Googleリーダー終了から始まる新メディア体験

Google リーダーのサービス終了が話題となっている。
数多くのオルタナティブが名乗りをあげるが、
メディア体験全体を刷新する
来るべきメディアブラウザこそがその存在となるはずだ。

現在最も普及していると見られる RSS リーダー  Google リーダーが、そのサービス終了を発表しました。
一方で、米の大手ニュース企業やインターネット企業は、“ニュースリーダー”アプリを開発するベンチャーの買収を重ねています。
2年前には、Flipboard 対抗と目されていたニュースリーダーアプリ Zite をCNNが買収。最近では、LinkedIn が同じく Pulse を買収(の方向)、さらに米 Yahoo! がニュース要約配信アプリ Summly の買収を発表したばかりです。
Google リーダーが挫折を見せた一方で、ニュースリーダーをめぐっては、今まさにホットな状況を迎えているのです。

本稿は、RSS リーダー、その代表格であった Google リーダーの命脈が尽きようとするいま、それをニュースリーダーがめざす全体像再構築の機会として認識します。それは来るべき“メディアブラウザ”の構想への端緒となるものです。

まず、確認からです。Google リーダーとは何者であり、いったい何をめざしていたのか? です。
CNET Japanグーグル、『Google Reader』を米国時間7月1日に終了へ」は、2005年のサービス開始当初、Google リーダーがめざした目的を述べています。

Google は Google Reader の公開日に、「ウェブ上の情報量は急激に増えている。Google Reader は、ユーザーが関心を持っているコンテンツすべてについて、整理および管理できるようにすることで、ユーザーが常に最新の情報を把握するのを支援する。最新情報を求めてお気に入りのサイトをひっきりなしにチェックする代わりに、Google Reader にその役割を任すことができる」と述べた。

上記から、Google リーダーがめざした目標は大きく2つとわかります(Google リーダーの中核である RSS リーダーそのものの解説は → こちらこちら を参照のこと)。

  • ユーザーが関心を持つコンテンツすべてを網羅する
  • (上記コンテンツ群の)最新情報を把握する

この目標の重要性、妥当性はいまも失われません。
だとすれば、Google リーダーはなぜ挫折したのでしょうか?

これについて、ブロガーのえふしん氏が的確なオピニオンを述べています(F’s Garage全収集型RSSリーダーの終焉とソーシャル化する Web」)。

問題は、既に RSS リーダーはコンテンツの価値の重み付けの舞台ではなくなってるところにあるのだろう。

RSS リーダーは、そのサイトにフィードが存在する分だけデータがコピーされ続ける。誰も見てなくても、そのページ自身に価値があるかどうかも無関係に保存しなくてはいけないし、見ないからと言って勝手に消すわけにはいかないのが RSS リーダーのサービス特性。

ポイントはこうです。RSS リーダーは、いったん登録されたメディア(コンテンツ)については、その価値がどうあろうとも機械的に追い続ける。つまり、RSS リーダーは追跡するメディア(コンテンツ)の数をてい増させ、ユーザーのコンテンツ接触の負担も高めていってしまうという難点があるのです。

たとえば、ジャーナリストの佐々木俊尚氏もこの RSS リーダーが引き寄せてしまう“無間地獄”ぶりを、「GoogleReaderが終わってしまう(上)」で描写しています。

私自身も、「これは読むべき」と考えたニュースサイトや個人ブログなどの RSS を GoogleReader に追加していった結果、いまや930ものフィードが登録されているという恐ろしい状態になってしまっている(3月14日現在)。毎日、2000ぐらいの見出しが流れてきて、まさに溺れる一歩手前のようなありさまだ。

Gmail と Google リーダーの両方に接したことのある人ならば、Google リーダーが Gmail という電子メールのユーザーインターフェイスに範をとってニュース情報を届ける仕組みを設計していることを理解しているはずです。それが電子メールと同様、情報をもれなく届けるという利便性とともに、それを追い続けることの“苦痛”を届けているということも。

Google リーダーがサービスイン当初に目指したビジョンと、現在のメディア体験上の課題とは、大きくすれ違ってしまいました。
苦痛と引き替えにしてでも多くの(ニュース)情報を消費し続ける人々にとってさえ、現在はギブアップのタイミングに差し掛かっています。
ニュースリーダーは、メディア(コンテンツ)の発見・抽出から、その豊かな閲読体験へ……という全体的なプロセスに向かって、最適化を図り機能の進化を進めるべきだったのです。

もう少し整理します。ユーザーがメディア(コンテンツ)を体験する過程は、下記のようなプロセスの全体です。

  1. 発見・追跡:有益なメディア(コンテンツ)を“発見”し、その最新情報を追う
  2. フィルター:上記コンテンツに対し絞り込みや抽出(重み付け)の判断を加える
  3. リーディング体験:快適にコンテンツを閲読する
  4. シェアとフィードバック:メディア自身へ、そして知人らの評価を伝達したり、以降の“発見”のためにフィードバックする(1.へと再帰する)

Google リーダーの終えん、RSS リーダーの黄昏(たそがれ)をめぐる話題とは、これらの一部をめぐってのものであったと理解できるはずです。

さまざまなニュースリーダーやソーシャルメディアが Google リーダーの代替をめざしています(参照 → 「Google Reader 終了ショックの波紋~代替サービスが続々と名乗りを上げる」)。
たとえば、PulseReeder があります。これらは RSS リーダーとしての機能を引き継ぎながらモバイルに最適化したモダンな閲読体験を提供することで人気を得ました。
ソーシャルメディアもまたニュースリーダーの地位を得ようと意欲的です。Twitter では、すぐれた感度を備えた人物をフォローすれば、その人物のレンズを通したニュースがタイムラインに流れ込んできます。発見やフィルターを組み込んだ自分専用のニュースフィードを創り出すという点で Twitter を評価する声が高まっています。
Facebook も同様です。マーク・ザッカーバーグ CEO が「ニュースフィードは従来よりビジュアルになり、また、トピックを選びやすくなり、“最高の自分向けの新聞”のようになる」と語ったことからもその意欲は明らかです。
さらに、InstapaperPocket、そして Readability などブックマークサービスから発展したサービスやアプリがあります。これらは、Web やソーシャルメディアを通じて“発見”収集したコンテンツを、非同期に(広告や雑多なナビゲーションを分離して)クリーンな状態で閲読できる仕組みです。これもまた、Google リーダーで果たせなかった仕組みを発展させる試みと見なせます。

しかし、これからの課題は全体的な体験の再構築でなければなりません。
ここに筆者が提唱する“ユニバーサルなメディアブラウザ”の姿を重ね合わせて整理してみようと思います。下表がそれです。

メディア体験上の比較

メディア体験上の比較

未来のメディアブラウザは、ソーシャルメディアが果たすニュースフィード(ニュースリーダー)機能を含み込んだユニバーサルな仕組みをめざすことになるでしょう。
Web ブラウザが普遍的なクライアントへと進化してきたように、メディアリーダーにおいてもメディア単位・コンテンツ単位でアプリを起動し直すことは好まれず、いずれユニバーサル(普遍的な)ものへと収束するはずです。
ソーシャルメディアが、ニュース性の話題を発見する機会となっていることからも、メディアブラウザは、ソーシャルなストリームも融合していくことになるでしょう。さらに、そこに各メディアが用意したコンテンツストリームを加減算してユーザー一人ひとりへの最適なメディアを導き出す(カスタマイズ・パーソナライズ)という仕組みについては、すでに触れました
Google リーダーの終えんは、来るべきメディアブラウザ誕生への序奏となるべきなのです。
(藤村)

“ヒトへの課金”に向かうメディア コンテンツ課金型ペイウォール批判

国内外で、メディアの中心価値を“ヒト”に置く動きが顕在化してきた。
スター執筆者を軸にした独立型メディア、執筆者を購読するメディアなどが動き出す。
メディア企業がヒトを軸とした課金制に向かうヒントを述べる。

メディアのコンテンツ課金 新たなブレークスルーの出現」で、米国の人気政治コラムニストが大手メディア Beast 傘下を離れ、自ら課金ブログメディアをスタートしたケースを取り上げました。
この現象は、大規模なアクセスを集めるメディアサイトでない限り、市場の大きい米国においても広告収入で自立することは難しく、その結果、広告収入確保のためには広く耳目を集めるようなメディア運営に偏らざるを得ないメディアの“悩み”の存在を示唆します。
であれば、広告に代わる効果的な課金手法が求められます。
課金は古くて新しい課題です。しかし、成功の方程式が定まったとはいえません。
さらに、課金へのアプローチには、もうひとつポイントがあります。それは、お金を支払う読者と執筆者との関係性についてです。

上記 Andrew Sullivan 氏独立のケースは、広告ビジネス離れ=課金メディア立ち上げという試みであると同時に、読者(ユーザー)は“何に対してお金を支払うのか”についてのひとつの仮説でもあります。
すなわち、大手傘下のメディアブランドに対してではなく、Sullivan 氏に対するきずなの代価として購読料があるという仮説なのです。
それが故に、同氏はメディア独立に際して、一律の購読料の設定ではなく、ユーザーが金額を決めるという“寄付金”的アプローチをとったのでした。

昨今、いくつもの有料メルマガサービスが立ち上がっているわが国での情勢も、ユーザーに対して、お気に入りのオピニオンリーダーである執筆者をメディアブランドから離れて直接サポートする個人課金へと誘導しようとする動きに見えます(むろん、それが楽観視できる結果を生んでいないとしても、です)。

本稿は、新聞社や一部の Web メディアで動き始めている“コンテンツへの課金”モデルから、“ヒト(執筆者)への課金”モデルへのシフトを検討するものです。
そうはいっても、有料個人ブログやメルマガの手法を議論するものではありません。先に述べた「読者と執筆者の関係」を見直し、メディア企業が執筆者を前面に打ち出したメディアの有料化戦略を議論したいと思います。

もうひとつ、興味深い最近のトピックを紹介しておきましょう。
オランダの新興メディア企業が最近リリースしたニュースアプリ DNP は、資金難ですでに前年に閉鎖ずみのフリーペーパー新聞の編集長が、その執筆陣を引き連れサービスインに持ち込んだという興味深いニュースアプリです(ダウンロードサイト → こちら)。
同アプリは、“われわれが信じるのは人々やジャーナリストであり、それはメディアブランド以上のものだ”との信念の下に設計・デザインされています。特徴は、DNP に集まった寄稿執筆者らを、その執筆記事単体やパッケージとして選択的に購読できることです。アプリ上で目にした記事を購入することもできれば、執筆者を選択して購入に至ることもできます。

アプリDNP。右は個々の執筆者を選択して購読するメニュー

アプリDNP。右は個々の執筆者を選択して購読するメニュー

スタート時点で執筆者らは11名。しかし、年内に50名にまでそれを増やしたいとの抱負を表明しています(参照 → こちら)。
同アプリがユニークな点は明らかでしょう。アプリは個々の執筆者とそのコンテンツを売るための場(市場)であると同時に、それ自体がメディアであるということです。執筆者らは App Store の販売手数料を差し引いた残余の75%を受け取ります。DNP 自体は無償 iOS アプリですが、コンテンツ単体もしくは執筆者のコンテンツ全体を購読する際に、Apple App Store が有するアプリ内課金の仕組みを用います。

さて、議論を引き戻しましょう。“(コンテンツへのではなく)ヒトへの課金”モデルについてです。
紹介したいオピニオンがあります。paidContent に掲載された「Five ways media companies can build paywalls around people instead of content」(コンテンツの代わりとなるヒトへのペイウォール メディア企業が構築可能な5つのモデル)です。新聞メディアがペイウォール(有料課金の壁)化していく流れに反対論を唱え続ける Mathew Ingram 氏の論です。

同氏は、この論で新聞メディア等が読者の関心事やニーズの違いなどにきめ細かい注意を払うことなく一律の課金の壁を設けることに反対します。
氏は、メディアや執筆者に対するこだわりのない読者に向けて単純に課金制限を設ければ、同じようなニュースを提供する無料メディアに向かわしてしまうとします。逆に、お気に入りの執筆者にこだわりがあるような読者に対して、そのお気に入り執筆者のコンテンツを購入するという切り口を設けるべきだと、氏は主張するのです。
そして、そのようなアプローチがビジネスとしてプラスに作用するようにするためには、ペイウォールが“引き算”ではなく“足し算”となるようにすべきと述べます。つまり、ニュース記事を読むことに単純に制限を設けるのではなく、“それに加えて”お気に入り執筆者との関わり、きずなを深めるような施策を設けて、それに課金をすべきだというのです。

5つの手法のすべてを紹介しませんが、たとえばこんな風にです。

  • 一人の執筆者のすべてのコンテンツを集約して有料パッケージとする……New York Times の Nick Kristof、Wall Street Journal の Walt Mossberg、そして、Reuters の Felix Salmon 氏らのように、その名の下に読者を見いだせるのなら、これら執筆者のすべてのコンテンツにアクセスしやすいパッケージ化が可能だ。
    それが新聞に掲載されたニュース記事やブログ投稿であろうと、あるいは、インタビュー動画、さらには Twitter への投稿であろうとも。
    お気に入り執筆者のコンテンツを見つけやすくし閲覧しやすくするという点で、それは読者にアピールするものだ
  • お気に入りの執筆者らのライブイベントを提供する……すでに各種メディアではリアルイベントによるマネタイズが行われている。しかし、それはなにも500人規模のカンファレンスでなくてよい。もっと小規模で限定的な読者グループにライブイベントを提供してはどうだろうか? そこでは、掘り下げたテーマのインタビューを読者(参加者)は聴くことができ、また、同好の士どうしの交流を行うことができるようにするのだ
  • お気に入り執筆者への Q&A に対して有料課金する……投資家向けの財務分析、踏み込んだ政治論議、ハイテク知識など、専門分野に関する質問への回答に課金する手法がある。ジャーナリズムとしての摩擦を懸念する向きもあるかもしれないが、適正に扱えば懸念には及ばない。

執筆者のブランド力や専門知識をテコにしたビジネス手法は、同記事が掲げる5つ以外にも思いつくことが出てくるでしょう。しかし、そのようなアイデアと同じくらい重要な点が、“ヒトによる課金”モデルにはあるのです。それは、執筆者らのブランド価値を高めていくこと、もしくは、その高い価値を認識してそれを活用していこうという方向性です。
その点について、同記事は以下のように述べています。

(記事が述べる5つの施策で)Andrew Sullivan のようなスター執筆者が独立してしまうようなケースを阻止できるだろうか? 保証はない。しかし、もし執筆者が、執筆している新聞や雑誌が自分を(重要な)パートナーとして扱っているのを見れば、自らの商売を始めようと考えるケースは少なくなるだろう。とりわけ、新聞や雑誌メディアが持っているマーケティング力が自らのために提供されればなおさらだ。

同記事は、音楽産業が、新聞や雑誌メディアに先行して、楽曲販売不振の苦しみの後にアーティストとの接点を深める消費に向かっている点を指摘しています。
読者が読みたいコンテンツをそうでないコンテンツから選別しようとする際、重要な指標を、“だれがそれを書いたのか”という軸へとシフトしていくことは大いにあり得ます。とすれば、メディア企業は、自らの重要な資産が産出してきたコンテンツを保有する権利と同時に、それを今後とも生み出す“ヒト”の重要性に気づくことになります。
次に、それをビジネスの原動力にすえた展開を真剣に考える時期が間もなくやってくるはずです。
(藤村)

“成長の壁”を超えるメディア クックパッドをケーススタディとして

印刷メディア事業の“危機”が語られる一方で、インターネットメディアも成長限界に悩んでいる
広告市場の縮小とモバイルシフトに苦しむネット系メディア。そこに突破口はあるのか?
本稿はクックパッドの事業展開をケーススタディとして検討しよう。

2000年を前後して現われたインターネットメディアの多くが、成長性の維持という点で苦しんでいます(たとえば → 参照)。
“成長の壁”とは、以下のような点に集約されます。

  • 広告市場の停滞
  • ソーシャルメディアへの潮流シフト
  • モバイル化へのシフト

これらは実は根っこで共通している事象かもしれません。それはともかく、まずそれらはじわじわと潜在的に進行し、2008年の“リーマンショック”という事件をきっかけに一挙に顕在化したと筆者は理解します。
実際、日本の広告費は2008年に前年比減少トレンドに転じました。また、iPhone が発売されたのは2008年のことでした。
筆者の体験からも、2008年はインターネットメディア企業にとっての大きな曲がり角でした。以後、現在に至るまで次なる成長エンジンの模索を続ける時期が続いていると見ています。
本稿はここに掲げた3つの“成長の壁”をどう克服するのかという課題をめぐる思索の一端です。さらにいえば、これら3つを成長の糧としているメディア企業の検証でもあります。

クックパッド株式会社という企業があります。
同社は、周知のようにクックパッドを運営する企業です(参照 → こちら)。
創業1997年と、インターネットメディア企業第一世代として誕生しつつも、2009年に IPO と遅咲きであること、以下に検討するように上記の3つのポイントを成長エンジンへと転換した、“第二世代”の資質を備えるなど興味深い企業です。

同社の中核事業は、言うまでもなく「レシピコミュニティーサイト」クックパッドです。会員登録したユーザーが自らのレシピを投稿、これをさまざまな形で共有できる集合サイトです。言い換えれば典型的な CGM、ソーシャルメディアです。現在では食をめぐるプロ・セミプロもが投稿するような場へと成長を遂げています。
事業収入は、2008年ごろまでは「マーケティング支援事業」という食材関連事業者の商材をプロモーションする各種企画、すなわち広告関連収入を成長エンジンに成長してきました。しかし、同社はもともと事業収入をユーザー課金に求めるという“原点”を有していたといいます(参照 → こちら)。

次のチャートは、同社が公開している決算資料(こちら および こちら)を基に作成しました。
cookpad_chart
このチャートを見ると、2009年度下期をもって広告関連事業が低成長段階に入ったことがわかります。電通発表の「
日本の広告費」でも、「食品」分野の広告費が2009年をもってマイナス成長(対前年比 -3.4%)へ転じたことからもそれが跡づけられます。
その一方で注目すべきは、広告関連事業収入の頭打ち状況を力強く補っている「会員事業」の存在です。
2008年度上半期と2012年度同期を比較した両事業の成長率では、広告関連事業が205%でしかないのに対して、会員事業は3200%と目ざましい成長ぶりです。

同社の会員事業とは、有料「プレミアムサービス」やクックパッドの携帯サービス「モバれぴ」などから構成されます。特にスマートフォンに対応したプレミアムサービス収入が成長を牽引します。
次のチャートは、上記の決算資料からの引用です。CookPad_Mobile
無料・有料を合わせたスマートフォンからの利用者数の増大と、月額300円ほどのプレミアムサービスの利用者数の増大が、ほぼ連動した成長を見せていることがわかります。
広告収入の停滞を突破して同社が成長を遂げている要因は、有料会員事業であり、その会員事業の大きなドライバー(原動力)が、モバイルへの取り組みであるということができそうです。
2009年度から2010年度にかけて、広告関連事業と会員事業の収入比の転換が見事に行われています。広告収入の成長低下を意識して内部では必死の会員事業の開発が行われたものと見ます。また、iPhone 登場に代表されるモバイル化のトレンドを鋭敏に受け止めたのだとも見ることができます。

スマートデバイスから見た「クックパッド」

スマートデバイスから見た「クックパッド」

もう一度、本稿冒頭の3つの壁に立ち返りましょう。
多くのインターネットメディアの収入源泉は、今も広告収入です。したがって、広告予算の縮小傾向は新興のインターネット分野においてさえ深刻です。
また、PC のスクリーンを対象にして発達してきたインターネット広告は、モバイル分野ではまだまだ力強い突破口を見いだせていません。
広告単価が低迷する中でも、大きな画面であれば、大サイズの広告や、数多くの広告を配置するなどの小手先の対処がありえます。
しかし、小スクリーンのモバイルデバイスでは、そのような対処はかないません。
広告効果の高い新たな広告フォーマットの開発を待つか、非広告収入へのシフトを進める必要があるのです。

クックパッドでは、後者の会員事業へのシフトが大きな成果をあげ、これが“成長の壁”を突破することを可能にしたわけです。

同時期に登場したインターネットメディアが成長停滞に悩む中、同社が見事にそれを突破した要因はなんでしょうか? 思いつくまま以下に掲げてみます。

  • 既存のコンテンツに対し、読者が求めるような付加価値を追加開発したこと(たとえば → 参照
  • モバイルデバイスに最適化したコンテンツ表示を、Webおよびモバイルアプリとして提供していること
  • 事業の遠い初期には会員事業を、次に広告関連事業、そして今また会員事業へというように、機敏に事業の軸を転換できた経営資質と技術基盤

プロの記者らがニュース等の情報を提供するメディアサイト運営者からは、クックパッドのような読者投稿型レシピサイトとは事業の根幹が異なるから参考にならない、という反応が聞こえそうな気もします。
けれど、筆者はニュース提供系のメディアサイト事業であっても、上記のポイントに対するリスペクトが必要と考えます。

いかにコンテンツを読者が喜ぶ形態として提供できるか。

(ニュースなどの)メディアビジネスは、情報サービスビジネスのひとつと理解するならば、まだまだ取り組めることがあることを同社の展開は示唆します。また、読者にとっての利便性が十分に高まってくれば、広告と異なる直接の対価(会員事業)の可能性が高まることも想定できるとも見ます。それがいったい何なのかを考える時期なのです。
(藤村)

メディアのコンテンツ課金 新たなブレークスルーの出現

大小、さまざまなメディアが“課金”への取り組みを模索している。
多様化する課金ニーズに対応する柔軟なシステムが、
メディアのこれからの生き方を広げるはずだ。

2012年末に、ある“事件”が米国メディア業界の注目を集めました。
人気政治ブログで知られる Andrew Sullivan 氏率いるブログメディア The Dish が、Newsweek を買収したことで知られるデジタルメディア大手 The Daily Beast 傘下から独立すると公表したのです。

ブログメディアとはいえ、知名度・影響力ある Dish の移管が注目されるのは当然です。しかし、筆者が“事件”と書いたのは、その移管(独立)にともなって、同メディアが、Daily Beast 時代のビジネスモデルである広告を捨て、購読制の道を選択したというのが理由です。
さらに興味深いのは、同メディアが選択した“年間購読制”は、約20ドルととりあえず購読料を定めてはいるものの、それはあくまでメドで、支払額は読者の判断に委ねられるユニークなものだという点です(参照 → こちら)。

正直にいって、どのくらいの価格にセットすればいいかわからなかった。選択のための前例がない。しかし、19.99ドルは真剣な事業的アプローチからする最低限の価格ではあると思う。われわれは、納得感のある範囲で収入を最大化したいと願っているのだ。

こう Sullivan 氏は述べるとともに、このアプローチの結果、サイト独立公表から丸1日で12000人近くの購読者が集まり、30万ドルを超える購読料を集めたことも公表しています(参照 → こちら)。
要するに、平均約25ドルの支払いを購読者らは選択したというわけです。むろん、熱烈な“Sullivan 信者”が、初速値に大きく寄与しているのに間違いはありません。Sullivan 氏は驚きとともに、今後はサイト独立を知らなかったような人々からの購読料金が逓増する期待を述べています。

さて、本稿では中小のメディアサイトが課金制へと移行する手法について、新たな動向を伝えようと思います。
すでに、米国では New York Times をはじめとする数多くの新聞社系、雑誌系サイトで、“ペイウォール”(課金の壁)を設けることは認知されたトレンドへと発展してきています(米国新聞協会加入新聞では、すでに156媒体が導入している → 参照)。むろん、わが国でも同様に、日経新聞および朝日新聞などの電子版がそのトレンドをなぞっていることは周知の通りです。
筆者が当ブログで述べてきたように(参照 → こちら)、厳格な課金制は Web メディアにはなじみづらく、一般的な解として、一定の記事閲覧数以上を課金するようなメーター制、あるいは、無償閲覧記事の中に課金記事を盛り込むようなフリーミアム型モデルが当面主流となっていくでしょう。サイトへの読者アクセスを極力減らさずに課金収入を追加するアプローチが、これらだからです。

しかし、述べてきたような複雑なペイウォール事例は、体力のある大手メディア運営者が時間をかけて企画し、かつ大規模なシステム再構築という“伸るか反るか”の投資をともなうものというのが暗黙の前提でした。
ところが、本稿で取り上げた Dish では、大手新聞・雑誌社が大がかりに実施するようなプロプラエタリ(専用)なシステム投資は行っていません。代わって用いたのが、TinyPass という課金ソリューションです。
同社サイトに掲載された短い動画で、個々の記事を課金コンテンツとして公開するプロセスを確認することができます。

簡単に筆者が理解する TinyPass を説明しましょう。
TinyPass は、WordPress をはじめとするいくつかの一般的なCMSのプラグインとして提供されます。各記事を通常のように編集し、公開時に記事への課金を選択し、価格やダイアログに表示するメッセージなどを設定します。
設定を終えて公開すると、記事のタイトルやリード部分などの下に購買を促すアイコンが表示され、逆に記事の多くの部分が非表示となるのです。
一般的な CMS へのプラグインと書きましたが、API も提供されているため、簡単なコーディングでプロプラエタリな CMS からでも TinyPass の課金メカニズムを呼び出すことができます。
さまざまな課金モデルを選択できることも、特徴です。The Dish のケースのように、“寄付金”のような固定額ではない課金もサポートします。たとえば、以下のようにです。

  • 個別コンテンツへの課金
  • 月額/年額などの定期購読
  • 寄付金型課金(金額任意)
  • メーター制課金(サイト全体で無料閲覧記事数を定め、それ以上に課金)
  • 期間(時間)限定課金(あるいは非課金)
  • ファイルダウンロード課金
  • (たとえば筆者とメディアの間で)課金のシェア

TinyPass への支払いは、開発費用等は不要であり、各課金取引で生じる額の一定額を TinyPass 側が取得するというシンプルで透明なものです。

このように、あらかじめ適合範囲が広く柔軟性を備えた TinyPass は、特色ある課金モデルを実装したいものの、開発スタッフや開発投資予算を持ち合わせないというような中小サイト運営者には重宝しそうです。
冒頭で例に挙げた、Sullivan 氏の“寄付金型年間購読”モデルの実装も、この TinyPass を用いて実現しているのです(参照 → こちら)。

実は、コンテンツ課金を汎用的にサポートするソリューションは TinyPass に止まりません。同様のアプローチに Press+があります。こちらについても紹介しておきます。
同製品「For Publishers」ページを見ると、提供されている機能は TinyPass に遜色なく、著名 CMS プラグインがサポートされておらず、Press+ API 向けにコードを数行追加するのが前提になっていることぐらいが、実装上の差異と見えます。
Press+が、TinyPass に比べてメディア運営者に魅力的な選択に映るのは、むしろ、機能的な差異ではなく提供されるサービスのほうかもしれません。
「Analyze and adjust your meter to reach the optimal settings」(「貴社メディアのメーター制が適切な設定となるよう分析し調整する」)と訴えている箇所です。
たとえば、コンテンツ購読価格をいくらにセットすべきか? 購読有効期間をどのくらいにすべきか? メーター制で無料記事を何本閲覧可能にするか? など、コンテンツ課金制では考えるべき点、試行錯誤しなければならない点がいくつも残されています。
Press+が訴えるのは、同社の課金ソリューション利用サイトを横断的に分析し、上記のチューニングすべきポイントやベストプラクティス(それぞれの成果を集約した成功モデル)を、Press+ 利用メディア運営者に対して指南するとしているところです。

アプリ幻滅期を超えて モバイルアプリ開発、3つのブレークスルー」で、メディアがモバイルアプリを開発する際、個別に内製開発する手法がコスト上の重荷や経験不足が足かせとなり限界に突き当たっている状況に触れました。
そこで、およそモバイルアプリ型メディアで必要とされる機能などをあらかじめ備えた開発基盤を提供するサードパーティが現われ、アプリ開発コストや期間を圧縮するアプローチが潮流となっていることも解説しました。
コンテンツ課金についても、同様の状況が到来しているといえそうです。
先行する重量級のメディアビジネスが個別に内製開発してきた手法を、中小のメディア運営者も利用できるような汎用ソリューションとすることが必要になってきているというべきかもしれません。
マイクロメディアのビジネス化は可能か? Publickey のメディア戦略、全公開」で触れたような専門性の高い、マイクロメディアでこそ特色のある課金制が機能する可能性があります。広告予算が潤沢に見込めないような領域において、2013年は課金モデルに進展があるでしょう。
(藤村)

マイクロメディアのビジネス化は可能か? Publickey のメディア戦略、全公開

専門分野を掘り下げる商業マイクロメディアは可能か? 個人メディアは、組織メディアとどう渡りあっていくのか? 一人で商業メディアを運営し、フリーランス活動もなお継続する Publickey 新野淳一氏の歩みと戦略を公開する

Publickey ——。IT 分野の技術解説記事で定評のあるブロガー、新野淳一氏が、2009年以来単独で運営を続けてきた“商業メディア”です。 公表された同サイトのパフォーマンスは、月間約40万ページビュー(PV)、約16万ユニークユーザー(UU)。 また、2012年のビジネスを総括する「ブログでメシが食えるか? Publickey の2012年」によれば、同サイトの年間広告売上は800万円強。一方、フリーランサーとしてのそれは約600万円(2011年はそれぞれ、500万円弱、600万円弱  →  記事および、同氏コメントによる)に達し、見事に「ブログでメシが食える」ことを立証。2012年は、メディア事業とフリーランス活動の収入上の主従転換という画期もなし遂げました。

Publickey 新野淳一氏

Publickey 新野淳一氏

本稿は、Publickey 主宰者であり、フリーランサーとして活動を続ける新野氏に、商業メディアの開発にひとり立ち向かったモチーフと、メディア事業およびフリーランス活動のポートフォリオ設計などについて訊ねます。(以下、文責:藤村、文中敬称略)

組織メディアから、個人メディアへ

——どうしてメディアを、個人でいちから立ち上げる決断をしたのでしょうか? 組織の責任者でもできることだと思いますが

新野 はい、過去には事業責任者として @IT の立ち上げを行いました。その後、アイティメディアで経営者としてメディアや組織の運用に携わってきました。しかし、仕事が経営や管理寄りに傾いていくことに、個人的なズレを感じるようになっていました。 また、当時米国の TechCrunch などブログメディアの動向を見ていて、これなら個人でもやれるのではないか? と意欲が湧いたこともあります。実際に、メディアを開発し運用する能力が自分にはあると自信があったので、個人の道を選択しました。 決断の背景には、メディアや IT をめぐる景気が徐々に悪くなってきていて、優秀なライターや編集者の働く場が少なくなろうとしている時期だったこともあります。個人でメディア活動をして食っていけることを示せれば、優秀な人たちが続いてくれるだろうとの思いもあって、“人体実験”を試みたのです。

——2008年に退社して翌年2月に Publickey を開設しました。準備期間には何に取り組んだのですか?

新野 メディアを開設して運用するために何でも自分でやろうと考えました。Movable Type をカスタマイズして CMS として使うことに決めていたので、CMS を使ったメディアの運用を勉強しました。特にテンプレートの使い方などです。 もう一つ、JavaScript を書くことも勉強しました。おかげで、JavaScript や JSON などを理解したことが自分の専門テーマの理解を深める結果にもなりました。

——そういう勉強やトレーニングは、これからメディアを立ち上げようとする人にも必要でしょうか?

新野 メディアの開設準備に、半年もかけて技術的な勉強をする必要があるかといわれると答えが難しいのですが、いったんメディアを始めてしまえば、記事を書くことにのめり込んでしまいます。メディアの運用をすべてやろうと思っていた自分には貴重な学習期間でした。 もちろん、自分は元々エンジニアでしたからこんなことをしましたが、そうでない人がメディアをスタートする際にこういう取り組みをすることをお勧めするわけではありません。

活動のポートフォリオ設計、その変化

——Publickey を開設してからのビジネスについて教えて下さい。メディア事業とフリーランス活動の比率はどう考えてきましたか?

新野 組織人である前にフリーランサーをしていた時期もあります。ですから、フリーでも食っていけるだろうとの自信はありました。ただ、長期的にはメディア事業のほうがセーフ(安全)とも思っています。 依頼記事の執筆など、フリーランサーとしての活動は毎回毎回の“一本釣り”的ですし労働集約的です。頼れる蓄積は人間関係ぐらいでしょう。 それに対して、メディア事業は記事の蓄積があれば長続きしやすくなります。たとえ自分が病気で倒れたりしても、PV があれば広告収入は入ってきます。メディア事業はストックが効いてくるビジネスなのです。 そこで、メディア開設当初には、収入上のポートフォリオを3年後に「フリー7:メディア3」ぐらいになればと考えました。幸い2011年で、おおよそ「5:5」に近づき、12年では同じく「フリー4:メディア6」にと転換しました。良い循環に入ったと思っています。

専門領域に集中、エンゲージメントを築く

——メディア事業に目標値などを設けていますか?

新野 明瞭な目標値は定めていません。ただ、前年はこのぐらいだったから今年はもう少し成長させようというような、改善による漸進的な成長は意識しています。 広告売上についても目標はありません。営業活動をするわけではないので。

——だとすると、売上が順調に成長しているのはどうしてでしょう?

新野 扱うテーマを意識しています。Publickey の場合は3つ。「エンタープライズIT」「クラウド」「(HTML5など)新しいWeb標準」です。この分野に絞って丹念に記事を書いています。マス分野ではないので、この分野の読者は、そのまま技術製品やサービスを提供している IT 企業、言い換えれば広告主であることが多いのです。専門性の高いニッチな技術製品のマーケティングには、Publickey ぐらいしかフィットしないというケースもあるようです。 もう一つ意識しているのは、これらのテーマのコミュニティに参加するようにしていることです。その分野の動向に通じていることは広告主の方向性にも合致します。また、コミュニティとの関わりが強くなると、コミュニティメンバーとメディアとのエンゲージメントが強くなります。 同じ意味で、ソーシャルメディアも積極的に使うようにしています。自分で投稿してなにか反応があれば自分で応えます。こうしていくことで、サイトが炎上するようなケースもなくなりました。 結局、IT 企業も読者との良好なエンゲージメントを築きたいのですから、こうすることで三者が良い関係になっていきます。 そんな点からすると、商業メディアは、たとえ技術系のサイトでもソーシャルメディアを使わなさすぎですね。商業メディア内で役割分担としてソーシャル担当を置いても、自分自身というスタンスでは関わりませんから、難しさもあるのはわかりますが。

大手メディアとの共存、そして、競争

——既存の商業メディアへの意見が出ましたが、Publickey と大手商業メディアとの関係をどう考えていますか?

新野 大きなメディアはやはり(多くの読者への)リーチを持っています。Publickey はそうではないので、記事を掘り下げたり人に焦点を当てたりします。その意味で補完関係にあると考えたいです。最近は、@ITInfoQ Japan と記事交換をしたりもしてしています。 フリーランスとして記事を大手メディアに寄稿することはほとんどしていません。フィーは当然そのメディアの水準に沿ったものになるのですが、Publickey として広告主からタイアップ記事やイベント企画を直接受注した方が断然高いので、優先度が下がってしまうのです。

——今後、大手メディアと競合してしまう懸念はないですか?

新野 商業メディア内部から、自分に近い能力をもったタレントがどんどん出てくれば、広告主の顔はそちらに向かうでしょうね。でも、専門分野を持って広告主と協議しながら企画を遂行できるようなタレントには、どんどん独立を促すというのが Publickey のメッセージなのでウエルカムです(笑)。

——そろそろ最後ですが、Publickey を3年やって失望したことは?

新野 Publickey を始めるころ、可能性が高いと期待していたアドネットワークや自分の事業に合ったアドサーバーが提供されると期待していたのですが、ダメでした。それから……“振り返ったらだれもいなかった”ということでしょうかね。もっとどんどん、組織から飛び出してくると思っていましたよ(笑)。 やはり、家族を持った組織人が独立するには心配があるのも事実です。それに、食えるようになったとは言え、仕事は相変わらず大変です。平日はメディアの運営や広告関係の打ち合わせ、そして記事執筆。土日に企画を考えたり、記事の仕込みという具合で、自分が倒れたら、との懸念と背中合わせです。今後はワークライフバランスを改善していこうと考えています。

仕事の“貯金”を積み上げ、可視化する

——“だれもいなかった”とのことですが、潜在予備軍の人たちにアドバイスを

新野 まず、IT 以外の分野の専門的なブログでも食っていけるかと言えば、将来的には可能と思います。ビジネスがネット上で完結するような分野(今は、IT が筆頭)は有望と思います。 そこでビジネスを築くには、「発信力を磨く」ことだと思います。自分が曲がりなりにも食べていけるようになったのは、発信力があるからと思います。その点、メディア運営のプラットフォームを駆使できることは重要です。これは徐々に技術系の方でなくても仕組みを使えるようになってきます。 発信力は、先に述べたように読者や広告主(顧客)とのエンゲージメントというカタチに現われます。 自分のビジネスを振り返ると、Publickey をやっていることが結果としてフリーランサーとしての仕事単価を上げています。営業交渉上も有利です。 自分の能力をカタログ化するという意味でも、メディア活動をしていくことは重要になるはずです。 これから年齢が増していきますからヘビーな仕事ばかりをやっていけません。その意味で、自分の仕事の貯金が積み上がっていくような戦略が重要なのだと思います。