Disruption This Week—–8/10/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年10月5日から2021年10月8日まで。

Twitter invests in avatar startup Facemoji – TechCrunch
Twitter、アバター開発のFacemojiに出資。Facemojiは、各種プラットフォームに連携したアバター開発キットを提供する。数年前のブームを経て、アバターはメタバース、NFTブームの重要なピースになろうとしている。NFTプロジェクトに注力中と報じられるTwitter CEO Jack Dorseyの狙いが見えてきた?
グーグル検索、言葉にならないことまで調べてくれるように
「『Things to know』の裏にあるのはMUM(Multitask Unified Model)なる機械学習モデルで、このモデルはテキストだけじゃなく、絵や音声、動画といったフォーマットからも情報を拾います。MUMは日本語を含む75言語とさまざまなタスクで学習済みで…」。

——“検索がさらに進化”ということだが、いくつものアプローチがあることは、記事で確認を。「Tings to know」は文脈を構成して、ユーザが知りたいことを先回りして検索結果をチューニングするもの。
しかし、これを突き進めていくと、周囲の音や声、地理情報、先ほど読んだメール…といった背景情報も分析すれば、より“あたり”の確度が高められるということにもなるはずだ。
“検索の最も進んだ姿は、ユーザがなにも入力しなくても、知りたいことを表示する”ことだと、以前読んだことがある。

「激白」「震える」「地獄」に頼った “感情刺激競争“がもたらすクリックの罠とニュースの未来
「共感を狙ったニュースが、今のメディア環境の中で流布すると喜怒哀楽を刺激するだけで終わってしまいがち。結果として(読者が)考えることが後回しになっていく」「共感は大切だが、ニュースを共感を集めるためだけに使うのはもったいない」。

——石戸諭氏が最近上梓した書物をめぐるインタビュー。指摘のとおりだと受け止める。報道フォーマットにエモーショナルな要素を持ち込むスタイルは、ネットの普及に端緒があるようにも思うが、それ以前がある気がしている。たとえば、戦前戦中の新聞報道。お涙頂戴の見出しが乱立していた。

How the secrets of the Pandora Papers were freed
巨大なオフショア金融取引情報のリークを端緒にした「パンドラ文書」報道プロジェクト。データは約4TBにものぼり、フォーマットは、文書(PDF)、メモ、リストなど多岐。これをどう捌いたのか。立役者であるICIJのCTOらがその労と技術インフラを解説するという驚きの解説記事。
中国がアルゴリズム利用にメス、規制の最先端に
【有料購読者向け記事】:
「中国国家インターネット情報弁公室(CAC)が先週発表した取り組みは、アルゴリズムの使用を規制する包括的システムを3年以内に確立することを目指している。中国共産党は不正とみなすビジネス慣行の締め付けや、ネット上の言論統制を強化しており、新方針はそうした活動の一環となる。
規制当局が求めるアルゴリズムとは、公正かつ透明で、中国共産党のイデオロギーに忠実なものだ」。

——大きなインパクトを感じさせる動き。反競争的、反国家的な企業活動を取り締まるにあたり、AIを活用したアルゴリズムの中味にまで取り締まりの網がかぶせられる。記事中にあるように、その動きは、世界最先端をいくもの。世界の国家がこの種の欲求を持つ時代でもある。

How news publishers are turning casual, infrequent readers into paying subscribers
INMA(世界ニュースメディア協会)がとりまとめたデジタル購読者の新たな獲得手法分析調査によると、「すでに大きな投資をしている読者のエンゲージメントを最大化するよりも、ライトな読者のエンゲージメントを高めることに集中したほうが良いことは明瞭だ」という。ここで「ライトな読者」とは、もちろん、一見かつ訪問頻度が頻繁でない読者層を指す。多くのメディアが多く抱える読者はこのような層だ。この人々のニーズや行動をよく理解する必要があるのだと述べている。そして、この理解を阻む落とし穴は、メディアの運営者側は、このようなライトユーザの対極である、ヘビーユーザに占められていることだとも指摘。
How dynamic paywalls help publishers connect potential subscribers with the right offer at the right time | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
サイト来訪者の閲覧を許す回数や金額などを、来訪者の諸々の行動データで動的に変化させる“ダイナミックペイウォール”の仕組みと運用についての記事。利用各社がコメントするなど有益なリポート。米WSJでは、来訪者を65ものパラメータ(!)で分析し動的に対応しているという。
Facebook whistleblower urges Congress to move against the company
Facebookの内部告発者Frances Haugen氏の米議会小委員会での証言が行われた。
同氏は「Facebookは変わることができますが、明らかに自力では変わりません」とし、強制力ある監視や介入を求める発言を行った。議員側は、今後は超党派で取り組むことに合意したと表明。もちろん、CEOであるMark Zuckerberg氏の召喚に向かっていくことになる。
フェイスブック内部告発者、その動機と目的は?
【有料購読者向け記事】:
「ホーゲン氏は5月17日午後7時前、自身の動機を説明しようとワークプレース(=Facebookの社内向け掲示板)の検索バーに最後のメッセージを打ち込んだ。
『私はフェイスブックが嫌いなのではない。フェイスブックを愛している。救いたいのだ』」。

——昨日、英文記事で紹介したが、今回のFacebook騒動の本家Wall Street Journalが、膨大な内部文書(数万ページを超えるという)をリークした元従業員フランシス・ホーゲン氏にインタビューした記事。邦訳が出たので改めて紹介しておく。記事は、ホーゲン氏がFacebookで虚偽情報に対抗する機能に取り組み、結果として同社の姿勢に疑問を持ち退職に至る私的拝啓が説得力をもって語ったもの。
同氏は、米国時間の本日、議会小委員会で証言をする予定だ。

世界の権力者たちの脱税と隠し財産を暴いた「パンドラ文書」の衝撃  | 5年前のパナマ文書を超えた
「国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手し、米紙『ワシントン・ポスト』や英紙『ガーディアン』などのメディアが分析した。同様の脱税を暴いた『パナマ文書』は5年前に流出して世界を震撼させたが、今回の『パンドラ文書』はよりスケールが大きいもの」。

——パナマ文書、パラダイス文書に続いてのパンドラ文書。日本人の名前も1,000名を超えているとか。単に税逃れだけでは終わらない。資金洗浄を経るなかで世界の政治が動いている要素がある。
ジャーナリズムには、世界的な協業のスキームが必要だ。1分1秒の“発表報道”を追いかけるだけでなく、このような丹念な仕事に力を注いで欲しい。別の記事を紹介しながら、またもう少し分け入ってみたい。

次世代SNSは仮想現実に、フェイスブックの本気度(写真=ロイター)
【ご紹介】:
月一連載が日経電子版に掲載されました。渦中にあるFacebookですが、VR分野で新たな動きには大いに興味を惹かれています。よろしければ一読下さい。

Disruption This Week—–21/5/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年5月17日から2021年5月21日まで。

「一獲千金もありうる世界だが、海外では投げ銭目的で度数の高いアルコール飲料を一気飲みしたり、犯罪行為をライブ中継する事例もある。
投げ銭をする側も一部では過激化するようだ」。

——クリエイターにとって期待の“投げ銭”機能だが、お金が絡むだけに、問題も生じている。

米Georgetown大学に置かれた研究機関「CSET(Center for Security and Emerging Technology)」が、GPT-3言語モデルを駆使した偽情報(Disinformation)生成メカニズムを調査し発表。近未来と思われていた危機が足元に。
「巨大メディアが、さらに巨大化」。米国で改めて動き出した巨大メディアの再編劇。チャートに示されるのは、それらの時価総額。トップティアにいるのは、コンテンツを創っていなかったITプレーヤーの群。その時価の単位はもはや「billion」から「trillion」だ。
「LaMDA(=自然な会話のためのAI言語モデル)搭載ボットに『どうしたら一番いい紙飛行機が作れるの?』と聞くと『一番いい、の意味は長く飛べる、まっすぐ飛べる、丈夫、などの意味がありますがどれを指しますか?』と確認し、『長く飛べる』と答えると翼を広くするなどの方法を説明する」。

——Google I/Oが開催。やはり最も刺激的な進化は、AIがらみのものだ。今後もこのトレンドが続くのだろう。

新iOSでATTが実装されてから1か月弱。その影響について、Flurry、AppsFlyerに続きLiftoff Mobileやその他からリポートが続々と現れている。Liftoffは利用者の広告による追跡オプトアウトが6割〜8割生じているという。記事はそれによりAndroidに広告主が大移動中と伝える。
「昨夏、戦略チームの報告書が仕上げの段階に入っていたころ、編集部門内部で不穏な動きが起きていることにマレー氏は気付いた。全国規模の人種差別抗議デモが起きるきっかけとなったジョージ・フロイド事件の直後、編集部門が利用しているチャットツール『スラック』の中に、『ニューズルーミーズ』という名前の非公式なチャンネルが密かに立ち上がった」。

——NYTの英文記事を紹介したことがあるが、翻訳版が「SlowNews」で読める。

【有料購読者向け記事】:
「グーグルの研究チームが、検索エンジンの根本的な改修案を発表した。20年以上にわたって使われてきた『索引付け・回収・順位決定』という仕組みの代わりに、インターネット上の膨大な文書で訓練した大規模言語モデルを使って、ユーザーの問い合わせに自然な言葉で回答するようにしようというものだ」。

——要するにGPT-3的なアプローチか。これまでの検索が、質問に関連する文献をいくつかの基準から集めて表示するのに対して、質問に対して回答を直接生成しようというアプローチ。“一発回答”は、この数年間Googleがめざしてきたモデルの延長上にある。

「AT&Tが切り離すワーナーメディアには、CNNやHBOのほかにカートゥーン・ネットワーク、TNT、ワーナー・ブラザースなどが含まれる。ディスカバリーはTLCやアニマル・プラネットなどを抱える」。

——AT&Tが、ようやく垂直型のメディア帝国を構築することを諦めた? 2018年までは、巨艦TimeWarnerの買収を手がけてきたのだから。キャリアがコンテンツや広告まで手がける…という汎用的な成長モデルがここにきて終えんを迎えている。これもGAFAMやストリーミング巨人の登場が影響しているのだろう。

「バーチャルイベントを成功に結びつけるための10の教訓」。
関連事業を手がけるmyOnvent社が提示するのは、1) とにかくやってみる、2) バーチャルな世界でもネットワーキングは重要、3) グローバルに企画する、4) バーチャルイベントには広範囲な収益化の選択肢がある、5) バーチャルイベントはタレントスピーカを発掘できる……

「ATTオプトイン率はアクティブユーザーが加わったことで上昇。アクティブユーザーはすでに使い慣れているアプリへの信頼度が高いため、トラッキングを許可する傾向が強い。事実、アクティブユーザーのオプトイン率 (40%) は、新規ユーザーのオプトイン率 (36%) よりも高かった」。
AppsFlyer「iOS14とATTがモバイルアプリ業界に与える影響」

——iOS14.5で本格導入されたATT。アプリによるユーザ追跡の許可をめぐり、ユーザの反応(初動)がいくつかの調査会社から報告されている。このリポートはAppsFlyerから。すでに紹介したFlurryの値より、オプトイン率がい。その理由について述べたのが引用箇所。

【ご紹介】:
SmartNewsが実装した「ワクチンアラーム」が進化中です。私にも、地元自治体の情報がプッシュされてきました。

Disruption This Week—–19/3/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年3月15日から2021年3月19日まで。

 

 

「そのプライバシーラベル(Apple Storeのガイドライン)に基づいて、スイスのクラウドストレージ企業pCloudがユーザーから最も多くの個人データを集めて第三者と共有する『侵略的な』アプリのランキングを発表し、InstagramとFacebookの2つがトップに位置づけられました」。

——記事でも書いているが、このプライバシーラベルへの適用は、漸進的に行われており、Google検索など“大物”などがまだ含まれていない暫定的な結果だ。

 

 

米New York Timesにとって「料理」は、購読者獲得にとって貴重な分野だ。だが、同社が2年かけてメンバー8万人弱にまで育てた「NYT Cooking」のFacebookグループを手放す動きに。その背景にはコミュニティ運営の難しさがあることを詳しく解説する記事。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「出席した(米議会の)議員からはIT各社がメディアの記事を不当に利用しているとの声が相次いだ。米議会は超党派で新法を検討する。交渉力に劣る中小メディアが連合を組み、巨大ITと記事の使用料などを巡り団体交渉することを認める内容だ」。——日本を含む各国での“記事対価”をめぐるプラットフォーム規制の動きを整理した記事。団体交渉権は独占禁止法をめぐる一般的な対処策だが、何をもって独占禁止法に抵触するか認定する難しさはある。

 

 

音楽市場はストリーミング全盛。そのパワーで市場は活況を得ているが、アーティストは支払いに満足していない。そこでSpotifyは、同ストリミーングを利用する膨大なアーティスト向けに、ロイヤルティをめぐる数々のデータを分かりやすく解説するサイト「Loud & Clear」を開設した。これで不満が解消するかどうかは不明だが、この膨大なデータは、さまざまに活用されそうだ。

 

 

「2020年に最もスパチャを受けたのは桐生ココさんで、総額は約1億6000万円だった。桐生さんを含めた上位3位は1億円以上のスパチャを受けており、いずれも日本勢が独占。トップ10にもVTuberを中心に9人がランクインとなるなど、日本勢が席巻している」。

——ユーチューバ同様、「スーパーチャット」で多額の投げ銭を得ているクリエイターに目が向くが、興味を惹くのはその分野の広がりだ。学習、チュートリアルなど面白い。

 

 

Wikipedia、過去20年間共存共栄関係を維持してきたGoogleら大手プラットフォームとの関係の見直しを開始。Wikimedia Enterpriseを設立し、検索で表示するWikipedia要約やスマートスピーカーなどで使われる事典情報に対してライセンス料を徴収する構えを見せる。

 

 

おもに米地方紙チェーンを中心に広がろうとしているペイウォールの新トレンドを詳しく解説する貴重な記事。Gannettが採用するメーター制、Chicago Tribuneのダイナミックペイウォールなどだ。新しいのは、Look-alike(似た者探し)などコホートデータを活用する手法だ。

 

 

【有料購読者向け記事】:
米Wall Street Journal、CMO向けコーナーで、“ポスト・クッキー時代”に向けて、5つの設問を設けて回答。たとえば「FLoCとは具体的にどのようなもので、クッキーと同様の使い方ができるのか?」「クッキーなしで計測ができるのか?」などだ。

Webサイトのユーザー体験(UX)を測定する7つの方法 |SEO Japan by アイオイクス

SEO Japan|アイオイクスのSEO・CV改善・Webサイト集客情報ブログ

 

 

「ユーザー体験の主要な指標の種類が2つある。客観的指標と主観的指標である。
客観的な指標は、タスクの処理時間、成功率、ユーザーのエラー数など、追跡と比較のために正確な数字が伴っている要素である。
一方、主観的指標とは、Webサイトを使用する体験について、ユーザーがどのように感じるか、その情報を与えてくれるものだ。それには、使いやすさや満足度などが含まれることもある」。——基本的かつ重要な概念を、どう指標として捉えるか。言い換えれば、どう可視化するかについて丁寧に解説した記事。Google検索のコアアップデート「Core Web Vitals」に備えるためにも理解しておきたい。

 

 

ニューズレター(メルマガ)配信サービスの米Substack、無料で利用でき、購読課金収入が発生すれば、それから10%の利用料を徴収する。作家や記者を誘致するために前金制度を運用してきたが、今回、年間収入を担保する「Substack Pro」を、試行運用を経て公表した。今後はこのモデルを加速するという。

Disruption This Week—–12/3/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年3月9日から2021年3月12日まで。

 

 

【有料購読者向け記事】:
米The Information、Facebook CEOのMark Zuckerberg氏にVR/ARをめぐる取り組みについて長時間インタビュー。多岐にわたる内容だが、同氏は、「ソーシャル体験の究極」を目指しており、現在のコンピュータや電話などのコミュニケーション基盤では、それは得られないと力説。また、この分野で、Facebookはこれまでと異なり、自らがコントロールできる(ハードウェア)プラットフォームづくりをめざしている。

 

 

米国のテック系調査報道メディア「The Markup」、全米で2,500名以上のパネルを集め、異なる政治信条その他のパラメータを選ぶことで、Facebookのニューズフィードに表示されるニュースや広告(の差異)を体験できる「Split Screen」を公開。アルゴリズムによる選択的摂取の影響を可視化する。

 

 

「記事配信で利用する既存のコンテンツ管理システム(CMS)はそのまま、複雑なシステム連携開発なしに最短1週間で導入可能。初期費用はなく、かかるのは少額の月額基本料金と売上に応じた手数料のみと、低廉な価格で導入・運用可能とのことです」。

——既存CMSに接続できるサブスク機能をSaaSで提供する「Ximera Ae」。キメラは、従前は米Pianoを取り扱っていたはず。1年ほどの提携から自社開発の路線に転換したようだ。Pianoの取り扱いで得たノウハウなどはどう生かされるのだろうか?

 

 

Clubhouseに代表される“ソーシャル・オーディオ”が話題。記事は、米New York Timesの人気NBAリポータが、Locker Roomを活用したライブチャットに乗り出したと伝える。「ポッドキャストよりもライブ感があり、スポーツラジオよりもアクセスしやすく、ライブストリームよりもカジュアルな新しいメディア」だという。

 

 

“クリエイターエコノミー”が台頭して10年だという。その10年で、世界で5,000万人以上が、“自分はクリエイター”と考えるにまで成長。ベンチャーキャピタルの米SignalFireが年鑑調査「Creator Economy Market Map」を公開。才能をマネタイズ手法や広がりを追っている。

 

 

唐突に「オピニオンとニュースの分離」宣言を行うなど、記者・編集者らがビジネス運営方針をめぐり署名活動を行うなど、米Wall Street Journalが揺れている。米BuzzFeedが内部文書を入手し、老舗メディアのデジタル化の困難や高齢(かつ男性)読者への依存問題などを指摘する。

 

 

メディアへのアクセス分析サービスのChartbeatによると、米国のニュース記事の平均ワード数が逓減している。また、個々の記事ごとの平均滞在時間はわずかながら伸びを示した。記事は、一口サイズのニュースを多く摂取する動向に対し、映像や音声を含む新ロングフォームの可能性を論じる。

 

 

「ジャーナリストがニュースルームを離れて自分の仕事をしたいという誘惑は常に存在する。だが、現在では様々なツールが利用できるようになり、これまで以上に簡単にそれができるようになった」——。
では「クリエイターエコノミー」でいうクリエイターは、インフルエンサーとどう違うのか? それはインフルエンサーをお金で支援するのは広告主で、クリエイターのそれは“ファン”だということ。つまり、ファン(や熱心な読者)とのお金を含む直接的なつながりを仕組み化する基盤が徐々に出来てきたというのが、クリエイターエコノミーの原動力だ的なことが論じられている。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「コロナワクチンが普及し活動制限が解除されていく中で黒字化するために、大勢の熱心なユーザー層を引き続き頼りにしていくと(CEOの=)シトロン氏は語る。ユーザーは応援の気持ちを示す手段として、自分たちが属するサーバー用の定額登録ニトロを購入することが多く、『友達同士で円陣を作ってハグしたり、ランチをおごったりするような感覚』だという」。——“通話アプリ”と紹介されるとピンとこないが、ゲーム実況などから利用者を拡大したDiscordは、新たなコミュニケーション基盤であり、また、UGCメディアでもある。このWSJの記事は、これに加えて非広告志向のビジネスモデルに着目する。

Women and leadership in the news media 2021: evidence from 12 markets

Reuters Institute for the Study of Journalism

 

 

Reuters Institute、世界12市場・240メディアでの女性のリーダーシップを調査。女性トップ編集者の比率は22%。日本は、昨年と同様、主要な報道機関のトップ編集者に女性が存在しない。南アフリカでは、逆にトップ編集者の大半が女性だとする。

 

 

【ご紹介】:
月一連載が日経新聞電子版に掲載されました。今回は私もクリエイターエコノミーに触れています。よろしければどうぞ。➡ クリエーターがけん引するSNS 「稼げる」仕組み作り 新経済圏に

Disruption This Week—–5/3/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年3月2日から2021年3月5日まで。

 

 

「“他のプロバイダーのように”サードパーティーCookieの代わりにユーザーを一意に識別するような識別子を使うことはしないとGoogleは強調する。Googleが採用するのは、プライバシーサンドボックスをベースとするFLoC(Federated Learning of Cohorts、群れの連合学習)と呼ぶAPI」。

——いよいよ“ポスト・クッキー”時代に向けた技術的なコンセプトを固めたGoogle。問題はその精度であり、広告を嫌うトレンドをなだめられるような“体験”を提示できるかだ。

 

 

【有料購読者向け記事】:
米Wall Street Journalがデジタル戦略を強化中。新規購読者獲得(と若者層へのアピールのため)のためにSEOに取り組み成果を挙げている。だが、内部からはトレンド記事や検索に最適化された記事執筆への反感の声もあがり緊張感が高まっているという。

 

 

ジャーナリズム、とりわけ発展途上国におけるジャーナリズムにとって要となる資源は、「フリー&オープンソフトウェア」(FOSS)だと指摘するカタールNorthwestern大の研究者Lugo-Ocando教授。資金援助も重要だが、ジャーナリズム活動を可能とする養成教育や、ソフトウェアやデータなど資源の利用の確保が重要と述べる。

 

 

米New York Times、「2021年はライブの年になる」として、ライブ報道チームを組成した。同社の編集幹部Marc Lacey氏が同ライブチームの編集者3名を紹介する。編集者と特派員が組み、ライブ報道のフォーマットを洗練させ、リアルタイム・ジャーナリズムを強化していくとする。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「『世界の消費者の81%が企業の個人情報の取り扱いに対する懸念を強め、48%はプライバシーへの不安から商品やサービスの購入・利用を中止している』。グーグル幹部は調査結果を引用してこう説明する」。——Googleが、データを収集してユーザターゲティングを行っていく振る舞いに規制を強化していく方針を改めて発表。Googleは代替技術に一定の目途を見いだしたということだろう。Facebookにいたっては、いまもターゲティング広告の有用性をキャンペーンしている状況。その間にも引用で示したように、ユーザの広告忌避感が高まっている。

 

 

「新しい『fan-powered』ロイヤリティの下では、アーティストは自分のファンの実際のリスニング習慣に基づいて支払われる。熱心なファンが特定アーティストの音楽を聴いている時間が多いほど、アーティストはそれに応じてより多くの収入を得られる」。

——SoundCloudが収益配分モデルをいよいよ変更。アーティストらはサービス全体の収入から機械的な配分を受けるのではなく、“自分のファンから収入を得る”。これは昨今のホットになりつつあるクリエイターエコノミーの文法に則るものだろう。

 

 

カナダで創刊175年の歴史を誇る老舗新聞社Globe and Mailが立ち上げたAIプロジェクト「Sophi.io」をめぐる解説記事。プロジェクト立ち上げ時、編集部は広告収入に影響あるPVにのみ固執していたが、新プロジェクトでは購読者獲得につながる指標もスコア化した。

 

 

「新型コロナワクチン誤情報ラベルは、まずはTwitterの人間のチームが誤情報と判断したツイートに追加する。この評価をAIツールに学習させることで、将来的には自動化していく。それには時間がかかるため、最初は英語のツイートへのラベル付けから開始する」。

——ワクチン関連情報をめぐるファクトチェック態勢づくりは急務だが、Twitterがプラットフォームとしてどのような態勢を組むか、一つのアプローチを見せた。記事に詳しいが、「ストライク制」は、興味深いレギュレーションだ。

 

 

米Northwestern大のMedill Spiegelリサーチセンターが45の米ローカルニュースを調査したところ、そのデジタル有料購読者の49%が、月に1度も購読メディアのサイトを訪れない“ゾンビ読者”だった。電子版購読者を将来の読者基盤と見たい業界にショックを与えている。

 

 

すでに一度紹介したが、Google検索のコアアップデートが2か月以内に行われる。「Core Web Vitals」と呼ばれるアルゴリズムでは、ページロード速度、反応性、視覚的安定など体験面の指標が重視されるが、普及しているCMSのWordPress(のエディタGutenbergのコード)での対応が遅れており危険水域にあるとする記事。

 

 

【ご紹介】:
私が編集に携わる「Media×Tech」に新着記事。注目の『デジタルエコノミーの罠』への書評です。➡ 書評:「空想のインターネット」に対する追悼文——『デジタルエコノミーの罠』