目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年3月18日から2024年3月22日まで。


「市民団体『コファクツ』は、2400人以上のボランティアが市民から寄せられた情報の真偽を検証している。台湾でも普及するLINEを使い、利用者から投稿された真偽不明の情報を過去の検証結果を集めたデータベースと突き合わせて正しい内容かを瞬時に確認。データベースはボランティアが評価を重ね、回答の精度を高めている」。
——台湾総統選などを機に噴出した偽動画、偽画像。台湾では市民が参加するファクトチェックのスキームが歴史的に積み重ねられている。
ネット広告を良くしなければ社会が悪くなる、2024年度はその分岐点です。 | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議
AdverTimes(アドタイ)宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム

——境 治氏の論説。「広告」の劣化は、メディアそれ自体の劣化と見なされるだろう。その逆もまた。広告もコンテンツ(メディア)も、どう“引き算”のアプローチを現実化していくべきか。
TikTok Revamps Creator Rewards Program to Incentivize Longer Uploads
Social Media Today

——TikTokが流行らせた“ショート動画”を自ら脱却しようとするのは、GoogleやMeta勢のショート動画との差別化、そして、広告の挿入しやすさなどマネタイズ面での課題があるからだろう。
How to abandon a paywall and thrive – a case study
Media Makers Meet | What’s new in media

「1. より多くの読者にリーチする必要性
2. 非営利の立場を受け入れる
3. 毎日配信されるメールマガジンの重要性を理解
4. 透明性を高め、利益を再投資…
5. イベントやエンゲージメントを通じて熱心なコミュニティを築く…」
——ある商業デジタルメディアが、購読課金制(ペイウォール)を諦め、非営利・寄付金型メディアへのモデルチェンジを図り、成功した事例を要約解説した記事。
長文コンテンツのための5つの書式テクニック
U-Site

——「要約、箇条書き、コールアウト、太字、役立つ視覚情報などのテクニックを用いることで、1,000語を超えるコンテンツの理解度やエンゲージメントは向上する」との視点で整理された論。しかも、体験的な主張ではなくユーザーによるテストを基にした論であり、傾聴に値すると思う。個人的には冒頭の「要約」が重要と感じている。

——興味深い調査結果が示された記事。“真にスマホネイティブ”な層=子どもたちのメディア(コンテンツ)接触について、さまざまな視点が示された。引用箇所は、幼児期は寝かしつけのために親がスマホを与え、長じては親がスマホ視聴を取り上げ、そして学校教育ではタブレットと振り回される様が指摘される。
Hey YouTube creators, it’s time to start labeling AI-generated content in your videos | CNN Business
CNN

視聴者を混乱させる可能性のあるリアルなAI生成コンテンツにのみラベル付けが義務化されるという。
A company linked to a large “pink slime” network is being hired by big publishers like Gannett
Nieman Lab

——“ピンク・スライム”とは、挽肉などに低品質な肉や人像肉などを混ぜ合わせる手法を言うが、メディアでも地方紙(もしくはそれを仮装するサイト)で広告記事や政治的主張記事を垂れ流すビジネスが指摘されている。消えゆく地方紙を買い取るなどして次々にこの種のビジネスに転換させる動きがあるのだ。全米レベルの大手新聞チェーンGannettが、結果としてこのような動きに関わってしまっているとの指摘。
アルゴリズム、消費者の敵 – 日本経済新聞
日本経済新聞

「消費者はハンバーガーの価格や家賃の上昇には激怒するが、なぜか通勤時間帯で交通費が変動してもあまり気にしない。アプリで予約する場合はなおさらだ。だが、ネット上で当然視されてきたこれらの手法がリアルの店舗で展開されると問題は大きくなる」。
——英FT紙の論説記事。“ダイナミックプライシング”をのんきに新手法として評価する言説が多い。が、実際に自分に適用されれば、“消費者差別”と怒る向きも多いはず。さらに、それが実店舗で行われれば、なおさらだが、なぜかオンラインではその種の新商慣習がすでに横行しているとする論説。