubeは、Googleファミリービジネス中では“貧弱”なビジネスとする。規模でFacebookをしのぎながら、収入では4分の1程度。さらに、そこからクリエータへの収入シェアが加わる。また、ショートフォームビデオのTikTokらも追撃を見せている。

Social Media Use in 2021

Pew Research Center: Internet, Science & Tech

米シンクタンクPew Research Centerが21年に入って、米成人を対象に「ソーシャルメディアの利用動向」を調査。全世代を通じて最も利用されているSNSは、YouTubeで81%。Facebookの69%をしのいだ。前回調査(19年)以降で成長を見せたのは、YouTubeとRedditだけだった。
Apple、来るiOS14.5で実装される「App Tracking Transparency」の詳細を公表。開発者向けにFAQも用意。この機能が搭載されて以降は、ユーザは、自身をターゲットとして追跡することを、アプリごとに管理することができるようになる。
「例えば、ホテル予約のための会話ボットをAmazon Lexで開発する場合、あらかじめ『ホテルを予約したいのですが』『ホテルを予約する』『{Location}で{Nights}泊の予約を取って』など、ホテル予約を意図するいくつかのフレーズを設定しておきます」。

——AWSが(Alexa)より柔軟な音声対話サービスを開発できる「Amazon Lex」を提供開始。意図はAWS上で使える開発者向けコンポーネントとして提供することで、AWSを介したアプリやサービスが出てくることを狙うということだろう。事例として示されているホテル予約などのように、柔軟に応用サービスが開発できそうだ。

米サンフランシスコの老舗新聞「San Francisco Examiner」(創刊156年)は、編集長に前Googleのコンテンツ部門在籍のCarly Schwartz氏を採用と発表。同氏はGoogle社内で「Google Insider」の編集責任者、それ以前はHuffPostの要職にあった。同氏がGoogleに移籍する際には、ジャーナリストがテック企業に移籍という点で興味を惹いたが、いまや、テック企業から老舗ジャーナリズムの頂点に移籍で驚かされる時代へ。
【有料購読者向け記事】:
デジタル広告のシェアを二分するGoogleとFacebookに注目が集まる間、Amazonがその2社に迫ってきた。Amazonの全米での広告事業は急成長中。2020年は売上で前年比で50%強伸ばした。これで米市場の10%を突破とeMarketerは発表。Google、Facebookはそれぞれ約30%、25%。Amazonが伸ばした理由は、D2C市場が活性化しており、この分野をブランド(広告主)が重要視しているからとする。
米国ではエンターテインメントやスポーツ分野におけるストリーミングサービスがいよいよメインストリームになってきたが、いま、放送各社によるニュース番組のストリーミング化がホットに。ニュース番組のストリーミング化は、広告市場の純増効果をもたらすと見込まれているからだ。
米Axiosの報道によると、デジタル分野の市民権を扱う団体「Access Now」が、Spotify社のCEO宛に書簡を送り、倫理的な問題から、同社が特許を取得した音声認識を用いた感情、性差、年齢の検出技術を放棄するよう求める。同社この特許を製品に用いる計画があるかは不明だ。
【ご紹介】:
連載執筆の記事が日経新聞電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ ネットフリックス独走に待った 動画配信、ディズニーが猛追

Disruption This Week—–2/4/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年3月29日から2021年4月2日まで。

少し前に紹介したAmerican Press Institute(AMI)の購読者維持策に関する調査結果から。31もの購読者引き留め(リテンション)策を一覧に整理した記事。本質的に購読を魅力的にする施策から、付け焼き刃な引き留めまで含まれているのだが。
「動画配信サービスは、古いテレビ的価値観から心が離れ始めている次世代を意識した番組づくりに定評があり、ネットメディアと相性がいい。ネットに合う記事づくりのノウハウをそのまま番組の台本や企画に活かせるからだ。」。

——合併を発表したBuzzFeed Japanとハフポスト日本版。ハフポストの竹下隆一郎編集長が、今後の戦略を詳しく説明。自分として注目したのは、引用箇所のような「動画」分野。NetflixのようなOTTを前提にユニークな動画カルチャーの創造を視野に入れている。これには興味を惹かれる。

「講談社も電子コミックを中心とする電子書籍の伸長、コミック・書籍原作の映像化、ゲーム化、商品化のアジア・北米での積極的展開によって、収益構造が変わりつつあることを示している。
それはコミックを有する小学館や集英社も同様であろうし…」。

——デジタル版権分野を中心とする「事業収入」が、初めて紙媒体の売上を上回った決算を受けてのコメント。デジタルが印刷を逆転するまでの経営刷新力に驚き、敬服するが、一方で、コミックスによる主導だとすると、同社のような総合出版社としての構えが維持できるのかどうかが気がかりだ。

元英国副首相で、現在、FacebookのVP・公共政策担当(要はロビーイング担当トップ)のNick Clegg氏、Mediumに驚きの長文投稿。
Facebookは長く用いられてきた“News Feed”に大がかりな改修を施す。従来のランキングアルゴリズムを排除してタイムライン化するなどを選択できるようにするなどカスタマイズを可能にするという。エイプリルフールかと思わせるような内容だ。タイトルに使われている「タンゴ」の比喩は、人間と機械(アルゴリズム)がペアで踊るという意。
「幼少期からネットに触れてきた世代が2022年度から学ぶことになる高校の新教科書。30日に公表された各教科書には、情報を読み解く『メディアリテラシー』や『ファクトチェック』など、ネットやSNSの功罪がふんだんに盛り込まれた」。

——高校生の教科書に「ファクトチェック」や「メディアリテラシー」の概念が。単にコトバだけでない実践的な教育手法も生まれてくるだろうか。

米ニューズレター配信サービスのSubstack、Andreessen Horowitzをリード投資家として6,500万ドルを資金調達(時価総額は6億5,000万ドルとされる)。同社公式ブログでその投資(支出)計画を説明。ニューズレターを始める執筆者のリスク軽減を筆頭策を筆頭に掲げる。
「ジャーナリズムは難しいビジネスであり、それを試そうとした世間知らずのハイテク企業のほとんどは、血まみれになって去っていった。Mediumが最後になることはないだろうし、ジャーナリストも用心するに越したことはない」。

——先日のMediumにおける編集系チームの大規模な早期退職勧奨をめぐるオピニオン。「長期的に見て、自らのジャーナリズムのサポーターとしてハイテク企業だけに頼ることには非常に注意が必要だ。あるいは、技術系企業に雇われてジャーナリズムを行おうとすることも」との評言は覚えておこう。

【有料購読者向け記事】:
「米 マイクロソフト は、ゲームプレーヤー向けチャットサービスを手掛ける米ディスコードを100億ドル(約1兆0900億円)以上で買収する方向で交渉しており、交渉は進んだ段階にある。関係筋が明らかにした」。

——早ければ4月中にも発表の可能性がある。TikTok買収に乗り出したりとMicrosoftのコンシューマサービス戦略はやや? なところもあるが、Discordのポテンシャルは大きく、メディアの青図に見えてくる要素がある。

米国の若者(10代〜20代)をターゲットにした“ニュースのTikTok”をめざすニュースアプリ「Volv」の話題。2020年創業のスタートアップで、一つの記事は“9秒以内”で読め、次の記事へはスワイプするだけ。1日50本程度を発行し、リテンション率は高いと創業者らは語る。
デジタルメディアを支援する5つのテクノロジー・スタートアップを紹介する記事。サイトパフォーマンスの分析ツールに始まり、やはり目に付くのは、サブスクの最適化や記事単位でのマイクロペイメントの支援だ。
【ご紹介】:
私も編集に携わっている「Media×Tech」から新着記事です。よろしければどうぞ。➡ 画像の評価、複数のデータソースで記事分析…Googleデータポータルを便利に使う7の方法
【ご紹介】:
私が運営に携わるJIMA(インターネットメディア協会)で開催、人気を博した田島将太氏の講演取材記事。Media×Techで公開しました。メディア運営に携わる方はぜひ参考にして下さい。
【ご紹介】:
2020年1年間を対象にした優れたメディアの試みを顕彰する「Internet Media Awards(第1回)」の受賞作を発表しました。力作揃いです。各作品をぜひご一読ください。

Disruption This Week—–26/3/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年3月22日から2021年3月26日まで。

1週間ほど前に紹介したが、英Guardianが同じ英国のDaily Telegraphが、電子版で購読への寄与度をスコア化し担当者の給与に反映させる動きが報じられた。この記事ではそれは必ずしも悪いことではないとする。メディアは、もっとツールや計測実験を行うべきとするオピニオンだ。
米New York Timesのテック系コラム記者が、話題のNFTを試してみようと、自身のコラムをNFTでオークションしてみたことは、昨日紹介した。驚くなかれ、それが24時間以内に、54万ドルで落札された!との報道。
「(増えるとされる動画広告の)中でもTVerをはじめとするテレビ関連メディアの動画広告はまだ伸びしろがあります。例えば、仮に同時配信の流れが加速するようなことがあれば、今後爆発的に需要が増える可能性もあるでしょう」。

——インターネット広告関連の仕事をされている人は、読んでおいた方が良い、網羅的な解説。在宅視聴時間が伸びる環境での動画関連と、引き続き影響力の大きいSNS関連広告には、課題も含めて注目しておく必要がある。

【有料購読者向け記事】:
米メディア各社はペイウォール利用を様々に進化させている。Washington Postでは細かな工夫で購読コンバージョンを向上。購読料の支払情報の記入位置を変えるテストで、定期購読が10%も上昇した。「認知的負荷と摩擦」を減らすことが重要と指摘。
視聴者データの分析サービスSparkToroによれば、2020年のGoogle検索結果の3分の2は、何のクリックも生まなかった。この「ゼロクリック検索」問題は数年前から指摘されてきたが、前年の19年の約50%からさらにその比率を高めた。他の記事によれば、Googleはこの分析結果を否定する。Googleがますます検索をめぐるトラフィックを独り占めしているとの批判が高まれば、これから高まってくる独占禁止的な論調に拍車をかけることになる。
米メディアコングロマリットのVerizon(トラフィックベースでは、Google、Facebook、そしてMicrosoftに次ぐ第4位)、メディアポートフォリオを「Yahoo」ブランドへと集約中。さらに今後の同社コンシューマ事業の中心を、Ya買収時のターゲティング広告から「Plus」名を付加したサブスクリプションへと転換する。現在もすでに有料購読者は300万に達する。
【有料購読者向け記事】:
「たとえば『アジア経済低迷により70万人のポップスターが解雇(Asian economic woes force layoffs of 700,000 pop stars)』という風刺ニュースの見出しは、『ポップスター』を『労働者』に入れ替えると簡単に真面目なニュースにできる」。

——AIはユーモアを創りだせるか? 非常に面白い研究の一端。詳しくは解説しないが、見出しの名詞を操作するだけで、ユーモアが出現する。さらに「重要な発見」が。「分析の結果、ユーモアは見出しの終わりの方に宿る傾向にあることがわかりました」という。オチが最後にやってくるという。

“クリエイターエコノミー”の隆盛は、老舗ジャーナリズムの零落を招くのか? 本記事の論者はFacebook、Twitter、Substackなどの新エコノミーへの取り組みを紹介しつつ、伝統メディアが培った資産を投入しジャーナリストをタレントとして育成、支える事業モデルへの転換を説く。

9 subscriber retention strategies

American Press Institute

米国のメディア(報道)分野の非営利教育団体American Press Instituteが、メディアが取り組むべき購読者の維持策(Retention)を大がかりに調査、分析した。この記事では、9つのアプローチを紹介し、メディアが不得意とし避けてきた策を浮かび上がらせ、解説をしている。
米Bloomberg MediaのCEO、Justin Smith氏が講演。同メディアは、直近5年間で6つの新規事業を立ち上げ、中でもストリーミングチャンネル「Quicktake」は2年強で有料購読者25万人で、今年中にも40万に到達するとする。同氏は「メディアは発明(イノベーションではなくいインベンション)主導」の起業家精神が必要と強調する。