Disruption This Week—–7/4/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年4月3日から2023年4月7日まで。

ChatGPT、何が問題か 元グーグル社員「非常に無責任で無謀」:朝日新聞デジタル
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「規制が何もないのをいいことに、マイクロソフトのような企業はいま、世界の全人口を実験台として利用することが許されてしまっています。倫理や道徳という観点から考えれば、もっと民主的な統制があってしかるべきでしょう」。

——元グーグル社員でAIが社会に与える影響を研究し、警鐘を鳴らしてきた人物による警告。

出版状況クロニクル179(2023年3月1日~3月31日) - 出版・読書メモランダム
「講談社の決算は売上高1694億8100万円、前年比0.8%減、営業利益は191億円、同11.9%減、当期純利益は149億6900万円、同3.8%減。
その内訳は紙媒体の『製品』が573億5500万円、同13.5%減、デジタル、版権関連の『事業収入』は1001億7200万円、同10.0%増。そのうちの『デジタル関連』収入は778億円、同10.9%増、『国内版権収入』は98億円、同13.6%減、『海外版権収入』は124億円、同35.2%増」。

——上記の引用箇所だけでも、メディア事業をめぐる存立構造、あるいはその発展方向を想像させる刺激に満ちている。「事業収入」が「製品収入」の倍近くもあるのだ。しかもその事業収入の8割がデジタル由来だという。講談社だけの現象には止まらないだろう。もちろん、とはいえ、現時点ではそのような事業構造を持てるのは国内で数社だろうが。

米Protocolの編集長のTom Krazit氏は、同メディアの閉鎖にともない、その2万人以上だった購読者メールリストを買い取って独立。広告付きのメールメディア「Runtime」として再スタートを切ったとする話題。良い話題でもあるが、読者リストを売買対象とするのには抵抗も感じてしまうのだが…。
Substack's new short-form 'Notes' feed looks a lot like Twitter
ニューズレター配信の米Substackは、ユーザーが投稿、引用、コメント、画像、リンク、アイデアを共有できる新たな「Notes」機能の追加を発表。Substack上で共有されたNotesは、Twitterによく似た専用の短文フィードで表示されるという。別に論じたが、Twitter後継争いが激化している。
MidJourney V4 VS Leonardo AI — Same Prompt, Different Results
ジェネレーティブAIについては、ついついChatGPTを話題にしてしまうが、先行し話題となった画像生成系サービスでも、改善や新興サービスの台頭が進んでいる。記事は、同じプロンプトでサービス(MidJournyとLeonardo AI)によりどうアウトプット(画像)が異なるかを具体的に比較した有益な資料。
「プロンプトエンジニアリング」の“教科書”、日本語版が登場 無償でAIの上手な使い方を解説
「プロンプトに関する基礎知識から使用アイデア、注意点などを記載。プロンプトエンジニアリングに関するテクニックの他、GPT-4など特定のAIモデルの特徴などについても言及している」。

——ジェネレーティブAIが技術分野を席巻するにつれ、AIから的確な回答(アウトプット)を得るための的確な指示(プロンプト)が重要になることは、何度か話題にしてきた。このプロンプトエンジニアリングをめぐるガイドブックの紹介。日本語化されたものだ。

Post, a publisher-focused Twitter alternative, launches to public
“読んだだけ払う”。従量型課金システムがこれから広がると見ているが、Twitter的手軽さと従量型課金制を提携メディアに提供する、米「Post News」の話題。利用者は事前に一定額支払い(バウチャー)、利用に応じてそれを消費するモデルのようだ。
新聞社の衰退はネットやスマホの普及が原因ではない グンゼという会社から考える本質:朝日新聞GLOBE+
「…断言できるが、新聞各社の売上が減少し続けているのは決して、インターネットやスマホが普及したからではない。
単に経営陣が世間ずれし、今もなお間違っているからである。
なぜそんなことを、断言できるのか」。

——「新聞社の本質的な強みとは本来、『知性ある記者・編集者』が『取材やエビデンス』に基づき、『信用できる情報』を届けてくれることにあったはずだ」と凡事を徹底すべきことを指摘するオピニオン記事。

カナダ政府が法制化をめざすプラットフォーマによるメディアへ支払いの義務化について、行われた調査研究「Meta and News」によると、Facebook(フィード)上の報道関連トラフィックは3%未満で、年々減少中であり、そのトラフィックもメディア自身による投稿が9割を占めており、ユーザによる投稿(シェア)は少ない。故にFBから恩恵を受けているのはメディア機関だと指摘。
米ツイッター、表示順決めるアルゴリズム公開 マスク氏「公約」、安全面懸念も:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「同社は仕組みをブログで説明。(1)利用者の関心が高そうな人やテーマの投稿から約1500件を選ぶ(2)利用者が「いいね」やリツイートなどの反応をする確率をAIで予測し、点数をつける(3)同じアカウントの投稿が続かないように調整するなどした上で点数の高い順に流す、という主に三つの段階があるとした」。

——あまり大きな話題を呼んでいないようだが。ここで説明されているのは、Twitterの一人ひとりのユーザに対し、どのようなツイートを表示するかというパーソナライズについてだろう。自分のタイムラインを見ても思い当たるところだが、上記では説明できない要素もあるようなので、もう少し勉強したいところ。

ファクトチェックアワード2023

FIJ|ファクトチェック・イニシアティブ

ファクトチェックアワード2023
【ご紹介】:
多くの人々を誤解させるおそれのある社会的影響の大きな言説・情報を検証し、正確な事実を共有することに貢献したファクトチェック作品のうち、特に優れていて社会的意義が高いと認められたものを表彰します。締め切りは20日です。
「オリジネーター・プロファイル(OP)」の挑戦——ネットニュースの信頼性をどう担保するのか? - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techに新着記事です。メディア業界で注目されるプロジェクト「OP(オリジネーター・プロファイル」技術研究組合について、事務局を主導するクロサカ氏に取材しました。

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