Disruption This Week—–5/4/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年4月1日から2024年4月5日まで。

米グーグル、生成AI検索サービスの有料化検討=FT
「報道によると、グーグルはAI検索をサブスクリプション(定額課金)サービスに含めるなどの選択肢を検討中。既に「Gメール」や「Docs(ドキュメント)」といったサービスでは、自社の生成AI「ジェミニ」によるアシスタント機能を提供している」。

——昔々、Google検索やGmailなどの使い始めの頃には、「散々便利に使わせて、いずれは有料化に転じるのではないか」と猜疑心を持った記憶が。それが薄れてはいたが、今ごろになってそれが現実になってきたようだ。

AI生成テキストの透かし、改ざんは簡単 新研究で実証
「5月に施行される欧州連合(EU)の『AI法』は、AI生成コンテンツに電子透かしを入れるよう開発者に義務付けている。しかし、新たな研究によって最先端の透かしテクノロジーは規制当局の要件を満たしていないことが示された」。

——研究は、最新の電子透かし技術(アルゴリズム)をAIを使ってハッキングしたと主張。その簡略な要約を記事は紹介している。どうやって、電子透かしが、そのコンテンツをAI生成だと示せるのかが理解できて面白い。

Fact-checking grows but concerns remain over funding, harassment, report finds - Poynter
4月2日の「国際ファクトチェッキング・デー」に際して、国際的なファクトチェック団体のネットワークであるIFCN(International Fact-Checking Network)が「ファクト・チェッカーの現状報告」を発表。記事はその要約で、ファクトチェックの最大課題は資金とヘイト問題とする。

米メジャーリーグのデジタル顧客体験改革、年間球場来場者数が9.6%増 | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議

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米メジャーリーグのデジタル顧客体験改革、年間球場来場者数が9.6%増 | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議
「試合時間の短縮化に並行して、顧客体験の刷新も図っていった。
MLBでは顧客のファーストパーティデータを収集し、顧客をより正しく理解すべく、試合をリアルタイムで追えたり好きな選手の戦果をフォローしたりできる『MLBアプリ』や、メジャーリーグの野球場を訪れる際のチケット管理のための『MLB BallParkアプリ』、MLBの試合をストリーミングできる有料の『MLB.tv』といったデジタルプロダクト、チケット購入サイト『ickets.com』などを有している」。

——Adobe社のイベントで、MLBチーフオペレーションズ&ストラテジーオフィサーが語った、MLBのDX改革。データに基づく分析から3つの改革を実施と具体的な取り組みを紹介。特にパーソナリゼーションのアプローチが興味深い。
https://www.advertimes.com/20240403/article455247/

For Data-Guzzling AI Companies, the Internet Is Too Small
【有料購読者向け記事】:
OpenAIやAnthropicといった大手ジェネレーティブAI開発企業は、学習のための高品質のテキストデータの収集に苦慮している。低品質な情報源には事欠かないが、高品質な情報源であるメディアなどとの交渉は難航。
YouTube上の字幕を利用するアイデアやAIが生成した文章を再利用するなどの苦肉の策も検討されているとする記事。
レディットがニューヨーク・タイムズよりも価値が高い理由
「- レディットは損失を出しているものの、時価総額は約80億ドルを超えている。
– 一方、利益を上げているニューヨーク・タイムズの時価総額は約70億ドルだ。
– これは、ユーザーによる無料コンテンツを生かすレディットのビジネスモデルを、投資家が評価していることを意味している」。

——いまさらながらの問題意識ではあるが、メディアの価値をどう計量するか。もちろん、公開企業の株価の総額で測るのは、ある種の代替的なアプローチだが、意味がなくはない。記事が示唆しているのは、運営にかかるコストという視点。Redditではユーザー投稿という原稿コスト・ゼロというSNSの圧倒的なアドバンテージだ。

Discord to Start Showing Ads for Gamers to Boost Revenue
【有料購読者向け記事】:
米チャットプラットフォームのDiscord、近日中にも広告掲載を開始と米Wall Street Journalが報道。同社CEOのJason Citron氏は広告体験について否定的な意見を再三述べ、広告事業には着手してこなかった。異なる収益化アイデアに期待したのだが……。ちょっと残念。
「耳の可処分時間」が拡大!デジタルサービスで活性化する音声メディア | ウェブ電通報
「『日本の広告費』では、2023年はマスコミ四媒体合計広告費が前年比96.6%(2兆3,161億円)となる中で、ラジオ広告費は前年比100.9%(1,139億円)と、マスコミ四媒体の中では雑誌広告とともに増加となりました。…マスコミ四媒体の中で唯一3年連続の増加となりました」。

——広告費の側面から音声メディアの好調を紹介したが、自身の経験や種々のテクノロジー進化で、この分野にはまだ発展の余地が高いと注目している。特にジェネレーティブAI技術の出現は、品ぞろえの多様化がなかなか進まない(一部の売れ筋に集中する)オーディオ書籍市場が活性化させるだろう。

「世界のアニメファンは10億人に」 クランチロール首脳陣が語る、日本アニメへの期待 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
クランチロールのCEO ラウール・プリニ氏:
「実際のところ、どの国にも違法アップロードのサイトはあり、なかなかなくなりません。ですので、我々ができることは“クランチロールのサイトで見た方が良い”と思えるような体験を提供することに尽きると思っています」。

——世界で10億人のユーザーをめざすクランチロール。課題は、やはり違法アップロード問題のようだが、対策には傾聴すべきものがある。

OpenAIの「Voice Engine」は15秒分の声データを元に本人そっくりに喋る
「米OpenAIは3月29日(現地時間)、人の声を再現できる生成AIモデル『Voice Engine』を発表した。テキスト入力と15秒分の音声サンプルで、元の話者によく似た自然な音声を生成できる。感情的なリアルな音声で、母国語以外の言語も話せる」。

——すでにOpenAIはこの技術を昨年中からさまざまな箇所で利用している。Spotifyも昨年9月、この技術を用いた「Voice Translation」を発表している。問題は、同社も認めている“悪用の可能性”をどう防ぐかだ。同社はそれを念頭に「慎重なテストを行っている」という。悪用問題を除けばさまざまなサービスを思い浮かべることができるな。

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