Disruption This Week—–28/4/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年4月25日から2023年4月28日まで。

Mark Zuckerberg says he is absolutely not abandoning the metaverse as company division loses $4 billion
MetaのMark Zuckerberg氏、同社がメタバースからAIに軸足を移しているとの観測を否定。「AIとメタバースの両方にこれまで何年も前から注力してきたし、これからも力を入れていく」と語る。AIへの注力という戦略転換を自己擁護。
What BuzzFeed News's demise tells us about the future of online media
米BuzzFeed News終焉という苦い教訓。オンラインメディアは、SNSなど様々な場所に読者が存在しさえすれば、それと出会うことが最重要と長い間信じ込んできた。だがメディア自身を目的地と読者に認識させられなければ存続できないとの命題を突きつけられたのだとする論説。
子どもたちの死、TikTokのアルゴリズムが招くのか-米国で訴訟頻発
「今年2月には、『痛みを取り除いてほしい、死は救いだ』という動画がナスカ君のアカウント内にある『おすすめ』フィードに送られてきた。別の投稿では男性の声で、『口の中でショットガンの引き金を引いて脳を吹っ飛ばす』というものがあり、女性の声が『クール』と答えている」。

——記事には、子どもの自死の理由を追い求め、息子のTikTokアカウントを見ると、「このアプリのアルゴリズムが、うつや絶望、死についての多くの動画を表示していたことも分かった」とある。

グーグル、2四半期連続で広告収入マイナス
【有料購読者向け記事】:
「グーグルを傘下に抱えるアルファベットが25日発表した1-3月期(第1四半期)決算は、グーグルの広告収入が2四半期連続のマイナスとなった。
広告収入は前年同期比約1%減の545億ドル。減収は2004年にグーグルが上場して以来3度目で、昨年10-12月期(3.6%減)に続き2四半期連続」。

——依然として広告事業の停滞、特にYouTubeで減収が顕著。一方、決算発表を受けて株価は上昇。理由は自社株買いの発表と、Google Cloudが会計基準の変更もあって、ついに黒字化したことがあげられそうだ。

Google soft launches new subscription tools for publishers | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
Google、メディア運営者が簡単に読者からの購読や寄付などの受付け管理ができる「Reader Revenue Manager(RRM)」を提供開始。中小零細メディア向けで導入が容易だという。Googleはその収入の5%を徴収する。また、購読者側はGoogleアカウントによるログインが求められる。
News app Artifact can now summarize stories using AI, including in fun styles
Instagramの創業者らが創業しサービス開始したニュースアプリ「Artifact」、OpenAIのAPIを使いニュースの「要約」を行うオプションボタンをアプリに実装。ただし、同社は「記事の全文に取って代わるものではない」と念を押す。
Meta Tries to Lure Advertisers With Reels Discounts, AI Tools
【有料購読者向け記事】:
少し以前の記事の紹介だが。Metaは例年、広告代理店等に自社のプロダクト戦略と選択すべき広告種別をプレゼンテーションしているが、今回は、高圧的な姿勢を改めている。注目はメタバース関連の露出を控え、短尺動画などを前面に押し出したことだ。メタバースという近未来製品を中心に据えてきた同社の姿勢が揺らいだ?

もはや何度もプロンプト入力するのも不要、指示出し一発で仕事を完遂してくれる「Auto-GPT」とは

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

もはや何度もプロンプト入力するのも不要、指示出し一発で仕事を完遂してくれる「Auto-GPT」とは
「Auto-GPT は GPT-4 モデルの AI アプリケーションだが、GPT-4 に勝手に仕事をさせることができる。何度もチャットボックスでプロンプトを与える必要はなく、仕事内容を伝えれば、AI がニーズに合わせて自己開発を続けるのだ」。

——こちらもすでに紹介した注目の「Auto-GPT」。その仕組みや威力についてわかりやすく解説している。ChatGPTより良質なインパクトを創りだしそうだということ。

アーティストのGrimes、生成AIで自分の声を自由に使っていいとツイート
「私の声を使ってAIが生成した曲がヒットした場合、ロイヤリティの50%をシェアしよう。これは、いつも私がコラボするアーティストとの取引条件と同じだ。私の声は自由に使っていい」。

——昨日、米Forbesの記事で紹介したが、日本語の紹介記事が出たので改めて。“勝手にやっていいよ”レベルなので、このような取り組みが急増するとは見ないが、ロイヤルティフィーを追跡的に管理できる仕組みが投入されたら、ビジネスとして急増するのでは?

2023 Digital media trends survey | Deloitte Insights
米調査会社Deloitteが「Digital media trends 2023」を公開。今回は若者たちにとってデジタルメディアを通じた文化、コミュニケーション、アート体験の融合などを大きく扱う一方、普及したストリーミングサービスが直面する視聴者らの厳しい評価も取り上げており興味深い。
シンポジウム「デジタル空間の活用と健全化に向けて」
【ご紹介】:
慶応大学で開催されたシンポジウム「デジタル空間の活用と健全化に向けて」に参加してきました。私の発言も掲載しています。

Disruption This Week—–21/4/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年4月17日から2023年4月21日まで。

Insider to lay off 10% of US-based staff to stay 'healthy and competitive'
米メディアInsiderも「健全で競争力のある企業」であり続けるために必要なこととして、米国内スタッフの10%レイオフを発表。同社は全世界で950名の従業員を擁しており、内編集スタッフは600名だという。
The end of the BuzzFeed era in news | Semafor
米BuzzFeed News閉鎖の報で大騒ぎだ。多くが報じるが、紹介するのは初期から同メディア編集長だったBen Smith氏のコメント。
「BuzzFeed Newsの終了は、デジタルメディアの中に生きる私たちが今、強く感じるある時代の終わりと別の時代の始まりという大変化のシグナルだ」。
Twitterの有力代替候補? 分散型SNS「Bluesky」の基礎知識
「Blueskyによれば、AT Protocolのおかげで、ユーザーは自分のオンラインアイデンティティー(投稿や他のユーザーとのつながり)を自ら所有し、アカウントを別のプロバイダーに移行できる。また、ユーザーは自分が利用するアルゴリズムをコントロールできるため、アプリ体験を自分好みに調整することが可能だという」。

——Twitter後継選びが徐々にリアリティを増している。なかでも注目株はTwitter創業者によるTwitterオルタナティブ「Bluesky」。中でも引用箇所のようにプラットフォームによるロックインを避けるプロトコルの実装だ。

人気アーティストの声を使ったAI生成の楽曲がSNSで大人気--レーベルは削除要請
「『Heart On My Sleeve』は大人気になり、Spotifyや『Apple Music』などの音楽ストリーミングプラットフォームで共有され、数十万回もストリーミング再生された。しかし米国時間4月17日、同曲は著作権侵害の申し立てにより、YouTubeを含むさまざまな音楽ストリーミングプラットフォームから削除された」。

——善いことも悪いことも含めて、想像力を刺戟される話題。AIがもたらす本格的なインパクトが見え隠れし始めた。

Streaming is recreating TV, rather than replacing it
「(映像配信の)ストリーミングは、2つの世界の間に挟まれた業界だ。それは、収益性は高いものの、衰退しつつある旧来のTVモデルと、まだ完全に実現されていないストリーミングの未来だ」。ストリーミングは衰退したとするTVビジネスの再発明かと問う記事。

Podcasts as a Source of News and Information

Pew Research Center’s Journalism Project

Podcasts as a Source of News and Information
米Pew Search、米消費者のポッドキャスト利用を調査。対象の約半数が過去1年間にポッドキャストを聴いたことがあり、その5人に1人がほぼ毎日聴いている。
また、リスナーは、娯楽や学習のために、そして何かをしながら聴くためにポッドキャストを利用していると回答。
また、定期的に聞いていると答えたトピックの上位には、コメディー、エンターテインメント、政治が並んでいる。
Americans Spend $48 per Month on Video Streaming Services — and Half of Those Surveyed Say That’s Too Much
米調査会社Deloitte、「2023 Digital media trends」を公表。初めて購読型ストリーミングについて調査。米消費者は平均月額48ドルを購読型動画サービスに支払っているが、その約半数は「払いすぎ」と回答。約3分の1はエンターテインメントの購読数を減らす意向と回答した。
People Are Sick and Tired of All Their Subscriptions
【有料購読者向け記事】:
米消費者に“サブスク疲れ”。調査会社Antennaによると、Netflix、Hulu、HBO Maxなどの解約が2022年には前年比49%増に。また、業界関係者は「消費者が使わないサービスに購読力を支払ってきたことを強く後悔」と指摘。特に長期の購読に見直しの動き。
興味深いのが、米国ではサブスク支出専用の金融サービス(アプリ)が複数存在。そのアカウントを使って購読購入すると、見直しや支払停止などを手軽にできるのだという。
AI-Created Images Are So Good Even AI Has Trouble Spotting Some
【有料購読者向け記事】:
米Wall Street JournalによるAI生成画像によるニセ情報が見破れるかとの論説。このサムネール画像では6箇所の不自然な生成を指摘して見破れるとするが、そのためにもコンテキストの理解の重要さを述べる。
サイネージ革命 「100人100通り」の情報を映す新技術 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「隣の人に顔を寄せて、その人が見ている情報をのぞこうとすると、『距離を取ってください!』とアラートが表示され、見ることはできない。たった1つのディスプレーで完全にパーソナルな情報提供が可能なのだ」。

——街頭でパーソナライズされた情報を逐次表示できる仕組み。まさに映画に観るような驚きの仕組み。

Disruption This Week—–14/4/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年4月10日から2023年4月14日まで。

Briefing: Warner Bros. Discovery Unveils Max Streaming Service
【有料購読者向け記事】:
米メディア大手Warner Bros. Discovery、合併効果などもあり、従来のストリーミングサービス「HBO Max」と「Discovery+」を統合した新サービス「Max」を発表。Netflixなど大手を追う規模化路線。今後はスポーツライブも追加するという。
The Economist is doing some awesome podcasting - Talking Biz News
英Economist誌がポッドキャストに注力、急成長を遂げているとの報。同社ポッドキャストは3月には平均約2500万ダウンロードされており、ユニークリスナー数は過去3年間で倍増。2019年に200万人だったが、現在では500万人に達するという。同誌は厳格なペイウォール制を敷いているので、この種の流入拡大は重要だろう。
デジタル時代のメディア、特に新聞社に期待すること - 校條 諭|論座 - 朝日新聞社の言論サイト
【期間限定公開記事(明日まで)】:
「私は、新しい技術による新しいメディアのあり方を受け入れる立場です。紙に拘泥せず、デジタルメディアにおおいに期待しています。しかし、その際に、紙の新聞のよさ(紙面文化)をすべて忘れて捨て去ってしまうことには反対です」。

――現在の、新聞の意義とデジタル時代の可能性と限界を良く整理した記事。メディア人は一度は読まれたら良い。
個人としては、新聞が紙面という一覧性という優れた利点を持つとは言え、デジタル(モバイル)時代は、別の“発見(ディスカバリ)”機能を備えつつあるのだということに視点が十分に届いていないとも感じたのだが。
そうでなければ、時には新聞本体以上の読者が、ニュースアグリゲータやニュースアプリ上で生み出されていることが説明しにくいと思う。
さらに、ChatGPTが生まれたことで、新聞(=ニュース、報道)に、徹底的にパーソナル化された会話形式でのストーリーテリング能力が加わったのだということにも気づかなければならないと思う。
それは、「フィルタバブル=悪だよね」といったシェーマ以上に巨大な可能性をもたらすものでもあるかもしれない。新聞の未来はそれで救われるかもしれないのだ。
この事態を危機と考えるか、機会と考えるかは、新聞人(ニュースの担い手)次第だろう。

Researchers have uncovered a new Twitter campaign targeting two Chinese activists, dissidents
米コンテンツモデレーション企業のNewsGurard、中国の政権批判を行っている人権活動家ら2名を執拗に攻撃する中国語による18のTwitterアカウントを同定。いずれも同時期に開設、活動を開始。プロフィール画像やアカウント名に共通性がある組織的取り組みと見られるとする。中国政権による攻撃とは同定されないものの、Twitter社の脆弱な態勢がこの種の活動を許している可能性を指摘。
オーディオブックでAI活用進む 故人の合成音声も
【有料購読者向け記事】:
「ロンドンを拠点とする人工知能(AI)スタートアップ企業ディープゼン(DeepZen)が、遺族の許可を得た上で過去に録音されたハーマン氏(エドワード・ハーマン氏。オーディオブック界の著名ナレーター)の声を利用して生成したものだ。同社によると、過去の録音データを基に、同氏本人がそうした新刊書のナレーションを担当した場合に使用したと想定される、あらゆる音やイントネーションを生成することができる」。

——当然こういうビジネスが可能になってくるはず。いずれ人気のアイドルや俳優らが、自身の音声を利用する権利を丸ごと独占ライセンスするようなことが起きるのではないか?

AI generated news presenter debuts in Kuwait media
クウェート通信、AIを用いてバーチャルなニュースプレゼンター「Fedha」を公開。Twitter上でニュース速報を読み上げさせる計画。「Fedhaの金髪と明るい色の瞳は、クウェート人や外国人など、石油資源の豊富なこの国の多様な人々を反映している」と編集幹部は述べる。
note、クリエイターエコノミー動向2023を発表 収益を得るクリエイターが前年比で27.3%増加
「同プラットフォーム(=note)で自身が創作した記事を販売して収入を得ているクリエイターの数を見ると前年と比較して27.3%増加し、累計127,000人という結果となった。
さらにnoteの有料記事数は前年比で137万件増加した。クリエイターエコノミーの拡大が加速していることがわかる結果となった」。

——noteが例年発表する「クリエイターエコノミー動向」。引用のように、引き続き“クリエイターエコノミー”圏は拡大している。これからどの方向にエコノミーが越境していくのか興味をもって見守る。

Instagram Founders' App Artifact Adds 'Reputation Scores,' Comments
元Instagram創業者の2人が先ごろリリースした“ニュースアプリのTikTok”版と呼ばれる「Artifact」。redditに似た記事の評価、コメント機能を追加。コメントするユーザの本人制確認と信用度も掲記する仕組みで“荒れ”を抑止し、健全なソーシャル性を持たせる方向を示す。
ChatGPT開発オープンAIのCEO、日本語サービス拡充検討-首相と面会後に語る
「同氏は首相官邸で岸田文雄首相と面会後、記者団に対し、『われわれはより多くの時間を費やして優れた才能と交わり、日本の人々のために素晴らしいものを構築できることを望む』と発言」。この2月には、米軍事AI技術のパランティア・テクノロジーズのCEOが来日、首相と会談している。創業間もないスタートアップが来日、いきなり首相と重要な会談って、時代の変化が急だ。
AI Developers Stymied by Server Shortage at AWS, Microsoft, Google
【有料購読者向け記事】:
ジェネレーティブAIやChatGPTに代表される大規模言語モデル(LLM)ブームで沸き立つ市場。最大の問題は、AI開発に欠かせないGPU製造元のNvidiaの供給能力の払底。AI開発用のクラウドサービスに需要家(開発者)の長い待ち行列が生じているとする記事。
TikTokに政治の逆風、急成長に陰り(写真=ロイター) - 日本経済新聞
【ご紹介】:
日経MJ紙への寄稿が、日経電子版に転載されました。よろしければご一読を。➡ TikTokに政治の逆風、急成長に陰り

Disruption This Week—–7/4/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年4月3日から2023年4月7日まで。

ChatGPT、何が問題か 元グーグル社員「非常に無責任で無謀」:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「規制が何もないのをいいことに、マイクロソフトのような企業はいま、世界の全人口を実験台として利用することが許されてしまっています。倫理や道徳という観点から考えれば、もっと民主的な統制があってしかるべきでしょう」。

——元グーグル社員でAIが社会に与える影響を研究し、警鐘を鳴らしてきた人物による警告。

出版状況クロニクル179(2023年3月1日~3月31日) - 出版・読書メモランダム
「講談社の決算は売上高1694億8100万円、前年比0.8%減、営業利益は191億円、同11.9%減、当期純利益は149億6900万円、同3.8%減。
その内訳は紙媒体の『製品』が573億5500万円、同13.5%減、デジタル、版権関連の『事業収入』は1001億7200万円、同10.0%増。そのうちの『デジタル関連』収入は778億円、同10.9%増、『国内版権収入』は98億円、同13.6%減、『海外版権収入』は124億円、同35.2%増」。

——上記の引用箇所だけでも、メディア事業をめぐる存立構造、あるいはその発展方向を想像させる刺激に満ちている。「事業収入」が「製品収入」の倍近くもあるのだ。しかもその事業収入の8割がデジタル由来だという。講談社だけの現象には止まらないだろう。もちろん、とはいえ、現時点ではそのような事業構造を持てるのは国内で数社だろうが。

米Protocolの編集長のTom Krazit氏は、同メディアの閉鎖にともない、その2万人以上だった購読者メールリストを買い取って独立。広告付きのメールメディア「Runtime」として再スタートを切ったとする話題。良い話題でもあるが、読者リストを売買対象とするのには抵抗も感じてしまうのだが…。
Substack's new short-form 'Notes' feed looks a lot like Twitter
ニューズレター配信の米Substackは、ユーザーが投稿、引用、コメント、画像、リンク、アイデアを共有できる新たな「Notes」機能の追加を発表。Substack上で共有されたNotesは、Twitterによく似た専用の短文フィードで表示されるという。別に論じたが、Twitter後継争いが激化している。
MidJourney V4 VS Leonardo AI — Same Prompt, Different Results
ジェネレーティブAIについては、ついついChatGPTを話題にしてしまうが、先行し話題となった画像生成系サービスでも、改善や新興サービスの台頭が進んでいる。記事は、同じプロンプトでサービス(MidJournyとLeonardo AI)によりどうアウトプット(画像)が異なるかを具体的に比較した有益な資料。
「プロンプトエンジニアリング」の“教科書”、日本語版が登場 無償でAIの上手な使い方を解説
「プロンプトに関する基礎知識から使用アイデア、注意点などを記載。プロンプトエンジニアリングに関するテクニックの他、GPT-4など特定のAIモデルの特徴などについても言及している」。

——ジェネレーティブAIが技術分野を席巻するにつれ、AIから的確な回答(アウトプット)を得るための的確な指示(プロンプト)が重要になることは、何度か話題にしてきた。このプロンプトエンジニアリングをめぐるガイドブックの紹介。日本語化されたものだ。

Post, a publisher-focused Twitter alternative, launches to public
“読んだだけ払う”。従量型課金システムがこれから広がると見ているが、Twitter的手軽さと従量型課金制を提携メディアに提供する、米「Post News」の話題。利用者は事前に一定額支払い(バウチャー)、利用に応じてそれを消費するモデルのようだ。
新聞社の衰退はネットやスマホの普及が原因ではない グンゼという会社から考える本質:朝日新聞GLOBE+
「…断言できるが、新聞各社の売上が減少し続けているのは決して、インターネットやスマホが普及したからではない。
単に経営陣が世間ずれし、今もなお間違っているからである。
なぜそんなことを、断言できるのか」。

——「新聞社の本質的な強みとは本来、『知性ある記者・編集者』が『取材やエビデンス』に基づき、『信用できる情報』を届けてくれることにあったはずだ」と凡事を徹底すべきことを指摘するオピニオン記事。

カナダ政府が法制化をめざすプラットフォーマによるメディアへ支払いの義務化について、行われた調査研究「Meta and News」によると、Facebook(フィード)上の報道関連トラフィックは3%未満で、年々減少中であり、そのトラフィックもメディア自身による投稿が9割を占めており、ユーザによる投稿(シェア)は少ない。故にFBから恩恵を受けているのはメディア機関だと指摘。
米ツイッター、表示順決めるアルゴリズム公開 マスク氏「公約」、安全面懸念も:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「同社は仕組みをブログで説明。(1)利用者の関心が高そうな人やテーマの投稿から約1500件を選ぶ(2)利用者が「いいね」やリツイートなどの反応をする確率をAIで予測し、点数をつける(3)同じアカウントの投稿が続かないように調整するなどした上で点数の高い順に流す、という主に三つの段階があるとした」。

——あまり大きな話題を呼んでいないようだが。ここで説明されているのは、Twitterの一人ひとりのユーザに対し、どのようなツイートを表示するかというパーソナライズについてだろう。自分のタイムラインを見ても思い当たるところだが、上記では説明できない要素もあるようなので、もう少し勉強したいところ。

ファクトチェックアワード2023

FIJ|ファクトチェック・イニシアティブ

ファクトチェックアワード2023
【ご紹介】:
多くの人々を誤解させるおそれのある社会的影響の大きな言説・情報を検証し、正確な事実を共有することに貢献したファクトチェック作品のうち、特に優れていて社会的意義が高いと認められたものを表彰します。締め切りは20日です。
「オリジネーター・プロファイル(OP)」の挑戦——ネットニュースの信頼性をどう担保するのか? - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techに新着記事です。メディア業界で注目されるプロジェクト「OP(オリジネーター・プロファイル」技術研究組合について、事務局を主導するクロサカ氏に取材しました。

Disruption This Week—–31/3/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年3月27日から2023年3月31日まで。

Netflix appears to be working to bring games to TV with the iPhone as a controller
米Netflixは、モバイルゲームをテレビを使って楽しめるようにする新機能の開発に取り組んでいる。NetflixのiOSアプリに隠されていたコードから、同社がiPhoneをゲームのコントローラーとして使用できるようにする開発を進めていると推測する記事。「この電話をゲームコントローラーに使いますか?」との1行が発見されたという。
Publishers Worry A.I. Chatbots Will Cut Readership
【有料購読者向け記事】:
「すべての検索結果は、我々のデータから取得し、我々の観点、我々のコンテンツをクロールし、我々のコンテンツを集約している。それには、我々のサイトへのトラフィックを促進するという見返りがあった」(米新聞チェーンGannett幹部の発言)。その全てが変わる可能性があると懸念する業界の動きを追った記事。
ネット記事、広告の信頼性向上へ 発信者情報の明示、仕組みづくり進む:東京新聞 TOKYO Web
「——信用できるコンテンツの作成者かどうかを見分ける情報とは。
ニュース記事でいえば、報道機関の『取材倫理綱領』や『編集方針』などだ。本当に信頼のおける取材や書き方をしている人が発信しているかどうか判断する目安となる。広告では『デジタル広告品質認証機構』の認証の有無といった情報だ」。

——それぞれの記事(コンテンツ)や広告と、その制作者(オリジネーター)との1:1の関係を表示できるようにする技術的試みがOP(オリジネーター・プロファイル)だ。どこで表示されようとも、そのオリジネーターを確認できるようにするための技術とそのコンセプトを、主導者の村井純氏が語る。

チャットGPTで最も影響を受ける職業は
【有料購読者向け記事】:
「生成AIの影響によって、大半の仕事が何らかの形で変わることも分かった。少なくとも一つの業務が生成AIの方が素早くこなせる仕事に就く労働者は8割に上った。広報スペシャリスト、司法担当記者、ブロックチェーン(分散型台帳技術)エンジニアといった情報処理の職業はとりわけ影響を受けやすいという」。

——逆に影響を「受けにくい」職種は、「手早く調理できるメニューを提供するシェフやオートバイの整備士、石油・ガス設備の修理・組み立て作業員」だという。

ChatGPT Pluginって何ができるの? - Qiita
「・Zapier Googleシート、Trello、Gmail、HubSpot、Salesforceなど、5,000以上のアプリと連携する。
とくにインパクトが強いのがZapierでしょう。これだけで、ほぼ(ネット上なら) 何でもできる気がします。
公式のプラグイン群と、独自のプラグインを使用することができます」。

——OpenAIが発表したPlugin戦略。あらかじめ10を超えるプラグインが用意されているが、もちろん、重要なのはこのようなアイデアと特定目的向けのフォーカスを持ったプラグインが、これから多様な開発者から提供されるだろうということ。

ステマ規制は10月1日から、河野大臣が発表 違反すれば行政処分の対象に
「野太郎デジタル大臣は3月28日の会見で、ステルスマーケティング(ステマ)を景品表示法における『不当表示』に指定したと発表した。10月1日以降は、措置命令などの行政処分の対象になる」。

——焦点は、いまではSNS、もしくはその上でのインフルエンサーの動きになるだろう。すでに脱税などのかどで告発、追徴などの対象となってきたが、“解釈の違い”というレベルでは終わらないことになる。

大規模言語モデル(LLM)に関連するビジネスを展開する際に留意すべき法規制・知的財産権・契約 | STORIA法律事務所
「大規模言語モデル(LLM)に関連するビジネスを展開する際に留意すべき法規制・知的財産権・契約について、何回かに分けてまとめてみようと思います。
今回は、まずは総論部分として『大規模言語モデル(LLM)に関連するビジネス3つの領域』と『それぞれの領域において法的に問題となる事柄』について簡単に説明をします」。

——そろそろ総合的なリスクについて研究を始めるべき時期。参考になりそうな法律家の連載がスタート。

The Streaming Business Model Is Hitting Its Half-Life
【有料購読者向け記事】:
2022年、Disneyは41億ドル、Paramountは18億ドル、Comcastは25億ドルのストリーミング配信による損失を計上。著名なメディア批評家Andrew A. Rosen氏は、ストリーミング配信事業が、減衰期のCATVの収益性にも遠く及ばないと重要な指摘。それでもNetflixにはYouTubeやTikTokのようなアルゴリズム駆動型の発見機能が備わっているが、他の事業にはそれもないとする。
「ChatGPT」がプラグインに対応、ネットの最新情報を利用可能に
「OpenAIによると、ChatGPTはプラグインを介することで、スポーツの試合状況や、株価、最新のニュースといった、通常の検索エンジンで得られるような情報にアクセスできるようになる。
また、個人的なメモや会社の文書といった知識ベースの情報の取得のほか、食品の注文やフライトの予約などに利用できるという」。

——昨日も紹介したChatGPTのプラグイン機能について。情報はほぼ同じだが、理解のために再掲。

How to play the long game, with New York Times CEO Meredith Kopit Levien
米VergeによるNew York TimesのCEO、Meredith Kopit Levien氏へのインタビュー(ブログ)。掘り下げた会話が多く、メディア関係者の参考になりそうだ。同氏は、NYTimesの現在の成功を、それまでのサイロ的組織から、5〜6年前にテック企業的な組織へと再編したことで説明する。
タイトル研究:「重要なキーワードは前に持ってくる」は、正解か? - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。
「よく言われていることのひとつに、『Web記事のタイトルでは、重要なキーワードを前に持ってくるべし』というものがあります。
体感的には妥当に思えますが、この『公式』はどれくらいデータで実証することができるのでしょうか」。