Disruption This Week—–22/1/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年1月18日から2021年1月22日まで。

 

 

「Googleが、同社のEthical AI(倫理的AI)チームのリーダーで、人工知能(AI)の研究者であるMargaret Mitchell氏の職務用アカウントをロックした。Mitchell氏は、Googleが著名AI研究者のTimnit Gebru氏を解雇して物議を醸していた件で、同社の動きを批判していた」。

——アカウントのロックは、同社のセキュリティ上のルールに基づいて行われたと同社広報は述べている。予断は避けなければならないが、依然として、同社のAIをめぐる姿勢についての社内での批判勢力の活動があることが明らかになった事象。

 

 

Facebookは、米前大統領Trump氏のアカウント排除の判断の是非を、同社が設けた独立監視委員会に委ねたと、同社の公共政策担当責任者が発表。監視委員会には毎日数千件の判断依頼が届くが、Facebook自身による依頼は迅速に処理されるとのことだ。プロセスの透明化への第一歩だ。

 

 

【有料購読者向け記事】:
ミュージシャンやポッドキャスターらが、直接、そのファンから収入を得るサービス米「Patreon」が、近くIPOを計画と、米The Informationが報道。有料ファンからの支払いから手数料5〜12%を得る。パンデミックにより過去数か月で事業が急速に拡大。

 

 

Google、仏においてニュース報道に関するスニペット利用への対価をめぐり交渉を、業界300社を擁する団体APIGとの交渉の結果、合意に。支払いの対象となる報道機関(メディア)は、IPGという品質上の認定制度を使う。

 

 

「同時にグーグルは今、彼らの意に反するオーストラリアのニュースプロバイダーを、いかに簡単にインターネットから排除できるかということを実証している。彼らの途方もない市場支配力を示す、背筋が凍るような実例だ」。

——Googleの広報担当者が「Google検索ユーザーの約1%を対象」にしているに過ぎないと返答するが、それが社会やビジネスに与える影響を考えると……

 

 

【有料購読者向け記事】:
大物投資家を擁する米投資会社Andreessen Horowitz、自社でテクノロジー分析メディアを運営するための人材採用に動く。より“プロ”の視点でテクノロジーを扱う。背景にテック系メディアが大手テック企業への批判的姿勢を強めていることを指摘する。確かに、TechCrunchやWIREDが大手テック企業に親和的だった時代があった。

 

 

「proSapientは、基本的には専門家ネットワークを管理するSaaSプラットフォームだ。主にデータを収集する投資家やコンサルタントを対象としている。このプラットフォームは、専門家とプロジェクトをマッチングし、トランスクリプトを提供する」。

——企業系列のシンクタンクに帰属しない専門家、リサーチャーが、日本でどれほどいるか分からないのだが。ともかく、カジュアルに調査、分析を依頼できる仕組みがあれば、すごく良いと日ごろから思っているので、興味津々。

 

 

「産業化された偽情報(システム)」の現況を、オックスフォード・インターネット研究所(OII)が報告書を公開。81か国(の政府機関)が政治的プロパガンダに偽情報を活用。48か国で民間企業65社以上を偽情報活動に活用中であることが判明。もちろん前年比で増加だ。

 

 

「従来のPV偏重の価値観では売上拡大が見込めないと考えるのも自然です。しかしながら、PVの構成要素のうち最重要の”読者数”を追求することで、自然とヘビー読者数も向上し、プレファレンスも高まります」。

——「PV(ページビュー)」の意義を、単なるマスとして考えるのではなく、最重要な読者(層)へのリーチ拡大という点で戦略的に取り扱うべきという論。すごく重要かつ説得的な論。

 

 

「読者は、NYTimesが自分たちに関連するコンテンツをキュレーションすることを信頼しており、私たちはこの信頼を真剣に受け止めている。このアルゴリズムは、他の多くのAIベースの意思決定システムのように、人間の監視なしに最終的な判断を下すべきではない(と考える)」。

——米New York TimesのR&Dチームが、同社の読者向けレコメンデーションアルゴリズムのアプローチを開示。読者自身の意思(オプトイン)も取り入れるという考え方だが、“パーソナライズ”を、アルゴリズムに任せすぎないようにする姿勢を打ち出す。

 

 

【ご紹介】:
米国における“分断”とメディアとの関係、そしてSmartNewsの現状について、東洋経済オンラインに鈴木健CEOが取材していただきました。

 

 

【ご紹介】:
私が運営に携わる「Media×Tech」のシリーズ企画「デジタル人材戦略」で、KODANSHAtechの長尾さんにお話を聞きました。

Disruption This Week—–8/1/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年12月25日から2021年1月8日まで。

「今は映像だと1000万円から数千万円の広告料金も取れるようになっています。 2020年12月には、スーパーカーのランボルギーニがスポンサーになってくれました。一昔前のウェブメディアでは考えられないことです。NPというと、課金のイメージが強いかもしれませんが、パートナーの電通を含む広告チームのメンバーの貢献も非常に大きいです」。

——佐々木紀彦氏へのインタビュー記事。先日はNewsPicks自らのインタビューだったが、こちらは日本語版Business Insiderによるもの。こちらも面白い。広告における可能性をも示してくれている。

Journalism, media, and technology trends and predictions 2021

Reuters Institute for the Study of Journalism

 

 

Reuters Institute、世界43か国234人のメディア関係者を対象に、メディア、ジャーナリズムと技術トレンドを調査。購読モデルへの期待は前年比で高まり、ディスプレイ広告に対しては低下。平均して4つの収益源を重要と見なすなどの結果。コロナ禍はオールデジタルを加速といった結果が公開。

 

 

米国で流行り始めている、セレブとの動画コミュニケーションができる「Cameo」の話題。最初は事前収録録画を買う、というものだったが、ランク分けされた金額を払えばリアルに会話ができる。活動を限定されたセレブらの小遣い稼ぎの場でもある。自分はこの手法を、ジャーナリズムや専門家による解説の場などへと拡張できないかと妄想。
テキスト中心のジャーナリズムから、ポッドキャストなど駆使したジャーナリストに変身するには? 難しそうに響くが、ポイントを押さえれば可能だとする記事。そのためにジャーナリストが学ぶべき5つのポイント。「簡潔に書く」「インタビューのスタイルを変える」「雰囲気づくり(適切な背景音など)を工夫する」…など。なるほどという思い。

 

 

「見逃したテレビ番組をネット視聴する際、『違法アップロードされた動画ではなく、TVerで見て』と、1月2日に放送された番組『喜怒哀ラフ』(毎日放送)の公式Twitterが訴えている」。

——「再生数に応じて出演者に然るべき出演料が支払われる」とのロジックは初耳だが、膝を打つ思い。であれば、YouTubeでもその他の外部プラットフォームに対しても、公式チャンネル化して、分散視聴を計数管理するのが自然だし、より視聴者にフレンドリーだと思う。

 

 

「私たちがAlphabetに入社したのは、世界を改善する技術を作りたいと思ったからです。しかし、何度も何度も、会社のリーダーたちは私たちの懸念よりも利益を優先させてきました」。

——最近結成されたAlphabet(Google)労組の正副委員長がNew York Timesに寄稿。「不公平な職場は不公平なプラットフォームを作る」との訴えは、辛辣だ。

 

 

「近年アプリ内広告が普及しており、デジタル広告市場全体の成長に貢献している。アプリ内広告は、アプリ開発者やアプリパブリッシャーにとり、重要な収入源となっており、グローバル大手SNSから、個人開発者までの多くが、ここから収益を得ている。
本稿では、アプリ内広告について、体系的な解説をしていく」。——PubMatic社のスポンサード記事ではあるが、アプリ内広告の仕組みを体系的に整理した資料性の高い記事。媒体関係社、マーケターの参考になるはず。

 

 

米New York Timesが2020年に報じたビジュアル調査報道記事の一覧。Webの表現力と報道を組み合わせたストーリーテリングの総覧。見ておいて損はない。

 

 

「特に2021年を迎えようとしている日本では『もっとイノベーションを!』という論調はよく見かける。また『デジタル』という言葉もポジティブな意味で多用されている。IT分野の重要キーワードとしてDX(デジタルトランスフォーメーション、デジタル変革)という言葉もよく聞く」。

——“DX”や「IT立国」の語が勢いを得ている昨今。世界ではテクノロジー悲観論の勢いが増している。このギャップに気づかない人々が多いことには驚かされる。多くのメディアでもその論調に変わりはない。テクノロジーと倫理をめぐる視点を織り込まないと、またもや、周回遅れで幻滅がやってくる。

 

 

「2020年1月から12月までの1年間、Publickeyの売り上げは合計で1522万2323 円。内訳は、バナー広告や記事ライセンスが741万700円、タイアップ記事が770万1199円、AdSenseやAmazonアソシエイトなどが11万424円でした」。

——サムネール画像は、上記の引用箇所と連動していないので注意を。新野淳一氏の個人ブログサイトのコロナ禍2020年のパフォーマンス。同氏はこのサイトでの認知を背景に、講演やモデレータなど別収入も得ているとこことなので、コロナ禍の下でも、すごーく食えているわけだ。

 

 

トランプ大統領時代、民主・共和両党の支持者の間でマスメディアの信頼度が63ポイントもの乖離へと拡大。Gallup調査史上で最大。ほんの数年前、オバマ大統領時代にはその乖離は10ポイント程度だったのだが。
「(note社と文藝春秋社の資本提携を含む協業は)単なるnote=デジタルメディアと文春=プリントメディアのコラボを意味するのではなく、現在の出版業界において最も求められているものなのかもしれない。
20世紀までは出版社、取次、書店は出版物をめぐる共同体というニュアンスが残っていたが、21世紀に入ると、それはほとんど消えてしまったように思える」。——自分も感慨深く見た協業。結果は別としても、雑誌をめぐり、新しい時代には新たな協業モデルがあり得る。また、水面下では、人的な交流もこのような境界またぎが生じている。改めて言うが、どんな取組みの結果が待ち受けているか分からないが、挑戦を続けなければならない。

 

 

【ご紹介】:
「Media×Tech」編集部が「独断と偏見」でお勧めする2020年コンテンツ。雑な企画ですが、けっこう面白いものに。

 

 

2020年ももうすぐ終わり。今年、記憶に残った(インターネットの)コンテンツ、発信者、メディアを教えて下さい。どなたでも・何件でも応募できます。あなたもぜひ!

Disruption This Week—–25/12/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年12月22日から2020年12月25日まで。

 

 

「Facebookのマネージャーは、(ユーザの行動と興味をめぐる)重要なターゲティングデータを“ガラクタ”として説明、精度は“ひどいもの”だった」と証言する法廷文書が開示。米国内で行われているプライバシー訴訟をめぐるもの。テック系調査報道メディア「The Intercept_」が報じた。

 

 

Facebookは、AppleによるiOSの仕様変更(ユーザ追跡についてのオプトイン化)が、広告効果の大幅な低下を招き、それは広告主である中堅中小企業を苦しめることになると、「利他」的な姿勢のアピールを米国内の新聞などに全面広告を掲載するなど大キャンペーン中だ。記事は、「どっこい、そんなことはない」とする論説。

Goodbye, doomscroll

Nieman Lab

 

 

「スクロール中毒に終止符を」。2020年、パンデミックに襲われた多くの人々は、自宅内で持て余す時間に、ひたすらニュースフィードをスクロールして過ごした。刺戟の強いニュース中毒を生むフィードに対し、それを抑止する形式やストーリーテリングの必要性を説く論説。

 

 

米フロリダ州マイアミの人気ローカルニュースに起源をもつメール配信・広告および課金基盤である「Letterhead(レターヘッド)」の話題。Substackに近いサービスだが、利用用途は個人ジャーナリスト向けよりも広く想定。ニューズレターの「Shopify」をめざしているという。

 

 

米Insider Intelligenceアナリストがテキストメッセージの可能性を語るポッドキャスト。テキストメッセージアプリを提供するZipwhipが調査した「ユーザが感じるテキストメッセージ通知の重要度」ランキングが興味深いので紹介する。

 

 

「運用型ディスプレイ広告のキャンペーン費用は、2020年8月24日週に2019年12月1週と同水準に戻るが、2020年の平均CPMは48.23円(11月末時点)と、2019年の平均CPM 51.08円の水準には戻っていない。配信量も2020年下期は減少傾向だった」。

——実感値としては分かっていたことだが、数値で、しかも取引に実際に関わる大手レップであるCCIの調査。裏づけられたということ。

 

 

「自分で選んだリンクを強調したシンプルなプロフィールを作り、Instagramなどソーシャルのプロフィールから自分のBio Siteにリンクすれば、自分のコントロールが効きやすい他のチャネルにオーディエンスを誘導することができる。少なくとも、活用するプラットフォームを多様化することはできる」。

——注目すべきアイデア。いまは多数のSNS、アプリが分散存在する。これらを通じて統合的に自身のプロモーションを強化していくには、各SNSと連携する独自のプロフィール“アプリ”があるといいかもしれない。気になる動向。

 

 

「“信頼できない”ニュースソースが、2020年に躍進」。メディアごとに信頼性評価を行うNewsGuardのまとめ。同社は編集経験者らによる精査でメディア単位の信頼性を評価を行うが、最も信頼性が低いとされたメディアが、SNS上で読者との接触を大幅に伸ばしたという。

 

 

「今回のRSSフィードの導入は、サブスタックの独自性を完全に損なうものではありませんが、その他ニュースサイトとの間にあった境界線を少しうやむやにする可能性はあるかもしれません」。

——面白いジレンマ。やはり数多くのメディア(フィード)に触れるようになれば、効率よく整理しなければならなくなる。そうなると、新たな“発見”も難しくなるという課題が生じる。

 

 

「オーディオ(音声)への需要に衰退の兆しはない」。BBC、New York Times、Washington Post、Independentなど老舗メディアが取り組む“第三のメディア”ポッドキャスト。面白いのはNYTのアプローチ。機械音声(AI読み上げ)ではお金を取れないとし、人による読み上げの仕組みを開発したスタートアップを買収し、高級路線をめざす。音声を好む読者はテキスト閲覧者に対して3倍の時間、滞在するという。

 

 

【ご紹介】:
日本版Business Insiderに、スマートニュースCEOの鈴木健、そして米国でのSmartNewsの取り組みなどについて取材していただきました。[前編]です。

Disruption This Week—–18/12/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年12月14日から2020年12月18日まで。

 

 

米メディアAxios、やはり米North Carolina州で2015年創業された、新しいローカルニュース・スタートアップ「Charlotte Agenda」を約500万ドルで買収。CAは、Webサイト、無料ニューズレターとInstagramで地域の実用情報を届ける。Axiosは同モデルを各地へと広げる目論見だ。CAは、17年には利益をあげ、19年には売上220万ドルで利益率30%。パンデミック下でもビジネスは堅調という。

 

 

「『too long, didn’t read(長すぎるので読んでいない)』というインターネット用語の頭字語にちなんで名づけられたこのツールは、記事を読み上げてくれたり、質問に答える音声アシスタント機能も備えることになる可能性があるとされている」。

——“未来のメディア”のありようがイメージが喚起される。興味深い。

 

 

電子版購読者が10万人超のメディアリスト(英語版のみ)、トップ24。このリストから見るとNew York Timesはダントツのリーダーだ。

 

 

「グーグル(Google)とアマゾン(Amazon)は、ターゲティング広告を配信するために、ユーザーの許可を得ずにサイト閲覧履歴を追跡していた。…CNILによると、両社はユーザーに事前の同意を得ることなく、そのコンピューターにトラッキング用クッキーを保存し、クッキーの設定を変更する方法についての情報も提供していなかったという」。

——「CNILの調査員が3月にgoogle.frにアクセスした際、『ユーザー側が何もしなくても、自動的にクッキーがユーザーのコンピューターに保存される』ことがわかった」ということだ。GDPRもあって、“この程度”であっても制裁対象となるということを理解しないと。

 

 

AP、NYTimes、NPR、Vox、Washington Post、Bloombergなど錚々たるニュースメディア企業が参加する団体Digital Content Next(DCN)が、AppleやGoogleが運営するアプリストアにおける不透明性や不公平の是正を求める団体Coalition for App Fairness(CAF)に参加した。DCNを構成する大手ニュースメディア企業は購読(サブスク)を推進しており、アプリストアがこれに対してアプリ内課金を押しつけていると主張。

 

 

パンデミックによる人員再編や、著名ジャーナリストの離脱などに見舞われている米Vox Media。だが、4年前にVox Entertainmentとして設立した動画制作子会社Vox Media Studiosが好調。著名ストリーミングに番組を配信。21年には番組を倍増し、1億ドル事業への成長をめざす。

 

 

News CorpのCEOであるRobert Thomson氏、GoogleおよびFacebookの複占二強に対し、ニュースメディア界がコンテンツの直接対価を支払わせる交渉が優位に推移しつつあることを受けて、「ジャーナリストはもはや絶滅危惧種ではなくなった」と語る。

 

 

(朝日新聞)小田切氏:
「その三つのうちでは、1st PartyデータとIDソリューションの二つを優先しています。自社のデータをどのように使えるかを見直していく必要があると考えております」。——「三つ」とは、記事の主役であるPubMaticの担当者が言う「一つ目は、『1stPartyデータの取得と整備』、二つ目は『IDソリューションの活用』そして、三つめは『コンテキスト解析ソリューションの導入』」を指している。一般紙、スポーツ紙の担当者が語る貴重な記事。

 

 

オランダ発、購読者らの寄付金に頼むジャーナリズムの試み「The Correspondent」(英語版)が閉鎖を発表。1年前に基金や読者から資金を集め、スローニュースに焦点を当てる運営をめざしたが、新型コロナウイルス下での情報ニーズとマッチせずと創業者らは述べる。開設当初5万人の購読者は、最近では、2万人に減っていた。オランダ国内版「De Correspondent」は事業を続けるという。

 

 

「マーケティング担当者は、消費者と直接的なつながりを構築することを目標とすべきだ。信頼を築くということは、データとエンゲージメントに応じて価値を交換することであり、第三者からデータとエンゲージメントを購入することではない」。

——いろいろと気になっていた課題が、“信用経済”というコンセプトで、クリアに整理された記事。上記の引用箇所が興味深いのは、メディア(コンテンツ)と同様、マーケティングも、消費者(ユーザ)との直接的なエンゲージメントを求めるじだいであるということ。これらはクルマの両輪というわけだ。

 

 

【ご紹介】:
昨日発表されたSmartNews Awards。大賞に選ばれた「ABEMA」の中心メンバーに取材した記事。Media×Techに掲載しました。

Disruption This Week—–11/12/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年12月8日から2020年12月11日まで。

 

 

楽曲ストリーミングのSpotifyは、“(盗用などから)楽曲の権利を守るため”として、同サービスに登録される楽曲の歌詞・メロディー・コードを分析したメタデータを保持し、これを特許化。だが、ある研究者は同社の動機は、データを使い機械が売れる楽曲を創造する試みだと警鐘を鳴らす。

 

 

「(広告における)文脈革命が進む」。アドベリ企業のIntegral Ad Science(IAS)が調べた、広告とコンテンツ文脈、そしてユーザとの相関。ユーザの8割強はコンテンツにマッチした広告を好む。また、広告とその周りのコンテンツが、ブランド認識に影響を与えるという。メディアはどう振る舞うべきかなどを論じている。IAS当事者の論なのでご注意。

 

 

「当初トラッキング制限はiOS 14のリリースと同時に実施される予定でしたが、Facebookや広告主が抗議を表明した後に延期が発表されました。その後もFacebookは、広告ビジネスがiOS 14のプライバシー保護強化により攻撃を受けていると訴えています」。

——Appleのこのユーザ情報保護強化の姿勢については、何度も紹介してきた。最近は、Appleの強硬姿勢が米国その他での独禁法に抵触する動きとの、広告事業者(Facebookを含む)らのロビーイングにさらされている。
Appleが傲慢かどうかはさておき、ユーザターゲティングを過度に推し進めてきた昨今の広告テクノロジーをそのままにして良いのかは、本筋の議論として忘れてはならない。

【有料購読者向け記事】:
「FBが画像共有アプリ『インスタグラム』や対話アプリ『ワッツアップ』の運営会社を買収したことについて市場での『競争を無効化した』と主張し、一部事業の売却を裁判所に求めるとみられる」。——米Washington Postによる報道。Facebook、Instagram、そしてWhatsAppの巨大サービス群の分割問題が主題となる。

 

 

欧州各国で、Google、Facebookが個別にニュースメディア企業に利用対価を支払う動きが進ちょく中、オーストラリアでも同2社に、メディア企業への支払を課する法案が政府から提出される見通しだ。まずは当事者間の交渉を促し、交渉が進まなければ、罰金を課すというものだ。

 

 

米メディア界では、2020年約3万人の職が失われたが、その過半は、デジタル、印刷、そして放送の「編集部」から。米再就職支援企業Challenger, Gray & Christmasの調査から、08年からの推移がチャートで示されている。

「ニュースメディア企業のCEOと何度も話をするが、彼らは『読者からの直接の収益化戦略を立ち上げたいのだが、誰を雇えばいいか?』と訊かれる。私は「お願いだからニュース業界からは雇わず、Amazonから雇って」と言っている」。

——GoogleのAnalyticsと“収益最適化”分野を担当するAdams Harding氏へのポッドキャストインタビューから。記事(を読ませて)から収益につなげる仕組みは、eコマースを的確に実装するのと同じだというわけだ。

 

 

短文で箇条書きを多用する米Axios。そのAxiosが、長編の調査報道記事を公開。テーマは、中国の女性スパイとおぼしき人物が米西海岸の新進気鋭の政治家らに接近、捜査の網にかかる前に“蒸発”する経緯の解説。短文を組み合わせる同メディアの記事フォーマットの拡張型が興味深い。

 

 

「若年の女性ほど情報を探す時に検索エンジンだけでなく、SNSに頼る傾向を指摘した。私たちは検索する(=ググる)ことだけに頼らない情報との出合い方を日々体験するようになっている」。

——電通報からの転載記事。面白い議論だ。いろいろ考え始めたくなる。

 

 

「JICDAQの具体的な活動としては、『アドフラウドを含む無効配信の除外』と『広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保』に関わる業務プロセスの監査基準の制定を挙げている。さらに、それに沿った業務を適切に行っている事業者を認証し、社名を公開していくようだ」。

——少なくともブランドセーフティの観点からは、広告とコンテンツが、まったく別々に“信頼性”を追い求めている時代ではなくなってきた。これもアドテクの影響もあると思うが、両者が協力し合う場づくりも喫緊の課題かと思う。

【ご紹介】:
月一の連載原稿が日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ 電子書籍ブーム、今回は本物? 新常態、隙間時間にまとめ読み