Axios:購読者獲得、グロース戦略を語る[後]

広告と購読を支える価値の高い読者基盤をどう成長させるか?
SNS やニュースアグリゲータと協業を通じた購読者養成プロセスなど、
Axios 読者開発部門のリーダーが実例を語る

2016年に鮮やかなデビューを飾った新鋭メディア Axios 。経営者をはじめとするビジネスプロフェッショナルに焦点を当てるメディアです。
本稿では、そのビジネスの中核である読者基盤について、オーガニックな読者獲得活動の担当責任者の発言を見ていきます。
Axios の経営・ビジネス戦略、特に広告および購読に関するビジネスモデルについては、本稿の前編に当たる「Axios:広告とサブスクリプション、融合は可能か?」で詳しく論じています。

今回、参照する情報は、The Idea のインタビューシリーズ「Q&A: Christine Roberts, Director of Audience Development @ Axios」です。インタビューに答えるのは、Axios の Director of Audience、すなわち読者開発担当ディレクターの Christine Roberts 氏です。
同氏は、過去、New York Daily News および HuffPost などで記者、編集者、サイト開発などに携わり、2018年初に Axios に参加しています。

同氏はインタビューで、読者開発部門の 1) Axios 内部でのミッション2) 同社内部の組織構造上の位置づけ3) 読者獲得上の戦略と事例について語ります。順番に注目すべき箇所を紹介していきましょう。

読者開発のミッションとは?

Instagram の「Axios」ストーリーから

Roberts 氏は、同氏らのチームのミッションを3つに分けて説明します。次のようなものです。

  1. オーガニックグロース(非広告手段による読者獲得施策)および配信:読者へのリーチの拡大、さらにサイトへ1回でも訪問してくれたら、その読者とのエンゲージメントを維持する施策のテストや学習を繰り返す
  2. ペイドグロース(広告手段による読者獲得施策):広告を使って Axios の目玉である各種ニューズレター(メルマガ)の購読者獲得施策。この活動は、同氏とは別チームが担当する
  3. データ分析:編集部へデータを提供するチームと親しく連携。どんな記事やテーマなどが読者獲得に寄与するかなどのインサイトを共有する

上記のミッションに沿って、読者開発部門は編集部門、プロダクト開発部門、そして、マーケティング部門と協業すると、同氏は述べます。編集部との協業においては、読者獲得に資するメルマガ企画を例に挙げます。また、プロダクト開発部門とは、読者エンゲージメント施策で協業し、サイト上でのテストを続けていると言います。

特に後者のテストを(無数に)繰り返す、というのは、読者開発部門に求められる重要な行動姿勢です。たとえば、サイト上の動線の改修がどれくらいメルマガ購読者の獲得数やその効率に寄与したかなどを継続的に確認していく必要があるからです。逆に、編集部門の体制変更などに伴って起きがち大がかりなサイトリニューアルなどは、このような一つひとつ検証しなければならない改善効果を見失いがちです。

購読者獲得戦略をどう推進しているのか?

本題の読者開発にまつわるアプローチに入ります。ここは詳細に見ていきましょう。
インタビューワは、ターゲット読者をどう定義しているか、どんなビジネスモデルへの貢献を意図しているかについて訊きます。

通常、私たちが読者と想定するのは、現在の、および、将来の意思決定者です。それを私たちは3つのグループへと分解しています。
1. エリート層:CEOや戦略策定に携わる人々
2. “スマートプロフェッショナル”と呼ぶ層:それぞれの組織でキーとなる意思決定者
3. 野心的なリーダー層:社会に出たてか、出る準備段階の、スマートプロフェッショナル志向の若手層

このように読者層を考えることは、Axios 自体をどう定義するかということでなけれなりません。それは、この3層の人々のキャリア上の成功のために必要な重大なニュースや情報を、迅速かつ深く知ることができるようなプラットフォームであるべきということです。
これらの人々に不可欠な存在へとなれれば、広告と非広告の両面で、私たちの事業を支える道が見いだせると思っています。

人物にハイライト

さて、読者開発に資する施策について、その具体的に言及していきましょう。

オーガニックグロースで特筆すべき事例を求められると、Roberts 氏は、Instagram の利用事例を挙げます。

実験的な意味合いもあって、Instagram アカウントを昨夏に立ち上げました。立ち上げ前に考えていたのは、Instagram 上で、Axios を差別化すること、その中核となる信条を表すものの一つとしてメルマガを特別なものとして伝えたいということでした。それは、専門分野ごとのメルマガを主宰するそれぞれのエキスパートたちだということになりました。(そこで)取り組んだのは、「Instagram ストーリー」です。メルマガの筆者らと「Q&A」や「今日のニュース」などたくさんの「ストーリー」を作ったのです。

もし、Instagram のユーザーがメルマガの背後のエキスパートの存在に気づいてくれれば、メルマガを購読する動機となるはず。これが私たちのオーガニックグロースの戦術であり、見れば、各ストーリーの最後にメルマガへの動線があることがわかるはずです。
また、私たち Axios の特徴である「Smart Brevity(賢い簡潔性)」(→ 参照)を、Instagram ネイティブな形式である「ストーリー」で、動画像上にテキストオーバーレイする仕方が、ユーザーの注目を Axios のニュースへとキャッチするのに大変効果的だということも発見しました。

「ファネル」アプローチ

これは、外部配信先としての Instagram の活用事例ですが、同じように、ニュースアグリゲータである Apple NewsFlipboard、そして SmartNews を活用しているとも述べています。
その際の考え方として、マーケティングで使われる“ファネル(じょうご)”のアプローチを用いていると説明します。逆三角形で広い入り口を想定して、そこからゴールに向けて消費者を真の顧客へと誘導していく考え方です。

——彼らプラットフォーム(=ニュースアグリゲータ)は、トラフィックドライバーなのか、あるいはその他のグロース手法として利用しているのでしょうか?
Roberts 氏:彼らは素晴らしく有用です。読者を拡大する考え方は、ファネルアプローチから得ています。ファネルの最上部においては、広くリーチすることに焦点を当てています。最上部にはこれらプラットフォームが含まれます。もし、これらプラットフォーム上で読者にリーチして、Axios ブランドを紹介することがでれば、彼らを Axios サイトへと訪問させる仕方を見つける動きを始められます。それには、読者にメルマガのどれかを購読してもらうという最終ゴールをめざして取り組んできた、これまでのマーケティング施策の成功例を用いるのです。

同氏は、これまで触れてきた以外に、メッセンジャーアプリやスマートスピーカーなど音声コンテンツを用いた Axios コンテンツの幅広い配信手法についてや、同業他社である The Information の読者獲得手法について言及したりと、興味の尽きない話題を提供しています。

以上

参照資料:

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