Disruption This Week—–20/1/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年1月16日から2023年1月20日まで。

Alexa, That Isn’t Elvis! New Music Shuffle Irks Amazon Prime Users
【有料購読者向け記事】:
音楽ストリーミングのAmazon Musicが仕様を変更。ユーザがオンデマンドに楽曲再生するオプションをより高額なサービスへと移行。調査会社Antennaによれば、変更が行われた昨1月から11月の間に市場シェアを4ポイントも下落させ手痛い打撃を蒙ったという。
Taylor Swift and the music industry’s next $20
「Taylor Swiftと音楽産業の“次の20ドル”」。新フォーマット、新ビジネスモデル、そして(TikTokのような)新プロモーション形態。音楽はテクノロジーとの関係において他のメディアより5年先を行っている。TVや映画、ニュースなどメディアのの未来も見えてくるはずと述べるポッドキャスト番組の書き起こし記事。
「次の20ドル」とはもちろん、米消費者が映像や音楽の購読(ストリーミング)に支払っている金額と理解すると、記事の意味が想像できるだろう。記事の副題が「ストリーミングの問題は、ストリーミング」としているのもそのようなこと。
TikTok could open its algorithm to regulators, breaking a major dam for social media
TikTokをめぐる2つの大きな話題。Insider Intelligenceのリポートでは、米国市場での対前年比で広告収入を約140%増に。対するInstagramは「1.5%増」、Facebookはマイナス(絶対額の比ではないものの)! また、政府の透明性要求に押されアルゴリズムの一部開示を検討中だとする記事。
世界スマホ市場、2023年は成長見込めず--Canalys予測
「Canalysが米国時間1月17日に公開したレポートによると、世界のスマートフォン出荷台数は2022年第4四半期に17%減少し、2022年通期では11%減少したという。同社のアナリストRunar Bjorhovde氏は、『通期および第4四半期の実績として、過去10年で最悪』と評した」。

——Canalysは、シンガポール拠点の市場調査会社。今回のスマホの市場収縮の背景には複合的な要因がありそうだ。グローバルな景気動向ということが記事では書かれているが、オリジナルのリポートでは、中国の需要の厳しさが続いていることに言及がある。

The app economy slowed for the first time in 2022, with consumer spend down 2% to $167 billion
アプリに対する消費者の支出が、2021年に前年比19%の伸びを示した後、22年には初めて減少したことが明らかになった。モバイル分析会社のdata.ai(旧App Annie)による“アプリエコノミー”に関する年次リポートから。
Podcasters First Wanted Your Ears. Now They Want Your Eyes Too
かつては音声のみのフォーマットだったポッドキャストが、動画(特にYouTubeや有料ライブイベント)を優先して扱うハイブリッド配信モデルへと進化中。ユーザも半数が動画付きを好むとするなどポッドキャストをめぐる調査結果を米Morning Consultが公開。
ネット記事に信頼性付与、OP技術開発へ新聞社など11法人が組合
「安全なインターネット環境の実現に寄与するデジタル技術『オリジネーター・プロファイル(OP)』の実用化に向け、読売新聞社を含む新聞・メディア、アドテクノロジー(広告技術)会社など11法人は、技術研究組合を設立し、共同開発に乗り出す」。

——昨夏に報道されたプロジェクトが正式に発足の動き。コンテンツの信頼性を可視化しようという興味深い試み。
個人的にはW3Cにエントリーするなど世界標準化への道のりに期待する。

8 charts publishers need to see, from Reuters predictions for 2023 | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
先日来紹介をしているReuters Instituteによる「Journalism, media, and technology trends and predictions 2023」。膨大な調査から8つのポイントをチャートともにピックアプした記事。良い整理。いずれも重要だが、8番目「プラットフォームパワーの変化」は具体的で興味深い。
他には、「1. 2022年以降、成長への信頼度は44%に低下」「2. 68%がサブスクリプションの継続的な成長期待」「4. ニュース忌避への懸念をニュース担当役員の72%が考える」「5. AIによるレコメンデーションを67%のパブリッシャーが活用中」などが目につく。

2023 Edelman Trust Barometer
Edelmanが毎年更新している調査「Trust Barometer」。2023年版が公開(日本版は未公開)。例年、企業、国家、メディアに対する“信頼感”を30か国弱で調査。日本は、高年収・低年収層のいずれでも、信頼感において世界平均を大きく下回り、最下位に近い。
WSJスクープ | ユーチューブ、無料配信チャンネルの一括提供を試行
【有料購読者向け記事】:
「複数の関係者によれば、ユーチューブはこのハブへのテレビ番組と映画の提供を巡り娯楽企業と協議を進めており、少数のメディア提携先と試験的な運用を進めている。同サービスを年内にさらに大々的に立ち上げる可能性もある」。

——米メディア業界では、「FAST」と呼ばれるトレンドが注目を集めている。私の理解は、多くの動画コンテンツを保有するローカル放送局などがストリーミング配信できるよう仕組みを提供すると同時にそこに広告配信を行うサービスというものだ。
すでに、Rokuなどが手がけてきているが、大手YouTubeがそこに乗り出すという話題。

News aggregator SmartNews lays off 40% of US and China staff, with further reductions planned in Japan
【ご紹介】:
スマートニュースの人員削減策を、前週末、米TechCrunchが報じている。スマートニュースの“中のヒト”を卒業して何年も経つので、記事の詳細について判定できるわけではないが、私の知るUSの元同僚の多くが会社を去ったのは事実。彼らの将来に幸多かれと祈る。国内への影響はこれからだろう。

Disruption This Week—–13/1/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年1月5日から2023年1月13日まで。

Opinion | Does Twitter Disinformation Even Work?
【有料購読者向け記事】:
2016年大統領選を巡りSNS経由でのロシアによる工作の影響度については、いまだに研究が進められている。Facebook上の活動は広く知られたが、Twitter上での影響力は小さかった? 米NYUの研究者らによる研究が学術誌「Nature Communications」に掲載された。
How the Star Tribune aims to retain its 100,000 digital subscribers - WAN-IFRA
創刊155年の米ローカルニュース「Star Tribune」。購読者のリテンション担当者が語る取り組み。重視している「KRP:キー・リテンション指標」という考えは参考になるはず。また、購読中止方法をあえて電話のみからオンラインに変更して、効果をあげたという事例も興味深い。
テレビ番組のネット配信、認知は8割前後に スマホの存在感増す──MMD研究所調査
「サッカーワールドカップのカタール大会が話題になった2022年12月上旬(5~7日)に18歳以上の男女1万100人を対象に調査した。これによるとテレビ放送後の番組をネット配信する『見逃し配信』の認知は80.1%で、このうち利用したことのある人は38.0%だった。また放送と同時に配信する『リアルタイム配信』の認知も77.4%と高く、利用経験者は33.3%だった」。

——「日本VSクロアチア戦」が行われたのが12月6日だから、国内で最大の注目を浴びていた時期の調査。ネット上での調査(八票元のデータを手続きしてダウンロードしないとデモグラ等がわからないのだが)と想像するのでその偏りはあると思うが、大きな認知向上があったと見る。また、発表元では、利用しているサービスも調査され、TVerとABEMAが上位に。

Pro-Putin operatives in Germany work to turn Berlin against Ukraine
ドイツ国内で秋以降、親ウクライナへの動きに反対する反米親露活動が活発に。活動の中心的人物は、たとえば、元ロシア空軍将校、もう一人は元ロシア軍事情報機関の将校だったりと、彼の国のエージェントの可能性が濃厚に。内容はもちろん、ビジュアルでも見応えのあるReutersの調査報道。

Journalism, media, and technology trends and predictions 2023

Reuters Institute for the Study of Journalism

Journalism, media, and technology trends and predictions 2023
例年、新年早々に公開されるReuters Instituteによるメディアとジャーナリズムをめぐる大規模な調査。2023年版が公開された。今後関連するトピックスを紹介していくことにする。やはり最大のイシューのひとつが「ニュース忌避」現象の行方ということになるだろう。
How Finland Is Teaching a Generation to Spot Misinformation
【有料購読者向け記事】:
Open Society研究所の調査で、フィンランドは誤報に対する強靭さで欧州41カ国中5回連続で1位を獲得した。ロシアとの間に長大な国境を有し、昨年NATO参加を決めた同国の実践的なメディアリテラシー教育の現場を取材した記事。ある中学の授業ではTikTok投稿を毎週3本見せて、議論したりしているという。
NATO入りを表明したとたん、首相がクラブで踊ったり、ドラッグ疑惑が流れるなど、認知戦が渦巻く同国の状況は実践的に学ぶ価値がありそうだ。
Microsoft eyes $10 billion bet on ChatGPT | Semafor
米Microsoft、ChatGPTを擁するOpenAIに100億ドルを投資検討。米新興メディアSemaforがスクープ。その際の企業価値は290億ドルと見込まれているという。Microsoftとしては、PCの次の波であるモバイルには乗り遅れたが、さて、生成型AIの波にはどうだろうか?
China, a Pioneer in Regulating Algorithms, Turns Its Focus to Deepfakes
【有料購読者向け記事】:
中国、ディープフェイクなど、“深層合成(Deep Synthesis)”技術を用いたコンテンツ、メディアの運用について、今月から新法で厳しく取り締まる運用に入った。この種の技術が経済や国家安全保障を混乱させるような情報の拡散させることを禁止する。
Ghost Writer: Microsoft Looks to Add OpenAI’s Chatbot Technology to Word, Email
【有料購読者向け記事】:
こちらもMicrosoftがChatGPTを取り入れる動向をThe Informationが独自取材した記事。なんとMSは、Word、Outlook、PowerPointなどにChatGPTを取り入れ、ユーザの簡単な指示で文書やプレゼンを生成できるような機能実現を目指しているのだという。
Partisan media offers easier-to-read political news than mainstream outlets, study suggests
米メディア研究者の研究論文「米国メディアにおける読みやすさ、学年、感情、トーンの評価」は、党派性に傾いた政治的メディア(記事)ほど、親しみやすく・シンプル・否定的トーンを用いて読者を引きつけているとの見解。
メディアをめぐる多様性のリアル――ONA2022現地レポート - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから年末更新の記事。昨年米国で行われたONA2022から、「メディアをめぐる多様性(ダイバーシティ)」の動き。海外、特に米メディアはどう考え、取り組んでいるのかを伝えます。

Disruption This Week—–30/12/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年12月26日から2022年12月30日まで。

後藤達也の特別授業at東工大 個人ジャーナリズム・クリエイターのあり方とは
私個人的には、お歳暮もしくはお年玉的価値のあるレクチャー。
Gaming takes over everything
“ゲームこそストリーミングの最大の競合”との認識は新しいものではない。今度は、ハリウッドやストリーミングがゲームを題材に次々と大作。23年には「The Super Mario Bros. Movie」、そしてPlayStation題材の作品などが控えている。もちろん、ゲーム開発をめぐってはサウジアラビアが動き出すなど、ゲームはますますエンタメの中心、カネの集まる場へと向かっているとする記事。
Creator Financing Is Going Mainstream
【有料購読者向け記事】:
大手プラットフォームでは、“クリエイターエコノミー”トレンドに絡んで設立した“基金”から撤退する動きが目立つが、クリエイター向けファイナンススキームづくりに初期から関与してきた投資家が、着実に前進しつつある現況と進む方向を詳細に解説した記事。
The AI spammers are coming
「よくできていて、説得力があり、そしてまったく間違っている」コンテンツスパムが、ChatGPTのようなテクノロジーで大量に算出される。それはSEOのあり方を変える。10年続いたプラットフォームがメディアへ与えた影響力に匹敵する地殻変動が来年以降やってくるとの論説。
「イノベーション促進へ内製化によるデータビジネスの推進を」:毎日新聞社 高添博之 氏 | DIGIDAY[日本版]
「『re:Invent』に弊社からエンジニアを派遣しました。今回は「データビジネス」関連の新サービス・新機能が多く発表されています。AWSが言うように『データアクセスの民主化が企業のイノベーション促進』することを実現するため内製化を進めていきたいと考えています」。

——読者についても、コンテンツについても、老舗メディアの強みはその膨大な“資産”だ。だが、その資産をデータとして活用できなければ、つねに“フロー”としてのビジネスであり続けることを強いられる。資産の活用が手がけられれば、展望が見えてくるはずだ。

The rise of misinformation and how governments are combatting it
「エコーチェンバーからの脱出:各国政府はどう偽情報と闘っているか」。欧州の各国政府関係者向けメディア「Global Government Forum」が政府広報担当者のパネルディスカッションを開催。欧州各国の「偽情報」への対処を議論。基本は、政府と市民間のコミュニケーションをどう増やしていくかが課題ということに。
米サウスカロライナ州Furman大の教授は、ある学生がChatGPTを用いて課題論文を提出したのを発見。課題は“恐怖のパラドクス”を論じることだが、論文は哲学者ヒュームに結びつけ自信満々に誤った引用をしていた。教授はこれがChatGPTの特徴をなすと指摘する。
Googleは敵か味方か 米メディアに「現実主義」の兆し
【有料購読者向け記事】:
「多くの新聞社にとってテック企業は『宿敵』というのが定説だが、ドクター氏(=メディア評論家で、自らも地方メディア「ルックアウト・サンタクルーズ」を立ち上げたケン・ドクター氏)は『グーグルやフェイスブックと競うつもりはない』と言い切る。きめ細かい需要開拓の結果、『地域の潜在顧客とつながる新たな方法のニーズがある』と分かってきたことが大きい」。

——糧道を食われ、窮地の老舗メディア群が法案に支えられてプラットフォームと戦う、もしくは支払交渉に持ち込む……という見慣れた図式から、プラットフォームとの協業関係を引きだす動き。当然ながら望ましい構図だが、プラットフォームの動きが単なるポーズで止まらないようにするためにも、注視を続ける必要がある。

The Atlantic introduces dynamic paywall with varying prices as it hopes to attract 1 million subscribers
米Atlantic、1月より読者の行動から購読料金を変化させる“ダイナミック・ペイウォール”制を開始する。従来は電子および印刷版の組み合わせ、プレミアム版など3種の価格があったが、読者1人当たり収入の増加を目指して動的に価格が変化する新システムを稼働させる。
A New Chat Bot Is a ‘Code Red’ for Google’s Search Business
【有料購読者向け記事】:
新しい種類のチャットボット技術が従来の検索エンジンを再発明、あるいは代替する態勢を整えたことで、Googleは同社の主要な検索ビジネスに対する初めての深刻な脅威に直面している可能性がある。ある幹部は、これが同社の将来を左右すると評する。
検索生み出す収益は同社全体のそれの8割に及ぶという(記事)。そのような強力なビジネスモデルを持てば、この刷新に向かうことは難しくなると、New York Timesの記事は結論として述べている。
AI創造作品、「人工合成メディア」への懸念
【ご紹介】:
日経MJ紙への寄稿が日経電子版に掲載されました。よろしければご覧下さい。➡ AI創造作品、「人工合成メディア」への懸念

NHK、BBCなどと偽情報対策で連携へ【ファクトチェック通信】

FIJ|ファクトチェック・イニシアティブ

NHK、BBCなどと偽情報対策で連携へ【ファクトチェック通信】
【ご紹介】:
FIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)が時々のファクトチェックに関連する話題を配信するニューズレター「ファクトチェック通信」にWeb版ができました。ぜひご活用下さい。

Disruption This Week—–23/12/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年12月20日から2022年12月23日まで。

ネトフリ広告付きプラン、普及まだ先
【有料購読者向け記事】:
「今回のデータが公表される数日前、ネットフリックスは広告付きプランの保証視聴回数を達成できず、その結果出稿されなかった広告分について、返金に応じていると業界誌ディジデイが報じていた」。

——すでにAntennaの調査などについて紹介したが、WSJも、Netflixの広告表示付き廉価版の試みに、否定的な報道。ただし、記事中にもあるが、まだ、滑り出し1か月の段階。今後の展開に引き続き注目すべき。

Porn, Piracy, Fraud: What Lurks Inside Google’s Black Box Ad Empire
「Googleは、広告販売パートナーの大方を秘匿する唯一の主要広告プラットフォームだ。つまり、Googleは広告を掲載するサイトやアプリ、その背後の人々や企業をすべて非公開としている」。
それにより驚くべき偽情報で荒稼ぎするサイトでの広告収入を、匿名のサイトオーナーと折半しているとする詳細な米ProPublicaの調査報道。
米Axios、記事「箇条書き」に活路 ネット系停滞と一線
【有料購読者向け記事】:
「アクシオスは、立ち上げ前に既存メディアの欠点を徹底的に分析し、記事が長すぎるとの結論に至ったという。忙しい読者が短時間で要点をつかめるように、記事は『スマート・ブレビティー(賢く、短く)』と呼ばれる箇条書き方式で提供する」。

——傾く老舗メディアに挑む新興メディア……という図式が揺らいだここ数年。新たな挑戦者はAxiosと見なす記事。ビジネスの仕方、稼ぎ方などに目が行き届いた新興メディアへ注目が集まる。

ByteDance Inquiry Finds Employees Obtained User Data of 2 Journalists
【有料購読者向け記事】:
TikTokおよびその親会社であるByteDanceの従業員らが、米ユーザのデータに不適切にアクセス、監視活動を行っていることはすでに報道されてきたが、今回、新たなに米ジャーナリストの個人データをTikTok従業員が漁っていた事案も内部調査から判明した。
メタバース・ビジネス新展開
25年前に亡くなった
伝説のラッパーが復活ライブ
【有料購読者向け記事】:
「(早逝したラップ・アーティストの)スモールズの超リアルなアバターは、見事な技術的偉業というだけのものではない。メタバース・プラットフォームが普及すればすぐに直面することになる、2つの大きな疑問に対する重要なテストでもある。その疑問とは、亡くなったアーティストのアバターのパフォーマンスを人々がお金を払って見るか、そして、そのビジネスは倫理的か、ということだ」。

——非在の人物をテクノロジーで甦らせる試みは、映画やこの種の芸術ステージ、そして親族と触れあっていたい私的な欲求などに応える産業となっていく可能性がある。この記事ではVRによる見た目の再現と新たな創造が軸だが、ChatGPTのような会話力の人工的な創造がここに組み合わされていくことになることは間違いない。その亡くなった人物の考えや声をAIが学習できれば、応用は広がっていく。

ワシントン・ポスト、SaaSで稼ぐ 2000媒体に基盤提供
【有料購読者向け記事】:
「会社は異なるがArc XPとアマゾンのクラウド部門、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)には共通点が多い。例えば顧客の声に耳を傾け、矢継ぎ早に機能を追加することだ。最近は記者がスマートフォンで撮影した動画をサイトで生中継できる機能など『21年は機能追加数が過去最多だった』(広報担当者)」。

——米Washington Postが自ら内製開発したCMS「arcXP」をめぐる奥平和行記者による充実した取材記事。ただし、同氏が知ってか知らずか、arcXPをめぐる同社の経営は揺らぎ、その戦略は転換を遂げているのだが。メディア企業がテクノロジー事業(企業)を胚胎し育て上げることの難しさが伝わる。期せずしてVox MediaもCMS「Chorus」のディスコンを決めたと報道されている。

Slow fade for Google and Meta's ad dominance
“デジタル広告複占時代”の衰退?
米調査会社Insider Intelligence、2022年の米デジタル広告収入の48.4%をGoogleとMetaの合計が占めると予測(Google28.8%、Meta19.6%)。2014年以来初めて5割を下回る。2017年のピーク時には、54.7%だった(Googleは34.7%、Metaは20.0%)。
5 themes that governed the news industry in 2022 | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
2022年、報道メディアをめぐる5つのトレンド。1) ジェネレーティブAI出現で制作自動化の動き、2) 印刷コスト増大でデジタル化進展、3) Web3、NFTが本格化、4) 改めて広告に頼るメディアも、5) “音声(ポッドキャスト)トレンド”加速
Finding new ways to reach news avoiders
ニュースをめぐるエコシステムは、“ニュース・ジャンキー(中毒者)”に向けて作り出されている。ニュースをよく読む人より、ニュースを大量摂取する人向けにビジネスが最適化されており、それがまたニュースメディアの首を絞め、“ニュース忌避”を呼んでいるとする貴重な論。
最近までCNNでアンカーをしていた筆者が、抜け出す方向性を示唆する。
2023年に最も注目すべきテクノロジーは、世界を変えうる技術革命「生成型AI」だ | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」
【有料購読者向け記事】:
「AIは計算負荷が高く、高価なデータセンターを必要とするため、政府や超大企業しか利用する余裕がない。しかし、AIにはストーリーがあり、実用性がある。それこそ、2021年と2022年に登場した技術(Web 3.0とメタバース)が提供しなかったものだ」。

——スコット・ギャロウェイ氏のお馴染みの論説。今年1年の間にも歴史に残るようなAI研究の成果が生み出されている状況を、的確に論じている。Web3トレンドより実用性が高く、その分、日社会に良い影響も悪い影響ももたらすだろうことを示唆している。
で、最大の難点は、大規模言語モデルの駆使は、ブロックチェーンのマイニング同様、設備集約、高エネルギー消費型の産業であること。むしろGAFAを生き延びさせる可能性が高いことかもしれない。

Disruption This Week—–16/12/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年12月12日から2022年12月16日まで。

An Alternate Reality: How Russia’s State TV Spins the Ukraine War
【有料購読者向け記事】:
米New York Times、ロシア最大の国営メディア企業「全ロシア国立テレビ・ラジオ会社(通称VGTRK)」から流出した膨大なデータからメール通信部分を分析。ウクライナ侵攻開始後のやり取りから、数々の情報工作(キャンペーン)の実態を明らかにした。
ユーチューバー、映像権売却で大金獲得
【有料購読者向け記事】:
「同氏(=ジャスティン・ワトキンス氏)はあるスタートアップ企業からの売り込みに驚いた。それは、同氏が制作した何千もの古い動画から得られる広告収入と引き換えに200万ドル(2億7000万円)以上を受け取らないかというものだった」。

——過去の投稿記事をめぐる権利を売却するような取引がYouTuberにも生じている。もちろん、このトレンドは音楽業界で起きており、ビッグネームが次々と過去の楽曲をめぐる権利を手放している。個人的にはこのスキームをより小型にして汎用化できないものかと考える。もちろん、それもまた今起きているトレンドだ。

Synthetic media forces us to understand how media gets made
「実在の人物がしてもいないことをしているリアルなシーンや、性的な女性の画像、あるいは戦争犯罪の偽画像の氾濫を簡単に偽造できるようにすることは、決して笑えない事態だ」。
“ジェネレーティブAI”が生み出す人工合成メディアの時代に備え、取り組む動きを紹介・論説する記事。
Twitterの「シャドウバン」の実態を暴露するイーロン・マスクお墨付き社内文書「Twitterファイル」第2弾が公開される
「Twitter Japanの公式アカウントが2020年に『Twitterがシャドウバンを行っていると指摘されますが、現在も過去にも行ったこともありません』と述べるなど、Twitterはシャドウバンの実施を否定しています。
そんなシャドウバンの実態を明かす『Twitterファイル』第2弾が、2022年12月9日に公開されました」。

——昨日から紹介しているTwitter社内で行われてきた恣意的な投稿検閲(党派的な偏りから投稿を排除するなどの行為)、“シャドーバン”について、第2弾の報道が米国で行われている。記事はそれを紹介したもの。興味深い事例が含まれている。

Will your paywall kill your website traffic (and ad revenue)? | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
従量型ペイウォール(たとえば、月々一定数の記事は無料とし、それ以上を有料とするような運用)を推進する筆者が、設計によってペイウォール化しても読者流入、広告収入などを激減させることはなく、むしろ向上させるケースがあるのだと論説する記事。
Bari Weiss reveals business plan for buzzy new media startup
Elon Musk氏がSubstack買収に関心を持つようになった背景? New York Timesコラムニストを辞め、Substackニューズレターで独立メディアを立ち上げたBari Weiss氏の話題。Musk氏提供の資料でTwitter内部における“影の検閲”体制を暴いたことから知名度急上昇だ。
Who will win digital advertising’s ‘Game of Thrones’?
米Insider Intelligenceアナリストらによる、2023年のデジタル広告市場予測。15年にはGoogleとMetaで8割近くを占めるという複占状況が相当程度崩れる。市場伸長のわずか15.8%を両社が占めるのみに。では成長株は…? チャートを見れば一目瞭然だ。
The traditional story structure gets deconstructed
「ニュースのテクノロジーは大きく変化しているが、今日の記事の基本構成は、例えば1932年のものと大きくは変わっていない」と指摘し、新興メディアのAxiosやSemaforなどについて触れ、今後のChatGPTなどとのインタラクションに可能性を見る論説。短いが刺激的だ。
How ChatGPT could disrupt the business of search
米Axiosが「ChatGPTがどう検索ビジネスをディスラプトするか」との論説。簡単な質問を文書で入力すると、ひとつのまとまった文章で回答を返してくれるChatGPT。あふれかえる候補群とリンクの束がかえってくるのとどちらが消費者にとって魅力的に見えるか? 答えは見えている。
BBC preparing to go online-only over next decade, says director general
英BBC会長Tim Davie氏、今後の10年間で放送を終了し、BBCがオンライン専業となるビジョンを呈示。
「やがて、リニア放送は減少し、よりカスタマイズされたオンラインサービスが提供されることになるだろう」「BBCを1つの提供物(アプリ)にまとめる」とも述べた。
実践ノウハウ公開!ニュースレターとポッドキャストで「個人メディア」 - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着です。個人メディアの運営にまつわるノウハウ、実践記をお届けします。ぜひご参考に。