Disruption This Week—–04/10/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年9月30日から2019年10月4日まで。

「我々はレッドボックス(Red Box: ニュースUKのサブスクタイトル、タイムズ・オブ・ロンドンが発行する政治分野のニュースレター)に着目し、オーディエンスがメールに何を求めているかを観察した。オーディエンスはプラットフォーム外の配信のように、あちこちに飛ばされるのを嫌がることが判明した」。

——リテンション(購読者の維持)問題に悩む英国の無料(登録のみ)のゲームサイトが採った施策について解説した記事。本格的な有料サイトではなく、無料だがメンバー制を徒労としている、わが国の多くのサイトに参考になりそう。

「ビッグデータ分析からデザイン、アプリ開発など市場で引っ張りだこの『デジタル人材』は、20〜40代の働き手に占める割合が1割程度と希少な上に、『非デジタル人材』に比べて1年以内の転職意向が3倍以上と格段に高いことが、NTTデータ経営研究所の調べで分かった」。

——いろいろと示唆に富む記事。「求めているのは『尊敬できる上司』と『能力高い人の昇進』、『頻繁なフィードバック』」という箇所にも要注意だ。

米サイバーセキュリティ調査機関のInsikt Group、企業クライアントを偽装して、高度なサイバー犯罪のノウハウを積んだロシアの犯罪組織に対し、当該企業のポジ・ネガ双方の偽情報キャンペーンを数千ドル程度で発注できることを実証。
高度なサイバー犯罪が、民間でも容易に利用できるレベルへと“民主化”された産業になろうとしている。
英Financial Timesのプリントおよびデジタル編集の現場幹部に、2020年代のジャーナリスト足る要件を聞いた記事。データを読み解きそこにストーリーを見出す能力が重要と述べる。また、単に良い記事が書けるだけでなく、映像なども扱えるマルチスキルにも着目。
「かつて人文書取次の鈴木書店の店売には、人文会会員社の書籍が揃って常備として置かれていた光景を思い出す。それももはや20年前のものになってしまった。
まさに人文会の『オリジナルメンバー』に他ならない未来社の退会も、人文会の設立、鈴木書店の倒産と同様に、出版業界の変容を象徴しているのだろう」。

——人文系書籍のラインナップが、自分の世界を広げてくれそうな、近くて遠い山脈のような魅力を発していたことが思い起こされる。

Webサイトの表示速度(パフォーマンス)が果たす、ユーザー満足(リテンション)効果を改めてデータなどと合わせて説く記事。英BBCの調査では、表示が1秒遅くなるほど、10%ずつユーザーを失うのだという。
「記録が残っているもっとも古い2007年度ではインターネット総売上は3兆8800億円。インターネット経由による出版物の販売額は932億円。これが直近の2018年度ではそれぞれ8兆1800億円・2094億円にまで成長している。直近の2018年度の額は、それぞれ2007年度分からはおおよそ2.1倍・2.2倍の成長」。

——ネット上での総売上の伸びと、ネット経由での出版物の売上の伸び。概ね連動しているというある意味で当たり前。ある意味で健全な事実(?)

「GoogleとAlphabet傘下のJigsawは、俳優28人が登場する3000本の改変動画からなるデータセットを、顔操作検出の新たな自動ベンチマークである『FaceForensics Benchmark』に提供した」。

——良い試み。この種のサンプルや、良質な教師データを手に入れることが、最もカネがかかり、手間のかかるところ。同社グループが投入している費用は、得ている収入からすれば、微々たるものだ。

NPOの米Global Disinformation Index、偽情報サイト約2,000が稼ぐ年間収入は、約2億4,000万ドルと公開。PolitiFactらファクトチェッカーがサイトを判定。収入の多くはアドテク広告に依拠。4割はGoogle AdSenseからで、9,000万ドルに近い。
多くの(海外)メディアの間で、購読制(サブスクリプション)が進んでいない理由は? 課題は、「読者を購読に転換すること」、「支払いたくなる商品の開発」など。一方で、会社がその課題に投入しているリソースは、購読制への意向とは逆にお寒い状況とのDigidayの調査結果。
【ご紹介】:
月いち連載の日経MJコラムが、日経電子版で公開されました。よろしければどうぞ。➡ フィットネスクラブ、機器販売×番組サブスクで稼ぐ
【ご紹介・全文閲読には要購読】:
米TechCrunchが、US版SmartNewsのアプローチについて取材しました。日米の読者環境の違いは、政治的立場の極端な二極化。これに異を唱えるSmartNewsの取り組みに着目します。
広告

Disruption This Week—–20/9/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年9月17日から2019年9月20日まで。

ニュースメディア(ジャーナリズム)は、時に権力はプラットフォーマによる個人データの侵害を見事に指摘するが、それらニュースサイトが、CookieやFacebookらのビーコンを埋めこむことで、サイト訪問者のプロファイリングに加担していることを認識しているか? 米Carnegie Mellon大の学識が論説。それをNew York Timesが掲載するという、ある種の背理。
メディア運営者は、これまで以上に、自社サイトにある“息の長い人気コンテンツ”の活用と配慮をすべき。ある調査では、検索からのオーガニックな流入が50%を超えるとされ、WIREDサイトでは、60%の新規コンテンツ由来の流入を除くと、20%が最近半年以内、20%がそれ以前の旧コンテンツからの流入だ。
‪ノルウェーのメディア企業Aller MediaのCTOが語る「(メディアは開発を)内製すべきか? あるいは外部調達すべきか?」‬
‪CTOは、外部投資が招くベンダーロックインを避け、内部の開発者育成と維持という担でもなく、基盤開発への注力と、調達ツールの統合を選択したと述べる。
英BBC、BBC Newsサイトにユーザーのメンタルヘルスを考慮して、ネガティブなニュースを非表示にする機能を実験的に導入。
社内のエンジニアらが、社内でメンタルヘルス上の不調とツライ・不快なニュースとの関連を意識したことから着想。最近の調査「Reuters Digital News Rport 2019」でも、半分強の回答者がニュースの視聴がツライと、回避の兆候が示されている。
「日本においては、もっとも収益化されているのは今も広告モデルだと思っています。言い換えれば、サブスクリプションサービスはユーザー全体の10%程度に向けたものになりますので、残りの90%のユーザーに向けて引き続き広告も打っていくことが大切です」。

——メディアにサブスクリプション機能を提供するPiano。その日本市場を担当する人物の説明。現実的でわかりやすい。加えて、記事でも言及されているが、マーケティングファネルの考え方は、今後のメディアの成長には必須の視点。

コンテンツディスカバリ(読むべきコンテンツの発見)技術を核にしたスタートアップCanopy。ユーザー情報の入力を求めず、ユーザーの嗜好を学習しパーソナライゼーションが進む。アプリ「Tonic」を提供する。そのマーケティングを担うAmie Green氏へのインタビュー記事。新技術(を実装したアプリ)の議論であり、デジタル時代のコンテンツ関連キャリアを示す記事でもある。
コンテンツの拡散を、いくつかの大手プラットフォーム任せにしてきた時代は去った。メディア運営者は、自らの“総合的なプロダクト戦略”を立て、プロダクト担当者に投資することで、“プロダクト思考”を身につけなければならないとの論説。米Washington Postはこの2年間でプロダクト担当者を三倍増に。Vox Mediaでは、150人の組織を形成しているという。
【購読者向け記事】:
「10月にも内閣官房にデジタル市場競争本部を新設し、巨大IT企業規制に関する競争政策や個人情報保護策を一体的に議論する。
……独占禁止法や個人情報保護法など複数の省庁が所管する法令にまたがるため、競争本部で2020年にも制度の方向性を取りまとめる」。

——「デジタル市場競争本部」を立ち上げるという。そもそも独占禁止法がらみの視点からGAFAへの監視を強めるという手法が、妥当なのかどうか。

米Bloomberg Media、2018年に開始した購読制が順調に成長。年末までに購読者数(2018年末で“数万”と推定)が倍増を見込む。成功要因はダイナミックペイウォールと記事は伝える。20を超える指標から、読者ごとにオファを行っていくという。どんな要因かは、記事を参照されたい。
「『私たちのことを、世の中をまともに理解する気がない連中だ、と思っている人たちがいる』とメイヤー氏。
それは、メディアがどのような手続きと判断でニュースをつくっているのか、メディア自身がその説明をしてこなかった結果だ」。

——平和博氏のONA19リポート。数多くのメディアをめぐるセッションが行われるが、今年のカンファレンスでは「信頼(Trust)」が中心テーマに。引用箇所は、信頼を支えるのは、透明性、そして訂正を伝えていくこと、という論点。

【ご紹介】:
私が事務局として携わっているインターネットメディア協会(JIMA)、そのオンライン企画として継続している対談(今回はてい談)が新たに掲載された。コミュニティガイドラインを発表したばかりのはてなのキーパーソンが、下村健一氏の問いに答えている。

Disruption This Week—–13/9/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年9月9日から2019年9月13日まで。

Googleが検索アルゴリズムの変更を発表。オリジナルコンテンツの評価をランキング上位にする効果を強化。同時に検索結果の品質をめぐる同社のガイドライン(公開されている)のアップデートを行ったことを、同社ニュース部門vpのRichard Gingras氏が公式ブログで説明。
多くのメディアが購読制(サブスクリプション)を志向。だが、サイト来訪者を機械的に購読者か否かを識別しているだけでは、読者体験を購読(購入)へと誘導することはできない。記事は、来訪者ごとにパーソナル化された提案をする“ダイナミック・ペイウォール”を推奨する。
米ビジネス系メディアQuartz、政治的な影響力に関連する調査報道のアプローチに、AI技術を用いるのと同時に、ユーザー(購読制メンバー)に情報提供を呼びかける。メンバーには秘匿性の高いコミュニケーション手段を提示するなど踏み込んでいる。
【有料購読者向け記事】:
「今度はアマゾンの番だ。WSJの先月の調査では、アマゾンのサイトに安全ではない商品が多数掲載されているのが見つかった。そのほとんどは出店業者によるものだ。同社は検査ツールを導入しており、昨年だけでも30億点の商品販売を阻止したと述べている」。

——“ハイテク勢力による「いいとこどり」の時代は終わった”との記事。記事は大手プラットフォーマのそれぞれに言及するが、照準はアマゾンに当てられる。

米New York Times、AppleがApp Storeで自社アプリにいかに有利になるよう取り扱っているか、その独占的地位の乱用ぶりを告発。それをビジュアル化して伝える記事のストーリーテリングにも注目したい。文字を読まずに伝えたい事象が見事に理解できる。
「『数字が現実世界に完全に一致するかどうかは怪しいが、Cookieの終焉がパブリッシャーにとって大きな問題なのかもしれないという点は間違っていない』と、大手パブリッシャーの幹部は語った」。

——私はこの事象を何度か扱っているので、読まれる方は理解していると思うが、ことの本質はGoogleのロビーイングを背景にした表現、といったレベルにあるわけではない。発展しすぎた個人ターゲティングを基礎とする広告ビジネスの自壊が始まろうとしているということ。しかも、これを対岸の火事と見なせるメディア関係者は少ないはずだ。

‪【全文閲読には要購読】:
「Brave Softwareの新しい証拠はGoogleが、多くの当事者がGoogleの識別子とマッチングできるようにしていたことを示している。さらに、この証拠はGoogleが、多くの当事者がデータ主体の識別子を相互にマッチングできるようにしていたことも示している」。

——GDPRでは、「個人データ」を構成し得る識別子に5つのものを挙げている。そこには氏名や位置情報に加えて、各種のオンライン識別子も含まれている。Braveが援用している論では、GoogleがGDPRの規制上定めた要件を迂回していると主張。このメカニズムの恩恵に与るのはGoogleだけではない。帰趨に注目。

メディア運営者、特にニュースなどのジャーナリズムがソーシャルメディアを活用する際に気を付けるべきなのは、ひとつの流入源に依存してはいけないということ、さらに、各流入源を介して得た読者とのエンゲージメントを継続的に確認すること(どんなツールで確認するかも)など、要点を解説する記事。
英BBC、Facebook、GoogleそしてTwitterら大手プラットフォーマに対し、市民の生活や政治などの維持に危険性の高い偽情報への対策と連携を呼びかけた。主要各国の選挙期間中の早期アラートの発信や、メディアリテラシー教育、そして投票への参加などの取り組みを行っていく。
【有料購読者向け記事】:
音楽ストリーミングサービスのSpotify、米CBSニュース前プレジデントDavid Rhodes氏にニュース番組(ポッドキャスト)へ進出をめざし、コンサルティング契約を交渉中と米The Informationが報道。同社はスポーツ番組への進出にも取り組んでいるという。
【ご紹介】:
私が“責任編集”しているメディア「Media×Tech」。中国発のニュースアプリ「Toutiao(簡体字:今日头条)」について、論じてもらいました。

Disruption This Week—–2/8/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年7月29日から2019年8月2日まで。

「安倍首相が『富裕層の税金を上げるなんてばかげた政策』と国会で答弁したとされる画像がネット上で拡散されていたが、BuzzFeedが調べた結果、それは意図的に編集されたフェイクニュースだった。この画像は安倍政権を批判する多くの人が拡散させていた。つまり、事実を軽んじる姿勢に、保守もリベラルも違いはなかったということだ」。

——立岩陽一郎さんの、今回の選挙戦をめぐる論。文末の引用句「戦争の最初の犠牲者は事実だ」は噛みしめるべき。政治の世界においては、目的が手段を浄化するがまかり通る。

「調査報道をゲーム仕立てに」。
YouTube上で、偽情報やテック、カルチャー分野に向けた調査報道動画コンテンツを提供してきた「Point」が、YouTubeのマネタイズ規制強化のあおりで困難に直面。クラウドファンディングを用いて調査報道ゲームのプロデュースに取り組むことに。
米国の報道系メディア業界団体American Press Instituteの分科会に「Metrics for News」(報道メディアにとってのデジタル指標)が誕生。個人的な経験値にだけ頼るのではなく、データ分析を通じて「読者を認識する」「読者にとっての価値は何か」「読者とどうエンゲージするか」などをめざす動きだ。
「19年6月の書籍雑誌推定販売金額は902億円で、前年比12.3%減。
書籍は447億円で、同15.5%減。
雑誌は454億円で、同8.9%減。その内訳は月刊誌が374億円で、同8.0%減、週刊誌は80億円で、同12.9%減」。

——流通上の課題が噴出し、減産や流通ルートでの絞り込みが効いてきていることも影響しているのだろうか。
市場在庫期の業績影響が剥がれ落ちているのだとすれば、それがそもそもの実態なのだという見方にもなる。このカタストロフに固唾を飲まずにはいられない。

「高品質なコンテンツとともに広告が表示された時、被験者はその広告を低品質なコンテンツ環境で閲覧した時と比較して74%より好ましいと感じていることがわかりました。さらに、質の低いコンテンツに表示された広告を閲覧した際には好感度の向上に寄与しないどころか、好感度が下がるという結果になりました」。

——昨日紹介したWGMとMoatの海外での調査研究と同趣旨の結果。興味深いのは、広告効果が良質なコンテンツによって高まるという一方で、その反対、すなわち、低品質コンテンツとのカップリングで、広告に対する否定的な受け止めが生じるという“リスク”面を指摘していること。

「サイト訪問者中の購読者は3%程度でしかないとするなら、数多くの来訪者は購読”の遥か手前にいて、認知、つながり、そして確信的な購読者となる長いジャーニーがそこにあるのを認識すべき」
と、計測サービスParse.lyのシニア・データアナリストは述べる。
そこで、必要なのは、読者を皆で知ろうということだ。読者をデータ分析するのは、マーケターだけの仕事ではない。
中でも、注目すべき指標をあげてアドバイスする。
メディア運営者は読んでおきたい論。
「取材の過程で多くのプレイヤーが、自分にできることには限界があると訴え、まるで当事者ではないような態度を見せた。『薄められた悪意』と言うべきものがネット広告の闇の中に堆積し、広がっているというのが取材者としての実感だ」。

——このくだりには、考えさせられる。自分もこの複雑怪奇な世界で、互いの罪をロンダリングする仕組みになれきってしまっている。

【有料購読者向け記事】:
消費者は近年、ますます広告の表示を避けるようになっている。一方の広告主らはAIを活用。消費者ごとにパーソナライズした広告クリエイティブを生成したり、広告のオファを動的に調整したりするマーケティングテクノロジーへの投資を強めているとする記事。IBMのWatsonなどの事例を紹介。
オーストラリアの公取と消費者保護に関する政府機関、18か月に及ぶ調査の結果、FacebookおよびGoogleにアルゴリズムの内容開示を迫る法制度が必要との結論に至った模様。もともと大手プラットフォーマに厳しい姿勢のEU域内の法制度にも影響を与えるか。
「今回の報告書の研究者は、2つの要素が収入減を引き起こした可能性があると推測している。1つはWeb上における人々の行動習慣が変化した可能性だ。データ共有の許可を求めるポップアップが絶えず表示されることで、人々はプライバシーに関する不安を感じ、オンラインでの購入を止めたのかもしれない。もう1つは、企業が意思決定に利用する分析データの量が減った可能性だ」。

——“GDPRはGAFA対策”と曲解する向きもあるが、現実は、力のあるプラットフォーマは対策をすませ、開発などに力を注げないメディア企業(でありながら、個人登録情報を集めまくってきたケースなど)のほうが、保守的な対策によって、ユーザーからのオプトアウトやサードパーティデータの利用を抑止することになっていそうだ。

【ご紹介】:
SmartNews米国版の成長について、「What’s New in Publishing」が記事化しています。昨年145%成長したこと、Apple News以上のトラフィックをメディアに戻していることなど、Parse.lyのアナリストによるデータを紹介しています。

Disruption This Week—–12/7/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年7月8日から2019年7月12日まで。

Google、AIスピーカー搭載の音声アシスタントが“偶然”、そのユーザーらのプライベートな会話や通話を記録、パートナーがそれにアクセスし書き起こす権限を与えている。ベルギー公営放送局が報道。Googleは、音声アシスタントの聞き取り・翻訳能力向上のためと、弁明。
「間違いその1:ユーザーに通知を有効にするよう、アプリを初めて起動した直後に要求する
アプリをダウンロードしたばかりのユーザーは、アプリがもたらすことになる価値を必ずしも明確に理解しているわけではない」。

——5つの間違ったアプローチを解説する啓発的な記事。最も重大なものは、この「間違いその1」だと思う。

米国ジャーナリズムや政治に関する研究所Shorenstein Centerによる米国ローカルメディアの現況調査「A Landscape Study of Local News Models Across America」。ローカルメディアの大きなトレンドは、NPOモデルとサブスクリプション・モデルだ。そのトレンドがデータ化されたリポート。
「最初の機能は人工知能を利用してコメントに、『悪質かもしれない』というマークをつける。コメントを投稿しようとするユーザーにはそのとき、『これを本当に投稿したいですか?』という質問と、『投稿しない』というボタンが表示される」。

——悪質な投稿者を同定し、投稿者を排除する、のではなく、投稿を思い止まらせるように仕向ける。興味深いアプローチ。

MSNBCの創業編集長で、現在はデジタル化を推進するメディアへの経営支援に携わるMerrill Brown氏が組成した「The News Project」。デジタルメディアをスタートするための基盤とサービスを、パッケージで提供する。WordPress、Piano、Google AdManager、そして開発要員とデザイナーらのサービスをセットする。
このほどあるローカルニュースが最初の顧客となった。
Googleは、同社提供で市場シェアの高いChromeブラウザに広告ブロック機能を搭載。欧州・北米でまずロールアウト。「より良い広告の(ための)連合」が策定した「より良い広告の標準」に沿って表示/非表示が判断される。
パブリッシャーは自社サイトの評価に注意を向けるべきだ。Googleの「Ad Experience Report」で自社サイトの評価がわかる。
「60~90分間のドラマコンテンツと、エム・データが保有するテレビ放送のメタデータを組み合わせ、シーン分割から重要度判定、利用シーンの決定、動画の書き出しまでを自動で行い、3~5分のダイジェスト版を作成する」。

——画期的な取り組み。ドラマにおける、重要度、区切りなどを、メタデータも使いながら判定し、冗長性ある部分を省くということか。応用の利く分野は広そうだ。

「『Tokyo Honyaku Quest』は、世界中のアニメファンが翻訳家となってアニメに関するコンテンツの翻訳を行い、翻訳された文章はコンテンツの正式な翻訳版として、翻訳者のIDと共にブロックチェーン上に記録されていきます」。

——今回は“実証実験”ということからか、アニメをめぐる記事の翻訳を分散型基盤上で実現しようというものだが、アニメ作品自体に翻訳レイヤーを設けることで、その部分の付加価値を流通させる方式まで進められればいいと思う。

「ハイブリッド戦争を展開しているのはロシアだけではなく、21世紀型の戦略として位置づけるべきだが、じつは90年代にはすでにハイブリッド戦争の有用性がロシアにおいて、広く共有され、旧ソ連領域で多々用いられてきた」。

——「ハイブリッド戦」とは、従来の軍事的圧力とさまざまな情報謀略工作を組み合わせた、見えにくい戦争の一形態。その先進国はロシアだが、現代における見えない戦争は、地球上で遍在化しつつある。

ニューズレター(メルマガ)が、有力な購読読者獲得(もしくは維持)の手法だとは、広く知られた方程式だ。英The Economistは、購読者が離脱する主たる理由の一つが、“記事をたくさん読まなければならない”苦痛であるとの読者調査から、ニューズレターの役割をチューニング。これにより、いまでは同メディアのWebサイトへのリファラは、Twitterを超えニューズレターとなったという。
【ご紹介】:「昨今、フェイクニュースと呼ばれる信頼性の低いメディアや、金もうけや政治的意図を背景に意図的にウソを流すメディアが増えていることが社会的な問題になっている。具体的な対応策として考えられるのが、ファクトチェックとメディアリテラシーだ」。

——私も関与している「インターネットメディア協会(JIMA)」の主たる活動のひとつが、「メディア」リテラシー議論。ブロガーの徳力さんが紹介。

【ご紹介】:
スマートニュース メディア研究所スタッフが、小学校にお邪魔して「インターネットで流れる情報やニュースについて学ぶ出前授業」を臨時で授業。メディアリテラシー講座を開発中です。
【ご紹介】:日経MJ紙への月一連載が、日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ ストリーミング、聴き放題広がる 楽曲選びより気分で消費へ