Disruption This Week—–2/4/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年3月29日から2021年4月2日まで。

少し前に紹介したAmerican Press Institute(AMI)の購読者維持策に関する調査結果から。31もの購読者引き留め(リテンション)策を一覧に整理した記事。本質的に購読を魅力的にする施策から、付け焼き刃な引き留めまで含まれているのだが。
「動画配信サービスは、古いテレビ的価値観から心が離れ始めている次世代を意識した番組づくりに定評があり、ネットメディアと相性がいい。ネットに合う記事づくりのノウハウをそのまま番組の台本や企画に活かせるからだ。」。

——合併を発表したBuzzFeed Japanとハフポスト日本版。ハフポストの竹下隆一郎編集長が、今後の戦略を詳しく説明。自分として注目したのは、引用箇所のような「動画」分野。NetflixのようなOTTを前提にユニークな動画カルチャーの創造を視野に入れている。これには興味を惹かれる。

「講談社も電子コミックを中心とする電子書籍の伸長、コミック・書籍原作の映像化、ゲーム化、商品化のアジア・北米での積極的展開によって、収益構造が変わりつつあることを示している。
それはコミックを有する小学館や集英社も同様であろうし…」。

——デジタル版権分野を中心とする「事業収入」が、初めて紙媒体の売上を上回った決算を受けてのコメント。デジタルが印刷を逆転するまでの経営刷新力に驚き、敬服するが、一方で、コミックスによる主導だとすると、同社のような総合出版社としての構えが維持できるのかどうかが気がかりだ。

元英国副首相で、現在、FacebookのVP・公共政策担当(要はロビーイング担当トップ)のNick Clegg氏、Mediumに驚きの長文投稿。
Facebookは長く用いられてきた“News Feed”に大がかりな改修を施す。従来のランキングアルゴリズムを排除してタイムライン化するなどを選択できるようにするなどカスタマイズを可能にするという。エイプリルフールかと思わせるような内容だ。タイトルに使われている「タンゴ」の比喩は、人間と機械(アルゴリズム)がペアで踊るという意。
「幼少期からネットに触れてきた世代が2022年度から学ぶことになる高校の新教科書。30日に公表された各教科書には、情報を読み解く『メディアリテラシー』や『ファクトチェック』など、ネットやSNSの功罪がふんだんに盛り込まれた」。

——高校生の教科書に「ファクトチェック」や「メディアリテラシー」の概念が。単にコトバだけでない実践的な教育手法も生まれてくるだろうか。

米ニューズレター配信サービスのSubstack、Andreessen Horowitzをリード投資家として6,500万ドルを資金調達(時価総額は6億5,000万ドルとされる)。同社公式ブログでその投資(支出)計画を説明。ニューズレターを始める執筆者のリスク軽減を筆頭策を筆頭に掲げる。
「ジャーナリズムは難しいビジネスであり、それを試そうとした世間知らずのハイテク企業のほとんどは、血まみれになって去っていった。Mediumが最後になることはないだろうし、ジャーナリストも用心するに越したことはない」。

——先日のMediumにおける編集系チームの大規模な早期退職勧奨をめぐるオピニオン。「長期的に見て、自らのジャーナリズムのサポーターとしてハイテク企業だけに頼ることには非常に注意が必要だ。あるいは、技術系企業に雇われてジャーナリズムを行おうとすることも」との評言は覚えておこう。

【有料購読者向け記事】:
「米 マイクロソフト は、ゲームプレーヤー向けチャットサービスを手掛ける米ディスコードを100億ドル(約1兆0900億円)以上で買収する方向で交渉しており、交渉は進んだ段階にある。関係筋が明らかにした」。

——早ければ4月中にも発表の可能性がある。TikTok買収に乗り出したりとMicrosoftのコンシューマサービス戦略はやや? なところもあるが、Discordのポテンシャルは大きく、メディアの青図に見えてくる要素がある。

米国の若者(10代〜20代)をターゲットにした“ニュースのTikTok”をめざすニュースアプリ「Volv」の話題。2020年創業のスタートアップで、一つの記事は“9秒以内”で読め、次の記事へはスワイプするだけ。1日50本程度を発行し、リテンション率は高いと創業者らは語る。
デジタルメディアを支援する5つのテクノロジー・スタートアップを紹介する記事。サイトパフォーマンスの分析ツールに始まり、やはり目に付くのは、サブスクの最適化や記事単位でのマイクロペイメントの支援だ。
【ご紹介】:
私も編集に携わっている「Media×Tech」から新着記事です。よろしければどうぞ。➡ 画像の評価、複数のデータソースで記事分析…Googleデータポータルを便利に使う7の方法
【ご紹介】:
私が運営に携わるJIMA(インターネットメディア協会)で開催、人気を博した田島将太氏の講演取材記事。Media×Techで公開しました。メディア運営に携わる方はぜひ参考にして下さい。
【ご紹介】:
2020年1年間を対象にした優れたメディアの試みを顕彰する「Internet Media Awards(第1回)」の受賞作を発表しました。力作揃いです。各作品をぜひご一読ください。

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