Disruption This Week—–17/1/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年1月14日から2020年1月17日まで。

 

 

「トレンドとしてはサブスクリプションの普及が注目された。ゲーム以外のアプリでの昨年のサブスクリプションは支出総額の28%を占めたが、これは2016年の18%と比較して大きなアップだった。
実際、サブスクリプションは多数の非ゲームアプリの主要な収入源となっている」。——App Annieが2019年をまとめた調査結果をリポート。成長と停滞など、興味深いトレンドが見えてきたが、なかでも興味深いのは、非ゲーム分野での課金の伸び。とりわけサブスクリプションモデルについてだ。

 

 

同じくTwitterの話題だが、深刻なテーマ。英BBCが、Twitterを用いて「性同一性障害」「白人優越主義」「反ゲイ」などのキーワードで広告ターゲティングができるとする調査報道を公表。利用可能キーワードからの排除を怠ったと、Twitterは謝罪。

 

 

英BBCトップのTony Hall卿、職員向けへの年頭所感を公表。今後数年間かけ、同社の2/3をLondonからSalfordへ移し、R&Dを強化する。最大の眼目のひとつにBBC Newsアプリを完璧な刷新を挙げ、動画像の強化や操作体験の強化を図る。また、報道の仕方から対象まで見直すと意欲的。

 

 

米業界団体のThe Digital Entertainment Group(DEG)、2019年の米国「ホームエンターテインメント」市場が前年比8.4%増の252億ドルとなったと発表。原動力は、デジタル動画(ストリーミング、レンタル、購買)。なかでもストリミーングは市場全体の63%に膨れあがった。

 

 

米New York Timesが、2019年の同社デジタル事業が記録破りとなったことを公表。それによれば、デジタル関連収入が8億ドルに到達。それは、公表されてきた計画を1年前倒しにするものとなった。また、19年の購読者獲得が100万突破も記録。いまや、総デジタル購読者は500万人に。

 

 

Webブラウザー市場の6割以上を握るGoogle Chrome。その公式ブログが、年内にCookieトラッキングを改めた新システムの製品化すると公表。昨年夏に発表した「プライバシーサンドボックス」の製品版での実装だ。ターゲティング広告に依存してきたビジネスがいよいよ苦境に。

 

 

昨年11月のサービス開始から破竹の進撃を見せる「Disney+」。Sensor Tower調べで昨第4四半期のアプリダウンロード数(App StoreおよびGoogle Playの総計)で、2位「TikTok」に倍以上の差をつけて1位の3,000万強。サブスクリプション売上でも、サービス開始1か月で、5,000万ドルを突破した模様だ。

 

 

「『べリングキャット』で情報解明の中心になったのは、東欧・ユーラシア担当のアリック・トーラー氏。
事故発生から2時間後、トーラー氏が『フライトレーター24』の航路画像と現場の様子を撮影したとおぼしき画像とともに、墜落現場の位置情報の提供を呼びかける…」。——興味深い記事。役割を果たしているのは、テクノロジーと公開情報、そして、ソーシャルとの積極的な関わりだ。これらは、いずれも伝統的なジャーナリズムになかった文法、作法だ。

 

 

「2010年はCD販売とデジタルダウンロードが、少しずつ肩を並べようとしていた、そんな時代の変わり目となっていました。ところが2019年になると、どちらの販売方法も、もはや米国内で1割にも満たないシェアとなり、代わりに大多数のユーザーが、ストリーミングで音楽を聴く時代へと…」。

——楽曲提供者側の利害意識と消費者のそれとが両方とも十分に満たされるようになったかというと、まだまだのようではあるが。それにしても、楽曲ビジネスの再興をストリーミングが駆動しているのは間違いない。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「CA(=ケンブリッジ・アナリティカ社)はかつて各国の選挙戦支援の多くで成功を収め、それに魅入られた業界関係者は多い。世界に拡散するミニCAは数百社に及び、影響力を増している。実際、英オックスフォード大の調査では、19年には世界70カ国でネット世論操作の形跡がみられ、前年の1.5倍に増えた」。——過去CAのビジネスに携わり、同社を告発した人物が鳴らす警鐘。テクノロジーをめぐってる無責任とモラルハザードが組み合わさった現代的な病。

 

 

【ご紹介】:
私が編集に携わる「Media×Tech」、新たなコンテンツは、NewsPicksで要職に携わる佐々木紀彦氏。旧著『5年後、メディアは稼げるか』からのアップデートをお願いしました。