Disruption This Week—–27/10/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年10月23日から2023年10月27日まで。

ディープフェイクポルノ被害を描いた衝撃的なドキュメンタリー
「事件の発覚は、22歳の大学生のテイラーさんが、友人から受け取ったメッセージから。
『本当に申し訳ないけど、これ、見たほうがいいと思う』という、ゾッとするようなFacebookメッセージでした。そこにあったのはポルノサイト『PornHub』のリンク」。

——「これはただ嫌がらせや支配、屈辱を与えるための新しい方法に過ぎない」とのコメントが、記事中にあるが、この単なる邪な欲求を手軽かつ効果的に満たす手段が、世に満ちてきている。

Cisac report reveals global music collections rose 28% in 2022
CISAC(著作権協会国際連合)、2022年の最新年次報告を発表。作詞家・作曲家の印税が28%増の108億ユーロ(約114億ドル)に達した。100億ユーロを超えたのは初めてで、新型コロナ禍以前の数値を上回った。また、デジタル経由の印税が、19年比でほぼ倍増となった。
【全文閲覧には要購読】:
米国消費者の67%が、購読の解約手続きが簡単であれば、デジタル出版物を購読する可能性が高まると回答。また、51%がデジタル出版物の購読を解約する際に困難に遭遇したことがある。米メディアToolkitsとNational Research Groupが調査した。
Google is actively looking to insert different types of ads in its generative AI search | TechCrunch
GoogleはAIを活用したジェネレーティブな検索体験のためのさまざまな広告フォーマットの開発に取り組んでいることを明らかにした。
CEOのSundar Pichai氏は「検索ジャーニーのすべてのステップにカスタマイズされたネイティブ広告フォーマットを実験する予定だ」と述べたという。
ジェネレーティブAIが生成するコンテンツに「ネイティブ広告」を投入……。悪夢のような時代がやってきそうだ。
ニュースと決別するSNS メディアに深刻な打撃 NYT【前編】:朝日新聞デジタル
【有料購読者向け記事】:
「ニュースメディア側は、プラットフォーマーからのトラフィック(読者の流入)がかつてのレベルに戻ることはないだろうと諦めているようだ。
これまでにも摩擦が多かったニュースメディアとプラットフォームとの関係の中で、今回は際立っており、ニュースメディアへの影響も深刻だ」。

——色々な視点があると思うが、“プラットフォーマー”が金を稼ぐ鉱脈としてニュースメディアを見てきた帰趨だと思っている。このモデルについて誰がどう答えを出せるのか。

Instagram is testing a dedicated feed for posts from Verified users | TechCrunch
Instagram、認証(Meta認証=月額12〜15ドルの支払いが必要)ユーザーの投稿のみ表示するフィードチャンネルをテスト中と公表。一定の信頼性ある投稿と収入増の両面を追うアプローチのようだ。だが、Xでは有料課金が極端な主張を排除できないという面も指摘されているのだが。
NIKKEI FT the World |FTの厳選記事で世界の潮流をつかむ
日経新聞が、バーティカル系メディア(NIKKEI Prime)を続々投入。今度は「日経FT the World」。これで5媒体目となる。日経電子版のほぼ半額のプライシング。かつ、日経電子版購読者には割引もある。
‘Here is the news. You can’t stop us’: AI anchor Zae-In grants us an interview
「彼女の唯一の欠点は、その完璧さである」。
アジア、そして欧州などでAI生成のキャスターがニュースを読み上げるのを多く目にするようになっている。K-Popスターかのような完璧な仕上がりを見せるAIの合成を行う現場を取材した記事。
Universal Musicら音楽出版各社、歌詞の剽窃をめぐってジェネレーティブAI企業のAnthropicを提訴。「少なくとも500曲の歌詞を使用することで出版社の権利を侵害している」との趣旨。
その記事の内容、本当? 実態不明のニュースサイト「ピンクスライム」が増殖中…保守系団体が資金提供も:東京新聞 TOKYO Web
「今後は、人工知能(AI)を活用した『ピンクスライム3.0』の拡大が予想されている。
報道機関の信頼や透明性を評価するプロジェクト『ニュースガード』によると、既存報道からほぼAIだけで記事を生成しているサイトは世界に数百ある。研究者が『ハルシネーション(幻覚)』と呼ぶAI特有の『もっともらしいうそ』が入り交じる」。

——ほぼでっち上げ、もしくは間接的にしか見聞していない情報をもっともらしい報道とするビジネス。記事はすでに消滅してしまった米ローカルメディアの代わりにはびこっている実態を記事は取材するが、その次世代版をジェネレーティブAIが担うとの見立てを示している。注視すべき動向。問題は、ジェネレーティブAIなど存在する以前からこの種のビジネスがはびこっていることだろう。

米Zoom、従業員に出社義務 生産性向上迫る - 日本経済新聞
【ご紹介】:
日経MJ掲載の連載コラムが、日経電子版に掲載されました。在宅勤務時代のスター企業が皮肉な動きを見せています。よろしければどうぞ。➡ 米Zoom、従業員に出社義務 生産性向上迫る