目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年3月25日から2024年3月29日まで。

「お別れ会では八代さんが生前残した音声をもとに、AI音声合成技術を用いて新たに生成された八代さんの“肉声”メッセージが冒頭から届けられた。八代さんは『自身の声を残したい』という思いから、2020年に『声辞書』を作成。約400の文章を読み上げ、それらを音源データとして保存していたという」。
——日本でも、故美空ひばり氏の生前の録音を使った取り組みがあったと思う。ジェネレーティブAIがリーズナブルなコストでそれを容易にしつつある。今後広がるだろう。

「Shortsの参加資格を満たしてYPPに参加したクリエイターの80%以上が、YouTubeの他のYPP収益化機能を通じて収入を得ている」「昨年『Shorts』にレベニューシェアを導入して以来、 YPPの25%以上のチャンネルがこの収益源から収入を得ている」。
——米YouTubeが発表。TikTokを追って考案された「ショート」がいよいよ影響力を高めつつある。
![長尺トレンド、CTVの収益性の高さ。米人気 YouTuber が語るYouTubeクリエイターの現在地 | DIGIDAY[日本版]](https://digiday.jp/wp-content/uploads/2023/02/youtube-streaming-wars_eye.jpg)
「現在、我々が目を向け、最適化に取り組んでいるのは、長尺動画とCTVだ。昨年の我々のチャンネル視聴者数の30%がCTVによるものだった。2023年に関していうと、超長尺コンテンツによって1700万時間の視聴時間と1億200万回の視聴回数がもたらされた」。
——YouTubeで稼ぐ米国の著名クリエイターが、現在の収入をどう分析し、今後どうしようとしているかをつまびらかに述べた出色のインタビュー記事。

「現在は米国内のみの販売で、英語入力にのみ対応している。同社によると韓国の通信大手、SKテレコムと日本のソフトバンクの2社と独占契約及び戦略提携を結んでおり、日本と韓国での製品展開を予定しているという。ボンジョルノ氏によると、同デバイスは日韓での正式発売時には、日本語と韓国語に対応する予定という」。
——以前何度か紹介した、胸辺りに大きめのバッジのように装着するジェネレーティブAI駆動のデバイス「AI Pin」。日本でも発売の動きが出てきた。スマホをリプレイスするのか、補完するのか。あるいは、単なるキワモノなのか。日本語エディションが出れば試してみたい。

選択的ニュース回避層は、実はニュースを多く消費している。この層は、年齢が若くニュースに否定的なイメージを持ち、(意外にも)政治的効力感が高い。一方で、ニュース消費が単に少ない、メディアや政治への信頼が低く、低所得な人たちとは弁別されるべきとの研究議論。
焦点:巨大ITが直面する米欧の独禁法問題、業界初の解体命令も
Reuters Japan

「巨大IT企業は、過去数十年間で最大の逆風にさらされている。米国と欧州の独占禁止当局が、これらの企業の反競争的とされる慣行の取り締まりに乗り出し、アップルやアルファベット子会社グーグルが、業界として初めての分割解体命令を下される恐れまで出てきたからだ」。
——記事が結論づけているように“解体”(分割)に至る道は相当に険しい。そんな議論を続けている間に、新たなAI巨大プラットフォームが誕生しかねない。ただし、この種の緊張感を巨大プラットフォームに与えることは総合的に有益だと思う。

「訴状は、AI生成コンテンツの検知サービスを提供する「コピーリークス」が2月22日に発表したチャットGPTの大規模言語モデル(LLM)、GPT-3.5に関する調査結果を引用している。
調査ではGPT-3.5に物理学から経済学、スポーツまでの26分野、1,045件のテキストの出力を指示したところ、59.7%で盗用を含むテキストが含まれ、45.7%で同一のテキストがあった、と指摘」。
調査ではGPT-3.5に物理学から経済学、スポーツまでの26分野、1,045件のテキストの出力を指示したところ、59.7%で盗用を含むテキストが含まれ、45.7%で同一のテキストがあった、と指摘」。
——他の同様の調査結果も示されている。これだけ大規模な模倣では、フェアユースとは言いがたいと思うが、OpenAIらはどう抗弁するのか興味を持つ。
英Financial Times、購読者からの自然言語文による質問に答える「Ask FT」と呼ぶ新しいジェネレーティブAIチャットボットを導入。記事はそれを実際に使い、その精度を論じている。下地となった記事などを明示する機能など媒体運営者が求める要素が含まれる。その一方で、生成された解説には一部矛盾や古さなどがあったとも指摘。

「イスラエルのベングリオン大学の研究チームは、生成AIとユーザーの間に割り込んでデータパケットを傍受し、AIの回答内容を高い精度で復元する攻撃に成功したと発表した。この攻撃は、生成AIがユーザーの質問に回答する際のデータ処理に存在する脆弱性を突いている」。
——ChatGPTのみならずGeminiにおいても、同様の脆弱性発見されているという。他人がどのようなプロンプトを発し、AIがどうそれに応えたかを再現できるらしい。
