目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2014年4月28日から5月2日まで。
- Tow Center Moving the Newsroom: Post-Industrial News Spaces and Places
……“脱工業化時代のニュースとは”。現代のメディアは、物理的にも理念の上でも都市の産業上の中心から離れようとしている。Columbia大学に据えられた現代ジャーナリズムの研究所Towによる大がかりなレポート。 - Ken Doctor 1. Destroy the Village. 2. Save it.
……本記事の推測では昨年から約5億ドルもの投資マネーがメディアへ。米国のメディア投資ブームを投資家の視点で整理した、扇情的タイトルながら読み応えのある長文記事。 - Caroline O’Donovan Q&A: Clark Medal winner Matthew Gentzkow says the Internet hasn’t changed news as much as we think
……“最も影響力を持つ”エコノミストに与えられるClark Medalを今回受賞したMatthew Gntzkow氏は、デジタルメディアのエコシステム研究者だ。 意外にも氏は、ニュースメディアの構造の不易ぶりを指摘する。インターネットが変えたのは、流通とそのフィルタ機能にすぎないと。 - Shinya Kitahama 「プラットフォームがイノヴェイションを加速させる」:特別対談クリス・アンダーソン×出木場久征(Indeed CEO)WIRED篇
……クリス・アンダーソン氏: 「インターネットが公的なものからよりプライヴェートな内容のものになるにつれて、Googleで検索してもほんの少量のコンテンツしか探しだすことができなくなります。Facebookに投稿された記事も、Lineで送られたメッセージも、NetflixやAmazonに投稿されたレヴューもすべて見つけることができない」。 - Kevin C. Tofel Facebook backs App Links for app-to-app linking on mobiles
……Webではリンクをクリックすればメディアの壁を越えて自由にコンテンツ間を移動できる。また、検索エンジンはどこにどんなコンテンツがあるかを容易にユーザーに知らせることができる。アプリでは事情が異なる。 Webでできてアプリでできない、透過的なリンクの仕組みはアプリ時代の重要課題だ。 開催されたF8で、Facebookが回答を打ち出した。App Linksがそれだ。オープンソースで開発者はだれでも使える。これを利用するアプリ情報をFacebookがホストするという。 - 小田光雄 2014-05-01 出版状況クロニクル72(2014年4月1日~4月30日)
……「日書連の組合員数が4459であるから、これらの図書館数のほうが書店を上回っている。ちなみに1990年にはピークを過ぎたとはいえ、日書連加盟店は1万2556店を数えていたのである」。 - 平 和博 「ニュースはコンテンツでなくサービス」ジェフ・ジャービスの処方箋
……「コンテンツは何かを満たすためのもの。一方、サービスは何かを達成するためのものだ。サービスであるなら、ニュースは製品としてより、その成果から評価すべきだ」。 - Ami Ben David Context design: How to anticipate users’ needs before they’re needed
……Googleが、Yahoo!が、そしてTwitterのそのいずれも“コンテキスト”に注目を始めた。 本記事は、“コンテキストこそコンピューティングの未来”とし、コンテキストに沿ったユーザー理解がめざすものは、ユーザーの欲するものを、最小限のユーザーとの会話で実現することと定義する。 - 池田純一 「ABC対Aereo」訴訟は21世紀のメディア秩序の扉を拓く鍵となるのか?
……「今回の訴訟では、原告であるABCの背後には、他の三大ネットワーク(NBC、CBS、Fox)が連なるだけでなく、NFL(アメフト)やMLB(ベースボール)のようなプロスポーツ団体やハリウッドが控えている。その一方で、興味深いことに…」。 ——本記事は、私が注目する米Aereoをめぐる裁判を、おそらく日本語で書かれた解説としてもっとも詳細で核心を突いたもの。 - Justin Ellis Q&A: Craig Mod on making writing more mobile-friendly and where digital publishing is headed
……最近になって、執筆者のためのエコシステム「Hi」を立ち上げたCraig Mod氏へのインタビュー記事。Hiの構想は4年前にさかのぼる。 GPSとカメラを内蔵しTwitterを使えるiPhoneが、アイデアのキャプチャリングから、ドラフト、ソーシャルなフィードバックを得て、パブリッシングまでを美しく実現するアイデアの基盤になったという。