Disruption This Week—–15/10/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年10月11日から2021年10月15日まで。

New York Times Audio Could Spur a Realignment of the Podcasting Landscape
米New York Timesが意欲的な試み。同社の数々の番組やBuzzFeedなど他社のコンテンツを提供する、ポッドキャスト専用アプリ「New York Times Audio」のテストを開始した。昨年買収した人間が読み上げ・朗読を担当するAudmが制作する。Spotifyなど外部プラットフォームに頼らないという挑戦だ。
How Newspaper Closures Open the Door to Corporate Crime
「上場企業の何千もの施設を調査、地元の新聞社が閉鎖された町では、その後、地域の上場企業の違反行為が1.1%増加し、規制当局からの罰則が15%増加したことがわかった。また、新聞社のない町では、多くの違反行為の内容がより悪いものであることも判明した」。

——Marvin Bower ハーバード・ビジネス・スクール准教授であるJonas Heese氏の調査研究から。

アルゴリズムvs.中国、世界が見つめる激闘の行方
【有料購読者向け記事】:
「8月に発表されたルール案によると、企業は中毒や過剰支出につながるアルゴリズムの使用が禁じられる。また、ユーザーには、使用しないという選択肢が与えられるべきとしている」。

——すでに紹介した話題だが、改めて。非常にインパクトのあるテーマだと思う。いまやネット上の情報はあふれかえっており、なんらかの“自動的な選択”(アルゴリズム)による中間処理なしでは、最小の労力で最適な情報にたどり着けない。もちろん、そこにさまざまな作為が入り込む余地があることから、隠された大問題が生じているわけだ。

架空TikTokスターのネットワークを構築するFourFrontがシード資金調達 | TechCrunch Japan
「FourFrontの共同創業者Ilan Benjamin(イラン・ベンジャミン)氏によると、キャラクターのネットワークが本物の人間と誤解されないようにしており、彼らのプロフィールでストーリーのフィクション性を強調し、それぞれの動画には#fictional(フィクション)のタグがつけてある」。

——リアリティのある人間(キャラクター)を複数用意し、さまざまなショートムービーを配信していく試み。シナリオ次第で大量にストーリーを生み出すことができる。これからはバーチャル空間を舞台にしたクリエイティブビジネスが次々に誕生するのだろう。

ウェザーニュースの急成長を支える、Growth Hackチームの取り組みに迫る
「――現在はどのような体制でGrowth Hackチームを運営しているのでしょうか。
石橋(知博氏):開発を担うエンジニア、サービス運営を行うオペレーション、そしてマーケティングが三位一体となってサービスの改善に取り組んでいます」。

——ウェザーニュースという特性のあるサービス(コンテンツ)をどう、成長させるか。同社の「Growth Hackチーム」の取り組みを詳しく解説する記事。メディア系事業でもGrowth Hackのあり方は参考になるはず。

The creator economy is failing to spread the wealth
“クリエイターエコノミー”は、組織に属さない個人クリエイターでも相応の収入を得られるというトレンド。しかし、先ほど紹介したTwitchのデータ流出でもわかるように、著名な最上位のクリエイターがクリエイター収入の多くを占めてしまうという“現実”が少しずつ明らかになってきている。
中国、メディアの民間資本禁止を提案-企業統制を一段と強化へ
「発改委(=国家発展改革委員会)のウェブサイトに掲載された提案によれば、民間資本はニュースの収集・取材と配信が禁じられる。通信社や新聞社、放送局などの報道機関の設立・運営に民間資金が投じられることも禁止され、外国メディアのニュースコンテンツを再配信することも認められなくなる」。

——もはや、強権的だとか言論の自由がといったステレオタイプな報道ではなく、中国国内で何が進行しており、その着地点はどのようなものなのかを詳しく解説して欲しい。

Facebook is willing to open algorithms to regulators, Clegg says
“Facebook文書”問題でCNNの番組に出演したFacebookの広報責任者(と記事にある)Nick Clegg氏は、同社のアルゴリズムが、ユーザに言っていることと起きている実際が一致するよう、場合によって規制に基づく説明責任を果たす必要があると語った。
The Atlantic wants to hire newsletter writers — and it wants their subscribers, too
Substackを代表格にニューズレター配信プラットフォームは、既存メディアの書き手をニューズレターメディアの運営者として独立させようとしている。老舗メディアThe Atlanticはこの逆張りを狙う。これら運営者とニューズレターを、金銭保証した上で丸ごと傘下に治めようというのだ。面白いのは、購読者が独立したニューズレターにこれまで支払っていた金額で、Atlantic全体とニューズレターを購読できる点だ。Atlanticは傘下に入れる各種ニューズレターの購読者を、丸ごと獲得できるというわけだ。
かくして〈インターネット例外主義〉の時代の幕は開けた:『ネット企業はなぜ免責されるのか』池田純一書評
「1996年に米国で成立した通信品位法230条は、起草段階では、匿名掲示板の主に性的な品位を欠いた投稿に対して、プロバイダー企業、プラットフォーム企業による自主規制を促すための法律だった。しかし、1997年にケネス・ゼラン対アメリカ・オンライン訴訟の判決が出ると、風向きが変わる」。

——「パブリッシャーか?ディストリビューターか?」という問題の源泉から始まる豊かな書評。

衆院選にまつわる真偽不明な情報の検証を 総選挙ファクトチェックが始まる
【ご紹介】:
非営利法人FIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)は、衆院選にまつわる真偽不明な情報の検証する「総選挙ファクトチェックプロジェクト」を立ち上げました。本記事を執筆したBuzzFeed Japanを含めた複数のパートナーメディアと取り組みます。

Disruption This Week—–8/10/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年10月5日から2021年10月8日まで。

Twitter invests in avatar startup Facemoji – TechCrunch
Twitter、アバター開発のFacemojiに出資。Facemojiは、各種プラットフォームに連携したアバター開発キットを提供する。数年前のブームを経て、アバターはメタバース、NFTブームの重要なピースになろうとしている。NFTプロジェクトに注力中と報じられるTwitter CEO Jack Dorseyの狙いが見えてきた?
グーグル検索、言葉にならないことまで調べてくれるように
「『Things to know』の裏にあるのはMUM(Multitask Unified Model)なる機械学習モデルで、このモデルはテキストだけじゃなく、絵や音声、動画といったフォーマットからも情報を拾います。MUMは日本語を含む75言語とさまざまなタスクで学習済みで…」。

——“検索がさらに進化”ということだが、いくつものアプローチがあることは、記事で確認を。「Tings to know」は文脈を構成して、ユーザが知りたいことを先回りして検索結果をチューニングするもの。
しかし、これを突き進めていくと、周囲の音や声、地理情報、先ほど読んだメール…といった背景情報も分析すれば、より“あたり”の確度が高められるということにもなるはずだ。
“検索の最も進んだ姿は、ユーザがなにも入力しなくても、知りたいことを表示する”ことだと、以前読んだことがある。

「激白」「震える」「地獄」に頼った “感情刺激競争“がもたらすクリックの罠とニュースの未来
「共感を狙ったニュースが、今のメディア環境の中で流布すると喜怒哀楽を刺激するだけで終わってしまいがち。結果として(読者が)考えることが後回しになっていく」「共感は大切だが、ニュースを共感を集めるためだけに使うのはもったいない」。

——石戸諭氏が最近上梓した書物をめぐるインタビュー。指摘のとおりだと受け止める。報道フォーマットにエモーショナルな要素を持ち込むスタイルは、ネットの普及に端緒があるようにも思うが、それ以前がある気がしている。たとえば、戦前戦中の新聞報道。お涙頂戴の見出しが乱立していた。

How the secrets of the Pandora Papers were freed
巨大なオフショア金融取引情報のリークを端緒にした「パンドラ文書」報道プロジェクト。データは約4TBにものぼり、フォーマットは、文書(PDF)、メモ、リストなど多岐。これをどう捌いたのか。立役者であるICIJのCTOらがその労と技術インフラを解説するという驚きの解説記事。
中国がアルゴリズム利用にメス、規制の最先端に
【有料購読者向け記事】:
「中国国家インターネット情報弁公室(CAC)が先週発表した取り組みは、アルゴリズムの使用を規制する包括的システムを3年以内に確立することを目指している。中国共産党は不正とみなすビジネス慣行の締め付けや、ネット上の言論統制を強化しており、新方針はそうした活動の一環となる。
規制当局が求めるアルゴリズムとは、公正かつ透明で、中国共産党のイデオロギーに忠実なものだ」。

——大きなインパクトを感じさせる動き。反競争的、反国家的な企業活動を取り締まるにあたり、AIを活用したアルゴリズムの中味にまで取り締まりの網がかぶせられる。記事中にあるように、その動きは、世界最先端をいくもの。世界の国家がこの種の欲求を持つ時代でもある。

How news publishers are turning casual, infrequent readers into paying subscribers
INMA(世界ニュースメディア協会)がとりまとめたデジタル購読者の新たな獲得手法分析調査によると、「すでに大きな投資をしている読者のエンゲージメントを最大化するよりも、ライトな読者のエンゲージメントを高めることに集中したほうが良いことは明瞭だ」という。ここで「ライトな読者」とは、もちろん、一見かつ訪問頻度が頻繁でない読者層を指す。多くのメディアが多く抱える読者はこのような層だ。この人々のニーズや行動をよく理解する必要があるのだと述べている。そして、この理解を阻む落とし穴は、メディアの運営者側は、このようなライトユーザの対極である、ヘビーユーザに占められていることだとも指摘。
How dynamic paywalls help publishers connect potential subscribers with the right offer at the right time | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
サイト来訪者の閲覧を許す回数や金額などを、来訪者の諸々の行動データで動的に変化させる“ダイナミックペイウォール”の仕組みと運用についての記事。利用各社がコメントするなど有益なリポート。米WSJでは、来訪者を65ものパラメータ(!)で分析し動的に対応しているという。
Facebook whistleblower urges Congress to move against the company
Facebookの内部告発者Frances Haugen氏の米議会小委員会での証言が行われた。
同氏は「Facebookは変わることができますが、明らかに自力では変わりません」とし、強制力ある監視や介入を求める発言を行った。議員側は、今後は超党派で取り組むことに合意したと表明。もちろん、CEOであるMark Zuckerberg氏の召喚に向かっていくことになる。
フェイスブック内部告発者、その動機と目的は?
【有料購読者向け記事】:
「ホーゲン氏は5月17日午後7時前、自身の動機を説明しようとワークプレース(=Facebookの社内向け掲示板)の検索バーに最後のメッセージを打ち込んだ。
『私はフェイスブックが嫌いなのではない。フェイスブックを愛している。救いたいのだ』」。

——昨日、英文記事で紹介したが、今回のFacebook騒動の本家Wall Street Journalが、膨大な内部文書(数万ページを超えるという)をリークした元従業員フランシス・ホーゲン氏にインタビューした記事。邦訳が出たので改めて紹介しておく。記事は、ホーゲン氏がFacebookで虚偽情報に対抗する機能に取り組み、結果として同社の姿勢に疑問を持ち退職に至る私的拝啓が説得力をもって語ったもの。
同氏は、米国時間の本日、議会小委員会で証言をする予定だ。

世界の権力者たちの脱税と隠し財産を暴いた「パンドラ文書」の衝撃  | 5年前のパナマ文書を超えた
「国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手し、米紙『ワシントン・ポスト』や英紙『ガーディアン』などのメディアが分析した。同様の脱税を暴いた『パナマ文書』は5年前に流出して世界を震撼させたが、今回の『パンドラ文書』はよりスケールが大きいもの」。

——パナマ文書、パラダイス文書に続いてのパンドラ文書。日本人の名前も1,000名を超えているとか。単に税逃れだけでは終わらない。資金洗浄を経るなかで世界の政治が動いている要素がある。
ジャーナリズムには、世界的な協業のスキームが必要だ。1分1秒の“発表報道”を追いかけるだけでなく、このような丹念な仕事に力を注いで欲しい。別の記事を紹介しながら、またもう少し分け入ってみたい。

次世代SNSは仮想現実に、フェイスブックの本気度(写真=ロイター)
【ご紹介】:
月一連載が日経電子版に掲載されました。渦中にあるFacebookですが、VR分野で新たな動きには大いに興味を惹かれています。よろしければ一読下さい。

Disruption This Week—–1/10/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年9月27日から2021年10月1日まで。

This is your brain on streaming audio
Spotify、 Neuro-Insight社と組み、ニューロ(神経)マーケティング技術により音声メディア体験が人間に与える効果を調査。他のメディアに比し情報や記憶を長期間記録する結果となった。デジタルオーディオが、広告を含むコンテンツ体験の面で他メディアより優位であると主張する。
子ども版インスタの他にも FBが狙う低年齢層
【有料購読者向け記事】:
「同社内部では何年にもわたり、世間に知られている以上に13歳未満の子どもを引きつけるさまざまな計画が立てられていた。それを駆り立てたのは、フェイスブックの未来を左右する新世代のユーザーを失うかもしれないという危機感だった」。

——Instagramがティーンの精神衛生を損ねている……との最初のWSJ砲へのFacebook側の反論が出るだろうタイミングを測って、WSJは、Facebookが長年、この層へのアプローチを戦略的に練っていたという、これまた内部文書を暴いてこれまでの報道を補強。

出版状況クロニクル161(2021年9月1日~9月30日) - 出版・読書メモランダム
「光文社の決算は売上高168億5100万円、前年比8.8%減。経常損失7億1600万円、当期純損失8億700万円。2期連続の赤字決算。
内訳は雑誌・書籍が84億5100万円、同4.6%減、広告収入が36億1200万円、同36.6%減、電子書籍・版権事業その他が41億9900万円、同25.6%増となっている」。

——直前に集英社の記録的な決算が紹介されている。対照的な両者決算で感じるのは、(デジタル化した)コミックスと関連IPを保有することの威力。

How Creator Marketplaces From Social Networks Stack Up
【有料購読者向け記事】:
“ユーチューバー”ブームといった第一次インフルエンサーマーケティングの次に到来する波は、TikTok、Instagram、そしてSnapchatの若者に人気のサービスだ。出揃ったこれらSNSが提供する広告主とクリエイターのマッチング事業の動きを概観する記事。
「Guardian」のオーナー企業がサブスクやメンバーシップ用に設計されたNFTプロトコルUnlockに投資 | TechCrunch Japan
「GMG Ventures(「The Guardian」の親会社)が、コミュニティのメンバーシップを収益化・管理するために設計された、イーサリアムベースのオープンソースプロトコルの開発者であるUnlock(アンロック)に投資を行った」。

——GMG(the Guardian Media Group)がトークンベースのコミュニティ報酬システムのUnlockに出資。記事は“クリエイターエコノミー”にフィットするシステムを目指すと解説。興味深いアプローチ。

TikTokの視聴時間、米英でYouTubeを上回る
「アメリカとイギリスにおいて、ティックトックの視聴時間はユーチューブのそれを上回っているという。アップアニーが測定する、アプリ利用者当たりの月間平均消費時間なので、テレビによる視聴時間などは含まれていないと思われる」。

——この間、YouTubeの幹部らがTikTokの急成長に危機感を募らせていることは紹介してきた。その理由が客観的に見えてきた。

TikTok hits 1 billion users
TikTokが月間10億アクティブユーザを突破というニュースはすでに紹介した。今日紹介するのは、その10億突破にいたる期間を、他の著名アプリと横並び比較したチャートだ。誕生する新たなSNSが次々グロースを加速しているのがわかる。
Twitterタイムラインから“情報の偏り”を分析、東大教授のツールが話題 「エコーチェンバー現象」を可視化
「Twitterアカウントを登録することで利用できる無料のWebサービスとして、東京大学大学院の鳥海不二夫教授(工学系研究科システム創成学専攻)が公開。ユーザーは自身のタイムラインや、フォローしているユーザーの「エコーチェンバー現象」(閉じたコミュニティーでのやりとりにより、特定の意見が先鋭化すること)の度合を確認できる」。

——通常、「あなたの○×を登録して試してみましょう」的サービスは避けて通るのだが、鳥海教授が作られたということで、自分も試してみた。結果はなんと(?)
「エコーチェンバー度:3.84
偏りは標準的
エコーチェンバー率上位20.0%」
だとか。

The pandemic created a boom in online influencers
「パンデミック中にインフルエンサーをめざす人々が爆発的に増加」。インフルエンサーマーケティングを行うTakumiによれば、2020年には応募者が前年比で倍増し、今年はさらに増加中。広告主が同じインフルエンサーを何度も使いたがらないのも、この市場拡大の背景だという。
フェイスブックがアップルのプライバシーポリシー変更による広告事業への影響を報告 | TechCrunch Japan
「しかし、売上やアプリのインストールなどを含む実際のコンバージョンは、広告主がFacebookのアナリティクスを使って見ている数値よりも高い可能性があると述べている」。

——iOSとAndroidの両プラットフォームでユーザ追跡型の広告が制限される動き(iOSではすでに実施。Andでは当面実施が先送りされている)について、Googleに続く世界最大の広告配信事業者であるFacebookがその影響評価を訂正、市場にインパクトを与えている。

データポータルで作るTwitterダッシュボード - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。各種データを活用するメディア運営の実務家にぜひ。データポータルの分かりやすい解説記事です。➡ データポータルで作るTwitterダッシュボード

朝日新聞がメディアパートナーに加盟しました

FIJ|ファクトチェック・イニシアティブ

朝日新聞がメディアパートナーに加盟しました
【ご紹介】:
「朝日新聞の加盟により、メディアパートナーは23団体・媒体となりました(うち国内18、海外5)」。

——私が理事を務めるファクトチェック・イニシアティブ。メディアパートナーに朝日新聞が加わりました。さらに多様なメディアとのパートナーシップ構築に向かっていきます。

Disruption This Week—–24/9/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年9月21日から2021年9月24日まで。

Twitter Opens Up Tipping to All Users, Part of its Continued Push to Facilitate Creator Monetization
米Twitter、一部ユーザに限定していた「チップジャー」機能を全ユーザに公開(日本ではまだ実装されていない模様だが)。ユーザプロフィールページでこの機能をONにすると、フォロワーが多様な方法でチップを払えるようになるという(デモ動画がある)。問題は支払う動機をどう生み出せるかなのだが。
What I learned from a year on Substack
尖鋭なテックメディアThe Vergeを辞め、Substackを用いたニューズレターメディアで独立したCasey Newton氏。独立して1年のプラスとマイナスをフランクに開示した。退会率との闘い、インタビュー記事は獲得につながらない、ツィートしまくることが必要…など実践的で興味深い。
「ディープフェイク」を見破るプログラム、NIIが開発 圧縮された映像でも一定の信頼性
「国立情報学研究所(NII)は9月22日、AIで顔を別の人物に置き換えた「ディープフェイク」を見破るプログラム『SYNTHETIQ: Synthetic video detector』を開発したと発表した。WebAPIとして提供するため、同プログラムを組み込んだWebサービスを容易に構築できるという」。

——APIを提供すること、これを用いたインテグレーションを提供する企業パートナーを募集するという。動画情報を多く扱うプラットフォームはもちろん、企業のセキュリティ対策を請け負う起業など、応用範囲は広そうだ。

将来の音楽配信の収益を前払いする音楽フィンテック「beatBread」がディストリビューターとの連携を発表
「ディストリビューターやレーベルサービスでは、人工知能技術を組み込んだchortCashAIのシステムがアーティストの再生データを予測分析して前払金を試算、カスタマイズ可能な契約書の作成を自動化できるようになります」。

——音楽業界では、著名アーティストが楽曲をめぐる権利を売却することで、将来得られるかもしれない収益を事前に得る手法が少しずつ浸透している。この記事が紹介する「beatBread」では、権利の売買ではなく、AIが収益を予測してその収益(の一部?)を前払いする仕組みを提供する。個人的にはこのような(マイクロ)ファイナンスとAIを絡めて、音楽以外のクリエイターに提供できるといいなと思う。

FBアルゴリズム変更、怒り増幅の副作用
【有料購読者向け記事】:
米WSJの、Facebookの内部文書を暴くスクープシリーズ第3弾(全5回とされる)。同社は2018年、家族、個人間のエンゲージメントを強化する大規模なアルゴリズム変更を実施。だが、それがより怒りや分断を強化する結果となるとする社内の分析結果と改善提案を、CEOのMark Zuckerberg氏は握り潰したとする。社内調査文書の写真や関係者へのインタビューを行った周到な記事。

News Consumption Across Social Media in 2021

Pew Research Center’s Journalism Project

News Consumption Across Social Media in 2021
米Pew Research、米国成人消費者によるニュース摂取とSNSとの関連を調査。全体の約半数がSNSからニュースを「よく」「ときどき」摂取。全体に2021年は前年より5%減らしたが、TikTokは前年比で7ポイント増となった。
テレビは“巣ごもり”時代に対応できていない 視聴データが示す生活とのズレ
「ゴールデンタイムとはすなわちテレビではバラエティーの時間帯である。ここでYouTubeに勝てなくなってきている理由は、2通り考えられる。
1つは、この時間帯に求められるコンテンツは、果たしてバラエティーなのか、という問題だ」。

——多くの人々にとってTVとの接触時間が伸びた可能性が高いこの1年半。だが、TVはこの機会をどう生かそうとしているか。私たちの“ニュース好き”消費がどんな道筋を辿っているか考えさせられる。

Instagram chief takes heat for bizarre analogy defending social media
Instagramが、青少年のウェルビーイングを毀損していることを社内調査で認識していたとWSJが報道したことは先日紹介した。当のInstagramトップAdam Mosseri氏がこれに関連して、SNSを自動車にたとえ(危険だからと)禁止すべきかと述べて波紋を呼んでいるとの話題。確かにSNSを含めてIT全般には、その種の両義性があることは事実だろう。ただし、自動車(交通)にはルールや免許証が義務づけられているのだが。
DHS: Extremists used TikTok to promote Jan. 6 violence
米合衆国国土安全保障省(DHS)、今年1月に起きた議会占拠事件に先立ち、過激なグループがTikTokを用いて宣伝活動を行っているとする情報を、全国の法執行機関に向け警告していたと、米Politicoがスクープした。
グーグルの研究開発部門がGoogleドライブを利用したニュースレターサービスの実験開始 | TechCrunch Japan
「Googleの社内スタートアップインキュベーターであるArea 120は「Museletter(ミューズレター)」という新しいプロジェクトを立ち上げた。Museletterでは、誰もがGoogleドライブのファイルをブログやニュースレターとして、Museletterの公開プロフィールやEメールリストに公開することができる」。

——Googleドライブ上のファイルなどと連携するニューズレター配信サービスの計画。フォームやリストなどともうまく連携するとなると、これは使えそう。

ClaimMonitor会員の募集を始めました

FIJ|ファクトチェック・イニシアティブ

ClaimMonitor会員の募集を始めました
【ご紹介】:
私が理事をつとめるファクトチェック・イニシアティブからのご案内です。疑義のある言説、情報を見いだし・整理し、ファクトチェッカーに提供するシステム「ClaimMonitor」を利用いただけます。➡ ClaimMonitor会員の募集を始めました
スマートニュース、大学生・高校生向けのオンラインゲーム教材を無償で提供 SNSシェアのシミュレーションを通じてメディアリテラシーの向上を促進
【ご紹介】:
「スマートニュース メディア研究所は、公益活動の一つとしてメディアリテラシー教育に携わる中で、大学生や高校生が、ソーシャルメディアでの情報行動を考える機会を持てるよう、メディアリテラシー授業で活用いただけるオンラインゲーム教材を開発しました」。

——すでにいくつかの大学教員らとの連携をもっと動き出しているが、本格的に始動。自分もコメントを求められて触ったが、示唆的だった。広がるといい。

Disruption This Week—–17/9/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年9月13日から2021年9月17日まで。

Twitter Super Follows has generated only around $6K+ in its first two weeks – TechCrunch
Twitterによる“クリエイターエコノミー”志向の課金サービス、米国内の立ち上がり2週間でのiOS売上は6,000ドル程度とごくごく限定的。Super FollowsとSpacesを含んだ規模。サービスが提供されたセレブの数が米国内で100名以下という制約も影響したようだが。Sensor Tower調べから。
Future of Media Technology: Audience growth and new content channels
英Press Gazetteがメディアをめぐるパネルディスカッション「Future of Media Technology」開催。メディア業界のアナリストらが議論。
「Facebookは依然としてニュースの主要なプラットフォームだが、その度合いは減少中。Facebookは『ニュースにとって重要ではなくなってきている』一方で、InstagramやTikTokのような『ビジュアルネットワーク』が台頭、ユーザーは有名人その他のネット上のパーソナリティを通じてニュースを得ている」という声。
「Google ニュースショーケース」日本でも開始 40以上の報道機関が参加、一部の有料記事を開放
「ニュースショーケースでは報道機関とのライセンス契約の一環として、Google側がコストを負担する形で、読者が一部の有料コンテンツを閲覧できるようにする。読者により多くの記事へのアクセスを提供し、報道機関のサブスクリプション拡大に貢献するという」。

——世界での展開が進んでいた、Google「ニュースショーケース」が日本でも。興味深いのは日本経済新聞の参加。だが、Google Newsで開いてみると、記事の途中で有料版への登録が求められるのは、これまでの体験と同様のようだ。

インスタグラムは10代少女に有害=内部資料
【有料購読者向け記事】:
「フェイスブックはこれまで3年にわたって、インスタグラムが何百万人もの若いユーザーにどんな影響を与えるか調査してきた。同社の調査担当者たちは再三にわたり、インスタグラムが若いユーザーのかなりの割合に悪影響を与えていることを確認してきた」。

——「10代の少女の32%は、自分の体形に不満を感じている時にインスタグラムを見ると、さらに自己嫌悪感が強まると語っている」「インスタグラム上で見比べることで、若い女性の自分自身への見方や評価が変わる可能性がある」。米WSJが、2020年3月時点でのFacebookが行った調査結果を示す秘密資料を入手。「自殺願望を報告している10代の若者のうち、英国のユーザーの13%、米国のユーザーの6%が、その原因としてインスタグラムを挙げた」とまである。
記事は、FacebookのCEO、Zuckerberg氏は議会公聴会で「われわれが見てきた研究内容は、他者とつながるためのソーシャルアプリの利用が、メンタルヘルスにプラスの効果をもたらし得るというものだ」と逆のことを述べていると指摘。

The myth of cannibalization in the media still persists: Text, video and audio can all work | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
電子版を公開すれば、印刷購読版との“共食い”が生じると、過去この変化に抵抗した新聞社、出版社の例は周知だ。しかし、動画、記事、ポッドキャストなどでいまも同じような現象が起きていると記事は指摘。オーディオがテキストを食ってしまうことはない、取り組むべきと説く。
Deepfake-foiling startup gets $26M led by Microsoft
動画像の高度な改変や生成を行う偽情報技術“ディープフェイクス”に対抗する技術系スタートアップの米Truepicが、AdobeやSonyらに加えてMicrosoftが出資との報道。画像とそのメタデータの改変を検証するという。
Washington Post expands 202 newsletter franchise
昨日も米Washington Postの新ニューズレターを紹介したばかりだが、同紙は、ホワイトハウスを中心とした政治記事を追ったレター「The Daily 202」のブランド化(フランチャイズ)を急ぐ。テック、気候、エネルギー、サイバーセキュリティ、政策など10タイトル程度にまで拡大していく。
Facebook Says Its Rules Apply to All. Company Documents Reveal a Secret Elite That’s Exempt.
【有料購読者向け記事】:
ProPublicaに続き、今度は米Wall Street Journalが、Facebook社内の秘密文書を暴露。文書は非公開の「XCheck」(クロスチェック)なる精度の存在が示され、同社の利用規約を免れる“特別待遇”人物が登録されており、それは世界で数約万人に膨れあがっている。
このホワイトリストに載った人物の投稿は野放しとなっていた。もちろん、それら人物とは著名政治家やセレブ、アスリートであり、その規模を抑制しようとする動きに反して、全世界で昨年には580万人に達した。
社内でこの暗部をレビューした文書には、「我々は公に向かって言っていることを実際には行っていない」とする。
【レビュー】フェイスブックのスマートグラス「Ray-Ban Stories」は「おもちゃ」レベルを超えている | TechCrunch Japan
「Facebookには…平均的なインターネットユーザーからは大いなる不信を獲得してきた歴史がある。同社はこれまでそのメッセージを台無しにし、その過程でブランド名を毀損してきたその歴史もわかっている。それらがおそらく、今回Facebookのブランドをほとんど目立たせないデザインにつながったのだろう」。

——興味深いのは、記事が指摘するようにFacebook色をごく希薄化していること。ムリな機能を詰め込んでいないこと。プライバシーなどツッコミどころに対してそれなりの回答を用意したなど、同社の成熟ぶりが見えてくるという。さて、それにしても、ユースケースがはっきりしない。Snapchatのようにエンタメ魂をくすぐる作り込みが用意できていないし、AR/VRへのアプローチも希薄だからだ。

The incentives to publish no longer reward the web’s creators | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
「2016年には、人々が消費したり共有したりしたくなるような素晴らしいコンテンツを作ることが、Web上でブランドを構築するための強力な方法だった。2021年には、その同じコンテンツが、ほんの数年前に受けたリーチやクリックの10%を得ることもできないだろう」。

——プラットフォームはますますネイティブな創造をクリエイタに求めるようになっている。言い換えれば、“囲い込んで”いる。リーチやディスカバリを広げようとするクリエイタの選択肢は狭められ、かつ、複雑化している。

浜本 階生 - ミッションへの共感を、言語や文化の壁、時差を乗り越える力に | SmartNews Careers
【ご紹介】:
SmartNewsの共同創業者の一人、浜本階生が、SmartNews開発に至る経緯や、SmartNewsの出発点となる考えを述べています。