Disruption This Week—–11/6/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年6月7日から2021年6月11日まで。

「『earnings estimator(予想収入)』というスクリーンが見えますね。この人の例だと、月額4.99ドル(約530円)で2%のフォロワーがスーパーフォローしてくれたら、月の収入が6,250ドル(約68万円)になると表示されています」。

——既に紹介したところではあるが。Twitterでお金を稼ぐには、少々高いハードルを越えなければならない。

「InstagramやFacebook、Snapchatなど、テキストベースのキャプションが主流のフィードで動画を主に視聴している多くの人にとって、キャプションのないテレビを見ると、音声があっても意味を理解するのが難しくなるという不確かながら証言がある」。

——引用箇所は確たる証拠があるわけでないと謳っているが、確かに、スマートフォンでは音声を消した状態で動画を見るのが常態。最近のTV番組ではアクセシビリティの関係からかスーパーが入るのも常態。

非営利メディアの「The Conversation」がAI活用による偽文書生成技術により生成された「学術論文」が、専門家を欺瞞できるレベルであることを確認した。テーマは各種に上り、新型コロナウイルス関連にも及んだが、査読付き論文のレベルに達していた。
Substackでニューズレターを発行するライターに、初めて米ホワイトハウスのブリーフィングに参加する記者証が発行された。記者は「the Uprising」を主宰するHunter Walker氏。前Yahoo! Newsの記者としてホワイトハウスで行われるブリーフィングに参加していた人物だ。
米Axiosが、意欲的に取り組んでいるのが、全米各地のニーズに応えるローカルニュース(メルマガにWebサイトを組み合わせる方式)の品揃えだ。起点になったのは「Charlotte Agenda」の買収。その創業者(現在は、Axiosでローカル担当責任者)に、成功法則を聞いた記事。
「アプリインストール数は、2020年にすべてのカテゴリーにおいて前年比50%増となったのち、2021年第1四半期に2020年比で31%の増加を記録した。セッション数は2020年に2019年比で30%増、2021年は現時点でさらに4.5%増となっている」。

——2020年が“巣ごもり”の年だったことは周知の通りだが、21年年初も同様のトレンドが続いている。面白いのは、家にいる時間が伸びても、モバイル(アプリ)の世界が伸びていることだろう。そもそも論ではあるが、モバイル(スマートフォン)=パーソナルメディアという本質が、この社会的変動期に見えてきたのだと思う。

「縦スクロールだと、各カットに独特の『タメ』ができる。どのコマも均等な速度でスクロールしていくことになるので、無言のコマもそれなりに滞在時間が生じる。これが、作者が想定したリズムというか、間をためるためのコマの役割を具体化させる効果があるように思えたのだ」。

——小寺信良さんが(コマ割りによるページ構成に対し)縦スクロール世界(縦方向無限)への転換のインパクトを、うまく、私のようなおじさんにも説明してくれている。コマ割り(視線がS字に動く)では、空白コマの読み飛ばしが、ユーザの任意であったのが、縦方向スクロールだと、“タメ”として差し挟まれる効果は、実は潜在的に大きいのだと思う。それはコミックスを読む際のリズムに影響する。

Passport

Stratechery by Ben Thompson

人気個人ブログ「Stratechery」を運営するBen Thompson氏、統合的な購読システム「Passport」をオープンソースを使い自力開発。ブログ、ニューズレター、そしてポッドキャストなどコンテンツラインナップを購読者は等価的に管理できる。「パスポート」という概念を文字どおり活用して、他の購読サービスとも相互乗り入れ可能な仕組みだ。
“編集部(とそのプロダクト)のイノベーション”をどう実現するのか? メディアコンサルティングのTwipeが、そのイノベーションへの5つのアプローチを紹介する記事。まずはイノベーションの必要性を問うことから、PoC(プルーフ・オブ・コンセプト)、そしてデザインスプリントへ。
「米国人の4人に3人が、本当のニュースと間違ったニュースの見出しを見分ける相対的な能力を過剰評価している。調査の回答者は、実際の能力よりも、平均で22パーセンタイル高く自己評価した」。

——考えさせられる調査研究。いかに目の前にある現象に対し慎重に判断するがという“心構え”が必要なのだが、それを欠く人々が多いということらしい。

Disruption This Week—–4/6/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年5月31日から2021年6月4日まで。

海外の老舗メディアが、若く多様性のある新読者層の獲得にどんな取り組みをしているか。「The Daily Star」、「The Times and Sunday Times」、「The Economist」、「The South China Morning Post」がノウハウを公開。記事の企画はもちろんSNSの利用などについてなど。レガシーメディアの運営に携わる実務家にとってはいちいち参考になるはず。
PwCの調査によると、今後のメディアの成長分野は「動画」であることはもちろんだが、重要な発見は「ゲーム」の成長力だ。記事では、ゲーム市場が近い将来TVの有料購読市場に肉薄すると指摘。2020年からのパンデミックがそれを加速している。
Mozilla財団が発表した調査によると、TikTokは2年前に「政治広告禁止」ポリシーを発表したが、広告関連情報の不透明性と管理の不徹底という脆弱性を背景に、政治党派から資金提供を受けたインフルエンサーによるオーガニックを装った投稿が十数件確認されたという。その事例も掲載されている。
Googleが、Google Newsによるランキングアルゴリズムについて、同社の「Google検索セントラル」ブログで、Search Product Managerが簡略ながら解説を行った。この記事は、その解説を解説するもの。署名の有無によるランキングへの影響など、いくつかの興味深い開示がある。
Facebookが過去4年間に捕捉・削除した150の偽情報キャンペーンでは、米国が最も高頻度で標的となっていたことが、同社の最近の脅威情報レポートで明らかとなった。発信源はロシア、イランが最多だが、米国内発も多く、大統領選市場狙いのマーケティング企業が特定されている。
「新たにデータ更新となった5月17日~23日においてグローバル全体で40%、各ジャンルを見ても35%~40%と、前週(5月10日〜16日)とほぼ同水準を維持しました。日本においては、全体で38%のATTオプトイン率(=追跡を許可した利用者の率)となっています」。

——AppsFlyerから定期的に提示されるデータ。これによれば、世界のユーザと日本のそれとで、オプトイン率(ユーザ行動の追跡を明示的に許可したユーザの比率)は、大きな違いはなく、3割〜4割にのぼる。次回のデータ開示は今日ということなので、引き続き注視したい。

従来、インターネット上の活動では比較的オープンであったロシア。しかし、最近になって反プーチン勢力が活発に大手SNSを活用してきたことを受けて、これら大手への検閲を強化中。中国“グレートファイアウォール”に学んだネット隔離技術も投入し、活発な介入を行っていると、米New York Timesが報道。中国、米国、そしてロシアと、程度と手法には違いはあるものの、ネットをめぐる分断(分離)が進んでいる。
「イーブックイニシアティブジャパンの決算は売上高299億5100万円、前年比40.7%増、営業利益は9億5700万円、同20.7%増、純利益は6億6300万円、同21.7%増、売上高、営業利益ともに過去最高の実績。
『ebooksjapan』を展開する『電子書籍事業』売上高は230億1700万円、同41.8%増、紙書籍のオンライン販売『クロスメディア事業』売上高は69億3300万円、同37.4%増」。

——相変わらず、これまでしばらく見たことがなかったような、電子出版関連の好業績が伝わってくる。さてさて、電子コミック市場以外に将来の展望が見えてきているのだろうか?

「インサイダー(INSIDER)は、すべての記者に対し、毎月一定のページビュー、ユニークビジター数、有料購読者数を獲得するよう義務付けている。そして、同社が有料購読者の獲得に重点を移してから、こうした責任を記者に課すシステムが、ストレスをもたらすものから混乱をもたらすものへと変わってきた」。

——「報道の幅や深みが増すにつれて、我々は厳格な測定システムと衝突するようになってきた」と同社組合の中心メンバーがコメント。毎日更新される他社模倣系記事が膨大に上る、いかにもInsiderらしい状況。同社の伝統は簡単には覆らないようだ。

米MITリンカーン研究所のAIプロジェクトチームが、偽情報の同定とその発生源を96%の確度で判定する手法「Reconnaissance of Influence Operations(RIO)」プログラムを開発したと発表。論文は今年初めに発表され「R&D 100」の一つに受賞したという。
【ご紹介】:
月一連載の記事が日経電子版へ掲載されました。よろしければどうぞ。➡️ 過熱するクリエーター・エコノミー IT大手、還元策で争奪戦 先読みウェブワールド
【ご紹介】:
SmartNewsの「ワクチンアラーム」「ワクチンマップ」利用者が、提供開始1カ月半で300万人を突破しました。大規模接種会場の情報も届くようになりました。

Disruption This Week—–14/5/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年5月3日から2021年5月14日まで。

誰が米国メディアを所有しているのか?
米Harvard大の「未来のメディア研究プロジェクト」が、数多くの米国メディアの所有者を調査。詳細なリストを整備。メディアの資金調達は宗教団体に始まり、政治家や起業家、そして「信じられないほど美しい目的」を謳うGoogleやFacebookなど多様だとし、その目的を問う|
【有料購読者向け記事】:
「ミリアドのアルゴリズムは、たとえば、何も置かれていないテーブルやキッチンカウンター、バスルームの空き空間などを検知し、美容やヘルスケア関連商品を宣伝できるスペースだと認識する。それが映画やテレビ番組の朝食シーンであれば、おそらくシリアルのブランドが挿入されるだろう」。

——“プロダクト・プレイスメント”のAI版とでもいうべきアプローチ。そのうち、AIに任せておけば人々が行き交うありとあらゆる場所から“効果的な”広告可能なポイントを導き出すソリューションに行き着くことだろう。

メディア経営、特にジャーナリズム関連の支援を行ってきた米Knight財団が、ローカルニュース企業のAI活用を支援する新たな基金を設立。300万ドル規模。読者をめぐるデータ分析、特に購読者獲得や調査報道などへの応用分野への研究を支援する取り組みだ。
読者が抱くメディアへの“信頼感”はどこから生じているのか? Reuters Instituteが定性的な調査を実施。それによると、信頼感は、メディアが自身で宣言するような編集方針などからは得られず、読者の過去の経験、記憶、ブランドイメージなどからもたらされるものだと指摘。
広告主団体のIAB(Interactive Advertising Bureau)、PwCとの調査で2020年のポッドキャスト市場と今後数年間の予測を公開。その広告市場規模は前年比で約20%成長、8億4,000万ドルに。21年には10億ドルに達し、23年までに20億ドルとなると見る。
Bloomberg Mediaで8年間、金融・暗号通貨を担当してきたCamila Russo氏が、暗号通貨をめぐる情報専門メディア「The Defiant」を創業。専門記者職からフリーランサ、そしてメディア起業家となる経緯をインタビューで答える。後半では分散型メディアへのビジョンを語る。
クリエイターエコノミーについて取り組む際に参考になる記事。Axiosが、大手プラットフォームがクリエイターをリクルートするためにどのような機能(サービス)を実装しているかを総覧できる。やはり「投げ銭」と「寄付(ファンディング)」にハイライトが当たっている。
米コンサル企業Mather Economics、四半期単位刊行の「Subscription Benchmarking Report」を公表。米新聞市場では、早ければ2024年、遅くとも2027年には電子版購読が印刷版購読を上回ると予測。問題点は、多くの新聞社で印刷版より電子版が安価に設定していることだとも指摘。
久々に「広告ブロック」の話題。Blockthroughが発表した調査リポート「2021 PageFair Adblock Report」では、モバイルでは6億弱、PCでは2億6,000万ユーザが広告ブロックを利用。しかし、ユーザからは、軽めのめざわりでない広告に対しては寛容の姿勢が見えてきている。
【ご紹介】:
私も編集に携わる「Media×Tech」から新着記事です。今回はGoogle News Labで「ティーチング・フェロー」を務める古田大輔氏に、その活動を解説してもらいました。
【全文閲読には要登録】:
「ただ、この画面のWebサイト名をよく見ると、訪れたことのあるところ以外にも、全く知らないWebサイト(ドメイン名)が見つかるはずだ。…実は、この知らないWebサイト名のクッキーが、『サードパーティークッキー』である」。

——今話題のクッキー問題。その理解から始めて、サードパーティクッキーをていねいに解説。Googleが代替技術として業界に広げようとしている「FLoC」まで詳細かつていねいに解説した決定版的記事。

「デジタル広告にはもっと人間的要素を。テクノロジー要素はもっと少なく」と、全米広告主協会がブログ投稿。アドサーバが優れていれば、キャンペーンが成功するわけではない。ともに努力することで成功するのだと述べる。
「米Twitterは5月6日(現地時間)、応援したいアカウントに直接送金できる“投げ銭”(チップ)機能『Tip Jar』(チップを入れる瓶のこと)の提供を開始したと発表した。まずは英語版の公式モバイルアプリで開始した」。

——Twitterの新機能・新サービスの発表ラッシュ。今度は投稿者への“投げ銭”機能だ。まだ、米国版でしか利用できないが。日本でもYouTubeの“スパチャ”が、使われているということなので、いずれ使えるようになるだろう。優れた(となればいいのだが)投稿者に、金銭的対価というモチベーションの提供をめざす。

サブスクリプション(購読)サービスをメディアに提供するPianoが初の総合的な調査データ「Subscription Performance Benchmark Report」を公開。何が最もコンバージョンに影響したかなど興味深い情報が多い。
【有料購読者向け記事】:
「当時、紙の新聞はまだ稼ぎ頭だった。その事業に従事している人たちの負担を増やすのは本意ではなかった。DXという新しい取り組みで必要になる人材は、コスト増になっても新たに専門知識を持った人材を雇うべきだというのが私の考えだ」。

——退任したマーク・トンプソンCEOに対するインタビューから。

「Flurryの調査は世界の約530万台のモバイル端末を対象に行なっているもの。過去13日間で、トラッキングを許可するユーザーの率は11~13%の範囲で推移している。
米国に限る(約250万台が対象)と、トラッキング許可率は初日は2%だったが、その後は4~5%で推移している」。

——Appleが実装したATTによって、iPhoneユーザは、アプリやその広告にユーザの追跡を許すか否かを選択できるようになった。この機能の正式な実装に対するユーザの反応が見えてきた。やはり相当数が“拒否”を選択している。

「私はこれらを通貫する工程として『データ編集』と呼んでいる作業が最も重要だと考えています。データ編集とは、簡潔に言うと『データの意味や社会的なニーズを踏まえて、具体的な仕様やデザインに落とし込むこと』です」。

——すごく納得感のある論。「読者が見たい(=知りたい)ものを見せるのがメディア」とだけ開き直ってしまってはできない、正確さや客観化の視点がそこに含まれている。

ニュース(話題)が少なくなったBiden大統領時代。米New York Timesは、案の定、電子版購読者の獲得をスローダウンさせたが、同時に、料理、ゲーム、オーディオなどの非中核分野が、新規購読者の4割以上を占めるなど、新アプローチで成果を見せている。
【全文閲読には要登録】:
「今後の事業展開にアクセルを踏むためにも、2020年度にはじめて大規模なリニューアルをすることになりました。実はこの時、MarkeZineを運営する翔泳社では、大規模なサイトリニューアルに取り組むのが初めて。予算感の共通認識を社内に構築するところからスタートしました」。

——これはオンラインメディアを運営している人々にとって必読記事になりそう。様々な点で参考になる。

Twitterがオーディオチャット機能「Spaces」をサービスインしたことは周知の通りだが、この記事は、Twitterはオーディオチャットのホストがそのチケットを販売できることを発表したこと、さらに、正式発表ではないが、ティップ機能の実装を進めているらしいことを発見したと報道する。
【ご紹介】:
月一連載が日経新聞電子版に掲載されました。Clubhouseの人気が急落していますが、大手の参入や新たな趣向は広がりそうな勢いです。
「雑誌も週刊誌以外は返品率の改善と『呪術廻戦』や『怪獣8号』などのヒットが続き、『鬼滅の刃』による激増ほどではないにしても、プラスとなっている。
だが店頭売上はコミックを除くと、書籍も定期誌もムックもマイナスである」。

——書籍も雑誌も、前年同月を上回る動き。ただし、特定のヒット作に恵まれてという状況に変化はない。自分の視点では、電子化とその先にある新たなスキームで、“小ロット”の書籍が広く読まれるトレンドが生み出されるないかに興味が向く。

Disruption This Week—–30/4/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年4月26日から2021年4月30日まで。

何度か紹介してきているように、AppleそしてSpotifyが、ほぼ同時に有料購読サービスを開始することになった。記事は、両サービスの特性を紹介するとともに、パブリッシャーがポッドキャストを通じて有料ビジネスを立ち上げるための戦略策定を推奨する。
これまでほぼ無料でオーディオコンテンツを提供してきたパブリッシャーにとっては、換金化へのチャンス。一方、すでに有料購読制を築いているパブリッシャーが、オーディオから収益を挙げるためには工夫が必要ということになる。
カナダの老舗新聞社Globe and MailのCEOであるメディアのベテランPhillip Crawley氏、同社のデジタル購読者獲得(17万人に到達)で効果をあげる分析ツール「Sophi」について述べる。「10年前の編集部だったら、機械に指示されるなんてごめんだったろう」。
こちらも「クリエイターエコノミー」、というか「ファン向けビジネス」の話題。セレブやアーティストなどのファン向けコミュニティサイトをホスティングする英OnlyFans。ユーザ数は1億2,000万人に。コロナ禍を背景にブーム。20年は収益は前年比550%に成長したと紹介する記事。
「Mighty Networksでビアンチニ氏(=創業者兼CEOの)は、会員制コミュニティ、イベント、ライブオンライン学習を基礎とする『クリエイター中流階級』の構築を目指す。
『基本的に私たちのプラットフォームでは、オンラインショップを開設するようにコミュニティを立ち上げることができます』」。

——こちらも「クリエイターエコノミー」関連の話題。「クリエイター中流階級」と面白いコトバを用いている(英語記事でも、”Midldle Class”だ)が、要はクリエイター自身が稼ぎのために自ら労を執る意思をもった層にツールやプラットフォームを提供していこうというビジネスだ。

【有料購読者向け記事】:
米The Informationが「クリエイターエコノミー」ニューズレターを創刊。第1号ではClubhouseで試行運用がスタートしている「チップ制」などの話題。このチップ制については、テスト参加者の「会話が弾んでいるときに、チップを要求するのは気まずい」との声が紹介されている。
【有料購読者向け記事】:
「アップルは現在、アップストアの検索ページにある『あなたにおすすめ』の欄に2つ目の広告枠を追加することを計画している。関係者の1人によると、この新たな枠は4月末までに導入され、広告主は個別の検索に対してではなくネットワーク全体でアプリを宣伝することが可能になるという」。

——Appleは実は広告事業も営んでいる。特に有力なのは、App Store内の広告だ。プラットフォーマが、自らもプルダクトを提供し、あまつさえそのストア(Googleで言えば検索結果)のランキングを支配し、そこに広告を効果的に配置するという行為。

【全文閲読には要購読】:
「もう1つの問題は、GPT-3がネット上で見つけた偽情報や偏見の大部分を吸収し、要求に応じて再生産してしまうことだ。GPT-3を開発したチームは、GPT-3についての論文で次のように述べている。『インターネットで訓練したモデルは、インターネット規模のバイアスを抱えています』」。

——GPT-3が抱える別の問題は、膨大なデータを膨大な計算パワーで処理することのコストとエネルギー消費の問題。ただし、こちらは技術の漸進的な進化で解消されるのだろうが。

Reuters Institute、「Trust in News Project」(ニュースへの信頼性(獲得)プロジェクト」の2回目の調査結果を公開。読者によって信頼性の概念が分岐していること、発信者がいう倫理性や公平性は必ずしも考慮されていないことなどが明らかになったとする。
「規制案は…警察などによる“リアルタイム”の顔認識の使用は原則として禁止している。
だが警察などの法執行機関以外の、情報機関などを含む政府当局、さらには企業による“リアルタイム”の顔認識も禁止対象とはなっていない。
さらに、録画した顔画像を事後的にデータベースで照合するという、“リアルタイム”ではない用途は禁止対象になっていない」。

——EUでは、AIの無制限な利用について法的な規制措置が採られようとしている。先進的な動きだが、その内実では随所に例外(抜け穴)が織り込まれているという。難しいテーマだが、この規制の枠組みや適用事例には注意を払っていく必要がある。

英Press Gazette、近日中に有料化サイト(ペイウォール)を立ち上げるReutersのCMOにその経緯を取材。Reutersサイトの読者は、ニュース速報を求める層と、自身の業務などに関わる深いニュース解説を求めるプロの組み合わせだという。それらに高品質な情報提供をするという。
【ご紹介】:
「Media×Tech」から新着記事です。今回のテーマは、コンテンツマーケティングをめぐるオピニオンです。ぜひご一読を!

Disruption This Week—–12/3/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年3月9日から2021年3月12日まで。

 

 

【有料購読者向け記事】:
米The Information、Facebook CEOのMark Zuckerberg氏にVR/ARをめぐる取り組みについて長時間インタビュー。多岐にわたる内容だが、同氏は、「ソーシャル体験の究極」を目指しており、現在のコンピュータや電話などのコミュニケーション基盤では、それは得られないと力説。また、この分野で、Facebookはこれまでと異なり、自らがコントロールできる(ハードウェア)プラットフォームづくりをめざしている。

 

 

米国のテック系調査報道メディア「The Markup」、全米で2,500名以上のパネルを集め、異なる政治信条その他のパラメータを選ぶことで、Facebookのニューズフィードに表示されるニュースや広告(の差異)を体験できる「Split Screen」を公開。アルゴリズムによる選択的摂取の影響を可視化する。

 

 

「記事配信で利用する既存のコンテンツ管理システム(CMS)はそのまま、複雑なシステム連携開発なしに最短1週間で導入可能。初期費用はなく、かかるのは少額の月額基本料金と売上に応じた手数料のみと、低廉な価格で導入・運用可能とのことです」。

——既存CMSに接続できるサブスク機能をSaaSで提供する「Ximera Ae」。キメラは、従前は米Pianoを取り扱っていたはず。1年ほどの提携から自社開発の路線に転換したようだ。Pianoの取り扱いで得たノウハウなどはどう生かされるのだろうか?

 

 

Clubhouseに代表される“ソーシャル・オーディオ”が話題。記事は、米New York Timesの人気NBAリポータが、Locker Roomを活用したライブチャットに乗り出したと伝える。「ポッドキャストよりもライブ感があり、スポーツラジオよりもアクセスしやすく、ライブストリームよりもカジュアルな新しいメディア」だという。

 

 

“クリエイターエコノミー”が台頭して10年だという。その10年で、世界で5,000万人以上が、“自分はクリエイター”と考えるにまで成長。ベンチャーキャピタルの米SignalFireが年鑑調査「Creator Economy Market Map」を公開。才能をマネタイズ手法や広がりを追っている。

 

 

唐突に「オピニオンとニュースの分離」宣言を行うなど、記者・編集者らがビジネス運営方針をめぐり署名活動を行うなど、米Wall Street Journalが揺れている。米BuzzFeedが内部文書を入手し、老舗メディアのデジタル化の困難や高齢(かつ男性)読者への依存問題などを指摘する。

 

 

メディアへのアクセス分析サービスのChartbeatによると、米国のニュース記事の平均ワード数が逓減している。また、個々の記事ごとの平均滞在時間はわずかながら伸びを示した。記事は、一口サイズのニュースを多く摂取する動向に対し、映像や音声を含む新ロングフォームの可能性を論じる。

 

 

「ジャーナリストがニュースルームを離れて自分の仕事をしたいという誘惑は常に存在する。だが、現在では様々なツールが利用できるようになり、これまで以上に簡単にそれができるようになった」——。
では「クリエイターエコノミー」でいうクリエイターは、インフルエンサーとどう違うのか? それはインフルエンサーをお金で支援するのは広告主で、クリエイターのそれは“ファン”だということ。つまり、ファン(や熱心な読者)とのお金を含む直接的なつながりを仕組み化する基盤が徐々に出来てきたというのが、クリエイターエコノミーの原動力だ的なことが論じられている。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「コロナワクチンが普及し活動制限が解除されていく中で黒字化するために、大勢の熱心なユーザー層を引き続き頼りにしていくと(CEOの=)シトロン氏は語る。ユーザーは応援の気持ちを示す手段として、自分たちが属するサーバー用の定額登録ニトロを購入することが多く、『友達同士で円陣を作ってハグしたり、ランチをおごったりするような感覚』だという」。——“通話アプリ”と紹介されるとピンとこないが、ゲーム実況などから利用者を拡大したDiscordは、新たなコミュニケーション基盤であり、また、UGCメディアでもある。このWSJの記事は、これに加えて非広告志向のビジネスモデルに着目する。

Women and leadership in the news media 2021: evidence from 12 markets

Reuters Institute for the Study of Journalism

 

 

Reuters Institute、世界12市場・240メディアでの女性のリーダーシップを調査。女性トップ編集者の比率は22%。日本は、昨年と同様、主要な報道機関のトップ編集者に女性が存在しない。南アフリカでは、逆にトップ編集者の大半が女性だとする。

 

 

【ご紹介】:
月一連載が日経新聞電子版に掲載されました。今回は私もクリエイターエコノミーに触れています。よろしければどうぞ。➡ クリエーターがけん引するSNS 「稼げる」仕組み作り 新経済圏に