Disruption This Week—–27/3/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年3月23日から2020年3月27日まで。

 

 

「Mozilla(モジラ) は、Firefoxブラウザに組み込まれたトラッキング保護機能と、Scrollによって提供される広告のないブラウジング体験を組み合わせた、Firefox Better Web with Scrollと呼ばれる新しい取り組みを発表した」。

——両社が調べた結果(記事で紹介されている)、消費者は広告を気が散るものと見ている、パブリッシャーをサポートしたいと思っており、広告ブロックに否定的、非営利団体の取り組みに好感している。鵜呑みにはできない要素はあるが、消費者の意向から目を背けないようにしたい。

 

 

英Financial Times、プライベートメッセンジャーアプリTelegramを使い、読者に新型コロナウイルス関連の掘り下げたニュースを、平日3本まで提供。FTは極めて厳格なペイウォール制を敷いているので有名だが、このサービスは無償だという。

 

 

英BBC、1月に発表したばかりの2022年内までに450名削減というリストラ計画を、中断。コロナウイルス禍でのニュース需要に応えるためと、同社トップのTony Hall卿が、スタッフらに向けアナウンス。
パンデミック下でのメディアの生態系は、リストラ、賃金引き下げがある一方、サブスク購読者が伸びたり、雇用削減が一転、この記事のように雇用を維持するなど、混沌のありさまだ。

 

 

「ウイルス感染状況が特に深刻な国の多くで、メッセージ利用が先月50%以上増えた。イタリアではメッセージアプリを使う時間が70%増えている。
また、3人以上が参加するグループでのやり取りは、イタリアで先月1000%超増えた」。——この時期、Facebookは、コミュニティ活動というよりメッセージングで躍進中ということらしい。

 

 

米国では新型コロナウイルス禍は、新興メディアにも甚大な影響へ? BuzzFeedは、多くのスタッフの給与を段階的に引き下げを行うと、スタッフ宛てにメール。削減幅は、低給与者には軽く、幹部級には重く割り当てるという。

 

 

「そもそもインターネット広告費の中心を占める、『検索連動型広告』は日本ではGoogleとYahooが寡占している市場だと言われていますし、『ソーシャル広告』はYouTubeやツイッター、Facebook、LINEなどのプラットフォーム企業に落ちる広告費」。

——全体に納得感がある。が、やはり数字については、厳密に分かっていない点が多い。ディスプレイ型広告でも運用型であるケースが大きくなっている(純粋の手売りはもっと小さい可能性がある)、一方で、アドセンスでは媒体社に対して還元される。徳力さんが書かれているより状況は深刻だという理解も、逆にマイルドだということもあり得そう。

 

 

2016年に印刷版を完全に廃止、オンライン専業に徹転じた英「the Independent」が3期連続で黒字。16年以降の売上は倍増。会長John Paton氏が興味深い意見や事実を説明。成功の最大要因は「印刷コストをなくしたこと」。また、ペイウォール制を敷くが、広告が最大の収入源であることは、チャートでも分かる。

 

 

Digiday Research、米国の95メディアの幹部に今週尋ねた調査を公表。それによれば、88%のメディアが今年の売上計画を下方修正せざるを得ない状況に。4割近くがレイオフも計画。

 

 

「過去2年程度をかけて進めてきたこの取り組みは、これまで紙の新聞の発行スケジュールに合わせてきた記事の出稿・編集作業を、電子版に読者が集まる朝、昼、夕のピークタイムに合わせるというものです」。

——新聞の長い歴史を背負った仕組みを変化させるには、大きなエネルギーを伴っただろう。

 

 

米国では、多くのメディアが新型コロナウイルスをめぐる報道や対策情報で、大幅なアクセス増を稼いでいるが、ブランドセーフティ対策で使われる広告監査サービスが、コロナウイルス関連キーワードやイメージのある記事を一様にブラックリスト化してしまい、収益につながらないとメディアの不満が噴出。

 

 

【ご紹介】:
日経MJでの月一連載が、日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ 働き方が10年先へ!? 遠隔会議、アバターで議論沸く

 

 

【ご紹介】:
「ニュースは、新しい気晴らし」。米Axiosが「ニュース」メディアやアプリへ需要高まっていることをデータで説明しています。SmartNewsのダウンロードもこの風を受けてか急増しています。

 

 

【ご紹介】:
新型コロナウイルスへの情報需要が高まる米国で、ニュースアプリの「SmartNews」と「News Break」がダウンロードを急増させていると、アプリ関連データ調査のApptopiaが述べています。

Disruption This Week—–5/4/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年4月1日から2019年4月5日まで。


 

「著作権法改正前の段階で、元著作物の利用方法として明文上認められていたのは『Web検索サービスにおける対象サイトのスニペット・サムネイルの提供』だけでしたが、今般の改正により『軽微利用』に該当すれば元著作物の利用が認められることになりました」。

--もちろん、「軽微利用」の限定があるものの、各種の革新的な検索サービスの法的な整合性が認められている。次は、軽微利用の境界線議論だろう。


 

サービスイン1週間、「Apple News+」は購読に値するか? 英語圏で始まったサービスをレビュー。Apple News Formatと(ほぼ)PDFの2種類のフォーマットが混在するUXを許せるなら、WSJやNew Yorkerの個別購読の足し算よりおだろうとする。個人的に“謎”だった、「マガジンスタンド」型サービスと「ニュースヒフィード」型のそれをどう統合するのか? に答えが見えた。
大手老舗メディアブランドAtlantic Media参加の米「National Journal」、5年かけて広告収入を徹底的に縮減。全面的に読者への課金収入(サブスクリプション)へと転換を進めている。

 

「ボウルズは、こうしたデザインがアプリのなかで“遊び”や“セレンディピティー”を促す役割を果たしている可能性を示唆している。このため、利用目的がはっきりしたアプリよりも楽しく使えるのだ。しかし、このようなアプリデザインは年齢層の高いユーザーを近づけないためのものだという説もある」。

——個人的に関心を持っていて、放置していたテーマをていねいに論じたもの。「ストーリー」フォーマットの誕生背景でもある。これをアプリ設計上のイノベーションだとすると、このような革新の再現が可能なのかどうか。


 

「テキストを自動作成するボット『トビ(Tobi)』は、スイスの大手メディア、タメディア(Tamedia)のために、2018年11月にスイスで行われた選挙結果に関する記事を4万本近く書いた──たった5分で。
…報道機関は、記事の作成から個人の関心に合わせたニュース配信、時にはデータ検索による重要記事の選別まで、トビのようなボットに頼るようになっている」。——AI執筆記事が調査報道にまで及ぶ可能性については、いささか…。データジャーナリズムやビジュアリゼーションの駆使によって新たに見えてくるものもあるだろう。マイニングのように、人間が意図しない“事実”を発見する可能性もあるが、その重要性を発見するのは、人間だろう。


 

「もはや紙に戻れなくなってもまだ定まらない。それはテクノロジーではなく、人間の活動と精神の基盤となるエコシステム(生活)の問題だからだ。ニュース・ビジネスは非常に精密なシステムだったから、エコシステム丸ごとの再構築は不可能に近い。ゼロからつくるほうが容易だ。しかし、既存のメディアは前者を選ぶ」。

——アナログメディアとデジタルメディア。とっくに海峡を越えたと思われた課題だが、その生態系が安定しない。旧くて新しい議論。

New York MagazineやThe Cutといった多彩なクオリティメディアを擁するNew York Mediaで「CPO」(Chief Product Officer)を務める人物へのインタビュー。読者層や性格の異なる各種メディアに対し、共通のペイウォール基盤を構築。“ダイナミックペイウォール”として運用する。その背景などを説明する。

 

「音楽市場の成長を牽引したのは、音楽ストリーミングで、売上高は前年比34%増加し、89億ドル(約9901億円)を達成。
音楽ストリーミングは全体の収益シェアでは46.9%まで拡大しており、2019年には50%を超えることが予想される。
サブスクリプション型音楽ストリーミングの売上は32.9%増加」。——ここ数年、目を見張る復活を見せる音楽市場、その中心はストリーミングであり、サブスクリプションサービス。私たちは、産業の破壊的創造の現場に立ち会っている。


 

Facebook、ユーザーが“なぜ私はこの投稿を目にしているのか”(why am I seeing this post?)タブを管理機能に追加と発表。日本語版ではまだ見あたらないが、アルゴリズムが、そのパーソナライズをどう実施しているかにつき透明性をもたらすことをめざす。

「今回の中国、九州地方での発売の遅れは、その一端が現実化してしまったことを告げている、しかもそれで問題解決とはならないのである。それから最も気になるのは、これがさらなる中国、九州地方での雑誌離れにつながり、dマガジンなどの電子雑誌への移行を促すのではないかということだ」。

——出版物に限らずだが、運輸運送の問題は社会問題化している。と同時に、“物流”で支えられた出版流通の姿は、21世紀に変わらざるを得ない。消費者自身も大胆な変化を前向きに受け入れていくべきではないか。電子流通にインセンティブを設けていくべき。

Disruption This Week—–12/28/2018

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2018年12月25日から28日まで。

Disruption This Week—–1/19/2018

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2018年1月15日から19日まで。

Disruption This Week—–12/29/2017

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2017年12月25日から29日まで。

[番外編]藤村厚夫 問われるニュースの品質 ポスト・フェイクの幕開け