Disruption This Week—–14/2/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年2月10日から2025年2月14日まで。

Google、機械学習ベースのユーザー年齢推定モデルのテストを米国で開始へ
「このモデルは、ユーザーが18歳以上か未満かを推定し、それに応じて適切な保護措置を適用することを目的とする。将来的には、この技術を他の国にも展開する予定だ。…傘下のYouTubeのニール・モーハンCEOが恒例の年次書簡で、この技術を年内にYouTubeに導入すると語った」。

——年齢の機械的推計は、オーストラリアでのSNS年齢制限制度の施行などで喫緊の課題。問題はその技術的ブレークスルー。NHKのある番組では、ユーザーの手のひらをカメラで読み取る手法を紹介していた。思わぬ制約からイノベーションが生まれそうだ。

100k Club: 2025 ranking of world's biggest news publishers by digital subscribers
英メディアPress Gazette、10万人以上の購読者を有するメディア(英語ベース)リスト「100k Club」の2025年版を公開。購読者総数は前年比13%増の4,470万人に到達。最大はご存じ、New York Timesで1,080万人だが、2位にはSubstackが400万以上に躍進した。
もし、DeepSeek R1が低コストに実現するAI技術ならば、AIシステムはコモディティ化していく。一方で相対的に価値がますものは、コンテンツだ。DeepSeek のリリースを背景に、メディアが締結してきたAI契約の多くは、ほぼ確実に自社コンテンツを過小評価しているのだとする記事。
Most generative AI responses based on news content contain inaccuracies
BBCの調査によると、ニュースに関する質問に対する4つのAIチャットボットで回答の10件中9件に、少なくとも「何らかの問題」が含まれていたことが分かったという。同局は、AI企業に改善と、回答精度を監視する仕組みの必要性を指摘する。
EU、AI推進に総額2000億ユーロ投資へ 欧州委員長が表明
「欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長は11日、人工知能(AI)推進に向け総額2000億ユーロを投じる計画を明らかにした。仏パリで開催中の人工知能(AI)サミットで明らかにした」。

——規制金縛り状態で推移してきたEUが、AI投資に乗り出してきた。米側がアクセルを踏み込んだタイミングでようやく。原発保有で電力供給に余力があり、国内に有望なAI開発企業を持つフランスが、EU諸国内から抜け出ていくのだろうか。

米政権「最強のAI構築」、過度な規制に警鐘 バンス副大統領演説
「バンス米副大統領は11日、仏パリで開催中の「AIアクションサミット」で演説した。AIの興隆を新たな産業革命の幕開けに例え、トランプ政権は最強の人工知能(AI)システムが米国に構築されるようにすると述べた」。

——従来からそうであったが、Trump政権下となり、米国はAIに関して、より積極的に規制より発展という方向に踏み出している。それが米国の世界に対する優位性だからだ。ジレンマは、Musk氏がそうであるように、AI開発ができるようなIT大手は、国家超越的なことだ。ガバナンスの難しさを抱えている。

YouTube Surprise: CEO Says TV Overtakes Mobile as “Primary Device” for Viewing
YouTubeのCEO、Neal Mohan氏、TV視聴が(YouTube視聴において)モバイルを凌駕、「米国でのYouTube視聴の主要デバイス」となったと発表。少なくとも米国では、他のどのデバイスよりも多くの人々がTVでYouTubeを視聴していることとなったとする。
ポッドキャスト若者に人気 TikTokに比肩、広告市場拡大 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「デジタル音声広告会社オトナル(東京・中央)の調査によれば、ポッドキャストの全年代の利用率は15.7%だが、15〜19歳では32.8%、20代では25.0%が利用しており、TikTok(ティックトック)と同等の利用率となっている」。

——ポッドキャストを広告市場として捉えた記事。もちろん、それがカネになるとなれば、コンテンツの供給が豊かになる。朝のエクサイズや午後の散歩などで、習慣的にSpotifyやYouTubeを“音声メディア”として多用している自分としても、大変に嬉しいトレンド。

‘We’ve Already Won’: Podcasters and Influencers Gain New Standing in Trump’s White House
【有料購読者向け記事】:
非伝統的なメディアやインフルエンサーらに、ホワイトハウスでのブリーフィングに参加できる枠を提供すると発表した報道官。すでに1万1,500件を超える申込があったという。記事では、ポッドキャスターが初めて質問に立った状況が伝えられている。
フランス検察、Xを捜査 「アルゴリズムがデータ処理ゆがめた疑い」:朝日新聞
「検察当局は同メディアに対して、Xのアルゴリズムが『自動データ処理システムの機能をゆがめた可能性がある』と明らかにした」。

——フランス検察が捜査に着手。ユーザーの投稿をどのように他のユーザーに表示するか。SNSアルゴリズムにおけるキモ中のキモと言えるメカニズムだが、これを恣意的に操作している可能性。これが政治的発言を強めるXのオーナー自らの影響度を高める操作が行われているとすれば、さすがに問題視すべきことになる。