Disruption This Week—–20/11/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年11月14日から2020年11月20日まで。

 

 

「Googleによれば、YouTubeでミュージックビデオを視聴するユーザーは月間20億人以上で、このうち15%近くは画面を見ていないという。音声広告を活用することで、YouTubeで音声だけを聴く層にも広告でアプローチできるとしている」。

——YouTubeの規模で全MAUの15%は大規模だ。Spotifyの強敵は、実はYouTubeなのではないか。Google Play Musicが終了というのも、納得だ。

 

 

驚きのニュース。米BuzzFeedが同HuffPostを買収へ。Verizon Mediaと大がかりな資本取引。BFのCEO、Jonah Peretti氏は、以前より、インターネットメディアが直面している経済危機に対して、大きな合従連衡をつくり出す必要を唱えていた。“買収される”ことも容認する発言をしていたが、する側に回ったようだ。両者、もしくはVerizonを交えた大きなコンテンツネットワークを生み出そうとする試みのようだ。

 

 

広告中心の事業モデルが限界に突き当たり、また、コロナ禍でマーケティング費用が縮小するなか、改めてリード生成事業モデルにスポットライト。Lead Monitorが公開したホワイトペーパーのポイントを要約した記事。テクノロジーと同じくらい、コンテンツの力は重要とする。

 

 

「テーブルを囲んでいたすべての編集者は、何が購読を促進し、何が山のようなページビューをもたらすか、という推測ゲームに参加していたが、単なる推測だけで、リーチとサブスクのトレードオフを見極めることに長けている編集者はほとんどいなかった」。
こうして始まったカナダの伝統的メディア「Globe and Mail」社内で始まったサイエンティストらが主導するAIによる分析・予測システム「Sophi」プロジェクトが始まった。「結果は驚くべきもので、最終的には数百万ドルの収益増になった」とする。ポイントは、“どの記事を有料化するか”だった。

 

 

「この結果に対し、同社は『若干の抵抗を生じさせ、会話に参加する意味や追加する内容について人々に少し考える時間を与えた』『情報の共有量全体を減らしたことで、誤情報の拡散を抑制した』と結論付けた」。

——Twitterが試みた“スローニュース化”、一定の成果があったという。とはいえ、分断のトレンドに効果的に切り込むアプローチが見つかったわけではない。良質な視点、知識に出会いやすくする手法の開発を進めていく必要がある。

 

 

「アップルはソフト配信基盤の『アップストア』を使う開発者に対し、売り上げの30%をアプリ配信手数料として徴収している。今回、20年のアプリ販売額合計が100万ドル(約1億400万円)以下の企業についてはこれを半額とすることを決めた」。

——現在は、30%の“Apple税”を嫌い広告収入に頼り、App Store経由での売上を立てていないアプリ提供者は、自動的に対象となるのだろうか? だとすると、自分の関心事であるメディア業界でも、アプリを通じた購読ビジネスにシフトする動きが高まる可能性がある。

 

 

米Vanity Fairが“Substack現象”を詳しく論じている。ある気象関連のニューズレターを刊行するライターは、Substack上で今年23万ドルの収入を得たという。読者25万人以上に対し、数千人のライター、専門家が集う決して大きくないネットワークが過熱している。

 

 

サードパーティCookieが利用不可となる時代に備える話題。米Penske Media傘下の主要タイトルでは、ファーストパーティデータ活用を導入し、CPMを前年比20%増加させたとの話題。データの分析活用はもちろん、広告主との緊密な関係が重要とする。関係者はまだ初期段階と述べる。
コンテンツ(広告)レコメンドのOutbrain社内から、最近過熱気味のニューズレターキュレーションアプリ「Listory」が誕生。文字通り、(無料ベースの)ニューズレター1,000本以上を収集して、ユーザにレコメンドする。スタート時、ユーザに謝礼を払いニューズレターを推薦してもらう「Listory Challenge」キャンペーンを実施するというのが興味深い。

 

 

Google News Initiative、欧州のメディア業界団体やFT調査部門と組み、メディアのサブスクリプション事業モデルへの転換を推進するためのイニシアティブを今年、組成。さまざまな課題を整理したフレームワーク「北極星モデル」を公開。従来型の数量重視のモデルから、読者のための価値創造型事業への転換に大きなギャップと課題があることを指摘。

 

 

【お知らせ】:
楽しみにしてきた企画、来週開催です。会員メディアの方々は、ぜひご参加下さい!

 

 

【ご紹介】:
インターネットメディア協会(JIMA)が、Internet Media Awards 第1回の応募作品を募集中です。JIMA会員・非会員に関係なく候補作を推薦・応募できます(自薦他薦とも可)。6つのカテゴリーを通じて、良質なインターネットメディアの営みを顕彰するプロジェクトです。ご応募をお待ちしています!

Disruption This Week—–14/11/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年11月9日から2020年11月13日まで。

 

 

メディアへの忠誠度(ロイヤルティ)の高い読者を見いだすことは、メディアへの読者による対価支払いに結びつく。よく語られることだが、ではそのロイヤルティはどう測るのかを掘り下げる論。習慣を形成し、それを維持する行為に結びつくことだとする。難しいが、一考に値する議論が提示されている。

 

 

「Facebook(およびその子会社Instagram)とGoogleは一緒に今年、英国のデジタル広告に費やされた推定150億ポンドの80%近くを獲得することになる」。

——英Press Gazetteによる、英国オンラインメディアの現況分析。著名オンラインメディア(ネット専業メディア)のパンデミック後が見えてくるが、もう一つの焦点として、英国内の広告市場でも複占が顕著だということだ。

 

 

「ブラウザがWebページをどのようにレンダリングしているか、図を用いてやさしく解説した記事を紹介します。
レンダリングの仕組みを理解することで、HTMLやCSSやJavaScriptなど実装時にも気をつける点があります」。——モダンなWebブラウザが、CSSを解析してWebページを表示するまでを、順序立てて分かりやすく解説した記事。JavaScriptがどのようなタイミングで実行されるのかなどを理解できる。(ちょっと勉強になる)

 

 

【有料購読者向け記事】:
Disney+など同社のストリーミング戦略を担い、今年TikTok USのCEOに就任。米中紛争のあおりを受けて、今はWarner Music Groupでデジタル音楽市場の戦略をリードするKevin Mayer氏。現代の音楽市場におけるSpotifyらストリーミングと、TikTokなどSNSの影響力の重要性を指摘する。オーディエンスからどうフィードバックを受けるかとの問いに、それは「データ」の分析が担うとの回答は、なるほどと思わせる。

「消費者のニュースへの注目は高まっているが、広告費はそれに伴っていない。その状況を打開すべくIABが調査したところ、ニュース内の広告はブランドの信頼性や評価を高め、購買意向に寄与することが明らかに」。

——「ニュース」と言っても、分野は広い。ただ、新型コロナウイルス禍をめぐる広告収入の下落局面では、ニュース(報道)は、ビューも伸ばしたし、ケースによるが広告単価をあまり落とさずに推移した事例は確かにある。

 

 

「複数の専門家と話をすると、いくつかの提案が返ってきた。まず、その人を排除しないこと。問題にはできるだけ素早く対応すること。しかも、相手に共感する姿勢を示しながら。
パンデミックに不安を抱く人は大勢いる。陰謀論は、とてつもなく複雑に見える問題に簡潔な答えを提供する。そうすることで、相手に満足感を与える」。——どこからが、虚構の世界なのか明確な線引きをすることが難しいことがら(やその理解)がある。記事にあるようにできるだけ素速く、コミュニケーションという架け橋を試みていくしかない。それを避けるわけにはいかない。これは、政治や宗教的な世界観の話題であると同時に、家族内の物語でもあるのだから。

 

 

「Quartzは再び独立したメディア企業になりつつあります。過去2年間、私たちは東京に拠点を置く株式公開会社Uzabaseに所有されていました。それはデジタルメディアの大きな変化の時代をナビゲートするのに役立ちましたが、今はスタートアップとして、自分たちの道を自由に切り開くことができています。私自身がQuartzを買収し、非公開化することに合意しました」。

——UzabaseからQuartzをMBOした、CEOのZach Seward氏の読者に宛てたレターから。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「同社はパンデミックが始まる数カ月の時点で、すでにサブスク戦略で新規獲得よりもリテンション重視へとシフトさせていた。だがコロナ禍で購読者が急増したことに伴い、この読者を維持するという『より一層の必要性』に迫られたという」。——終了したIMD2020のあるセッションでも語られていたが、サブスクを指向するには、このリテンション率を上げる、いい換えればチャーン率(退会率)をどう下げられるかというポイントがある。早くから取り組んでいたEconomistが新型コロナウイルス禍に対して持ちこたえられた経緯を解説する記事。

 

 

FacebookやTwitterは、新型コロナウイルスをめぐる風評や、大統領選をめぐる真偽不明情報の流布を抑止するために、「シェア」(やRT)ボタンの機能に変更を加えている。MITのDavid Rand教授の調査研究では、シェアする前に立ち止まって考えれば、偽情報を流布することが減るというわけだ。

タイムラインアルゴリズムからの脱却とパーソナルメディアの未来(前編)【ゲスト寄稿】

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

 

 

「誰もがメールアドレスを収集でき、読者と直接繋がれるニュースレターサービスの Substack が生まれています。タイムライン上でのコンテンツマッチングアルゴリズムに依存せず、自分だけのファンや読者を集め、独自のコミュニティを構築していけるサービスが次々に成長しています」。

——自分も注目する“ニューズレター”のトレンドについて、「theLetter」を展開する濱本至氏が論考。その前編。さまざまな事例が紹介されている。

 

 

【ご紹介】:
月一連載が日経電子版に掲載されました。よろしければご一読を。➡ ウェブ会議「疲れ」どう解消? 適度なムダ、織り込む余裕を

Disruption This Week—–6/11/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年11月2日から2020年11月6日まで。

 

 

米Disney参加のスポーツ専門放送局ESPNが、300名のレイオフを社員に伝えた。米CNBCが同社会長から社員に向け出されたレターを独自入手。Disney全体が新型コロナウイルスによるダメージを受ける当時に、ストリーミング市場での競争激化への適合を図る局面。

 

 

米New York Timesが第3四半期の業績を開示。同四半期では、デジタルのみの収入で34%増の1億5530万ドルで、同社の唯一の成長源となった(印刷版はコロナの影響で減)。広告は印刷・電子とも減。デジタル版の総購読者は700万人に到達。この時点ではじめて、電子版購読者収入が印刷版のそれを上回ったという。まさにデジタルサブスクが成長を支える企業となった。

 

 

あるデータ分析企業が「習慣的に高い関係性を持つ読者」を定義としてロイヤルユーザ像を分析。それがメディアにどのくらい存在するかを整理した。このような読者は、一メディアに3.8%しか存在しない。だが、この忠誠度の高いユーザが、一般的な読者の5倍コンテンツを消費するのだという。

 

 

米Wall Street Journalは、大統領選候補者らがどこでどんな発言をしたか、書き起こし原稿のデータベースを基に記者・編集者が使う内部用ツールとして開発したが、2020年大統領選報道では、「Talk2020」として読者に公開。それ自体が重要な「メディア」に発展したとする記事。

 

 

米ジャーナリストらにとってホットなテーマが、自身のニューズレターを持つこと。旋風を巻き起こすニューズレター配信サービスのSubstack社共同創業者Hamish McKenzie氏に踏み込んで訊ねる取材記事。やはり同社の創業は、Ben Thompson氏の個人メディア「Stratechery」にヒントを得ていたのだそうだ。その他にも、ニューズレターの書き手を意図的にアプローチしているのかとの問いには、シードファンディングを渡すことも“ほんの一握りだが”あるという。

 

 

Spotifyが論議を呼びそうなキャンペーンスキームを発表。楽曲を提供するアーティストが低いロイヤルティ率に同意すれば、Spotifyのアルゴリズムがリスナーにリコメンドする頻度や場所を拡大すること(キャンペーン化)ができるというもの。Spotifyはアーティストらに前払いを求めるわけではないというので、広告宣伝費という認識にはならないのだろう。

 

 

ニュースも、友だちとわいわい言いながら視聴する時代? 映像ストリーミングの米Hulu、ABCニュースのライブ番組にパーティウォッチ機能を導入。ぎりぎり大統領選報道に間に合わせた。同社によればニュース生番組にパーティウォッチが導入されるのは「初」だという。ゲーム中継などはTwitchなどで常態化しているわけだから、商用番組ストリーミングがその後を追っている図式だ。

 

 

米Washington Postのマーケティング責任者、購読者、とりわけ米国外からの購読者の成長戦略(購読者全体は「数年間で40%増」と説明)について語る。記事の切り出しやグラフィックが効果的と説明。LPで各国通貨に変換して見せることも重要と。

 

 

「人々は優れたコンテンツを求め、そのコンテンツを提供する情報源を信頼したいと考えている。人々は、関連性の高い情報や、見つけやすく使いやすいツールを求めている。また、シームレスなオンライン購入体験を求めているのだ」。

——正式にCNET Media Groupを統合したRed VenturesのCEO、Ric Elias氏の言葉。同氏のビジョンは、家、健康、経済、旅行、教育、テクノロジーなどの各分野で、消費者は意思決定を迫られ、最善の決定をするべく信頼性の高い情報を求めているという。そのための情報ポートフォリオ群を構築しようというわけだ。ちなみに、同氏は、あのNYハドソン川に不時着した旅客機に搭乗していたのだという。

「『日経MJ』(9/23)も『モールに迫る空洞化の足音』と題し、1月から6月にかけて、全国2800ヵ所の商業施設の出退店データから、アパレルや外食を中心にテナント1140店が純滅したことをレポートしている」。

——書店の退店があとを絶たないが、その他の産業も音を立てて、消滅していく。モールからの退店だから、個店というよりチェーン店が多いのだろうが。それでもこの状況だ。

 

 

【ご紹介】:
SmartNewsが米市場へ展開する経緯を、NewsPicksの後藤真義さんがたどってくれています(連載)。とても面白い。11月7日まで無料で読めるようです。

 

 

【ご紹介】:
私が編集に携わる「Media×Tech」、またまた新着記事を公開しました。「会員登録に貢献した記事は?」「ペイウォールの最適な位置は?」「無料体験は何週間がベター?」「ユーザーセグメントごとに有効なキャンペーンは?」読者をよく知るためのテクノロジーとは? 注目のベンダーPIANO Japanに聞きました。

 

 

【ご紹介】:
昨日から始まったInternet Media Days 2020。延べ800人以上の方々が申し込まれ、初日が終わりました。その初日に「Internet Media Awards」の創設を発表。あなたも優れたメディア活動を推薦・応募できます。

 

 

【ご紹介】:
SmartNewsでは、「米大統領選2020」をほぼリアルタイムで表示中(ソースはAP)。SmartNews US 版とほぼ同じ実装になっています。
【ご紹介】:
私も理事として参加しているFIJ(ファクトチェック・イニシアティブがセミナーを開催します。利用の輪が広がる「ファクトチェック・コンソール」の技術面を、開発を担当した東北大・乾教授や元スマートニュースの担当エンジニアが解説します。

Disruption This Week—–9/10/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年10月5日から2020年10月9日まで。

 

 

TEDの運営などで知られるChris Andersonが80年代に創業した英メディア企業Future PLC、いまでは傘下に200を超える動画やゲーム、エンタメなどのブランドを運用。新型コロナウイルスの影響を受けたものの急速に回復。来訪者も前年比で成長。今後3か月で150名もの増員を行うと公表。

 

 

米New York Timesが2020年の「Innovation by Design Award」を受賞。同社編集トップのDean Baquet氏が、いま新聞紙面(の特に一面)に力を注ぐ意義を語る。新型コロナウイルスで亡くなった人々の名前で1面を埋めたり、失業者登録をする人々の数が、飛び抜けたチャートを示したりと、ビジュアル表現のイノベーションは、「人々が一面を手に取り、自分たちが本当に注目すべき何かの真っ只中にいることを理解してもらう必要があるのだ」とする。

 

 

「実際のライブで、音響や映像、照明データを収録。これらのデータを使い、『ディスタンスビューイング会場』で同じライブを再現する。1回のライブを、臨場感そのままに繰り返し上演する、といったことが可能だ。
ヤマハのリモート応援システム『Remote Cheerer powered by SoundUD』との連携も可能」。——「Remote Cheerer…」は、リモートからユーザの声や拍手を届けることができる仕組みだという。この半年、すごい勢いでバーチャルイベント(ライブ)の仕組み化が進んでいる。

 

 

「報告書では各社の問題点を指摘した。グーグルについては検索市場における圧倒的なシェアを武器に、検索結果に自社のサービスや広告を優先的に表示したり、スマートフォンのメーカーに検索サービスの標準搭載を求めたりしていると指摘した」。

——記事では「与党・共和党は賛同せず、法的拘束力もないため、すぐには規制強化につながらない」ともしており、今後の動きについては見えない。与党・共和党もGAFAについては、苛立ちを持ってはいるわけだが。いずれにせよ、“選後”問題だ。

 

 

「ミュージシャンの山下達郎さんは、ある異変を語った。
1970年代から活躍する山下さんのファンは中高年層が中心だが『信じられないこと』に『10代、20代の方々が本当にたくさん(メールやはがきを)くださいます』。その要因は『radiko』だろうと指摘した」。——記事でも触れているが、必ずしもradikoのユーザ層で若者が多いというわけではない。ポイントは利用シーンにおけるラジオ特有の限定が外れたことが、ユーザの聴取活動を活性化しているのだろうと想像。自分の利用経験でもradikoにはアルゴリズムによる“発見”機能はないに等しい。より発展の余地がある。

 

 

「この分析で、10のうち4(44%)の人気YouTubeチャンネルが『個性重視』という特色を持っている、つまり、チャンネルが個人に関するものであることがわかった。これは既成の報道機関に雇われたジャーナリストである可能性もあるし、独立したホストである可能性もある」。

——すでに紹介した調査だが、改めての要約として。YouTubeがニュース消費のために重用されている背景には、視聴者が“個性(個人性)”に好感しているからという仮説が得られる。そこに、独立系(個人)メディア隆盛とが結びつく。肯定と懸念、両方の思いが自分にはある。

 

 

米地方紙「Arkansas Democrat-Gazette」は日刊の印刷版を廃止、購読者には購読期間中iPadを貸与。このデバイスで印刷紙面を模した電子版をするという大胆な転換を実施、印刷・配布コストを激減すると同時に、退会率を業界平均の1/3にまで下げた。この取り組みを取材した記事。購読者の声も紹介しているが、紙がなくなり助かったといった声や、印刷版以上に読むようになったとの声も。

 

 

「もうひとつ導入が進められている手法が、コメントの書き手に自動化されたフィードバックを送り、投稿ボタンを押す前に有害なコメント内容の再考を促すアプローチである。最近発表された研究では、本人にコメントを書き直すよう誘導するこうした手法の効果を分析している」。

——大変に興味深い研究開発。実際に、ユーザが、このフィードバックからの指摘で自らの投稿を修正したりする効果が生じているという。ただし、意図的な書き込みをする1/4はこのフィードバックをすり抜けようと反応するという。まあ、当然だろうが。

 

 

Sensor Towerが2020年上半期のアプリ関連収益を分析。それによればアプリ内課金が対前年比で23.4%の急増。その7割がゲーム関連。AppsFlyerによれば、広告収入が11%減少する一方、アプリ内課金は15%増。またApp Annieでは購読(サブスク)のシェアが急増との報告も。

 

 

「AFPのファクトチェックチームはその合意の下、フィリピンやインドネシア、パキスタン、オーストラリア、ニュージーランドなどの国々で、ティックトックに投稿された虚偽の可能性がある動画について検証する。こうした検証によって、ティックトックは虚偽動画を削除し、ユーザーに通知することで誤情報の拡散に対抗できるようになる」。

——記事によれば、AFPはFacebookともファクトチェックで提携しているという。

Disruption This Week—–3/10/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年9月28日から2020年10月2日まで。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「ショーケースは、発行元が選んだニュース画像やサマリーを、グーグルのニュースセクションにパネル表示する。個々のストーリーパネルをクリックすると報道機関のウェブサイトに飛び、全文が読める仕組みだ」。——すでに、Googleが、一部の地域で試行的に、ニュース記事への支払いを含む新たなコンテンツディスカバリの仕組みを提供することは紹介した。今回の「Google News Showcase」報道は、その具体的なイメージを伝えるものだ。従来のGoogle Newsとどう区別(もしくは連携)するのか、まだよく分からない点があるのだが。

 

 

米大統領選をめぐる第1回のディベート。CNNはNielsen調査によって「少なくとも7,300万人の米視聴者が見た」とする。「少なくとも」は、広範なストリーミング視聴者を計測不可能だからだ。記事は、代表的なライブストリーミングTwitchでディベートがどう視聴されたかを伝える。

 

 

「アマゾンジャパンは府中、上尾、久喜、坂戸に4つの物流拠点のフルフィルメントセンター(FC)を開設し、合わせてFCは21拠点となる。
久喜はすでに稼働し、4万5800坪、府中は9400坪、坂戸は2万3500坪、上尾は2万2600坪で、それらはいずれも10月から稼働予定」。——破竹の勢いのAmazon、書籍や雑誌流通において同社のロジスティクスが重大な基盤であることにもちろん敬意を表するが、直前の記事で紹介したような、危険、過重な労働環境に陥らないことを願う。

 

 

出版社、メディアを対象にAI技術サービスを提供するEchobox、メディアらによるFacebookへのニュース投稿25万件を分析。メディアによる投稿が多すぎるか、少なすぎるか、その投稿間隔によって、記事へ振り向けるトラフィックを変化させていることが明らかになった。特に投稿間隔が10分未満では、投稿へのトラフィックが減少、さらに5分未満では、急速に減少した(記事内にチャートあり)。

 

 

「ドイツのデュッセルドルフ大学病院でランサムウェアが救急医療を妨害し、警察が『過失致死』容疑で捜査を開始した。サイバー攻撃が史上初めて、患者の死亡に直接つながったケースだ」。

——ランサムウェア攻撃は、基本的にゆすりによる金もうけが目的なので、人命がターゲットにされたものではないとしても。このような事態が出来することは今後も見込まれる。

 

 

米New York Postの報道によれば、米大手通信会社傘下のVerizon Mediaは、損失が止まらない傘下のHuffPostの売却先を見つけるべく“奔走”しているという。同メディアは新型コロナウイルスの影響で損失が加速しているとする。

 

 

「『見出し』『短文』などのスタイル別に、独自のスタイル転移技術によってスタイルの特徴を再現した要約を生成します。『速報テロップ向け短文スタイル』の場合には、『だ、である調でニュースの要点をまとめた短文約50文字』を生成するなど、現在は6スタイルの要約に対応しています」。

——新聞や放送など、各報道機関が持つ起承転結などフォーマットを分析しているのではないかと想像。気になるのは、要約の対象ニュースと、要約文そのものの権利をどう見なしているのかという点。“縛り”を限定すればするほどビジネスへ応用する道が開けてくる。

 

 

スイスで1833年に創業したというメディアグループRingier。現CEOのMarc Walder氏が13年間に超積極的なデジタル化を推進。EC、マーケットプレイスなどへ100超ものメディア事業を拡張。いまや利益の7割以上はデジタルから、と述べる同氏のオピニオンを中心にまとめた記事。“デジタルテクノロジーがあってこそ”のメディア事業とは。

 

 

「新しいプレイリストでSpotifyが優先させたいのは、更に音楽をレコメンドすることより、政治やビジネス、スポーツのニュースであることは、音楽の未来を考えるアーティストや音楽業界関係者にとっては、気になるポイントであるはずです」。

——これは、つまるところ、個人個人に最適化されたラジオ番組をアルゴリズムが生成するものと受け取れる。好きな楽曲も流れてくるし、合間には、時事ニュースも流れる。だれもが音楽やニュースそれぞれの最適化について考えるが、Spotifyはその全体を意識しつつある。

 

 

「ディープフェイクを技術的に暴くためには、動画技術者の知識、動画開発者の知識が必要です。しかし、それはコインの片側に過ぎません。ジャーナリズムの知識も同様に重要です。ジャーナリズムの知識は『あるディープフェイクと疑われる動画の中の情報は論理的か?』という疑問が生じる際に必要です」。

——ドイツ最大の通信社「ドイツ通信社(dpa)」におけるファクトチェック態勢と、ドイツにおける誤・偽情報をめぐる情勢。

 

 

【ご紹介】:
Media Innovationに、SmartNewsのクーポン戦略について、担当の町田雄哉へのインタビューが掲載されました。