Disruption This Week—–17/6/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年6月12日から2022年6月17日まで。

Facebook looks ready to divorce the news industry, and I doubt couples counseling will help
「Facebookはニュース業界との離婚の準備ができている」。
同社が業界に大金を払い続け大手メディアとの関係を保つ意思はないだろうとするオピニオン。2022年第1四半期、閲覧された投稿コンテンツでニュースへリンクを持つは0.4%に過ぎないという。愛情が冷めるのは明瞭だ。
「大変です」食べログ点数、突然の急落 評価の秘密に自力で迫った:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「実際に点数を算出しているのは、独自の『アルゴリズム』だ。
大量のデータを処理するのに使う計算手順のことで、検索サイトや買い物サイトなどはアルゴリズムを使って表示順位を決めたり、点数をつけたりする。
例えば検索サイトはこれを使い、膨大なウェブページの中から、利用者に関連が高いと思われる結果を表示している。
任さんは、ネットに残る記録をもとに点数の変化を独自に調べた。
すると、食べログ内で『チェーン店』とカテゴリー分けされている店ばかり、点数が下がっていた。
『チェーン店の点数を一律に下げるアルゴリズム変更があった』との仮説が立った」。

——アルゴリズムとその影響をめぐって明瞭な判例が出たのは珍しいのではないか。それだけプラットフォーム的パワーを持つサービスに対する世の中の視線が厳しくなっている。この判決では、訴訟の提起者が自らの労力でアルゴリズムのロジックを解析した。今後、そのような提起者側の能力が努力が求められるのか否かも重要なポイントだろう。

How Facebook plans to become more like TikTok
米メディアThe Verge、Meta社幹部の社員宛てメールを公開。それによれば、TikTokの優勢に抗して同社はFacebookのフィードアルゴリズムを改修する。TikTokがソーシャルグラフに依らない投稿の推奨を行っていることに倣う仕組みを採用。また、メッセージング機能も改変する。
Spotify、コンテンツ管理に関する安全諮問委員会を設立--偽情報対策の一環で
「Spotifyは米国時間6月13日、オンラインの安全性に注力する専門家と組織からなる安全諮問委員会を新設したと発表した。この委員会のミッションは、クリエイターの表現を尊重しつつ、『Spotifyが安全な方法で自社のポリシーと製品を進化させるのを支援すること』だ」。

——Facebookでも社外の有識者らを招いた最高レベルのボードによるコンテンツモデレーションに臨んだ経緯があるが、社内からの声も関与するなど、機能不全が指摘されている。Spotifyではどうか。このような対応が動き出したことを率直に評価し、注意を払っていく。

Overview and key findings of the 2022 Digital News Report

Reuters Institute for the Study of Journalism

Overview and key findings of the 2022 Digital News Report
例年行われる注目のオンラインメディアとジャーナリズムをめぐる調査「Digital News Report」2022年版が公開。各国において、ニュース接触における主たる経路にスマートフォンが位置し、TikTokやInstagramなどのビジュアルフォーマットのニュースへの利用が進む。同時に、ポスト・コロナで退潮するニュース需要と、ウクライナ侵攻という大事件がありながらも、各国で「ニュースの選択的忌避」現象が生じていることを特筆する。
Spotify is acquiring AI voice platform Sonantic – TechCrunch
つい先日、音楽、ポッドキャストに続き、オーディオブック市場への挑戦を宣明したばかりのSpotify、映画「トップガンマーヴェリック」ヴァル・キルマー氏の合成音声にも使われているAI合成技術を有する英Sonantic社を買収。いかにものタイミングだ。
A Chart of People on the Move at Creator Startups
【有料購読者向け記事】:
“クリエイターエコノミー”分野におけるスタートアップ企業各社間でのシニア人材の移動。Twitter、Meta、Cameo、Clubhouseなど有名どころからの流出が目立ち、TikTokはじめ新興系への流入が増。今年1月以降の動きをThe Informationが整理した。
偽情報の拡散はIT企業の責任--研究機関の専門家らが指摘
「アスペン研究所で情報の無秩序に関する委員会の共同議長を務める3人の専門家は、ニュースを得るためにソーシャルメディアに目を向ける人が増えていると述べた。TwitterやFacebookなどのプラットフォームは正当なニュースソースを提供しているが、その一方で嘘や陰謀論が確認されないまま拡散し、多くは無意識のうちにそうした情報に触れる人々の意見を形成する事態を許してしまっている」。

——「Commission on Information Disorder Final Report」で公表された勧告に基づくスピーチ。大手企業の責任と地域のメディアへの支援という2つの義務を明瞭に表現したもの。

5 tech giants own over half the global ad market
世界的な広告代理店GroupM、恒例の広告市場予測を発表。それによると、世界の広告市場はトップ5社により市場の半分(53%)が占められ、かつ、昨年比でその度合いを高める。広告主のほうはトップ25社が7割強を占める。2022年の広告市場全体の成長はやや弱まるとも予測。
米Wall Street Journalが、今日(13日)にも製品レビューサイト「Buy Side」を開設とAxiosがスクープ。New York Times運営「Wirecutter」に対抗する試み。WSJサイト内に設けられるが、閲覧無料とビジネスモデルが異なる模様。編集チームは、WSJ本体と完全に分離するという。開設時には250製品、50本の記事を扱うと、詳しい報道。公式リークのようだ。
【ご紹介】:
Media×Techからちょっとした変化球的新着記事です。「出版業界ニュースまとめ」を平日、週末関係なく配信する 古幡 瑞穂 さんと、光栄にも「対談」をさせてもらいました(編集部スタッフの企画です!)。どうぞご一読下さい。
有料動画配信の成長に黄信号、Netflix会員数20万人純減(写真=ロイター)
【ご紹介】:
日経MJ紙での連載記事が日経電子版に転載されました。よろしければどうぞ。➡ 有料動画配信の成長に黄信号、Netflix会員数20万人純減

Disruption This Week—–4/3/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年2月28日から2022年3月4日まで。

TikTok、米国の州司法長官が子どもへの悪影響を調査
【有料購読者向け記事】:
「州司法長官のグループは2日、共同声明で『全米の司法長官は本日、ティックトックの調査に加わった。子どもや若者へのこのソーシャルメディアの提供・宣伝が心身の健康への悪影響と関連しているかを調査する』と述べた」。

——第一報レベルなので、続報が必要だが、Instagramに向けられた調査の意向と連続するもの。子どもや若者をめぐっては、米国の政治家は敏感に行動する。

Bellingcat's Grozev on Investigating Russia's Invasion of Ukraine
オープンソース情報分析による調査報道のBellingcat。中心人物の一人Christo Grozev氏がロシアのウクライナ侵攻と、データを手にしたジャーナリストの仕事を語る。データと分析力を手にしたジャーナリストの役割は、かつての戦争報道と決定的に異なるものとなったとする。重要な指摘がいくつも盛られた重要なインタビュー。
音楽配信は4年連続2ケタ成長 ストリーミングはダウンロードの5倍強に
「(音楽配信売上の)800億円超えは11年ぶり。市場をけん引したのはストリーミング配信だった。
21年は前年比126%増の744億円とストリーミングが伸長し、音楽配信売上の区分別シェアでは約83%を占めた。『主要カテゴリとしてさらなる成長を遂げた』という」。

——世界の音楽ビジネスは、近年かつてない成長を遂げたが、日本でもそれを追うような軌道に。もちろん、その立役者はストリーミングの潮流だ。

U.S. vs Russia for the future of the internet
インターネットの統治をめぐり、中国・ロシア勢と米国の闘いが進行中。国連の専門機関であるITU(国際電気通信連合)の次期指導者に、米、そしてロシアから対抗馬。ロシア・中国勢はネット標準やプロトコル策定に政府がより強い影響力を持つべきと主張しているとする記事。
反ウクライナの主張を繰り返すSNSアカウントは偽物でプロフィール画像もAI製、さらにそのフォロワーもニセのAI製だったことが明らかに
「ニュース編集者・航空技術者・科学出版物の著者などを装った架空の人物になりすましたアカウントや、架空の報道機関を装ったアカウントを用い、反ウクライナのフェイクニュースを報じています。架空の人物になりすましたアカウントのプロフィール画像には、敵対的生成ネットワーク(GANs)などの人工知能(AI)関連技術を駆使して生成されたプロフィール画像が用いられていると指摘されています」。

——やはり出てきたディープフェイク系の欺瞞工作。NBC Newsの記者が詳細に、そのAIによる合成画像の見破り方を解説。示された女性の写真ではイヤリングを、男性の写真では耳の形状が注目点だという。大手メディアにもこのようなノウハウが蓄積されてきているようだ。

Denver is NewsBreak’s “test market” for original local news on a national app
米国内でローカルニュースに力を入れる「NewsBreak」が、デンバー州をテスト市場に、フルタイムおよびパートのジャーナリストと専任の編集者を雇用。オリジナルニュースの配信に取り組む。同社は全体で1,400人の無給の記者をネットワークし、クリックベースで支払をしている。
ヤフー、デマや誤情報にだまされない力を測る「Yahoo! ニュース健診」公開
「問題は桜美林大学リベラルアーツ学群の平和博教授(メディア・ジャーナリズム)が監修。記事例の中に不審な点がないか、どうすれば信用に足る記事になるか、怪しい情報を見たときにどう行動するべきかをチェックする。
獲得点数に応じて受診結果を3段階評価。『見だし釣られ傾向』『突発性シェア衝動』などの弱点を提示する」。

——これから取り組んで見る。

Insider has a new audio show that combines the immediacy of radio with the convenience of podcasts — here's how the tech works
米Insider、“ラジオのようなリアルタイム(速報性)とポッドキャストの利便性”を提供する、新たなオーディオ配信技術を用いたコンテンツチャンネル「Refresh by Insider」を提供する。ポッドキャストの挿入広告の技術を応用したという。ポッドキャストアプリに配信する。
出版状況クロニクル166(2022年2月1日~2月28日) - 出版・読書メモランダム
「弓立社の最初の出版物である吉本の『敗北の構造』は忘れられない一冊だし、宮下(和夫氏)もまた近代出版史の掉尾を担った一人だったといえよう。
報道もされていないので、まだ彼の死は知られていないと思われるが、謹んでご冥福を祈る」。

——私にとっても、『敗北の構造』は忘れ得ない鮮烈な書物だった。神保町近くの小さな出版社に勤務していた自分は、ラドリオやミロンガなどのある裏道に、自分の書肆を営みたいとの願望を持ったことがあったな。

電子コミック市場、前年比20%成長で過去最高に コロナ、縦スクロール漫画で需要増
「電子コミックのシェア拡大の理由については『コロナ禍の自粛生活で拡大した新規ユーザーがそのまま定着して電子コミックを購入、さらに「縦スクロールコミック」が漫画を読んでこなかった新たなユーザーを掘り起こしている』」。

——チャートと数表を見ていると、電子版コミックスが書籍版を凌駕したのが、2019年だったことがわかる。書籍版では大ヒット作が次々誕生しながらも(加えて、盗用サイトの跋扈もありながら)、力強く成長しているのが見て取れる。単にスマホの普及と同期しているのではなく、革新的なフォーマット誕生の影響を見るべきということなのか。

アウラの奪回とパブリッシングの拡張 メディアヌップ#6
【ご紹介】:
同僚の佐々木さんが、自身のニューズレターで拙稿に言及してくれました。
スマートニュース、米国事業の成算 現地幹部人材が支え
【ご紹介】:
SmartNewsによる世界への挑戦を、出発点から詳細に紹介してもらいました。2014年にサンフランシスコでのユーザインタビューに参加したころを懐かしく思い出します。

Disruption This Week—–3/12/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年11月29日から2021年12月3日まで。

How Future's fortunes changed to reach £108m profits - Press Gazette
大躍進中の専門メディアの集合体である英メディア企業Future PLCについて、1日に紹介したが、同じPressGazetteがその躍進のヒストリーを詳細にわたって解説した記事。次々と手がける買収が顕著に成長に寄与していることがわかる。
How researchers used decades of Wall Street Journal articles to predict stock market returns
米経済紙「Wall Street Journal」の記事を約30年間分・80万件の全文分析から、株式市場の平均的な変動の25%を予測できと、「全米経済研究所」がその研究を公開。
簡単に言えば、「市場が上昇または下降する理由の大部分は、WSJlで議論されていることによって捉えられる」のだそうだ。いろいろと面白いことが示唆されている記事。
Why publishers must shift their focus from business to audience needs
「例えば、『今月は100万PVを達成した」と言うのではなく、それが何を意味するのか、なぜ重要なのかをチームに説明しよう。同僚を読者のように扱い、ストーリーを彼らに興味深く、関連性のあるものにするのだ」。

——欧州で最近開催されたオーディエンス分析のイベントでのスピーカーの発言。「コンテンツ中心からユーザー中心への切り替えには慣れが必要で、多くのジャーナリストにとっては不慣れな領域だ」とも。

メタバースで不動産ブーム、史上最高額再び更新
【有料購読者向け記事】:
「この投資にはリスクも伴う。市場が低迷しても、大抵ある程度の価値を維持できる実際の不動産とは異なり、バーチャルな不動産の価値は、その仮想世界が廃れ、人々が訪れなくなれば、ゼロになる可能性もある。また、暗号資産の乱高下による影響も受けかねない」。

——すでに紹介したことのあるトレンドだが。依然としてその熱は冷めずに昂進を続けている。これこそバブル現象もいいところだが、先取りして勝ち逃げすれば良いと考えている事業者が多いのだろうか。

Streaming Services to See 150M Cancellations Next Year as Churn Heats Up, Deloitte Predicts
調査会社Deloitteが「テクノロジー、メディア、通信(TMT)」に関する2022年の市場予測を発表。さまざまな分野をカバーするが、なかでも有料ストリーミングサービス市場における巨大な退会トレンドを予測。22年の米国における解約率は38%(!)にも上るという。
Twitter bans sharing 'private' images and videos without consent | Engadget
Twitter、ユーザの個人情報保護の範囲を拡大。投稿された写真、動画などについて個人の了解なく共有するなどの行為に厳格に対処することに。最悪の場合、アカウントの永久停止も。一方、公益性に基づくなどのケースでは許容余地も認めるという。
出版状況クロニクル163(2021年11月1日~11月30日) - 出版・読書メモランダム
「フライヤーは出版社や著者の許諾を得たビジネス書を10分ほどで読める分量に要約し、ウェブやスマホ上で配信している。月額2200円のゴールドプランだと2600冊が読み放題となる。主な利用者は30~40代で、現在の累計会員数は86万人、法人採用は410社を超えている」。

——書籍のダイジェストサービスにどれぐらいのニーズがあるのか、知りたいと思っていたところ、この情報。微妙な規模だ。さらに、法人からのニーズをどう読むべきなのか検討。

「漫画村」の4倍規模 違法漫画サイトへの月間アクセス数は4億目前に ABJ調査
「タダ読みされた出版物の被害金額を試算可能な範囲で算出したところ、2021年1月から10月までで7827億円となり、20年の年間被害額である約2100億円を大きく上回っているという。出版業界の諸問題を科学的に調査する出版科学研究所によると、漫画の紙と電子の正規市場の20年の合計金額は、6126億円だったとしている」。

——試算の詳細な手法を確かめていないのだが、この発表によるならば、指摘されている盗用コンテンツから生じている収益が、正規市場で生み出された収益を上回っている可能性があるという。21年(今年)の驚くべき伸長。

A New Publishing Platform for Comic Books Will Give Creators a Greater Stake
米Reddit創業者Alexis Ohanian氏らのVCが出資する、コミックに焦点を当てたパブリッシングプラットフォーム「Zestworld」の話題。コミックス作家らが継続的に収入を得られるように開発。2022年初にもサービス開始をめざすという。すでにSubstackもこの分野を対象にした動きを見せている。
Google、「プライバシーサンドボックス」で独立監視者任命を約束
「英政府競争規制当局の競争・市場庁(CMA)は11月26日(現地時間)、1月から独禁法違反の可能性を調査中の米Googleの『プライバシーサンドボックス』の取り組みについて、Googleから改善したコミットメントを受理したと発表した」。

——GoogleがサードパーティCookie廃止にともなって、開発していた代替技術「プライバシーサンドボックス」。Chromeへの実装が遅れていた理由と、その改善の目途が立ったということに。広告界に新たな動きが生じそうだ。

Disruption This Week—–22/10/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年10月18日から2021年10月22日まで。

Google Launches 'Google for Creators' Platform to Provide Guidance on Digital Content Strategies
Google、“クリエイターエコノミー”のための総合支援サイト「Google for Creators」を公開。クリエイターが自らの存在感を高め、それを収入に換えるためのコンテンツ戦略、ヒント、技術的Tipsなどを整理して提供するものだ。
この8月に米Politicoを買収することを明らかにした独Axel Springer。そのCEO、Mathias Döpfner氏の舌禍事件(WSJが同氏発言を報道したことはすでに紹介した)が、Politicoスタッフから大きな反感を招いている。Döpfner氏はPoliticoスタッフへの弁明集会を開催するはめに。
ポイントは、Politicoの記事有料化(ドイツ人でありながらペイウォール=壁という語を用いた)を勝手に宣言したこと、PoliticoはEUにおけるAxel Springerの方針に従うべきことなどをぶち上げたことに加えて、(これが大きいと思えるが)Politico買収交渉の過程で並行してAxiosとの交渉も進めていたことが明らかになってきた。Axios創業者は、Politicoの創業メンバーであり喧嘩別れのようにして飛び出た人物だったのにもかかわらずだ。
70ドル以下で手に入る攻撃ツール、Microsoftがサイバーセキュリティレポートを発表
【全文閲読には要購読】:
「・サイバー犯罪のサプライチェーンは(個人ではなく)犯罪組織によって構築される場合が多く、成熟化が進んでおり、誰もがサイバー犯罪のための道具を購入できるようになっている
主なサイバー犯罪サービスの平均販売価格は次の通りだ。最も安価なランサムウェアキットであれば、66ドルから入手できることが分かる」。

——年次リポート「2021 Microsoft Digital Defense Report」から。一言で言えば、サイバー犯罪は、産業化が進展して非常に安価、手に入りやすくなっている。

Facebook is planning to rebrand the company with a new name
Facebookは、早ければ来週にも会社名を変更、FacebookやInstagram、WhatsApp、そしてOculusなどを子会社に持つ親会社という構造へ変わろうとしていると、the Vergeが関係者からの情報として報じた。CEOのMark Zuckerberg氏が夏に行った発言「メタバース企業への変身」への道のりが具体的に始まった。
「misinformation」と「disinformation」、ネットに氾濫するディスり情報
「misinformationが発信者の意図を問わない客観的な表現なのに対し、disinformationは一般的に、悪意を伴う(と受け止める側がみなした)偽情報を指す。『dis』は反対や否定を意味する接頭語。英語で『disrespect』と言えば、敬意の反対、つまり相手をばかにしたり侮辱したりする意味になる」。

——私も理事として参画しているFIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)でも、「ミスインフォ」と「ディスインフォ」を使い分けるようにしている。さらに「フェイクニュース」という用語は他者の言論を否定する際に多用されることを念頭に、原則として使わないようにしている。

How A/B testing can (and can’t) improve your headline writing
米Northwestern大の研究者、サイト分析のChartbeatの協力の下、293メディア・14万件超の記事タイトルのA/Bテストデータを分析。機械学習を試みたが、どんな記事タイトル作成法が優位か成功法則は得られなかったと解説。読者が何をクリックするかジャーナリストの手には負えないとのことだ。
Facebook to Hire 10,000 Workers in EU to Build Up ‘Metaverse’
【有料購読者向け記事】:
Facebook、公式ブログで、今後の5か年かけて“メタバース”関連技術に従事するエンジニアらを1万人をEU域内で採用すると発表。野心的な計画だが、この発表はEU域内における同社をめぐる厳しい論調を意識したものとも見られるとも、記事は解説。
米議会では超大手プラットフォームの振る舞いを制限しようと「通信品位法230条」の免責を制限をめざす「悪意あるアルゴリズムに対する正義」法案が、学者やテック企業の支援を背景とする団体などからの猛反対に直面している。記事はこの攻防を解説するもの。
How TikTok Is Changing YouTube
【有料購読者向け記事】:
TikTokに脅かされるYouTube、1年前に開始したTikTok似タテ表示短尺動画「Shorts」に注力中との記事。プロにShortsの制作を募ったり、優先表示などの取り組みによってShorts視聴割合が急増しているとデータも示す。他方、長尺動画の先行きは不明に。
朝日新聞ポッドキャスト 累計1000万ダウンロードを突破・・・サービス開始から1年2か月での達成 | Media Innovation
「現在では、新たに『就活ポッドキャスト 朝日新聞 ニュースの使い方』、『朝日新聞アルキキ』、『朝日新聞AJW英語ニュース』、『犬猫だらけの夜 -sippo channel-』と『好書好日 本好きの昼休み』を新たに開始させ、計8番組の構成となっています」。

——記事によれば、「(月間ダウンロード数が)現在では150万DLを超える」という。まだ、大きな数字ではないにせよ、いつの間にかポッドキャストは無視できないメディアへと成長中。

クリエイターエコノミー:直接収入の可能性を探る - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techに寄稿しました。(これが腰に良くなかったのか?)よろしければどうぞ。➡ クリエイターエコノミー:直接収入の可能性を探る

Disruption This Week—–8/10/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年10月5日から2021年10月8日まで。

Twitter invests in avatar startup Facemoji – TechCrunch
Twitter、アバター開発のFacemojiに出資。Facemojiは、各種プラットフォームに連携したアバター開発キットを提供する。数年前のブームを経て、アバターはメタバース、NFTブームの重要なピースになろうとしている。NFTプロジェクトに注力中と報じられるTwitter CEO Jack Dorseyの狙いが見えてきた?
グーグル検索、言葉にならないことまで調べてくれるように
「『Things to know』の裏にあるのはMUM(Multitask Unified Model)なる機械学習モデルで、このモデルはテキストだけじゃなく、絵や音声、動画といったフォーマットからも情報を拾います。MUMは日本語を含む75言語とさまざまなタスクで学習済みで…」。

——“検索がさらに進化”ということだが、いくつものアプローチがあることは、記事で確認を。「Tings to know」は文脈を構成して、ユーザが知りたいことを先回りして検索結果をチューニングするもの。
しかし、これを突き進めていくと、周囲の音や声、地理情報、先ほど読んだメール…といった背景情報も分析すれば、より“あたり”の確度が高められるということにもなるはずだ。
“検索の最も進んだ姿は、ユーザがなにも入力しなくても、知りたいことを表示する”ことだと、以前読んだことがある。

「激白」「震える」「地獄」に頼った “感情刺激競争“がもたらすクリックの罠とニュースの未来
「共感を狙ったニュースが、今のメディア環境の中で流布すると喜怒哀楽を刺激するだけで終わってしまいがち。結果として(読者が)考えることが後回しになっていく」「共感は大切だが、ニュースを共感を集めるためだけに使うのはもったいない」。

——石戸諭氏が最近上梓した書物をめぐるインタビュー。指摘のとおりだと受け止める。報道フォーマットにエモーショナルな要素を持ち込むスタイルは、ネットの普及に端緒があるようにも思うが、それ以前がある気がしている。たとえば、戦前戦中の新聞報道。お涙頂戴の見出しが乱立していた。

How the secrets of the Pandora Papers were freed
巨大なオフショア金融取引情報のリークを端緒にした「パンドラ文書」報道プロジェクト。データは約4TBにものぼり、フォーマットは、文書(PDF)、メモ、リストなど多岐。これをどう捌いたのか。立役者であるICIJのCTOらがその労と技術インフラを解説するという驚きの解説記事。
中国がアルゴリズム利用にメス、規制の最先端に
【有料購読者向け記事】:
「中国国家インターネット情報弁公室(CAC)が先週発表した取り組みは、アルゴリズムの使用を規制する包括的システムを3年以内に確立することを目指している。中国共産党は不正とみなすビジネス慣行の締め付けや、ネット上の言論統制を強化しており、新方針はそうした活動の一環となる。
規制当局が求めるアルゴリズムとは、公正かつ透明で、中国共産党のイデオロギーに忠実なものだ」。

——大きなインパクトを感じさせる動き。反競争的、反国家的な企業活動を取り締まるにあたり、AIを活用したアルゴリズムの中味にまで取り締まりの網がかぶせられる。記事中にあるように、その動きは、世界最先端をいくもの。世界の国家がこの種の欲求を持つ時代でもある。

How news publishers are turning casual, infrequent readers into paying subscribers
INMA(世界ニュースメディア協会)がとりまとめたデジタル購読者の新たな獲得手法分析調査によると、「すでに大きな投資をしている読者のエンゲージメントを最大化するよりも、ライトな読者のエンゲージメントを高めることに集中したほうが良いことは明瞭だ」という。ここで「ライトな読者」とは、もちろん、一見かつ訪問頻度が頻繁でない読者層を指す。多くのメディアが多く抱える読者はこのような層だ。この人々のニーズや行動をよく理解する必要があるのだと述べている。そして、この理解を阻む落とし穴は、メディアの運営者側は、このようなライトユーザの対極である、ヘビーユーザに占められていることだとも指摘。
How dynamic paywalls help publishers connect potential subscribers with the right offer at the right time | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
サイト来訪者の閲覧を許す回数や金額などを、来訪者の諸々の行動データで動的に変化させる“ダイナミックペイウォール”の仕組みと運用についての記事。利用各社がコメントするなど有益なリポート。米WSJでは、来訪者を65ものパラメータ(!)で分析し動的に対応しているという。
Facebook whistleblower urges Congress to move against the company
Facebookの内部告発者Frances Haugen氏の米議会小委員会での証言が行われた。
同氏は「Facebookは変わることができますが、明らかに自力では変わりません」とし、強制力ある監視や介入を求める発言を行った。議員側は、今後は超党派で取り組むことに合意したと表明。もちろん、CEOであるMark Zuckerberg氏の召喚に向かっていくことになる。
フェイスブック内部告発者、その動機と目的は?
【有料購読者向け記事】:
「ホーゲン氏は5月17日午後7時前、自身の動機を説明しようとワークプレース(=Facebookの社内向け掲示板)の検索バーに最後のメッセージを打ち込んだ。
『私はフェイスブックが嫌いなのではない。フェイスブックを愛している。救いたいのだ』」。

——昨日、英文記事で紹介したが、今回のFacebook騒動の本家Wall Street Journalが、膨大な内部文書(数万ページを超えるという)をリークした元従業員フランシス・ホーゲン氏にインタビューした記事。邦訳が出たので改めて紹介しておく。記事は、ホーゲン氏がFacebookで虚偽情報に対抗する機能に取り組み、結果として同社の姿勢に疑問を持ち退職に至る私的拝啓が説得力をもって語ったもの。
同氏は、米国時間の本日、議会小委員会で証言をする予定だ。

世界の権力者たちの脱税と隠し財産を暴いた「パンドラ文書」の衝撃  | 5年前のパナマ文書を超えた
「国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手し、米紙『ワシントン・ポスト』や英紙『ガーディアン』などのメディアが分析した。同様の脱税を暴いた『パナマ文書』は5年前に流出して世界を震撼させたが、今回の『パンドラ文書』はよりスケールが大きいもの」。

——パナマ文書、パラダイス文書に続いてのパンドラ文書。日本人の名前も1,000名を超えているとか。単に税逃れだけでは終わらない。資金洗浄を経るなかで世界の政治が動いている要素がある。
ジャーナリズムには、世界的な協業のスキームが必要だ。1分1秒の“発表報道”を追いかけるだけでなく、このような丹念な仕事に力を注いで欲しい。別の記事を紹介しながら、またもう少し分け入ってみたい。

次世代SNSは仮想現実に、フェイスブックの本気度(写真=ロイター)
【ご紹介】:
月一連載が日経電子版に掲載されました。渦中にあるFacebookですが、VR分野で新たな動きには大いに興味を惹かれています。よろしければ一読下さい。