Disruption This Week—–4/12/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年12月1日から2020年12月4日まで。

 

 

米Washington Postは、老舗新聞社であると同時に、CMSのArc、広告を中心とするZeusの二大基盤を同業他社にライセンスするテクノロジー企業でもある。同社商業テクノロジー担当VPのJarrod Dicker氏が、Zeusテクノロジーと、その業界への浸透ぶりについて取材に応えた。

 

 

英Press Gazette、comScoreのデータなどの分析を通じ、20年第3四半期の英国内ニュースメディアとアグリゲータの動向を整理。面白いのは人による編成からアルゴ編成に切り替えたMSNが下落。Yahoo・HuffPost連合に1位の座を譲り渡した点か。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「10月には(ベトナムの)フン情報相が『党と国家に対する悪質なプロパガンダ』を削除したユーチューブを称賛した。国営メディアは同氏の発言として、フェイスブックは政府の検閲要求の95%、グーグルは90%に応じたと報じた」。——英FTから日経への転載記事。先ほどの小林恭子さんのリポートにも共通するテーマ。

 

 

「Googleマップは独自のニュースフィードを導入する。技術的にはローカルエリアからの投稿が含まれるというもので、グーグルはその新機能を『コミュニティフィード』と呼んでいる(Googleブログ)。しかし、それは他のニュースフィードと同じような仕組みだ。垂直方向にスクロール可能なフィードで、そこに表示される投稿にユーザーは小さな親指のアイコンをタップすることで『いいね!』できる」。

——こう考えると、記事でもトピックとして扱っている「ストーリー」と「フィード」は、スマホの影響下で21世紀に誕生したメディアのあり方なのだと思う。

 

 

「エルドアン大統領による強権政治が続くトルコでは政権批判につながりかねない『400以上のサイトが封鎖され、数千人規模のジャーナリストが投獄中だ』。こうした中、『プラットフォーム側は政府におもねるPRに力を入れている』」。

——ジャーナリストの小林恭子さんのリポート。IPIの年次総会の話題だが。引用箇所のように、メディアとの関係において可能な限り透明性を維持すべき流通プラットフォームが、“独自(政権への忖度を含む)”のレギュレーションという色味を追加する事態が現実となっている。米国では、これとは逆に、政権とは異なる方向に色味が付されたとの指摘もある。

 

 

「記事でも、記者がとくダネを持ってくるのが一番偉いという価値観から、デザイナーやデータサイエンティストと協力して価値あるコンテンツを作り上げていくのが重要だという方向になってきました。評価軸もスクープよりも、どれだけ読まれて、読者に評価されたのか、最後まで読まれたのか、Twitterで拡散されたのか、あるいは有料読者を何人獲得できたのか、そういうことが重視されるようになってきました」。

——昨日、朝日新聞の“改革の遅れ”が話題になったが、日経新聞は、このような回答を出している。

 

 

「渡辺社長は『構造改革のスピードが鈍かったことが赤字の背景にあることは否めず、責任は社長の私にある』と自らの責任に言及した」。

——何をどのくらい急ピッチで改革すべきだったのか。その点が、内外に明らかになってくると産業全体に良い影響が生じると思う。朝日新聞版「Innovation Report」に期待。

 

 

「購読を続けてもらうには、それなりの価値を提供する必要があることは確かだろう。さもなければ、なぜたったひとりのライターのために『ニューヨーク・タイムズ』の年間購読料の半分以上の額を払っているのかという疑問をもたれてしまう」。

——著名ライターであるスティーヴン・レヴィ氏のコラム。依然紹介ずみだが、邦訳が出たので、改めて。彼がそわそわしているのを見ると、ニューズレター=個人メディアのトレンドは、確かに大きくなっているのだろう。

 

 

米ローカルニュースメディア(のネットワーク)であるPatchが、ニューズレター配信基盤やWebサイト構築基盤「Patch Labs」を、ローカルのジャーナリストらに提供を開始。ジャーナリストは自分ブランドのメディアを開設、購読や広告からの収益分配を得ることができる。
「20年10月の書籍雑誌推定販売金額は1000億円で、前年比6.6%増。
書籍は536億円で、同14.0%増。
雑誌は464億円で、同0.8%減」。——今年半ば以降、対前年同月比ベースでプラスの傾向が断続的だが生じている。昨年が異常気象もあり記録的に悪かったこと、そして今年はコロナ禍による読書需要が増大、加えて、メガヒット作の誕生などが重なった。雑誌は…依然厳しい。

スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute

スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute

 

 

【ご紹介】:
スマートニュース メディア研究所が独立したサイトを開設。いよいよ活動を本格化しています。
[追記]すでにリテラシー教育についての資料請求が何件も舞い込んでるようです。

 

 

【ご紹介】:
JIMAが主催したInternet Media Days 2020で実施された「ONA2020」をめぐるパネルディスカッションの取材記事を公開しました。中心の話題は「読者とのエンゲージメント」。私が編集に携わる「Media×Tech」からの1本です。

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