Disruption This Week—–15/11/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年11月13日から2019年11月15日まで。

Mozを率いてきたランド・フィッシュキン氏が立ち上げた調査会社SparkToroが分析したリポート。「ウォールドガーデン化を突き進むGoogle」。
検索がWeb界を“支配”しているのは周知だが、その検索結果が“ゼロクリック化”(利用者が、検索結果ページでだけで調べ物が完結する)する問題。
「ニュースメディアのDigital Media Wireが、調査会社Apptopiaの調査結果として報じたところによると、Disney+のモバイルアプリはサービス開始から24時間で320万回ダウンロードされ、全体の89%がアメリカからだった。同じ期間にネットフリックスは、全世界で66万2000回ダウンロードされた」。

——すでに1日で1,000万購読者が生じたことは紹介した。その迫力を、ジャーナリストの津山さんが紹介。巨人ディズニーが、新興分野の巨人Netflixの前に立ちはだかる。

Facebook、難航する「Libraプロジェクト」を脇に、自前の送金・支払サービス「Facebook Pay」を自社圏域でスタートへ。当面のユースケースは、アプリ内課金やクラウドファンディング系だが、記事は、コンテンツへの小額課金などの可能性を論じて興味深い。他方、Facebookへの信頼性を懸念もする。
Ken Doctor氏による英Financial Times CEOのJohn Ridding氏へのインタビュー記事。前回の日経喜多恒雄氏へのインタビューに続くもの。Ridding氏との会話では米国戦略などが多いが、メディア戦略指標「RFV」(recency, frequency, and volume)による来訪者分析と、ニューズレターを筆頭にしたミニブランドづくり戦略が興味深い。
メディア内「読者開発」(Audience Development)担当者が集まるイベントが初めてヨーロッパで開催。European Journalism Centreが主催。目的は良質なコンテンツを作りっぱなしにせず、それを求める読者を引き寄せること。データやその指標化が重要だが、完璧な指標は存在しない。いかにデータと会話する文化を築くかだという。
「問題は、マイクロターゲティング広告が、属性や興味関心、『いいね』などのネット上の行動履歴などに基づいて、ユーザーにピンポイントで配信されるため、社会一般の目に触れることがない、という点だ。
このため、たとえフェイクニュースであっても、それをメディアなどが把握し、検証することができないまま、しずかに拡散していってしまう」。

——米国で政治広告の掲載の有無についての是非を問う議論が、政治広告におけるマイクロターゲティングの是非へと進んでいる。であれば、政治広告か否かをも超えて、マイクロターゲティングそのものが議論されるべきなのだろう。実際に、倫理にもとるターゲティングも俎上にあがる昨今なのだから。

スタートして、1日強。米Disneyが投入したストリーミングサービス「Disney+」、契約購読者数が早くも1,000万を突破。もちろん、初期7日間フリーのキャンペーン期間中のため、すべて残存する購読者かどうかは不明。先行するHuluが2,800万、そしてNetflixが6,000万と比較しても、ロケットスタートといえそうだ。
「低品質なコンテンツ環境に広告が表示されることは、ブランドパーセプションに非常にネガティブな影響があることも今回の調査により判明しました。低品質なコンテンツに表示された広告を鬱陶しく感じると回答した消費者はおよそ9割に上り、それだけでなく、34%が好感度が下がる、65%がそのブランドの使用を取り止める可能性があると回答」。

——ビューアビリティやブランドセーフティをビジネスにするIASによる調査だということを念頭にして。それにしても、この種のメディアブランドや広告ブランドへの“マイナス効果”について、もっと真剣に取り組まないといけない。低品質コンテンツとブランドの関係もそうだが、低品質広告(クリエイティブ)とブランドメディアとの関係もだ。

米Hearst社の高級誌「Esquire」、同誌の常連人気ライターCharles Pierce氏の投稿記事とメルマガ、そしてトートバッグなどをセットにした “有料マイクロ・メンバー制”をスタート。
ゲームやエンタメでは“ヒト”をマネタイズの対象とすることは普及している。確かに面白い試みだ。
“サブスクリプションに埋没した世界”。世界はすべて所有から利用に向かっているかのようだ。だが、多くの消費者にとって、サブスクビジネスには解かなければならない課題がある。1) コンテンツそれ自体、2) 値付け、そして3) 支払体験だとする論。
【ご紹介】:
私も運営に加わっているJIMA(インターネットメディア協会)。その記事企画で、Forbes JAPAN Web編集長・林亜季さんが、ジャーナリスト下村健一さんのインタビューに応えました。ご一読を。

Disruption This Week—–8/11/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年11月5日から2019年11月8日まで。

米国のファクトチェック非営利団体First Draft、仏大統領選を機に立ち上がったジャーナリストらの団体CrossCheckが開発したファクトチェックスキームを用いて、米国内でのジャーナリスト教育に乗り出す。偽情報の同定、検証、リポーティングのスキル教育。主眼は、もちろん“2020”、大統領選だ。
「高木氏(=高木浩光氏)は、そもそも『氏名をハッシュ化して、氏名そのものが分からないようにしていれば個人情報ではないと考えていたようだ』と、個人情報の定義にも誤解が多々存在していると指摘した」。

——考えるべき喫緊のテーマを幅広く扱うディスカッション。読まれるべき。
引用箇所は、「個人情報」が旧来の、氏名などに結びついているか否かとの概念を捨て、個人データをどう守り、活用していくかについてだけでも、議論が広がらないとまずい。

「今回デジタル版を作るにあたっては『雑誌コンテンツを軸に、インターネット上でもできるだけ同じような体験を提供したい』というテーマの下、以下の3つのポイントを重視したという。
・記事の読みやすさ
・使いやすさ(誰でもサクサク使える)
・シンプルなデザイン」

——若い世代との接点拡大を前提にすれば、めでたい出来事。自分はこの種の雑誌の“ライトユーザー”なので、マイクロペイメントもしくは本数上限制限のあるようなライトサブスクリプションがあると嬉しい。

「YouTubeによると、Super Chatを利用しているチャンネルは10万以上あり、一部のチャットストリームは1秒当たり400ドル以上稼いでいるという」。

——LINEスタンプに触発されたようなビジネスだが、なるほどという印象。スティッカー自体を制作する機能はないようだ。

米New York Timesが、2019年第3四半期の業績を開示。注目の購読者だが、電子版で新規27万人を獲得。いよいよ500万人に近づいた(電子&印刷の計)。一方で、広告は電子と印刷いずれも下落。特にオンライン広告の下落は同社および市場に衝撃を与えたとする(記事はNYTによる)。
「米国の出版専門誌Publishers Weeklyは、インディーズ作家を対象とした有償の書評サービスを始めた。BookLifeという自主出版支援サイトの上で、PWの書評専門ライターがPW誌とは別個に記事を担当するもので、著者がポケットマネー(?)で依頼する形をとる」。

——記事にもあるが、老舗書評メディアとしては、作家からの対価ありの書評需要に応える仕組みが、その信頼性・ブランドを毀損しないか注意深く企画されるべきだが。関心層に自著の情報を広げる効果がありそうだ。

「利用初期時に無料で簡単に始められることが、結果的にエンゲージメント、リテンション、コンバージョン、満足度などにいい影響を与えていると考えています。最終的に、生活の一部としてサービスを取り組んでもらうためにも、無料プランは非常に大事な役割を担っていると思っています」。

——サブスクビジネスにおける両者(AppleとSpotify)のスタンスの違い。考えるための材料が含まれた記事。

「GlobalWebIndex2018」、世界40か国強における十代から60代消費者のメディア接触を調査。日本はデジタルメディアへの接触時間シェアが最小で39%。平均値の65%を大きく下回る。最高値はベトナムの74%で、タイ、フィリピンが続く。
【有料購読者向け記事】:
「米上院議員らは31日、検索順位の表示に使われるアルゴリズムについて、検索エンジン各社に開示を義務付ける法案を提出した。消費者がフィルターされていない検索結果を見る選択肢を持てるようにすることが目的だ」。

——EUでも同様の動きが生じている。ただし、大きなうねりとなるのかは、予断を許さないが。

「StreamLabsは配信者向けにライブストリーミング配信中に視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを行うサポートをするツールを無料で提供。主要配信プラットフォーム(AmazonのTwitch、GoogleのYoutube Gaming Live、MicrosoftのMixer、Facebook Liv)の全てに対応しており…」。

——Twitchなどのゲームをめくるライブストリーミングが主たる市場性なのだろうが、そこに止まらないのではないか。興味深い収益分野。

【ご紹介】:
作家の一田和樹さんと、ジャーナリストの平和博さんをお招きして、私も理事を務めるファクトチェック・イニシアティブがセミナーを開催します。場所は、スマートニュースのイベントスペース。ぜひご来場を。

Disruption This Week—–25/10/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年10月21日から2019年10月24日まで。

かつて「国際雑誌連合」と自称、デジタル化の現在は、メディアのグローバルネットワークをテーマとする団体「FIPP」。FIPPが見るメディアの収入手法は、現在12(サブスクリプションからデータ販売、スポンサードなど)あるとレポートされているが、来年は少なくとも14以上とレポートされるという。(記事内では現在、11とあるが、FIPPのレポートでは12種が扱われている)
70年以上の歴史を誇るFender Musical Instruments、レジェンドアーティストが愛する老舗ギターメーカーが、デジタル化のピッチを上げている、Fender Play、同Tune、ToneそしてSongsとサブスクベースの学習アプリを投入。新任CEOの戦略は、初学者を固定客に変身させることだ。
21世紀の音楽産業を蘇生させつつあるSpotify。
Taylor Swiftの初期の反応のように、Spotifyは音楽の価値をゼロ(ただ)に固定化すると見なされた。だが、いまやAriana Grandeは4,800万人にリーチ、そのプラットフォームの全容が見えてきた。だが、収益化への道のりは険しい。
Spotifyの現在の到達点が俯瞰できるありがたい記事。
【全文閲読には要購読】:
米CNN、自社のプレミアムコンテンツと他社ニュースを組み合わせるニュースアグリゲーションサービス(アプリ)を開発中との報道。社内でのプロジェクト名称は「NewsCo」。外部コンテンツは対価を支払う。ビジネスモデルはサブスク+広告と見込まれている。
以前紹介したように、WSJを傘下に置くNewsCorp.グループも「Knewz」というアグリゲーションサービスを開発中とされる。
米広告団体IAB、2019年上半期の米国内のデジタル広告支出を発表。最大のインパクトは、前年同期比(前年上期比)では成長したものの、クリスマス商戦を含む前期比(前年下半期比)で初の減少を示したこと。これはIABにとり初の事態。
「例えばロシアトゥデイなど、米国の政治関連ニュースを多数投稿する『政府の編集管理下に全面的あるいは部分的にある』メディアには、国営メディアというラベルを付ける。
これは11月からスタートし、2020年初頭からは、Instagramの投稿にも同様のラベルを付ける計画だ」。

——さまざまな対策を盛り込んだ発表を行った。特に海外政府が公然もしくは隠然とした後ろ盾の「メディア」の扱いが難しかったが、これが可視化されることには意義がある。

米Vox Media「体験マーケティング」担当幹部Vanessa Fontanez氏へのインタビュー。同氏はCondé Nastの雑誌ブランドのマーケティングなどを経て着任。イベントのチケット販売やスポンサードイベント企画など「ライブ体験」のビジネス化、同社のIP(編集者やライターなどのタレント、コンテンツ)をビジネス化する役割と述べる。
米Medium、現在、3万人のブロガーに600万ドル(月次?)の支払いをしているという。一方、その分配額を決める指標は、以前は「拍手」(いいね!に相当)の数だったが、現在は、「基本的に」閲読時間を基にして算出するという。Mediumは、相変わらず“変化”が止まらない。
この6月、Spotifyはアルゴリズム生成のプレイリストとして「Your Daily Drive」を公開した。従来通り楽曲やアーティストの自動推奨するが、曲間にはニュースやエピソードなどのポッドキャストを盛り込む。実現するものは、ユーザー単位に絞り込まれた「マイクロ放送局」なのかと問う記事。
カナダのコンサルティング企業Viafoura、600ものメディアへのサービス提供から生成した、メディアと読者との間のエンゲージメントに関するリポートを発表。読者エンゲージメントを強化するためのフレームワークと4ステップを解説する。
【ご紹介】:
先日、「TBSグループ Media Tech Hub」公開イベントに参加しました。その模様を同僚が書き起こしてくれました。さまざまな話題が盛り込まれています。よろしければご一読を。

Disruption This Week—–04/10/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年9月30日から2019年10月4日まで。

「我々はレッドボックス(Red Box: ニュースUKのサブスクタイトル、タイムズ・オブ・ロンドンが発行する政治分野のニュースレター)に着目し、オーディエンスがメールに何を求めているかを観察した。オーディエンスはプラットフォーム外の配信のように、あちこちに飛ばされるのを嫌がることが判明した」。

——リテンション(購読者の維持)問題に悩む英国の無料(登録のみ)のゲームサイトが採った施策について解説した記事。本格的な有料サイトではなく、無料だがメンバー制を徒労としている、わが国の多くのサイトに参考になりそう。

「ビッグデータ分析からデザイン、アプリ開発など市場で引っ張りだこの『デジタル人材』は、20〜40代の働き手に占める割合が1割程度と希少な上に、『非デジタル人材』に比べて1年以内の転職意向が3倍以上と格段に高いことが、NTTデータ経営研究所の調べで分かった」。

——いろいろと示唆に富む記事。「求めているのは『尊敬できる上司』と『能力高い人の昇進』、『頻繁なフィードバック』」という箇所にも要注意だ。

米サイバーセキュリティ調査機関のInsikt Group、企業クライアントを偽装して、高度なサイバー犯罪のノウハウを積んだロシアの犯罪組織に対し、当該企業のポジ・ネガ双方の偽情報キャンペーンを数千ドル程度で発注できることを実証。
高度なサイバー犯罪が、民間でも容易に利用できるレベルへと“民主化”された産業になろうとしている。
英Financial Timesのプリントおよびデジタル編集の現場幹部に、2020年代のジャーナリスト足る要件を聞いた記事。データを読み解きそこにストーリーを見出す能力が重要と述べる。また、単に良い記事が書けるだけでなく、映像なども扱えるマルチスキルにも着目。
「かつて人文書取次の鈴木書店の店売には、人文会会員社の書籍が揃って常備として置かれていた光景を思い出す。それももはや20年前のものになってしまった。
まさに人文会の『オリジナルメンバー』に他ならない未来社の退会も、人文会の設立、鈴木書店の倒産と同様に、出版業界の変容を象徴しているのだろう」。

——人文系書籍のラインナップが、自分の世界を広げてくれそうな、近くて遠い山脈のような魅力を発していたことが思い起こされる。

Webサイトの表示速度(パフォーマンス)が果たす、ユーザー満足(リテンション)効果を改めてデータなどと合わせて説く記事。英BBCの調査では、表示が1秒遅くなるほど、10%ずつユーザーを失うのだという。
「記録が残っているもっとも古い2007年度ではインターネット総売上は3兆8800億円。インターネット経由による出版物の販売額は932億円。これが直近の2018年度ではそれぞれ8兆1800億円・2094億円にまで成長している。直近の2018年度の額は、それぞれ2007年度分からはおおよそ2.1倍・2.2倍の成長」。

——ネット上での総売上の伸びと、ネット経由での出版物の売上の伸び。概ね連動しているというある意味で当たり前。ある意味で健全な事実(?)

「GoogleとAlphabet傘下のJigsawは、俳優28人が登場する3000本の改変動画からなるデータセットを、顔操作検出の新たな自動ベンチマークである『FaceForensics Benchmark』に提供した」。

——良い試み。この種のサンプルや、良質な教師データを手に入れることが、最もカネがかかり、手間のかかるところ。同社グループが投入している費用は、得ている収入からすれば、微々たるものだ。

NPOの米Global Disinformation Index、偽情報サイト約2,000が稼ぐ年間収入は、約2億4,000万ドルと公開。PolitiFactらファクトチェッカーがサイトを判定。収入の多くはアドテク広告に依拠。4割はGoogle AdSenseからで、9,000万ドルに近い。
多くの(海外)メディアの間で、購読制(サブスクリプション)が進んでいない理由は? 課題は、「読者を購読に転換すること」、「支払いたくなる商品の開発」など。一方で、会社がその課題に投入しているリソースは、購読制への意向とは逆にお寒い状況とのDigidayの調査結果。
【ご紹介】:
月いち連載の日経MJコラムが、日経電子版で公開されました。よろしければどうぞ。➡ フィットネスクラブ、機器販売×番組サブスクで稼ぐ
【ご紹介・全文閲読には要購読】:
米TechCrunchが、US版SmartNewsのアプローチについて取材しました。日米の読者環境の違いは、政治的立場の極端な二極化。これに異を唱えるSmartNewsの取り組みに着目します。

Disruption This Week—–20/9/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年9月17日から2019年9月20日まで。

ニュースメディア(ジャーナリズム)は、時に権力はプラットフォーマによる個人データの侵害を見事に指摘するが、それらニュースサイトが、CookieやFacebookらのビーコンを埋めこむことで、サイト訪問者のプロファイリングに加担していることを認識しているか? 米Carnegie Mellon大の学識が論説。それをNew York Timesが掲載するという、ある種の背理。
メディア運営者は、これまで以上に、自社サイトにある“息の長い人気コンテンツ”の活用と配慮をすべき。ある調査では、検索からのオーガニックな流入が50%を超えるとされ、WIREDサイトでは、60%の新規コンテンツ由来の流入を除くと、20%が最近半年以内、20%がそれ以前の旧コンテンツからの流入だ。
‪ノルウェーのメディア企業Aller MediaのCTOが語る「(メディアは開発を)内製すべきか? あるいは外部調達すべきか?」‬
‪CTOは、外部投資が招くベンダーロックインを避け、内部の開発者育成と維持という担でもなく、基盤開発への注力と、調達ツールの統合を選択したと述べる。
英BBC、BBC Newsサイトにユーザーのメンタルヘルスを考慮して、ネガティブなニュースを非表示にする機能を実験的に導入。
社内のエンジニアらが、社内でメンタルヘルス上の不調とツライ・不快なニュースとの関連を意識したことから着想。最近の調査「Reuters Digital News Rport 2019」でも、半分強の回答者がニュースの視聴がツライと、回避の兆候が示されている。
「日本においては、もっとも収益化されているのは今も広告モデルだと思っています。言い換えれば、サブスクリプションサービスはユーザー全体の10%程度に向けたものになりますので、残りの90%のユーザーに向けて引き続き広告も打っていくことが大切です」。

——メディアにサブスクリプション機能を提供するPiano。その日本市場を担当する人物の説明。現実的でわかりやすい。加えて、記事でも言及されているが、マーケティングファネルの考え方は、今後のメディアの成長には必須の視点。

コンテンツディスカバリ(読むべきコンテンツの発見)技術を核にしたスタートアップCanopy。ユーザー情報の入力を求めず、ユーザーの嗜好を学習しパーソナライゼーションが進む。アプリ「Tonic」を提供する。そのマーケティングを担うAmie Green氏へのインタビュー記事。新技術(を実装したアプリ)の議論であり、デジタル時代のコンテンツ関連キャリアを示す記事でもある。
コンテンツの拡散を、いくつかの大手プラットフォーム任せにしてきた時代は去った。メディア運営者は、自らの“総合的なプロダクト戦略”を立て、プロダクト担当者に投資することで、“プロダクト思考”を身につけなければならないとの論説。米Washington Postはこの2年間でプロダクト担当者を三倍増に。Vox Mediaでは、150人の組織を形成しているという。
【購読者向け記事】:
「10月にも内閣官房にデジタル市場競争本部を新設し、巨大IT企業規制に関する競争政策や個人情報保護策を一体的に議論する。
……独占禁止法や個人情報保護法など複数の省庁が所管する法令にまたがるため、競争本部で2020年にも制度の方向性を取りまとめる」。

——「デジタル市場競争本部」を立ち上げるという。そもそも独占禁止法がらみの視点からGAFAへの監視を強めるという手法が、妥当なのかどうか。

米Bloomberg Media、2018年に開始した購読制が順調に成長。年末までに購読者数(2018年末で“数万”と推定)が倍増を見込む。成功要因はダイナミックペイウォールと記事は伝える。20を超える指標から、読者ごとにオファを行っていくという。どんな要因かは、記事を参照されたい。
「『私たちのことを、世の中をまともに理解する気がない連中だ、と思っている人たちがいる』とメイヤー氏。
それは、メディアがどのような手続きと判断でニュースをつくっているのか、メディア自身がその説明をしてこなかった結果だ」。

——平和博氏のONA19リポート。数多くのメディアをめぐるセッションが行われるが、今年のカンファレンスでは「信頼(Trust)」が中心テーマに。引用箇所は、信頼を支えるのは、透明性、そして訂正を伝えていくこと、という論点。

【ご紹介】:
私が事務局として携わっているインターネットメディア協会(JIMA)、そのオンライン企画として継続している対談(今回はてい談)が新たに掲載された。コミュニティガイドラインを発表したばかりのはてなのキーパーソンが、下村健一氏の問いに答えている。