Disruption This Week—–1/4/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年3月29日から2022年4月1日まで。

アップル、リーダーアプリで「App Store」外部へのリンクを設置可能に
「リーダーアプリから開発者が所有または維持管理するウェブサイトへのリンクが可能となり、『ユーザーはアプリ外でアカウントの作成や管理ができるようになる』と伝えた。Appleがこれまで拒否してきた今回のApp Storeの新規則は、雑誌、新聞、書籍、オーディオ、音楽、ビデオを主要な機能として提供するアプリを対象に、世界で適用される」。

——アプリ開発者、コンテンツホルダにとっては朗報。App Storeによる“Apple税”を回避する道筋が生じる。もっとも、以前も書いたかもしれないが、ユーザ自身による“課金体験”はこれにより低下する可能性がある(あちこち画面遷移させられたりとステップ数が増えそう)。ユーザが気分良く支払えるポジティブなインフラ整備を行うことが長期的には重要だ。

Google is adding a “highly cited” label in Search results – TechCrunch
Google、検索結果上で、その記事が他から多く引用されていることを示す“高頻度引用”ラベルを表示すると発表。オリジナルな報道に優先度を与えることが主眼。また、話題が現在、急速に高まっているトピックスなどにもラベルを表示し、情報の確認を促すことにも取り組む。Webメディアと検索エンジンが台頭してからつとに指摘されてきた課題。
出版状況クロニクル167(2022年3月1日~3月31日) - 出版・読書メモランダム
「この表(コミックスの新刊点数推移)から歴然なのは雑誌扱いにしても、書籍扱いにしても、コミック新刊点数はいずれも四半世紀で2倍に及んでいることで、それは今世紀に入っての20年がコミックスの時代であったことを告げている」。

——ここで言及されているのは、「雑誌」コードにせよ「書籍」コードにしても、“出版”市場におけるデータの捕捉だ。これに昨今ブームとなっているウェブトゥーンのような流通(表現形式)の隆盛を加えてみるとどうなるのか。記事では、講談社の業績についても紹介されているが、現在潤っているコミックスのライツホルダーの地位がますます拡大するか、あるいは、別方向からディスラプトされてしまうのか。変曲点がきているような気がする。

Introducing the Experiments and Personalization Team | The New York Times Company
米New York Times、読者の行動履歴や閲覧傾向などデータを基にパーソナライズした編成を実験するべく、プロダクトおよび編集メンバーで組成した“Home“プロジェクトを発表。
「ホーム画面の一部をアルゴリズムでプログラミングし、パーソナライズすることで、読者が求めるストーリーを見つけやすくし、訪問するたびに新しいストーリーを発見できるようにする」と抱負を述べる。
個人情報保護法施行により、日本が世界一のCookielessマーケットになる可能性 - Exchangewire Japan
「iPhoneやその他のアップル製品が日本の消費者間で広く普及していることから、日本はすでにcookielessマーケットのトップに位置すると考えられます。
日本でのiOSとSafariの利用率は55%と非常に高くなっています。つまり、オープンウェブのユーザーの55%が従来の手段(cookie)を使って識別できないことを意味します」。

——iPhoneをはじめとするAppleの市場占有率の高い日本では、クッキーレス時代が深く進行とする記事。代替策が示されているわけではないが、代替技術の選択や試用に取り組むべしというマーケティングメッセージだ。

WhatsApp tops 7 billion daily voice messages – TechCrunch
メッセンジャーアプリのWhatsApp、同アプリで毎日70億通の音声メッセージが送信されていると発表。同アプリのユーザ数は世界で20億人以上。音声メッセージは自分の習慣にはないが、若い層を中心に音声検索が普及していることを考えると、今後伸び代がある分野だ。
2028年には3兆円市場の予測も──韓国発「ウェブトゥーン」はなぜ世界を席巻しているのか | DIAMOND SIGNAL
「ピッコマで公開された『俺だけレベルアップな件』が2020年5月に月間販売額2億円を突破した例もあり、『作品がヒットすれば月額数千万円規模を稼ぐことが可能』とあって、この領域はクリエイターからも注目され始めている」。

——スマホ時代の“リーディング体験”を創造した「ウェブトゥーン」。韓国発のトレンドながら日本のクリエイターらのパワー朋組み合わさり、国内での急成長はもちろん、世界市場を拓きつつある。、ビジネスモデルはプラットフォーマ+クリエイターの収入折半だが、多くはプラットフォームへ。その点が、今後の論議になるところなのだろう。

Spotify、音楽配信1位独走でも「4億ユーザー獲得してようやく黒字」のビジネスモデルに潜むリスク
【有料購読者向け記事】:
「なかなか黒字化できない要因の一つは、Spotifyのビジネスモデルでは、有料会員だけでなく無料会員が聴いた楽曲に対しても著作権使用料支払いが生じてしまうからです。
見方を変えると、4億人のユーザーを獲得してようやく利益が出るような、綱渡りのビジネスモデルといえます」。

——引用箇所に説明されているのが、Spotifyの最大のウィークポイント。同社はそもそも“無料で楽曲を好きなだけ聴ける”を初期の最大の成長力のエンジンにしてきた(代わりに広告で稼ぐ)。その意味ではトレードオフとも言える。はてさて、その転換の道はAppleと同様となるべきか。

Spotify puts its Podz acquisition to use with test of new podcast discovery feature – TechCrunch
ユーザがポッドキャストを“発見”するための仕組みを開発したPodzについては何度か紹介した。各ポッドキャスト作品を60秒のクリップに編集、TikTokなどのような縦スクロールフィードで提示する仕組みだ。同社を買収したSpotifyはこれの試験的な実装を開始したとする記事。
日本も「音楽ストリーミング」拡大期に入った。日本レコード協会のデータから読む音楽産業の現在地
「2005年から2021年までの音楽配信売り上げ。着メロ(青系)から着うたフル(オレンジ)にトレンドが変わり、さらにその落ち込みをストリーミング(緑)がカバーし始めたのがわかる」。

——ジャーナリストの西田宗千佳氏が発表された「日本のレコード産業2022」に加えて、過去ガラケー時代の資料を独自に取り込んだ資料を作成。すると日本では、ストリミーングで創りだされたピークと同等のピークを、過去、「着メロ」「着うた」が創っていたことがわかった。当時から続く右肩下がりをようやく回復した段階と言える。

JIMA : Internet Media Awards 2022 受賞作品発表
【ご紹介】:
私も参加するJIMA(インターネットメディア協会)が開催した「Internet Media Awards 2022」(2021年に発表、評価された優れた作品や活動の顕彰)のグランプリおよび各部門賞が発表されました。受賞された皆様おめでとうございます! これを機にどんな優れた作品があったのか、ご確認下さい。
ご協力いただいた多くの皆様に感謝します。

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