Disruption This Week—–9/9/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年9月5日から2022年9月9日まで。

グーグル「ニュースショーケース」、米でのサービス開始に遅れ 条件折り合わず
【有料購読者向け記事】:
「米グーグルが報道機関に対価を支払い各社コンテンツを掲載する『ニュースショーケース』の米国での立ち上げが、当初予定から1年近く遅れている。事情に詳しい関係者らが明らかにした。一部メディアとの協議が行き詰まっているという」。

——日本を含む18か国でサービスインしている、Googleの報道メディア向け特別スキームの「News Showcase」。21年にも、と語られていた本丸の米国で立ち上がらない。理由は条件面。米大手メディアはやはりGoogleに強い立場。交渉がGoogle優位にまとまらないのだろう。議会などの動きも見ながらという長期戦。

Daily Mail Snapchat: How the publisher got to 15 million subscribers
Snapchatは、TikTokやInstagramなどに比して小さな存在ではあるが、英メディアMail Onlineにとって特別なプラットフォーム。その上で1,500万人ものフォロワーを稼いでいるからだ。同社は35人ものチーム編成でSnapchatを攻略している。詳細な調査で解説する記事。
Longtime Washington Post tech chief Shailesh Prakash leaving for Google
米Washington Postの中期的な成功を技術面で築いてきたとされる、同社の最高技術責任者/最高製品責任者のShailesh Prakash氏が退職へ。Google幹部職に就任の見込みとAxiosが報道。同氏は内製CMSを発展させたArc XPや広告配信基盤のZeusを、同社の収益の柱にまで育て上げたが、同事業のスピンアウトをめぐってもめ事ともなっていた。
「パクリサービス」だったTikTokは、なぜ中国初の世界で使われるアプリになれたのか?(飯田 一史) @moneygendai
「すべてはバイトダンスの創業者チャン・イーミンが、YouTubeが登録したチャンネルからの視聴よりもアルゴリズムによるレコメンドでよく視聴されていることに気付いたことに始まる。ライトなエンタメ分野では能動的な『検索』や『チャンネル登録/フォロー』よりも『レコメンド』での需要が大きい、と」。

——パクったサービスとは「Musical.ly」というサービスだったのはよく知られている。が、論の重要なポイントは、上記の引用箇所だ。そして「ドウイン(TikTokの原型)はひとつひとつの動画が短く、ユーザーが気に入らない動画は次々にスワイプしていくことから、AIが使い手の好みを学習するのに適していた」というポイントと融合する。アルゴリズムが圧倒的に優位な時代をByteDance創業者は突っ走ったことが最重要。
https://gendai.media/articles/-/99463

An A.I.-Generated Picture Won an Art Prize. Artists Aren’t Happy.
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米コロラド州のフェアでAI駆動作画サービスMidjourneyを用いたJason M. Allen氏の作品「Théâtre D’opéra Spatial」が新進デジタルアーティスト分野でブルーリボンを受賞。他のアーティストらは“違反”だと反発。 Allen氏は「私は勝ったし、ルールを破ったわけでもない」と反論する。
スポーツ紙「西スポ」が紙面発行を休止へ Webに完全移行
「今後も、福岡ソフトバンクホークスをはじめとしたスポーツ情報を報じるとともに、広くファンとつながる機能も強化するという。『西日本スポーツ賞』もこれまで通り続けるとしている」。

——ソフトバンク・ホークス関連報道で強い「西スポ」がデジタル版専業事業に。2020年に「8万部強」の発行部数だったということで、なかなか採算は厳しかったろう。だが、ローカル&スポーツ・エンタメの魅力は大きい。デジタル化での成功法則が見いだせれば、スポーツ紙業界にインパクトを与えられそうな気がする。

Exclusive: Yahoo buys The Factual to add news credibility ratings
米Yahoo、アルゴリズムを使って情報源の信頼性を評価するThe Factual社を買収。Factualは10名弱の新興企業で、Yahoo Newsの一部門となる。Yahooはこの技術を世界でシンジケーションしているコンテンツに適用し、その“信頼性スコア”を表示していく予定だ。
Frustrations Mount at Washington Post as Its Business Struggles
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New York Times、この1年で経営不調に陥ったWashington Postの内情をスクープ。記事によればWaPoは長年黒字を堅持してきたが、22年は最終赤字となる見込み。20年末に300万人としていた電子版購読者は、いまはそれを割り込み、広告収入でも昨年同期比で15%も下回る状況だという。内部情報から、1,000人程度される編集部スタッフのなかから、100名程度の人員削減も検討されているようだ。
主張:ソーシャルメディアの汚染はモデレーションでは解決しない
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「規制当局の仕事は、テック企業のプロダクト開発チームと協力し、プロダクト開発の過程で(害を)測定できる実装可能なプロトコルを作り、意味のあるシグナルを評価することだろう。
このアプローチは面倒に聞こえるかもしれないが、この種のプロトコルを追加することは、最大手企業(規制が適用されるべき特定の企業群)にとっては簡単なはずだ」。

——大手テック企業が運営するプラットフォーム上では、ユーザをはじめとして社会に害をなし得る投稿などの情報を検閲する「モデレーション(機械的・人的検閲)」が行われている。だが、これらテック企業が社員に課しているのは、これら投稿などの情報によって、自社サービス上の規模拡大であり、これがモデレーションの目的と一般的に矛盾する。そのため本質的な制御が行われない。この論文では、大手テック企業がサービスの改善を狙って日常的に行っているユーザをめぐる調査計測手法に追加できるモデレーション用の計測プロトコルを開発し、規制当局がそれを大手テック企業が運用するのを義務づけるということだ。近日、詳細が発表される。

アルゴリズムを直接管理、中国の果てしなき野望
【有料購読者向け記事】:
「プラットフォームを左右する重要技術について、規制当局がネット企業に対して組織だって開示を強要するのはこれが初めてだ。ポップ文化から政治まであらゆるものを劇的に変える能力を持つ強力なアルゴリズムを政府として果たして操れるのか」。

——中国の規制当局が、国内で人気のネットサービス30の中核アルゴリズムについて開示、その要旨を公表した。事実上のアルゴリズム規制だ。実際にはこれらサービスがすでにユーザに対して開示している概要以上に詳細ではないが、当局に開示された内容はそれとは異なり詳細なものだと記事は述べる。

ファクトチェックは「大きな物語」に対抗できるか?——[Global Fact 9リポート]ナラティブ、コラボレーション、テクノロジーが切り開く未来 - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。ジャーナリストでファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)理事でもある古田大輔氏がGlobal Fact 9に参加して、ファクトチェックの最前線をリポートします。ぜひご一読を。

Disruption This Week—–2/9/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年8月29日から2022年9月2日まで。

Meta is planning more paid features for Facebook and Instagram
Meta、傘下のFacebook、Instagram、そしてWhatsAppの有料機能を模索するプロジェクトチームを立ち上げた。米Vergeが社内メールを入手した。同社は短期的には広告収入依存だが、長期的に見れば有料機能の重要性が大きくなると、幹部は語っているとする。
How Snap’s Pandemic Hiring Frenzy Set It Up for Mass Layoffs
【有料購読者向け記事】:
前日に発表された米Snap(Snapchat運営企業)の従業員2割削減。記事は、新型コロナ禍での需要急増に対し、それを上回る人員採用を行ったツケが回ってきたとする。GoogleやMetaのような超大手が手をつけるのを見越して人員急拡大を進めた結果だという。
出版状況クロニクル172(2022年8月1日~8月31日) - 出版・読書メモランダム
「上半期電子出版市場は2373億円で、前年比8.5%増。電子コミックは2097億円、同10.2%増だが、電子書籍、電子雑誌はいずれもマイナスで、下半期もコミック次第ということになる。上半期の出版物シェアは電子出版28.5%、紙書籍42.3%、紙雑誌は29.2%である」(出版科学研究所調べ)。

——メディア業界の随所でコロナ禍成長の反動が露呈している。出版分野をけん引してきた電子出版も、コミックの成長が続く一方で、書籍や雑誌では低迷が顕在化。もちろん、コロナ禍の影響だけでない事情も作用しているのだろう。

ストリーミング業界で相次ぐ「広告付きプラン」は、ユーザーや広告主を本当に幸せにするのか
「わが家では下の子がディズニー映画好き、上の子はNetflixのドラマ『ストレンジャー・シングス』にハマっているのだが、何か手を打たなければならないだろう。どれかを解約でもしない限り、子どもたちを広告から守ることは不可能だ」。

——そう。映像配信だけではない。広告の退潮どころか、あらゆる分野に広告が浸透を始めている。その対象も、以前は可処分所得の高い成人層だったものが、現在では青少年、そして記事にもあるように、幼児にまで広がっている。

Mark Zuckerberg Tells Joe Rogan Waking Up in the Morning Is Like Getting ‘Punched in the Stomach’
【有料購読者向け記事】:
Meta CEOのMark Zuckerberg氏、著名ポッドキャスター Joe Rogan氏の番組に出演。3時間近く話した。「毎朝起き抜けに、腹を殴られたように感じる」と述べる。毎朝「100万通のメッセージが届く」と。同社への社会的批判へのストレスを語る。
メタ、個人情報流出の訴訟で和解に合意 英調査会社巡り(写真=AP)
【有料購読者向け記事】:
「2018年にフェイスブックから最大8700万人もの利用者データが流出したことが発覚した。英調査会社ケンブリッジ・アナリティカが情報を入手し、トランプ前大統領が勝利した16年の米大統領選で世論操作に流用したとされる」。

——いまだに日本の報道機関は婉曲にしか述べないが、単刀直入に言えば、ロシアが米国での大統領選挙、そして英国でのEU離脱国民投票に効果的に介入できたのは、このかつて存在した調査会社ケンブリッジ・アナリティカが入手したFacebookソーシャルグラフをめぐるデータがあったからだ。

When was the last time you tested the performance of your subscription offer page? An analysis of top outlets - The Fix
「購読」(サブスク、ペイウォール)メディアをめぐり、その「購読申込」ページの重要性について研究が進んでいる。New York TimesやWall Street Journalでは、この5〜7年の間、申込ページが間断なく変化しており、現在の姿に着地。ボタンも1つという共通性があるという。各社ともさまざまな購読(商品)タイプを持ちながら、入り口はボタン一つ。つまり、まずは購読をしてもらうことを重視しているという。
〈独自〉スマホアプリ不正機能検証へ 対中流出懸念で総務省
「総務省が、情報の無断送信などスマートフォンアプリの不正機能の検証に乗り出すことが26日、分かった。情報の無断送信を巡っては、中国IT大手の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」が利用者の個人情報を中国政府に送信している可能性があるとして、米政府などが懸念を強めている」。

——普及したLINE上で公的情報のやり取りに無頓着を続けてきた日本政府。一転、TikTokのバックドア問題を検証へ。

フェイクニュースへの「抗体」強めるには オードリー・タン氏の主張:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「私は最重要のフェイクニュース対策は、教育を通じて、人々にメディアの記者がどのように取材し、記事を書いているのかを知ってもらうことだと思っています。一般の人々が記者の作業を知ることで、記者と同じ方法で、記事の真偽を調べることができるようになります」。

——朝日新聞による台湾・デジタル発展部 部長のオードリー・タン氏へのインタビュー後編。興味深く読んだ。強調するのは官民が協力して対策すること。市民がメディアリテラシーを高めていくことだと述べる。

Information Warfare in Russia's War in Ukraine
ロシアによるウクライナ侵攻。両国を軸に展開されている「認知戦」の状況をテキストとグラフィックで読み解く特集をForeign Policyが販売。限定的だが興味深い部分は無料でアクセスできる。
TikTokが躍進、SNS揺らす「アルゴリズム」(写真=ロイター)
【こちらもご紹介】:
日経MJ紙への寄稿が日経新聞電子版に掲載されました。こちらもよろしければご一読下さい。
プロダクトとしてのメディア ——「ビジネスとしての仕組みづくり」を考える - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Technologyから新着記事です。求める読者(オーディエンス)×ビジネスモデル×これらに最適化したコンテンツの組み合わせを考える論です。ご一読を。

Disruption This Week—–26/8/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年8月22日から2022年8月26日まで。

Exclusive: The Block launches tokenized paywall
暗号資産関連のメディアである米「The Block」、自身のメディアを、「アクセス・プロトコル」と呼ぶトークン売買によるペイウォール運用に乗り出す。同社がトークンを発行しそれを購読者が買う“有料購読制”。同メディアはすでに数千人の購読者、数百の企業購読者を有する。コンテンツの有用性に対してカネを支払うのか、トークンの投機性に魅せられているのか。行方を見守ろう。
「実在しない超リアル」次々に登場するAI生成画像の不安とは?
「筆者は、架空のファッション誌の表紙の画像を1860年代の創刊号から、10年ごとの年代順に2030年代まで生成してみた。
存在しないファッション誌の、存在しないバックナンバー(と未刊号)のアーカイブだ。それらを並べてみることで、存在しない『ファッションの歴史』が浮かんでくる」。

——急速に広がっている“AIによる描画サービス”。絵心のない人であっても、テキストで意図するものを説明すれば、それなりの、あるいは想像を超えたアウトプットが得られる。ここでもテクノロジーの両義性が浮き立ってくる。倫理的な歯止めや、詐欺的利用の抑止をどう行っていくのか。早く着手しなければ。

Economist reaches new audiences with Instagram

International News Media Association (INMA)

Economist reaches new audiences with Instagram
ペイウォールを運用する英The Economist、Instagramで若者を対象とした積極的な施策を実施。580万人のフォロワーの3分の2は18歳から34歳だという。単にブランド認知だけでなく、インスタを通じた記事経由での購読を獲得していると担当者が解説。
I made a map of Spotify podcast recommendations. Here's what I learned.
Spotifyが力を入れるアプリ内での“ポッドキャストの発見”アルゴリズム。オーディオ分野に詳しいブロガーが、Spotify(のポッドキャスト発見)アルゴリズムを解明、その楽曲のお勧め技術から発展したその特性を整理した画期的な投稿。
米メタ、3750万ドルで和解 FBの位置情報追跡巡る訴訟で
「サンフランシスコの連邦裁判所に22日に提出された今回の和解は予備的なもので、裁判所による承認が必要となる。原告側はフェイスブックが携帯端末の位置情報サービスをオフにしているユーザーからデータを収集し、カリフォルニア州法と自社のプライバシーポリシーに違反したと主張」。

——Metaの立場に立って、補足すると「メタは和解に同意するにあたり、不正行為を否定。現時点でコメント要請に応じていない」。否定はしているものの、その根拠を語る気はないらしい。

TikTokのiOSアプリも「キーロガーと同じような動作」と開発者が指摘
「クラウス氏によると、同氏の前回のブログを公開した後、アプリ内ブラウザを使っている企業の多くがJavaScriptコードが検出されないようにアプリを更新したという」。

——すでに昨日、このキーロガー問題を紹介したが、本日も補足的に紹介しておく。TikTok以外もIT大手が提供するアプリには多くこの種の“仕掛け”が仕込まれているが、TikTokのケースは危険度が高いと、論者は指摘したのだ。
面白いのは、引用箇所のように、論者が指摘した意図的脆弱性について、各社ともこそこそと隠蔽に走っているらしいことだ。

Short Content is skyrocketing: What does it mean for digital video? | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
TikTokはもちろん、それを追うYouTube Shorts、そしてFacebookとInstagramのReelsまで活況を呈している。記事は、このショートフォーム全盛が意味するものをひもとく。ユーザの認知的な負荷を軽減、そしてコミュニティの輪を広げる。
だが弱点もある。それは深いエンゲージメントだと指摘する。
An Interview With The New York Times Company CEO Meredith Kopit Levien
Ben Thompson氏の個人メディア「Stratechery」。有料購読制も敷くが、その無償バージョンに米New York Times CEOのMeredith Kopit Levien氏が登場。ロングインタビューに応えるという時代とメディアの変化を感じさせる驚きの展開。内容もNYTの重要な動きについて的確に触れるものだ。
たとえば、現在のNYTの編成をしているのは誰かとの問いに対しては、“プロダクトとして見た”場合、「現在では、ジャーナリスト、編集者、製品担当者、デザイナー、データ科学者、エンジニア、マーケティング担当者、製品マーケティング担当者が一体となって、デジタル製品エクスペリエンスに関する素晴らしい取り組みを行っている」と回答する。
Tech Companies Are Relinquishing Some Control of Online Ads to Users
【有料購読者向け記事】:
TikTok、Meta、Googleなど広告収入中心の大手プラットフォームで、表示する広告のタイプについて、ユーザが拒否したりできるコントロール権を広げる動きが進展とする記事。膨大な資金をかけて個人ターゲティング技術を開発しながら、ユーザが嫌がることをいまさら訊ねていると皮肉るコメントも含まれている。
Zero-click content: The counterintuitive way to succeed in a platform-native world | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
検索、ソーシャルメディアなどプラットフォームでは、“ゼロクリック”コンテンツの比重が高まっている。たとえば、Google検索結果ページではナレッジグラフが表示され、記事リンクをクリックする必要がない。InstagramやTikTokでは、コンテンツ中に外部リンクを許可しない。知名度や自身のページでのコンバージョンを求めるクリエイターは、どう振る舞い、工夫しているかを整理した資料性のある記事。
JIMA : JIMA会員オフラインイベント「JIMAなんでも相談会(第1回)」8月31日(水)開催
【JIMA会員向けご案内】:
31日開催のオフラインイベント「JIMAなんでも相談会(第1回)」の申込締切が近づきました。オフラインでフランクに語りあえる久々の機会です。会員社の皆さんはぜひ申し込みを!

Disruption This Week—–22/7/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年7月19日から2022年7月22日まで。

キャッチコピーや商品説明文を自動生成、超高精度言語AI「GPT-3」を使ったコピーライター「Catchy」が登場

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

キャッチコピーや商品説明文を自動生成、超高精度言語AI「GPT-3」を使ったコピーライター「Catchy」が登場
「公開から6日間でユーザは1,800人に達し、現在はすでに2,000人を超えている。GPT-3 は、与えらえた情報から空気を読むのが上手く、空気を読んだ文章を作ってくれるのがポイント。記事作成、広告文、EC サイトの説明文作成などに利用されている」。

——「GPT-3」についてはたびたび言及してきたので、その説明は省くが、このAIによる自然言語などの生成能力が広告などのコピーライティングに実際に利用され始めているという。私が思いつくのは、スペックなどの基礎情報がそろう不動産や商品カタログなを用いた創作力は、応用用途が広そうで興味深い。報道系のストレートニュースにも進出するかどうか?

フェイスブック、クリエーター機能強化へ ニュースとブレティンから人員再配置
【有料購読者向け記事】:
「ブラウン氏(=グローバル・メディアパートナーシップを率いるキャンベル・ブラウン氏)によると、これらプロダクトのエンジニアリングおよびサポート担当者を移動させ、『両チームはより安定したクリエーター機能の構築に注力する』ことになる。これはプロダクトレベルの決定であり、ブラウン氏の所属チームが決めたことではないと関係者は話した」。

——Facebookにとっては、“パートナーメディア(ニュース)”への力点を変える(言い換えれば、重要視しなくなる)、何度目かの戦略変更。ニュースメディアとの協業を重要視し続けることは同社の哲学ではムリということだろう。

「デジタル探偵」が迫る戦争の真実 NYTオープンソース報道最前線:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「オープンソース調査を、地をはうような伝統的な取材と組み合わせるのが最も優れたアプローチだと私は思います。実際、公開情報から極めて決定的な情報を得ることができます。人間の記憶一つとっても、ある出来事をめぐる人間の時系列的な記憶は時間とともに変化します。それが人間の特性です。オープンソースの調査で得た情報によって、証言者の時系列の記憶の正確さなども確認できます」。

——オープンソース調査報道(OSINT)に積極的に取り組み、いまでは17名のスタッフを擁する米New York Times。そのシニアプロデューサーのマラキー・ブラウン氏に取材した記事。

「アドテクに興味を失った」 マイクロアド渡辺社長
【有料購読者向け記事】:
「リタゲは一部のユーザーを行動データに合わせて、過剰なまでに追及する広告だ。果たして消費者のためになっているかのどうかという課題を感じていた。計測ツールで見れば、確かに結果はコンバージョンという形で出ているが、イノベーションは起きないと思い始めた」。

——まさにアドテクをテコに成長してきたマイクロアド、つい最近IPOを成し遂げたが、同時に過度な広告技術の跋扈から離れてデータ分析分野へと業態をシフトしつつある。ここにも課題があるとは思うが。ともかく、ここにもまた、“ポスト・クッキー(ポスト広告)時代”を示唆する動き。

Global Fact 9レポート(1) ナラティブ:誤情報の背景にあるストーリー全体をファクトチェックする
「文脈から切り離されたファクトは、それが真実であれ、間違いであれ、ほとんど意味がありません。ストーリーの一部として語られ、説明されなければなりません」。

——世界のファクトチェック団体をネットワークするIFCNが例年開催するGlobal Factが開催。先ごろ行われたGlobal Fact 9に参加した奥村氏からのリポート。確かに“ナラティブ”はほぼ流行語になりつつある。

W3C、中央集権的な管理を不要にする「Decentralized Identifiers (DIDs)」(分散型識別子)の仕様が勧告に到達
「W3C DIDは、中央集権的なレジストリを必要とせず、これを利用する個人や組織が情報をコントロールできるような仕組みを備えています。
人だけでなく組織、機器、製品、場所、抽象的な実態や概念などさまざまなものを一意に識別するために使用でき、属性などを示す関連情報が正しいことを暗号技術などによって証明可能です」。

——ID管理は、中央集権的基盤にうえに実現し、運営されるという“常識”を壊すWeb3的世界の進ちょく。W3Cという標準としていよいよ動き出した。次はどう実装し、どう稼働するのかに注目。

Guardian Media Group plc (GMG) publishes 2021/22 statutory financial results
英The Guardianなどを傘下に擁するGuardian Media Group、昨年度に引き続き好決算。総収益は3030万£(13%)増の2億5580万(2021年:2億2550万£)で、2007/8年以来の高水準に。デジタル読者の収益が10%以上増加し、初めて印刷版の読者収益を上回った。デジタル収入の総計で、今や総収入の3分の2を占める。
Disney secures $9 billion in its strongest Upfront ever
Netflixら米ストリーミング大手がいっせいに広告収入獲得に向かうなか、米Disneyは最近行われた広告関係者向け内覧会「Upfront」期間中に、秋の同社ラインナップが90億ドルもの広告予約を獲得したと公表。その40%がデジタル、特にDisney+を筆頭とするストリーミングだという。
Why The Guardian shared its Uber Files investigation with rivals
先日紹介したとおり、米Uberが世界各国の政府要人をターゲットに繰り広げたロビーイング活動記録を暴露する「Uber文書」。入手したのは英Guardian紙の記者だ。だが同氏はそれを独り占めにせず世界のジャーナリストとの共同作業として取り扱った。その理由を訊いた記事。
Opinion: Democracy dies behind a paywall
「民主主義を推進する市民にとって必要な事実に基づいたニュースは、ますますペイウォールの向こう側にある一方、SNSでは、受動的な消費者は、その情報流通システムを利用したプロパガンダを目にする可能性が高い」とする論説。サブスク潮流にある大きな課題を指摘する。論者は米国の各州でのローカルニュースネットワークづくりに動くGood Informationの創業者。

Disruption This Week—–8/7/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年7月5日から2022年7月8日まで。

ネット記事・広告 信頼向上を…村井純氏 慶応大教授[岐路の資本主義]特別編 デジタル時代の情報危機
「私たちが取り組んでいるのが、『オリジネーター・プロファイル』(OP)と呼ばれる技術だ。ネット上のニュース記事などのコンテンツ(情報内容)について、もともと誰がどのように作ったのかが確認できる証明書のような仕組みだ」。

——「仕組み作り 日本で主導」とかの見出しが添えられているが、そんなこと言わずに世界的なアプローチを期待&予感。

顔画像検索「ピムアイズ」、他人の過去探る利用に懸念
【ご紹介】:
月1連載が日経電子版に掲載されました。よろしければ。ご紹介した「PimEyes」、有料版を短期間購入して試しました(有料版なので、顔の背景映像などもサムネールに表示されています)。ただし、日本のサイトでのクロールに力を入れていないのか、想像したほどではありませんでした。なので、研究目的以外にはお勧めできない。しかし、このビジネスモデルは…… 。
【注目】TikTokの健康デマを暴く「世直しクリエイター」が熱い
【有料購読者向け記事】:
「最近、TikTokで拡散される偽情報を『論破』する活動を行う科学者や医師、学者らが増えている。ダヒールもその1人だ。
彼らが用いるのは、元の動画を切り取って引用し、それに対して反証を述べる『スティッチング』という手法だ」。

——ファクトチェッカーもまた、TikTokerのように画像を駆使し、ユーザに向かって確信的にメッセージを発信しなければならない。なかなか大変な時代だが、そのような才能をもつ人間を開発していかなければならないというわけだ。

How The Washington Post is trying to reach the next generation - Poynter
米Washington Post、“次世代読者獲得”構想を約1年前にスタート。そのプロジェクトリーダーに取り組みを聞いた記事。当然ながら青年層を狙ったと思いきや、ターゲットは“45歳以下”という。とはいえ、プロジェクトチーム参加者には各所から問合せが引きも切らないのだという。
「世界ファクトチェック会議のポイントは何だったか」 トークイベント開催します
【ご紹介】:
私も参加しているファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)が、つい最近開催された世界のファクトチェック団体が集まる年次総会GlobalFact 9をリポートするディスカッションを開催します。世界のファクトチェックとそのテクノロジーの紹介が聞けます。ぜひご参加を!
Creator Economy Startup Funding Drops 60% From a Year Ago
【有料購読者向け記事】:
クリエイターエコノミーのトレンズに関わるスタートアップ企業への投資が、前年比約60%減少。「Creator Economy Database」の更新を続ける米The Informationがリポートした。なかでもWeb3クリエイター系のスタートアップはより大幅な減少に。
TikTok、中国から米データへのアクセス認める──個人情報の扱いを懸念する報道には反論 | DIAMOND SIGNAL
「『米国ユーザーの個人情報が中国から繰り返しアクセスされている』とする米ニュースメディア・BuzzFeedの報道に対しては、『間違った主張やほのめかしを含んでおり、事実に基づいていない』と反論した。その一方で特定の条件のもと、中国拠点の従業員が米国ユーザーのデータにアクセスしていたことは認めている」。

——すでに紹介した事象だが、改めて。日本でもLINEが“ずさん”にユーザデータへのアクセスを認めてきたとされる同様の事件からすると、他人事ではない。

メディア企業は若年層の「 ニュース離れ 」にどう対応するのか?:要点まとめ | DIGIDAY[日本版]
「今回のレポートでいくつか大きな理由が明らかになった。35歳未満の若い読者は、政治や新型コロナなど同じテーマのニュースを冗長だと感じている。また、『ニュースを見ると、気分が落ち込む』『ニュースは理解するのもフォローするのも難しい』。そもそも、『ニュースを信用していない』などの理由が挙げられた」。

——数年前からReuters Instituteのリポートでは「ニュース忌避」が伝えられていた。左右の分断やらニュース(情報)リテラシーの成熟度の問題として認識されていたと思うが、2022リポートでこの問題が“主役”に躍り出た。実際、シリアスなニュースに触れ続けることは心理的に辛いことは事実。これをどう物語っていくのかが、メディア、特に報道機関の主たる課題に。

YouTube日本語版15年 ファンが作り上げる文化熱く
【有料購読者向け記事】:
「日本ではファンが作り上げるカルチャー『ファンダム』がかなり熱い。ユーチューブにもその傾向が顕著に現れている。クリエーターと視聴者のコミュニケーションの1つとして取り入れた投げ銭機能『スーパーチャット』などの利用度合いは他国に比べかなり高い」。

——YouTube日本代表の仲條亮子氏のコメント。「ファンダム」に言及したことと、「リスキリング」に言及したりと、YouTubeの適用分野が広がっていることに興味を持った。

Peacock Tops $1B in Upfront Ad Revenue, Doubling Growth
NBCUniversalが2年前に開設した映像ストリーミング「Peacock」、2022年の前払い広告収入(アップフロント)で10億ドルを突破。前年比でも倍増で、同社で最も急成長のビジネスに躍り出た。広告収入に手を出そうとするNetflixやAppleをリードする動きだ。
Google agrees to $90 million settlement with app developers
サードパーティのAndroidアプリ開発者らに反競争法的な締め付けをしてきたことが係争となっていたGoogle、アプリの収益規模が小さい開発者らに9,000万ドルを拠出することで調停が成立。アプリビジネスのルールメーカーであるApple、Googleの両者にプレッシャーとなる動き。
The iPhone at 15: An Inside Look at How Apple Transformed a Generation
15年前の6月末、米国でiPhoneが誕生。その日に生まれた赤ちゃんが育つなか、スマートフォン(iPhone)はその幼児たちをどのような若者、クリエイターに育てていくことになるのか。iPhoneに携わったApple幹部らでさえ想像もできなかったと語る。