目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年2月7日から2022年2月10日まで。

TikTokでフォロワーを増やす米メディア。カテゴリー別に整理されたチャートが役立つ。ABC Newsでは、トレンド話よりハードなニュースの方がフォロワーを増やす効果が高かったなど、記事は興味深い動きも紹介する。

米ローカル新聞チェーンのLee Enterprises、同社傘下の総デジタル購読者数が年間57%増加と発表。Leeのトップは、「遅かれ早かれ100万人の購読者を獲得する」と楽観。実は最大チェーンのGannettでも46%増で150万を達成。NYTimesがローカル各社を取材した記事。
Digital Advertising in 2022
Stratechery by Ben Thompson

「2022年のデジタル広告」。StratecheryのBen Thompson氏が6年前にこの市場を分析してから、現在までの状況の変化を分析。検索⇆ディスプレイ、コマース⇆アプリの軸で比較すると、Facebookに大きな痛手が顕在化しているのがわかる。
電子版と本紙販売を集約 日経、サブスク事業に統合・再編 | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議
AdverTimes(アドタイ)宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム

「本紙読者や『日経電子版』ユーザー獲得を担う『サブスクリプション事業部門』、広告やイベントなどを担う『メディアビジネス部門』、教育事業などの『ライフ&キャリアビジネス部門』、『日経テレコン』などの『情報サービス部門』に再編する。デジタル事業配下の部署を移管し、デジタルとアナログの垣根をなくした格好」。
——電子版サブスク推進の意義は、付加的な事業としての位置付けをはるかに超えて中核的なものとなったのは当然ながら、一方で、その頭打ち感や、紙・電子の購読の退潮トレンドにどう抗していくのか、という大きな局面変化にもあるのだろう。
米アップル、AI使った作曲手掛ける新興企業を買収-関係者
Bloomberg.com

「米アップルは人工知能(AI)を使った作曲を手掛ける新興企業、AIミュージックを買収した。事情に詳しい関係者が明らかにした。アップルのオーディオ関連サービスに幅広く応用可能な技術を獲得した。…現在は閉鎖されたAIミュージックのウェブサイトの写しによると、同社が開発した技術は著作権フリーの楽曲とAIを活用して、ユーザーとの相互作用で変化するサウンドトラックを作ることができる」。
——Appleが、企業名がそのものズバリのAI Musicを買収。AIによる楽曲の生成(作曲)を行うアプローチは、すでにいくつも生じている。ネット時代のコンテンツでは無数にバックグラウンド音楽へのニーズが存在するからだ。それも著作権料支払いをゼロもしくは低価格で。で、そのようなニーズに対応している間に、本物のディスラプションが生じる可能性もある。

「アイスホッケーで氷上からゴール裏に向かうように、カメラアングルが切り替わることができる」。米NBCは、有料利用者向けに北京オリンピックのVR中継を8K映像を用いて実施中。利用者はMeta社のQuest 2ヘッドセットを用いる。記事は、高精細な迫力ある映像という利点に対し、ヘッドセット着用による周囲との阻隔感と、長時間の競技視聴中にバッテリー切れすることもあるなどの欠点も指摘する(笑)。
ニールセン、動画・音声ストリーミングの視聴状況を発表 月間視聴者数や年齢構成は?
MarkeZine

「動画ストリーミング、音声ストリーミングにおける視聴者数上位5媒体の年齢構成を見ると、Amazon Prime Videoが18-34歳の割合が最も高く36%であった。またTVer、YouTube、ABEMAの3サービスでは50歳以上の割合が最も高かった。radiko.jpではさらに50歳以上の割合が高く57%となっており、同調査は、かつてのラジオ世代を取り込んでいる可能性を指摘した」。
——記事中に示されている年齢別シェアを見ると、上記引用で指摘されていることの重みがより鮮明に理解できる。いまや、YouTubeでさえ、5割近くが50歳以上のシニアに占められている。

米Amazon、2021年の映像・音楽コンテンツに支出した費用は130億ドルとなり、前年比で18%増に。これは20年/19年比の40%増からは大幅にスローダウンした結果。一方、21年のサブスクリプション収入の総計(Amazon Primeを中心に、音楽、オーディオブック、書籍読み放題など各種サービスを含む)は前年比で26%増の318億ドル。うまい投資対効果を得ている印象。

「ドイツ北西部ニーダーザクセン州にある日刊紙『Nordwest-Zeitung (NWZ)』は家族向けのニュースレターの発行を2021年6月に開始した。年末までに3000人を超える購読者を得て、デジタル版の有料購読者増加に大きく貢献したという」。
——英国在住のジャーナリスト小林恭子さんのリポート。記事を読めば分かるように、ジャーナリストが単にデジタルスキルを学べば、というものではない考え方が伝わるプログラム。「このようなプログラムが日本でも実行できないものだろうか」と小林さんは問うている。