Disruption This Week—–2/5/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年4月27日から2020年5月1日まで。

 

 

英Financial Times、Google News Initiativeと購読制(サブスク)に経験知を有する8パブリッシャーと提携。多くのパブリッシャーに購読制構築のコンサルティングプロジェクトを開始。この時期メディアへのアクセスが急騰しているが、それを購読へと結びつけるニーズに応えようとするもの。

 

 

「メディアにおける経験的価値への転換」。
米Digidayの編集長が、昨今のメディアの苦境につき論説。近年、著名新興メディアの立役者らが続々New York Timesなど老舗に移籍。スケール中心の新興ビジネスモデル勢を老舗が打ち負かす図だ。
つまりメディアには、人間とその経験知の価値が最も重要な資産なのだと主張する。

 

 

「ショッピングモールやスーパーなどに出店している書店も、その意向から休業、時短営業を余儀なくされている。
その一方で、東京書店組合に属する多くの地場書店は営業を続け、客が集中し、売上が伸びているようだ。書店によっては前年の倍の売上になっているとも伝えられてくる。それが学参、児童書の売上増とリンクしているのだろう」。——大手書店チェーンや自粛要請のやり玉に挙げられることを恐れたり、ショッピングモール閉店のあおりを食らっているが、書店はなお機能している。あとは、通勤時に繁盛してきたキオスク経由の売上(それは雑誌や新聞)が心配。

 

 

「各ビデオ会議ツールで.mp4あるいは.mov形式で保存した動画データをそのままAnchorのWebアプリにアップロードするだけで自動的に音声データに変換されるので、あとは通常の音声データとして編集できる」。

——ZoomやMeet、Instagram Live、そしてSkypeなどメジャーと連携できる。グッドアイデア。リモート経由の対談やインタビューをポッドキャスト化するのは良い流れでは? Spotifyでポッドキャストを聴くトレンド、日本にも来るかな。

 

 

Condé Nastら複数メディアを擁し、それらが購読制(サブスク)を強化中のパブリッシャーが、広告単価が下落しているFacebookを使いペイドマーケティングを強化中という話題。Condé Nastの担当者の言では、購読者獲得は、3月前年同月比100%となり、その半分がペイドからという。

 

 

Facebook、ミュージシャンらクリエーターがFacebook Liveを通じて“チップ”を募れるようにすると表明。チップ額の制約やFacebookがマージンを取るのかなど明らかになっていない。同社傘下ではInstagramが同様のサービスを決定。マージンを取らないことも明らかにしている。

 

 

YouTube、昨年のインドおよびブラジルに続いて、米国内においても検索にファクトチェック情報を連動させる。具体的には、外部のファクトチェッカーと提携、彼らの検証情報を用いる。もちろん、パンデミック関連をめぐる多くの誤情報投稿への対応策だ。同社は国際的なファクトチェック団体IFCNへ1億ドルの拠出を発表している。

 

 

【有料購読者向け記事】:
広告市場の急激な縮小の影響が広がっているが、記事は、次に懸念されるのが、広告ネットワークのプレーヤーであるDSP側が、広告主の撤退でSSPへの支払不能になることだとする記事。SSP側では支払を担保する保険に加入するなどの手を打つ動きも現れている。

 

 

新作映画や映画祭の動きが停まり、映画ファンや関係者を嘆かせている。そこでYouTubeが新たな取り組みを開始。カンヌ、サンダンス、そしてNYトライベッカらと組み、オンライン・フィルムフェスティバル「We Are One」を5月末から開催。無料(代わりに寄付を要望)で各種映画を観覧できる という。

 

 

米New York市で移民コミュニティを基盤に約1年前に立ち上がったコミュニティペーパーの試み「Documented」は、人気メッセージアプリWhatsApp上で急成長。重要な情報の共有や質問に記事筆者が答えるなどの親密さを背景に成長。非営利ニュースメディアの創業者に取材した記事。

Disruption This Week—–24/4/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年4月20日から2020年4月24日まで。

 

 

Googleは、同社が提供する広告プラットフォームでの広告主の情報をID化し、すべての広告でこの表示を義務づけると表明。これによりユーザは、管理機能で不快・虚偽と思える広告主の抑止を行うことができる。これまでの同社のポリシーは、政治広告についてのみ適用してきた。

 

 

「エージェント・ランクの原案では、ページ内のコンテンツの作成に関わった全ての人々(著者、パブリッシャー、編集者、批評家)は、そのページのコンテンツにデジタルの署名を残すことができた。
それらエージェントのレピュテーション・スコアは、そのコンテンツのランキングに寄与する」。——Googleは過去何度か、その検索アルゴリズムの精度向上のために、「筆者」情報を取り込むことを試みている。記事にあるように、その特許も保有しているが、それが実装されているのかどうか、明らかではない。その前提における記事。自分も「記事の良質性」と筆者情報は関連しないはずはないと思うので、すごく興味がある。

 

 

2008年、創業時の「Silicon Alley Insider」から、現在の「(Business)Insider」編集長を長く勤めてきたNicholas Carlson氏へのインタビュー記事。5人の記者で始まったスタッフは、現在350人にまで発展。議論はやはりこの時期のサブスクリプションモデルへの期待だ。

 

 

「『業界が我々をもっとも必要としているときに(ペイウォールを)導入する道理はない』と、(スキフトのCEO)アリ氏は述べる。
代わりに同社は、同じ技術を一部転用した寄付のオプションをPRすることにした」。——自分が経営していたメディア企業が、IPO直後にリーマン・ショックに大きく揺らいだ。その経験を思い返しながら、この記事を読んだ。

 

 

「Monday Note」のFrederic Filloux氏、学生らとともに、“新型コロナ後に来るべきメディア”の理想形態を討議。その議論を整理要約した記事。メディアは小型・軽量、非中央集権(分散型)、非広告依存、そして、解説やファクトチェックできる解説型をめざすべきとする。

 

 

【有料購読者向け記事】:
「The Guardian」米・豪担当CEOのEvelyn Webster氏、米事業収入の40〜45%が読者からの援助金に拠るものとした上で、広告収入が悲惨な状況であったとしても、なんとしても利益を出すと言明。同メディアは、ペイウォール制は採らず、代わりに読者からの支援制を推進している。

 

 

新型コロナウイルスの伝染と死者がどう広がり、いまどのような状態か。各国や大都市を比較するには、英FTの特設ページのビジュアルを参照するのが最適。同ページを生み、いまもアップデートを続けるデータビジュアリゼーションチームのJohn Burn-Murdoch氏へインタビュー。日本の現状を冷静に見るにも、このページが良い。

 

 

英国メディア関連業界誌「Press Gazette」が同社メルマガ購読者(多くは業界人という)に、新型コロナウイルスによるインパクトを調査(3月下旬から4月初)。1/3が「ロックダウンが3か月以上続けば、倒産や支払不能に陥る」と回答。また、影響が分類表示されているチャートに注目。中でも「購読が伸びた」「購読が減った」がほぼ拮抗しているのは興味深い。

 

 

「この(注意喚起)カードはニュースフィードのストーリーズのすぐ下に表示される。『あなたの友人と家族が新型コロナウイルス感染症に関する虚偽情報を排除するのを助けましょう』とあり、世界保健機関(WHO)の『Myth busters』(俗説駆除)ページへのリンクをシェアするボタンと、リンクを開くボタンが付いている」。

——けっこう大きな表示で、あなたが俗説に惑わされている可能性があると指摘するわけだが、それで気づきをえるのかどうか。現在は、その検証を行っているのだろう。

 

 

米New York Times CEOのMark Thompson氏、業界団体のインタビューに答え、同メディアの強みである広告への非依存、ニューススタンド売りではなく宅配比率の高さなどが、例外的に新型コロナウイルス下でもスタッフの一時帰休や給与カットなどを行わないでいる理由と述べる。

 

 

【ご紹介】:
日経MJ紙への連載記事が、日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ 広告危機に揺れる海外メディア 課金購読やメルマガは好調

 

 

【ご紹介】:
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