Disruption This Week—–15/1/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年1月12日から2021年1月15日まで。

 

 

「Parlerにアップロードされた全動画をクロール中です。新着順。VIDXXX.txtファイルの山は5万件で、URLは計110万件。削除された投稿や非公開の投稿も入っているみたいです
全部Parlerにアップデートされたオリジナル&無修正のRAWファイルで、メタデータもついたままです」。——GPSのメタデータもそのまま露出してしまっているらしい。「暴徒」は一網打尽となってしまいそう。運営会社のロシア接点が濃すぎる点も含めて、だれかノンフィクションストーリーにしてくれないか。

 

 

米大統領選とその結果をめぐる議論で、いま浮上しているのが、ブランドセーフティ問題。ニュースサイトの信頼性をスコアするNewsGuardによれば、昨年暮れからこの1月まで、大手ブランドの広告のほぼすべてが「陰謀」や「誤報」と懸念されるメディアに掲載されたという。

 

 

「デジタル広告への需要は増加した。実際、中国新聞のデジタル広告事業は今期大きく成長し、社内で『売上増加率が非常に目立つ状態』だという。埼玉新聞社も、デジタル広告全体の売上が、前年度比約2倍に跳ね上がった」。

——めでたい話だが、次のフェーズに備えるための進化が急がれる。

 

 

フランスで書籍やオーディオブックなどの販売を手がけるGloseを買収した米Medium。同社CEO、Ev Williams氏にインタビューしたCNN Businessの記事。記事全体がSubstack全盛に対抗するMediumという図式で描かれている。

 

 

GoogleとFacebookに媒体への支払義務を法的に求めようとしているオーストラリア。Googleはそのオーストラリアで、利用者の1%に対して、メディアの表示を検索結果上、非表示にするアルゴリズム上のテストを行っていると、地元メディアに明らかにした。

 

 

米New York Timesでは、12名のスタッフで7か月かけ、ファーストパーティデータ広告を開発、サードパーティデータ広告にパフォーマンスでほぼ匹敵するまでになったと、同社デジタル広告エンジニアリング責任者Pranay Prabhat氏が語る。マーケターへのまともな答えにはなると。開発途上ながらの期待を込めたコメント。

 

 

独調査企業pv digest、おもにドイツ国内におけるコンテンツ課金販売をめぐる年間予測を発表。前年成長率が続くとすると、2021年は7億ユーロ(約900億円)へ成長とする。その内訳なども示した記事。

 

 

「今、トランプ氏のアカウントを永久停止したい気持ちは理解できる。だがそれはすべての人々に、フェイスブックやツイッターのような企業が歯止めのない権力を行使することへの懸念を抱かせることになる。数十億人の言論にとって不可欠となったプラットフォームから、自分たちも削除されるのではないかと」。

——「米自由人権協会(ACLU)の弁護士、ケイト・ルーエン氏」による声明という。平和博さんのこの記事では、「表現の自由問題」をめぐるさまざまな論点を浮かび上がらせ、「プラットフォームは判断を誤る」とし、その点をめぐっての透明性や批判の仕組みを問う。それがなければ、権威主義的国家の下で起きている言論封殺の現象(そこにもプラットフォーマーが影を落としている)と五十歩百歩ということになる。

 

 

有料購読読者の効果的な獲得手法は、「無料のお試し」か「有料(低価格)のお試し」施策か? 独Der Spiegelがコロナ禍にあって試行錯誤した結果は、「有料のお試し」施策だった。担当者は複数の価格設定を試すべきとする。

 

 

【有料購読者向け記事】:
過去にTwitter、Facebook、そしてRedditといったソーシャルメディアに在籍、メディアパートナー担当を歴任した論者が、これら大手プラットフォーマーの幹部らが、社会的な課題をめぐり行ってきたずさんな意思決定を振り返り、厳しく告発する寄稿。

 

 

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私も運営に携わるJIMA(インターネットメディア協会)で会員向けに実施したセミナーの書き起こしです。メディア運営側の方々向けにネット広告を概観しました。