目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年10月28日から2024年11月1日まで。
オープンAI、ChatGPTに検索機能を追加-グーグルへの対抗強化
Bloomberg.com

——ChatGPTの有料バージョンに、「AI検索」機能が追加。わかりづらいが、要するに、従来のChatGPTでは(ニュースなど)最新情報は対象外だったが、それが最新情報にまで拡張されるというのがポイント。驚きは、これを受けてGoogleの株価が下落したこと。やはりAIが従来の検索ビジネスの脅威だと、市場も認識しているということだ。



「最終盤を迎えた米大統領選で、共和党のトランプ前大統領、民主党のハリス副大統領の両候補はマスメディア以外での情報発信に力を入れている。ポッドキャストや動画共有サイト『ユーチューブ』などSNS上で人気のある人物との連携が、有権者に接近する近道となっているためだ」。
——度々紹介しているが、米大統領選では、SNSなどのプラットフォーム上で人気を得ているクリエイターの役割が大きな注目を集めている。背景には、従来メディアへの不信が、計量的にも示されている。
オープンAI、収入全体の75%は消費者の有料サービス利用-CFO
Bloomberg.com

——では法人向け事業はどのような状態なのか? といえば、「同社は9月、ChatGPTの法人向けバージョンで有料ユーザー数が100万を突破したと発表した」と記事にある。いずれもOpenAIの直販事業を指していると思うが、一方で、大株主のMicrosoftは法人向けビジネスに強いはずだが。OpenAIの収入基盤は強固だ。
バイデン政権、AIに関する国家安全保障覚書を発表
ITmedia NEWS

——すでに紹介したが、米国は(特に中国を念頭に)AI開発による安保上の優位性を保つ一方、AIが持つリスクを抑え込むための統治を強化しなければならないという、両極の課題を自覚。その課題に明文的に対処を始めた。


「『本当に人が作った曲ですか』。音楽著作権管理のNexTone(ネクストーン)の担当者は、都内の音楽出版社に出向き確認した。生成AIが国内で普及し始めたこの1〜2年、この出版社は毎月のように数千曲もの作品登録申請を続けている」。
——登録申請を求める楽曲の、そのオリジナリティを審査する仕組み自体にも、AIの能力が必要なのではないか。近未来的に見える世界が、すでに現実になっている。
2024年の米大統領選では、マスメディア以上にクリエイターの役割、とりわけポッドキャスターの存在が大きく注目された。SpotifyやYouTubeなどで1,500万人ものリスナーを集めるNo.1ポッドキャスターJoe Rogan氏の番組に、Trump氏が出演した。Rogan氏は、Harris氏にも出演を求めているが、難航しているという。
バイデン政権、安保強化でAI活用へ-軍事・スパイ対策で官民協力
Bloomberg.com

——昨今、テクノロジーの話題は、そのまま安全保障の話題として登場する。テクノロジーが安保課題となるまでのサイクルが超短縮されているのだ。AIがその例。いまやAIは米国にとって、対立国への戦略優位性の源泉だが、同時にいかに統制していくかの悩ましい課題でもある。
「人工知能と人間のよりよい共生のために」久木田水生 – スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute

スマートニュースメディア研究所が開催している「AIと人間のあいだ」研究会からの、新たな論考です。名古屋大学の久木田水生氏「人工知能と人間のよりよい共生のために」。
是非ご一読を。