Disruption This Week—–31/5/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年5月27日から2024年5月31日まで。

Early signs show Google AI Overviews won't mean 'dramatic downward dive' for news traffic
検索結果を要約という形式で返す新たな検索機能「Google Overviews」。サイトへの参照トラフィックを劇的に減らすのではとの懸念が高まるが、SEOの専門家は「激減とはならない」との見方を示した。Googleのパートナーシップ担当の幹部も、「過度に要約はしない」と述べる。
どうやら、チューニングレベルで、メディア側の懸念を沈静化させようということのようだ。
AI image misinformation has surged, Google researchers find
Googleや複数のファクトチェック団体の研究者によれば、AIによって生成された偽画像が2023年春以降、急速に拡散、今やテキストやフォトショップのような従来の編集ツールで加工された画像とほぼ同程度に一般的になっているという。
「A Large-Scale Survey and Dataset of Media-Based Misinformation In-The-Wild」との査読前論文で公表。
London Evening Standard to close daily newspaper and launch new weekly
創刊160年を超える英国の老舗日刊紙「London Evening Standard」、日刊を廃止し週刊化を計画と発表。地下鉄構内でのWiFi整備、コロナ禍での在宅勤務の常態化が経営を圧迫と、Paul Kanareck会長が説明。
メタなどSNS大手に広告審査基準の公表義務化へ なりすまし防ぐ - 日本経済新聞
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「30日の論点整理では広告掲載に関する事前審査基準の策定・公表のほか、『日本語や日本の社会・文化・法令を理解する者が十分配置されている』ことも求める。人工知能(AI)による自動審査を実施している場合は、その実効性に関する説明も要請する」。

——いわゆる“著名人を騙る詐欺広告”問題。もちろん、念頭にあるのは、SNSなどを運用する大手プラットフォーマらによる広告内容の事前(掲載中もだが)審査体制の強制化。

HUGE Google Search document leak reveals inner workings of ranking algorithm
Googleの検索ランキングアルゴリズムに関連する膨大なドキュメントが漏洩。3月13日以降Githubにて閲覧できる形になっていた。同社アルゴリズム関連の漏洩はこれが初めてではないという。文書のさまざまな点を専門家が分析しているが、大きなサプライズはない模様だ。
OpenAI's new safety committee is made up of all insiders | TechCrunch
OpenAI、同社プロジェクトと運営を巡る安全性とセキュリティを監督する新しい委員会を設置と発表。だが、この委員会は第三者ではなく、同社CEOであるSam Altman氏を含む社内の人間で構成される。同社は、最近も安全性をめぐり幹部が退社するなどの対立を起こした経緯がある。
「AIと共存すべき」人気声優・梶裕貴 自身の声で自由にしゃべれるAIソフト発売へ 「たくさん悩んで」決断
「梶(=梶裕貴)さんは『当初はソングボイス(歌声合成ソフト)のみの開発にとどめる考えだった』という。だが『プロジェクトに対する大きな期待値を感じ、少しでも音声AIの明るい未来に貢献できるなら』と、トークボイス(声の再現ソフト)の開発を決断した」。

——「AIと敵対するのではなく、共存すべき」と梶氏は考えだそうだ。この種のアーリーアダプターが学んだことを近い将来、開示・共有してくれれば、さらにありがたい。

Big Tech Moves More AI Spending Abroad
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米コンサルティング企業DA Davidsonのアナリストは、AmazonやMicrosoftなどがAIインフラに今年1000億ドル以上を費やすと予想。場合によればさらにそれが増えるとする。経済成長の進ちょくとスループット向上のため、投資が世界へと分散するとも指摘する記事。

米Washington Postの発行人兼最高経営責任者に就任して間もないWill Lewis氏が、集まった社員に向け同氏が「昨年、7700万ドルの損失を出したこと、2020年の最盛期から読者が50%激減したこと」を表明し、再建プロジェクトの概要を説明。新たな有料購読サービスの追加を提唱した。
オープンAIがニューズと提携、WSJなどのコンテンツ表示可能に
「合意の一環としてオープンAIのサービスは、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)、バロンズ、マーケットウオッチなどニューズの出版物に掲載されたニュースを表示できるようになる。オープンAIはここ数週間にフィナンシャル・タイムズ(FT)やドットダッシュ・メレディス、ソーシャルメディア企業レディットなど欧米の主要メディア企業とコンテンツの表示やライセンスに関する契約を結んでいる」。

——大手報道企業から総スカンを食らったかと思いきや、News Corpら最大手となんとか提携にこぎ着けつつあるOpenAI。現在では、良質な英語コンテンツが最大の獲得目標のようだが、これから多言語展開への遠い道筋が待っている。

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