Disruption This Week—–22/3/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年3月18日から2019年3月22日まで。

仏大統領選をめぐって誕生したファクトチェックメディア「CheckNews」、昨年、Pierre Omidyar氏率いるファンドから5万ドルの拠出を得て、また、“黄色いベスト運動”の渦中で、事業を3倍にまで拡大。月間PVが1,100万、検証依頼8,000件、回答数1,600件の実績を積み上げる。
英国では、昨年、録音楽曲市場におけるレーベルへの収入は、ストリーミングからが54%、8億7000万ポンドと過半を超えた。一方で、CD販売からの収入の落ち込みは続いているという。
【ご紹介】:
月一回の日経MJ紙への連載が日経電子版へ掲載されました。よろしければどうぞ。➡メディアに「メルマガ・ルネサンス」!? 読者との絆、復活の切り札
米Deloitteが例年実施している「Digital Media Trends Survey」を今年も発表。米消費者の、特に若者を年代層別にセグメントし、そのエンターテインメントの環境を調査する。若い消費者にとり、満足もフラストレーションもサブスクリプションから生じているようだ。
“太古”から続くソーシャルメディア、それは「メルマガ(eメールニューズレター)」だとするNYTのテック系編集者氏。数々の事例を挙げながら旧くて新しいメディアの最新トレンド「メルマガ」の現状を語る。
「なぜ、このような事態になってしまっているのだろう。それは、グーグルがイデオロギーにとらわれているからではない。同社がアルゴリズムを使って政治に関するみんなの疑問に答える『危険な火遊び』をしていることが原因だ」。

——この「危険な火遊び」とは、ネット上の言説は、集合的な規模において、良質性と信頼性を担保できるレベルにあると見なしてしまうことにある。実は、「遍在」的というよりも「偏在」的で、これをうまく処理するには、まだテクノロジーにはナイーブ面がある。

Google、米サンフランシスコで開催中のGame Developer Conferenceで、新たにストリーミング型ゲームプラットフォーム「Stadia」を発表。ゲーム本体はクラウド上にあり、Chromeをサポートする各種デバイスで実行可能。ハードとしてはコントローラを販売する程度だという。ビジネスモデルへの情報を書いているが、Google Playの流れから想定すれば、In-App広告(課金)からサブスクリプションまで想定できそうだ。
ジャーナリズムが直面する二正面戦、すなわち経済的な課題と信頼性の担保を、ブロックチェーン技術をテコにノンプロフィットで支援しようとする、Civil Media Foundation。CEOVivian Schiller氏に突っ込んだインタビューを行った記事。「フェイクを信じるのと、ブロックチェーン技術に過度な期待をするのは、同じ心理ではないか?」など、後半はシリアス。
米老舗(そして、中堅規模メディア)「The Atlantic」の広告収入路線か、ペイウォール制かの戦略的混乱の指摘から始まるオピニオン。多くのメディア人には、ペイウォール(=読者課金)への妄執が見られるが、品質面で徹底的に差別化できなけれ未来はないとの議論でもある。
米国内地方紙の惨状を解説する記事。現在も100もの地方紙を傘下に置くGannettが、ヘッジファンドの標的になっているが、その手法は、安価に買収、その後、極限まで人員やコストを削減し、系列化したりして、その後の売買価値を上げる。2004年からの15年間で、600媒体が消滅もしくは名称変更した。もちろん、地方紙のゴースト化、もしくはゾンビ化が引き起こす課題は重い。
こちらもFacebook関連の話題。米「The Verge」Casey Newton記者は、Facebookの長い間プロダクト責任者だったChris Cox氏の退任や話題となったMark Zuckerberg氏の長文ブログは、FacebookとInstagramのニュースフィード時代の本格的な終えんを示すものと解説する。