Disruption This Week—–26/6/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年6月22日から2020年6月26日まで。

 

 

米University of North Carolinaジャーナリズムスクールなどの調査「ニュース砂漠とゴースト新聞:地方ニュースは生き残れるか?」を公開。15年の間に米地方新聞の25%が消滅。取り扱うのは新聞だけでなく、公共放送、コミュニティメディアなど広範囲にわたる。

 

 

Google、「News」担当幹部が公式ブログで新たなパートナープログラムとプロダクトのローンチを予告。提携は、まずドイツ、オーストラリア、そしてブラジルのメディアと交わされた。「今年後半」に新たなニュース記事アクセスのサービスを提供するとしている。中途半端な発表だが、たぶん発表を急いだが、肝心要の最大手との調整がすんでいないのだろう。
ブログでは「Googleは、利用可能な場合には、ユーザーが出版社のサイトで有料の記事を読むための無料アクセスを有料で提供する」と複雑な表現。要するにGoogleが、有償コンテンツへのアクセス料金を買い取り、読者は無料でこのプレミアムコンテンツへアクセスできる仕組みを提供するということだろう。

 

 

「ベライゾンが所有するメディア『テッククランチ(TechCrunch)』は、この4月に、有料会員限定の投資家向け質疑応答イベント『エキストラクランチライブ(Extra Crunch Live)』をスタートさせ、同社のサブスクリプションサービスである『エキストラクランチ(Extra Crunch)』を通じて、すでに10回のウェビナーを開催してきた」。

——先の投稿でも述べたように、オンラインイベント(や派生のオンラインコミュニティ)は、これからのメディアの重要なビジネス基軸になっていくと思う。集合形式(まさにイベント)もあれば、仮想的には読者一人ひとり向けのコミュニケーションまで、幅広く捉えて構想するべき時機だと思う。

 

 

Bloomberg MediaのCEOへのインタビューと、同社のメディアビジネスを概観する記事。ペイウォール(購読制)ビジネスについても、高い価格設定と無料表示記事数(購読制であっても広告も表示している)の調整など、なかなか興味深い話題が並ぶ。

 

 

「Safariの新しいトラッキング防止機能はブラウザ上部のアドレスバーの隣に表示され、ウェブを閲覧する際に侵略してくるトラッカーをブロックする。ユーザーはトラッキング防止機能を開いて、プライバシーレポートからページ上のすべてのトラッカーの詳細を閲覧できる」。

——今年秋にリリースされる次のSafariでは、IPA(Intelligent Tracking Prevention)機能をより強化する。ユーザに詳細を見せる仕組みを提供するのだという。
ページに、むやみにビーコンを貼り付けてきたメディアは、なんとなくページ表示が遅い…といった不満が、より可視化された不満へと転化するリスクを意識すべき。

 

 

【全文閲読には要購読】:
「(怪しい情報を見かけた際に)『真偽を調べない方が多かった』と回答した割合はほぼ半数の49.1%。『真偽を調べることが多かった』は30.5%だった。若年層ほどデマヤフェイクニュースを信じる傾向にあったが、真偽を調べる割合は年代が若いほど高い傾向が見られた」。——重要な傾向が見て取れる。情報をさまざまなタイプの“検索”行為から調べていく習慣が身についていると理解すべきなのかもしれない。

 

 

「彼の投稿の中で、熱く語っていたことは、優秀なジャーナリストがたくさんいるにもかかわらず、壊滅的なビジネスモデルにより大量解雇など大きな損失を生んでいると。また、米国での大手新聞メディアの倒産や合併によりローカルメディアの衰退は明らかです。メディア業界の大量解雇の一番の要因のひとつは多くのメディアのマネタイズが広告モデルであること」。

——「個人をエンパワーメントするプロダクト」とある。また、「読者との強いつながりとプロダクト」とも。最近のnoteの快進撃などともつながっている動きに見える。

 

 

【有料購読者向け記事】:
米BuzzFeed Newsや同地方紙のThe Arizona Republicなどがテキストメッセージ(SMS)でニュースを読者に送信する“サービスジャーナリズム”事例を報じた記事。双方向性に大きな特徴を持つ一方で、New York TimesのようにSMSを試行し、その後、その役割をアプリへと移行し、SMSは終了した事例などもあるとする。

 

 

米Bloomberg News、テクノロジーとツールの統合チームのトップおよびプロダクトマネージャにMonique White氏が就任したことを発表。同氏が機械学習を活用し、ニュースを伝える取り組みを推進し同社の報道をより速く、よりスマートにするプロジェクトに取り組んできたとする。編集主幹がニュースをコントロールするのは当然だが、ニュース全体を技術の側から進化させるために、「プロダクト責任者」が必要になっている象徴的な事例。

 

 

TikTok、様々な要素の“透明化”を進めている。今度は、「おすすめ」フィードに表示されるコンテンツをめぐるアルゴリズムについて、自ら解説。「ユーザとのインタラクション」「動画についての情報」「デバイスとアカウント設定」が、主要なポイントだとする。

 

 

【ご紹介】:
月一の連載コラムが日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ 躍進「ディズニー+」日本での死角 得意の組み合わせ販売できず

 

 

【ご紹介】:
世界のファクトチェッカーが集まる年次会議のGlobal Fact」。今年はオンラインイベントで開催。3日めには、アジア・中東のファクトチェック団体のリーダーがディスカッション。日本からはFIJの立岩氏が登壇、発言をした。

 

 

【ご紹介】:
私も編集に携わる「Media×Tech」から新たな投稿。ユニークなメディアビジネスの奮闘を紹介しています。

Disruption This Week—–5/6/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年6月1日から2020年6月5日まで。

 

 

「『ソーシャルメディアは”真実の裁定者”になるべきでない』とするザッカーバーグ氏。『”真実の裁定者”などではない。選挙に関する不正確な情報を指摘していく』と述べるドーシー氏。
問題コンテンツへの対応は、2社だけの課題ではない」。——とても重要な事象について、平和博さんが状況を整理。

 

 

「筆者は仕事柄、講演会やトークイベントの運営をサポートする機会が多い。その試行錯誤の中で見えてきた、初心者に使いやすいツールや手法を、いくつか比較して紹介する」。

——何回かこの比較記事を紹介してきた。今回はいよいよ「完全版」らしく、実践的かつ痒いところに手が届く内容。

 

 

米ニュースメディアの間では、パンデミックの脅威に際し、読者に質問を募り、メディアから回答する“読者フィードバック型”記事スタイルへの模索が広がる。不安や疑問の募る時期、読者とのエンゲージメントを高めるトレンドとして事例を紹介する記事。

 

 

独自のスタンスから、長く購読者制を採用せずにきた英The Guardian。その一方で、読者に“登録制”を求める施策を強化中。同メディア最高技術責任者との会話では、テストを通じてグロースポイントを発見したとし、登録制の“壁”を強化する動きが加速していると記事は述べる。

 

 

「例えば、ある部分ではメンバーのことを考え、ある部分ではオーディエンスのことを考え、ある部分では顧客のことを考え、プロダクトデザイナーやエンジニアはユーザーのことを話していました。言葉が違っていても、みんな同じ人のことを言っているのです」。

——米Wall Street Journalで、最高ニュース戦略担当兼最高プロダクトおよびテクノロジー担当者に着任したLouise Story氏に聞く記事。同氏はWSJで進行中のデジタル改革「DXS」を統括する。

 

 

「業界で人気かつ評判も高いものといえば、Blue microphones(ブルーマイクロホンズ)のマイクでしょう。たとえば、130ドル(約1万4000円)のYeti(イエティ)や、100ドル(約1万800円)のYeti Nano(イエティナノ)。空いているUSBポートに直接プスッと差し込んで使えるもので、なかなかの音質が得られます」。

——Zoomのメディア化が進んだが、並行してポッドキャストもブレークすべきでは? Zoomのような会話型でなく、勝手なことをしながら“あの人のあの話題”を聴きたいというのには、ニーズがある。Zoomでカメラ、マイク、証明などに凝るより、安価に始められそう。

 

 

「Microsoftが、同社MSNニュースのために雇用していた数十人の編集スタッフと契約を更新せず、AIにそれらの業務を代行させることが明らかになった。…AIを用いたコンテンツの取捨選択のアルゴリズムにめどが立ったことで、編集スタッフの契約終了に踏み切ったとみられる」。

——高度に人間的な業務であるはずの編集職を、AIによって置き換えられた事例と言うべきか。

 

 

「ヤフーは6月1日、『Yahoo!ニュース』コメント欄の健全化に向けて使用しているAIを、外部の事業者に提供する方針を明らかにした。ヤフーでは現在、深層学習を用いた自然言語処理モデルによって、個人への誹謗中傷などの悪質なコメントを検知し、1日に平均で約2万件を削除している」。

——重要な動き。ファクトチェックもそうだが、社会に共通して生じている課題を、各社内だけに閉じられた対策を実施するのは、損失。各社は責任をもって対策を実施すべきだが、それを社会の動きにも開いていくことが望まれる。

 

 

Facebookのターゲティング広告を活用して、自社メディアの購読者を獲得する手法の解説。汎用性の高いマーケティングファネルを用いた概念説明で理解しやすい。ポイントは、自社メディアへの見込み購読者と新規来訪者を効率的に選別する、“(ファネルの)入り口”部分の設計だ。

 

 

「TRCの電子図書館サービスは全国276館に導入されているようだが、3月期の貸出は4万5100件、前年同月比255%増、4月貸出は6万7000件、同423%増となっている。
これらがコロナ禍の図書館の光景をいえるが、書店や古本屋だけでなく、コロナ後の図書館もどうなるであろうか」。——在宅業務期間が続く中、切実に図書館の再開を望んできたが、電子貸し出しサービスは順調に利用を増やしたらしい。こうなってくると、図書館の今後は“箱”ではなく、継続可能なサービスの一層の開発になると感じる。

 

 

【ご紹介】:
私もその推進に携わるファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)、理事兼事務局長の楊井さんが、「ファクトチェックとは何か?」など基本的な問いに答えました。➡ 今求められるコロナ禍でのファクトチェック FIJ事務局長楊井人文インタビュー

Disruption This Week—–27/3/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年3月23日から2020年3月27日まで。

 

 

「Mozilla(モジラ) は、Firefoxブラウザに組み込まれたトラッキング保護機能と、Scrollによって提供される広告のないブラウジング体験を組み合わせた、Firefox Better Web with Scrollと呼ばれる新しい取り組みを発表した」。

——両社が調べた結果(記事で紹介されている)、消費者は広告を気が散るものと見ている、パブリッシャーをサポートしたいと思っており、広告ブロックに否定的、非営利団体の取り組みに好感している。鵜呑みにはできない要素はあるが、消費者の意向から目を背けないようにしたい。

 

 

英Financial Times、プライベートメッセンジャーアプリTelegramを使い、読者に新型コロナウイルス関連の掘り下げたニュースを、平日3本まで提供。FTは極めて厳格なペイウォール制を敷いているので有名だが、このサービスは無償だという。

 

 

英BBC、1月に発表したばかりの2022年内までに450名削減というリストラ計画を、中断。コロナウイルス禍でのニュース需要に応えるためと、同社トップのTony Hall卿が、スタッフらに向けアナウンス。
パンデミック下でのメディアの生態系は、リストラ、賃金引き下げがある一方、サブスク購読者が伸びたり、雇用削減が一転、この記事のように雇用を維持するなど、混沌のありさまだ。

 

 

「ウイルス感染状況が特に深刻な国の多くで、メッセージ利用が先月50%以上増えた。イタリアではメッセージアプリを使う時間が70%増えている。
また、3人以上が参加するグループでのやり取りは、イタリアで先月1000%超増えた」。——この時期、Facebookは、コミュニティ活動というよりメッセージングで躍進中ということらしい。

 

 

米国では新型コロナウイルス禍は、新興メディアにも甚大な影響へ? BuzzFeedは、多くのスタッフの給与を段階的に引き下げを行うと、スタッフ宛てにメール。削減幅は、低給与者には軽く、幹部級には重く割り当てるという。

 

 

「そもそもインターネット広告費の中心を占める、『検索連動型広告』は日本ではGoogleとYahooが寡占している市場だと言われていますし、『ソーシャル広告』はYouTubeやツイッター、Facebook、LINEなどのプラットフォーム企業に落ちる広告費」。

——全体に納得感がある。が、やはり数字については、厳密に分かっていない点が多い。ディスプレイ型広告でも運用型であるケースが大きくなっている(純粋の手売りはもっと小さい可能性がある)、一方で、アドセンスでは媒体社に対して還元される。徳力さんが書かれているより状況は深刻だという理解も、逆にマイルドだということもあり得そう。

 

 

2016年に印刷版を完全に廃止、オンライン専業に徹転じた英「the Independent」が3期連続で黒字。16年以降の売上は倍増。会長John Paton氏が興味深い意見や事実を説明。成功の最大要因は「印刷コストをなくしたこと」。また、ペイウォール制を敷くが、広告が最大の収入源であることは、チャートでも分かる。

 

 

Digiday Research、米国の95メディアの幹部に今週尋ねた調査を公表。それによれば、88%のメディアが今年の売上計画を下方修正せざるを得ない状況に。4割近くがレイオフも計画。

 

 

「過去2年程度をかけて進めてきたこの取り組みは、これまで紙の新聞の発行スケジュールに合わせてきた記事の出稿・編集作業を、電子版に読者が集まる朝、昼、夕のピークタイムに合わせるというものです」。

——新聞の長い歴史を背負った仕組みを変化させるには、大きなエネルギーを伴っただろう。

 

 

米国では、多くのメディアが新型コロナウイルスをめぐる報道や対策情報で、大幅なアクセス増を稼いでいるが、ブランドセーフティ対策で使われる広告監査サービスが、コロナウイルス関連キーワードやイメージのある記事を一様にブラックリスト化してしまい、収益につながらないとメディアの不満が噴出。

 

 

【ご紹介】:
日経MJでの月一連載が、日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ 働き方が10年先へ!? 遠隔会議、アバターで議論沸く

 

 

【ご紹介】:
「ニュースは、新しい気晴らし」。米Axiosが「ニュース」メディアやアプリへ需要高まっていることをデータで説明しています。SmartNewsのダウンロードもこの風を受けてか急増しています。

 

 

【ご紹介】:
新型コロナウイルスへの情報需要が高まる米国で、ニュースアプリの「SmartNews」と「News Break」がダウンロードを急増させていると、アプリ関連データ調査のApptopiaが述べています。

Disruption This Week—–14/2/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年2月10日から2020年2月13日まで。

 

 

スエーデン発“雑誌のSpotify”「Readly」。2012年サービスイン以降、世界50市場で提供され、月額8ポンド(1200円弱)のアプリだが、2019年には5,000タイトルの雑誌を配信し、8,300万回読まれたとの実績。そのReadlyが各種統計をリポート。“雑誌はまだまだいけるよ”という趣旨。

 

 

動画ストリーミングが、その視聴者数、視聴時間、広告市場とともに勃興している。だが、その主なプラットフォームは「TV受像機」上だ。モバイル機器などをはるかにしのぐ。
また、広告市場はFacebookインストリーム広告などに偏しており、ネイティブな市場には遠いとする調査(調査自体は昨年3月とやや古い)。

 

 

「Synthesiaは既存の映像をベースに、ディープラーニング技術を用いたディープフェイクとも称される手法で、映像の人物に、オリジナルとは異なる言語や言葉を喋らせることの出来る技術を開発しています。これにより、単一の映像を複数言語に対応させたり、ターゲットに合わせてパーソナライズされたスクリプトを喋らせる事が出来るようになります」。

——いわゆる“アフレコ”的な利用法に期待がされているようだ。複数の影像を撮り分ける必要がなくなる。

 

 

NYTに続き、購読者を200万人台とした米Wall Street Journal。その発行人は、“偽情報がまん延する時代、読者に対して「事実」情報を届ける”ことが大切とする。さらに、読者一人ひとりにフォーカスするためのパーソナライゼーションなくては、メディアは亡びると述べる。

 

 

「Our.Newsのラベルは、FirefoxかChromeの拡張機能、またはiOSで使える。このラベルには、Freedom Forumによるパブリッシャーの説明、AllSidesによる偏向評価、記事の情報源、著者、編集者に関する情報、PolitiFact、Snopes、FactCheck.orgなどの情報源によるファクトチェック情報、『クリックベイト』や『風刺』などの分類、ユーザーの評価とレビューといった情報が含まれる」。

——既に紹介してきた「NewsGuard」のアプローチに近いもの。記事やメディアごとのメタ情報を整備して、ブラウザ拡張を通じて表示するもの。

 

 

Craig Silverman氏ら米BuzzFeed調査報道チーム、少なくとも2015年から複数のローカルニュースメディアを仮装した大規模な詐欺メディアネットワークを同定。その手口や「創業者」らも明らかにした。詐欺メディアネットワークは、Google検索やGoogle Newsも欺いてきた。

 

 

ローカルニュースメディアでは、ペイウォールは機能しない。良質なコンテンツと良質な広告モデルによってこれらは維持されると、自ら80以上のローカルニュースメディアを傘下に持つ企業家Michael Shapiro氏が説く。重要な情報が地域住民に届かなくなるリスクも指摘する。

 

 

あるWebデザイン会社が整理したインフォグラフィック。Webサイトを通じたビジネスの“成功”モデル(コンバージョン)の類型は、7つに整理できる。登録、アカウント作成、購入、ダウンロード(インストール)など。それら目的に沿ったデザインと整理が必要というわけだ。

 

 

「アマゾンは、2012年以来 KDP Global Fundが著者に支払った金額累計が11億ドルに達したことを明らかにした。Kindleエコシステムを出版界に構築したことを数字で表したものと言える。2019年の『年間3億ドル』という発表とともに、出版社によらない、Kindle/デジタル・オリジナルの市場が不動のものとなったことを実証した」。

——壮大な議論だが、首肯させる点がいくつも。自分は「Kindle Unlimited」サービスを購入していないが、“良い放題”が確かに、出版エコシステム刷新の究極の一手なのだと思い始めている。

 

 

米新興メディアのなかで異彩を放つ「The Information」。2016年創業から、広告ビジネスに背を向け年間購読料約400ドルを守りたちまち黒字化。2020年には売上2,000万ドルの見通しを立てる。WSJ出身の創業者Jessica Lessin氏がNYTに語る創業前後からのストーリー。(衝撃的なのは、記事中にスタッフ男性と打ち合わせする写真があるが、男性はWSJ当時の上職編集者で、今は彼女の部下だという)

Disruption This Week—–18/10/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年10月15日から2019年10月18日まで。

米Washington Postで、自社技術の開発とその販売を所管するvpのJarrod Dicker氏へのインタビュー。同社の内製CMS「Arc Publishing」、アドエクスチェンジ「Zeus」などを推進するが、現在開発資源を投入しているのが、プライバシー保護を基盤に据えた先進機能(たとえば、look-alikeモデルなど)だという。
世界的なメディア企業団体FIPPの最近の調査で、ミレニアル世代の8割近くは、欲している体験であれば、支払うことをも顧みないとする結果を公表。記事はデジタル体験がコモディティ化したために、得がたい実体験に向かうトレンドを“エクスペリエンス・エコノミー”と呼ぶ。
「AI21の共同創業者であるヨアブ・ショハム氏はインタビューに対し、プロパガンダマシーンなどこうした次世代型のツールは対象とする視聴者に受けるほど十分に政治的文脈を取り入れることができないため、効果は限定的だと話した。ショハム氏によると、AIは一見、本物に見える記事を作成できたとしても、例えば、2人の政治家の間の対立の変化を理解して、どちらかの評判を微妙に傷つける偽記事を作成することはできないという」。

——記事は、AIが生成した記事風の情報は、十分に人が信頼できる公平性のレベルに達しているという成果と、引用箇所のように不自然なものを感じさせるレベルと両義的な評価を与える。“信じたがっている”人々にとっては十分に信じるに足る記事を生成できるということだろう。

【有料購読者向け記事】:
「CCPAは『年間売上高が2500万ドル(約27億円)超』『5万人以上の州民の個人情報を処理』『年間売上高の50%以上を個人情報の販売で得ている』――のいずれかの要件を満たす営利企業が規制の対象となる」。

——GDPRと同様、「州内に事業拠点があるかどうかにかかわらず」適用されることに注意したい。

多くのメディアが、購読制(サブスクリプション)に目を向けているが、定期的な支払モデルを読者が受容するのはハードルが高いのも事実(調査結果もある)。それに対して、購読者の心理的ハードルを下げるモデルとして、1回限りの支払モデルで補完すべきとの興味深い議論。
米Wall Street JournalのR&D担当リーダーが自ら解説する、WSJが、機械学習やディープラーニングを、どう編集業務に生かしているか。貴重な記事。蓄積した膨大な過去記事と閲読履歴を組み合わせて、同メディアがカバーした分野、読者の求める結果とのマッチングなどを可視化する。
SafariやFirefoxが、サードパーティCookieを受け入れなくなったり、ファーストパーティCookieの保持期間を切り詰めると、メディアは広告ビジネスだけでなく、アフィリエイトビジネスにおいてもダメージを受けるとの解説記事。
英Economist、5年で購読者収入を5割増に。Instagram動画小説、エッセイコンテスト、スポーツ解説など“毎週のように、実験的試みから学んでいる”とする。

Google’s Media Takeover

Google Transparency Project

NPO「Google透明化プロジェクト」、Google(や関連基金)による報道メディアへの拠出金が、5億ドルにも及ぶこと、欧州中心の支出から近年急激に北米へとシフトしていること、それらが政府による規制の動きと関連していることなどを発見。これを「Googlenによるメディアの乗っ取り」と呼称。
【有料購読者向け記事】:2018年に比べて、数々のネットメディアが、サブスクリプション購読者を獲得するため、2019年に有償マーケティングを強化しているとの記事。米Washington Postでは倍増という。皮肉にも多くがFacebookやGoogleにその広告費用は支払われている。また、大手メディア各社は、同時にCMO(マーケティング責任者)を精力的に採用しているともいう。
【ご紹介】:
私もサポートしているJIMA(インターネットメディア協会)が提供するリテラシー講座。2回目が開催されます。今回は一般の方向けです。会場はスマートニュースです。