Disruption This Week—–24/1/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年1月21日から2020年1月24日まで。

 

 

他社のトピックスを読みやすく、刺激的に仕立て直すことで広告アクセスを巨大化してきた米Business Insider。だが2015年、独Axel Springerによる買収後、購読課金に踏み出す。一般的なメーター制を否定、コンテンツの特性により、無料と有料に分類する効果的アプローチについて解説した記事。

モバイル市場は2020年に1,000億ドル規模へ【App Annieレポート詳細】

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「サブスクリプション支出は95%を占めた。非ゲームアプリ部門の上位4つのうち、3つはサブスクリプションで収益化し、Tinder、Tencent Video、iQIYI、およびYouTubeの利用増加に伴い、アプリストアの支出を促進するビデオおよびデートカテゴリーに人気が集まっている」。

——デートに動画、これが非ゲーム分野でのモバイルアプリへの支出トレンド。

 

 

ニューズレター(メルマガ)発行CMSサービスの米Substack、複数編集者(=発行人)による共同編集や同時アクセス可能な管理ツール、そしてマネタイズ機能などを新たに実装したことを発表。メルマガを軸にしたWebサイト運営がサブスクに直結すると、この種のツールがブームだ。

 

 

英国内の法律家向け専門の週刊フリーペーパー(広告収入モデル)の「The Lawyer」、数年前からプレミアムサブスクリプションモデルを追加したところ、有料購読者が急増。そのキモは、英国内のすべての係争事案を追跡できるサービス。元々そのベースとなるデータはパブリックドメインで、だれでも利用できるものだったのだが。
現在、4割の収入はプレミアムサブスクからになってきたとい。いろいろ学びのある記事だ。

 

 

米New York Times R&D部門がIBMと組み、“フェイク”画像拡散に対抗するための研究を、ブロックチェーン技術の活用に向けた実装実験とともに実施。調査は、SNS上で現れた画像に対し、消費者が真偽を判断する際に依拠する情報などについて、興味深いファクトを顕在化した。写真に添えられたキャプション情報の重要性、「出典」として添えられた情報の重要性などが、確認されたという。
このリポートの良いところは、「ブロックチェーン利用ありき」からスタートしていないところだろう。

 

 

米雑誌大手のHearst、自動車関連雑誌のために始めたイベントビジネスを、「体験(型)ビジネス」として、今年は、5媒体に横展開する計画。あえて“体験ビジネス”と呼ぶのは、最近のトレンドだが、ラリーの開催や運転シミュレーション大会など、地域性やライブ性などで特色を出す。

 

 

「GoogleのPageRankは、Webページ間のリンクを検証することでスパムを解決しました。我々のFakeRankは、事実の裏付けとなる証拠で構成されているネットワークにより、フェイクニュースを検出しています」。

——NLPを用いるとのことなので、日本語での精度を知りたいところ。いずれにせよ、決定打が期待できない分、さまざまなプレイヤーの参入に期待。

 

 

この数年、広告依存のメディア経営が壁に突き当たり苦しんできた米国内の新興メディア勢。Business Insider、Vox Media、The Information、Axios、そしてPoliticoらが2019年に黒字化を実現。続いて、The Athletic、BuzzFeedそしてViceらが今年黒字化を目指すとの話題。

 

 

【購読者向け記事】:
「音声は独特でいくつかの特別な魅力を持っているのです。
私は、あらゆる形態のメディアが、それぞれのスーパーパワー、つまりそのメディア形態でしかできない何かを持っていると思っています。
音声には、2つのスーパーパワーがあります」。——最近、Spotifyに買収された、ヒット作連発の“Podcast放送局”Gimlet創業者Alex Blumberg氏へのインタビュー。痛快、かつ、本質を突く論で一気に読めた。

 

 

「ロイター研は今回、ジャーナリズムへのAIの適用についても調査。回答者が、最も重要な用途としたのは①レコメンディング(53%)②潜在的なサブスクライバーを特定してペイウォールを最適化する技術(同47%)次いで③ニュースルームの作業効率向上(39%)となりました」。

——先日紹介したReuters Instituteらの年次報告からのポイント整理。2013年当時を思い返すと、状況はずい分と変わったものだ。

 

 

【ご紹介】:
スマートニュースがジャーナリズムを支援するプログラムの一つ「SlowNews」から、また新たな作品が誕生。執筆は“あの”横田増生氏です。

Disruption This Week—–10/1/2020

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2020年1月6日から2020年1月10日まで。

 

 

英BBC、Amazonの音声サービスに提供しているBBC Voice Newsの会話機能を強化すると発表。同ニュースを聴きながら、巻き戻しやスキップ、さらには、より長い(詳しい)コンテンツを、音声で指示できるという。
「放送の100年になかった歴史的出来事」と担当責任者は述べる。もっと自然な会話機能が提供されれば、真に革命的な出来事になる。

 

 

デジタルメディア界で最も重要な調査、Reuters Instituteらの「Digital News Project」が、2020年1月版「
Journalism, Media, and Technology Trends and Predictions 2020」を発表。回答メディアの5割が、“最も重要な収入源”として読者収入をあげた。「読者収入と広告」を選択したのも、4割近くある。

 

 

「樽石さんが手がけた“AIライター”である『まとめ記事自動生成ソリューション』の作成記事数は、1年間で2万ページ以上。シェア数が多いなど支持されている口コミの学習結果から、検索結果で上位表示されやすいと見込まれる記事を、AIが作成している」。

——過去にも、海外で不動産物件を紹介する記事を機械生成しているメディアについて、紹介したことがある。とても有望なアプローチだが、利用する“素材(情報)”をどう扱うかなどに、ガイドラインやら技術提供者の倫理が追随できていなければならない。

 

 

ハリウッドとIT経営の大物らが組んだ新興企業Quibi、モバイルに特化した動画サービスを予定するが、今年4月のサービスインを前に、CESに併せた各種ブリーフィングを行った。興味深いのは、記事が紹介する「Turnstyle」。スマホをタテ・ヨコいずれに持っても最適な映像を表示する。

 

 

「訴訟は、竹書房のWebサイト『WEBコミックガンマ』に『どるから』を連載中の漫画家・ハナムラさんと共同で起こした。竹書房は、Cloudflareに要求する損害賠償は最低限にとどめ、『著作権侵害を容易に行えなくする環境整備への道筋となる判決を強く望む』としている」。

——問題提起の意義が強い話題だが、CDN事業者(情報の配信過程にあって、情報をキャッシュしているだけだとすると)に対してコンテンツ盗用の幇助的責任を問えるのか注目。

 

 

昨日も紹介した米BuzzFeed復活の話題。同社が精力的に取り組むのは、収益源の多様化。とりわけECだ。CEOのJonah Peretti氏が強調するのは、メディアが喚起した消費意欲を回収するのが、メディア当体ではなく、Googleなどミドルマンだということ。“(価値)帰属問題”と提起する。

 

 

「1stパーティデータを再構築、つまり同意の取り直しを行う必要もでてくるだろう。この際、保有している1stパーティデータがそもそも持っていても大丈夫なのか、保持していることが逆にリスクになるダークデータではないのか検証すべきだろう」。

——充実した論考。中でも、注目しているのは引用箇所。“どうデータを使おうか?”と考えるメディアが増えているが、法制的、技術的にデータを持つリスクを検討すべき。

 

 

昨年発表された調査「Reuters Institute’s Digital News Report 2019」から、若者を始めとする消費者がニュースに目を向ける“瞬間”を4つに分類できることを取り上げた論。1) 習慣化された日時(週末や夜間など)、2) 起き抜け、3) 暇つぶし、そして4) プッシュなどでブレークを、メディアは戦略化すべきとする。

 

 

「日教販の決算は専門取次ゆえに、書籍が学参、辞書、事典で占められていることから、返品率は13.9%となっている。だから減収減益にしても利益が出ている。
それに比べて、日販は書籍が33.4%、雑誌が47.5%、トーハンは書籍が43.5%、雑誌が49.0%で、この高返品率が改善されない限り、両社の『本業の回復』は不可能だろう」。——2019年11月の単月では、書籍の復調でやや救われたが、通期が厳しい基調なのは、揺るがない。“配本”流通というメカニズムの不思議なところは、配本量を減らすことではネガティブスパイラルが止まらないということ。流通メカニズムを異次元化することが問われる。

 

 

米AdAgeデータセンター調べ。米国のTV・ラジオ・新聞・雑誌では2009年からの10年間で、雇用が21万人減。だがインターネットメディア関係では19万人増と、雇用が3倍増に。

 

 

【ご紹介】:
日経MJへの連載記事が、年末に日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ TikTokが政治の渦中に 国の検閲やデータ利用に懸念

 

 

【ご紹介】:
私が編集に携わるメディア「Media×Tech」、新たな書評記事が公開されました。よろしければどうぞ。➡ 書評:サブスクモデルにもヒント――アダム・オルター『僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた』

 

 

【ご紹介】:
私が運営に携わっているJIMA(インターネットメディア協会)。坂本旬さんに「メディアリテラシーとは」というテーマで寄稿いただきました。概念の整理や認識を深めるための手がかりがまとまっています。

 

 

【ご紹介】:
ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)が、ソウル大学ファクトチェックセンター所長のチョン・ウンリョンさんらをお招きしてセミナーを開催します。➡ セミナー「韓国メディアで広がるファクトチェック」を開催します。

 

 

【ご紹介】:
FIJ理事・奥村信幸氏が先ごろ開催された「APAC Trusted Media Summit」のイベント報告が掲載されました。ファクトチェックを軸にメディアをめぐる課題や活動の数々が整理されています。ぜひ、ご一読を。

 

 

「日本でも『NASAによるオーストラリアの山火事の様子』『宇宙から見たオーストラリア』などとして拡散したこの画像。
実際は、オーストラリアで写真やポストプロダクションを手掛けているAnthony Hearsey氏が作成した合成画像だ」。——私も運営に携わるFIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)のメディア・パートナーでもあるBuzzFeedから最新のファクトチェック記事。SmartNewsや東北大研究室が開発に携わる警報システムを利用しているとある。

Disruption This Week—–13/12/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年12月9日から2019年12月13日まで。

そろそろ大勢が決しようとする英総選挙。記事は、投票日を目前にした月曜日、Apple Newsが利用者(MAUが1100万とされている)にプッシュした動画の影響。たった5人の同「News」編集者の選択が、英国の行方を左右する投票結果に影響を与えるのではないかとの論説だ。興味深いことに、記事はアルゴリズムではなく、人間の恣意性に懸念を喚起している点だ。
メディア、政治、公共政策関連のシンクタンクである米Shorenstein Center、米国の老舗非営利政治メディア「Mother Jones」躍進をケーススタディとして分析。現下の雑誌・Webメディア衰退のトレンドと対照的な成長の原動力は、「寄付金」につきる。ではそれをどう引き出したか。20ページを超えるPDFもダウンロードできる。

JIAA、インターネット広告に関するユーザー意識調査結果を発表

一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会|JIAA

「インターネット(PC/スマートフォン)の1日平均利用時間は3時間半を超え、必要性は80%を超えるなど、多くの人の生活の中心のメディアと位置付けられ、ユーザーからの評価は高い。一方で、信頼性は新聞の62%、テレビ・ラジオの55%に対して雑誌と同じ46%であった」。

——いろいろと貴重かつ驚きの結果が。広告の必要性について、約6割が共感(肯定)しており、9割が受容しているという。

米ニュースメディア(報道機関)支援に特化した非営利シンクタンク「American Press Institute」が、「偽情報と両極化の時代に、真実を伝える戦略」のタイトルを冠した長大なレポートを発表。さまざまなアプローチを論じるが、「トゥルース・サンドイッチ」というレポート形式が面白い。偽情報部分を誇張しないよう、ファクトで挟み込むようにして報道しようというもの。
【有料購読者向け記事】:
「ARはスマホなどを介して現実の世界を見るとそこに多様なデジタル情報が表示される仕組み。その場で役に立つ情報を入手したり、これまでにない遊びの空間を築いたりできる。クック氏は『最大のコア(中核的)テクノロジー。人々が常時使うものになる』との見方を示した」。

——Apple CEOがこの記事で強調しているのは、「AR」と「ヘルスケア」。スマホ中心の世界観(ビジョン)から徐々にシフトをしているところというわけだ。

投資機関の米Needhamのアナリストが、Netflixの評価を“売り”にダウングレード。2020年中に、低価格帯の商材を打ち出すか、広告収入とハイブリッド版をリリースするなどの手を打たないと、低価格帯の競合増加により数百万人単位で購読者を失うことになるとの警戒信号を発した。
米Parse.lyの解析が、同サービス利用メディアのトラフィックを解析。メディアごとにトラフィックをもたらすツールやサービスは、メディアの分野により異なる。検索が強いのは自明だが、ソーシャルメディアは意外にもダントツではなく、それをしのぐ要素が浮かび上がる。
英Reutersで、グローバルな「UGC Newsgathering」チームのヘッドを務めるHazel Baker氏。同氏に、UGC(ユーザーが生成するニュースや写真など)コンテンツのReutersにとっての重要性と、その真偽を確かめる手法などを尋ねた記事。写真などでのファクトチェックにも触れる。今後の重要課題としてCGI(コンピュータが生成するイメージ)など、“ディープフェイク”にも言及する。
Webサイトを運営する多くのパブリッシャーは、そのサイトに掲出するコンテンツ(ページ)に適正なタグを付すこの重要性を理解していない。なおざりにしている。SEO上の評価と、来訪者(読者)の探しやすさという重要性からタグ付けシステムを刷新した「南ドイツ新聞」の事例。
米「WIRED」が「インフルエンサーのすべて」を整理。2000年代のブロガーネットワークから語り起こし、現在、そして未来のインフルエンサーのありようまで。それにしても1ポスト当たりすごい収入を得ていることなどがまとめられており、まさにインフルエンサーの時代だ。
【ご紹介】:私が事務局として参加しているインターネットメディア協会(JIMA)、そのWebサイトで続けている対談シリーズ。今回は、新生ダイヤモンド編集部 編集長の山口圭介と下村健一さんの回。ダイヤモンド編集部は、オンラインとプリントの2編集部を統合したそうです。
【ご紹介】:
先日のファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)主催セミナーに登壇した、作家・一田和樹氏の講演資料「ネット世論操作最前線とフェイクニュース」がpixivで公開されました。

Disruption This Week—–16/8/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年8月13日から2019年8月16日まで。

【有料購読者向け記事】:
広告掲出不可ワードの制御に苦しむ米メディア。米大手金融機関フィデリティが要求するNGワード集(要するにこのようなキーワードが出現するニュースに、自社の広告を掲載しないようにとの指示)は、400もの長大なものに。
「爆発」「難民」「人種差別」…。そして「Trump」もだという。報道系ニュースでこれを満たすのは不可能というものだろう。当たり障りのないエンタメニュースへと迂回が求められる時代だ。
Facebook傘下のInstagramで、初のファクトチェッカーと連携した偽情報通報システムが実装。ただし、当面は、US国内に止まるという。親Facebookでは2016年に始まった連携がようやく人気ソーシャルメディアにも適用。特にこの分野では、“健康”にまつわるポストにリスクが高いと指摘されている。
米テック界で尖った記事で有名な「The Verge」。中でも、大手プラットフォーマや偽情報をめぐり厳しいリポートを続ける上級記者Casey Newton氏との対話。GoogleやFacebookはコントロール可能な規模へと分割すべきや、Facebookはモデレータをもっと優遇すべきなど自説を披露する。
米国のローカルデジタルニュースメディア「NJ Advance Media」は、ニュージャージー州内の各警察署が監視機構のないまま行使している強権行為を一覧化する情報源(元々、州政府が約束していた)が整備されないことに業を煮やし、自らデータベース化する「Force Project」を開始。生成されたデータをProPublicaと連携し販売を開始した。
調査報道+データジャーナリズム=有料販売という、最先端事例。
2011年、米New York Timesがペイウォールを開始した際には、月20本のフリーコンテンツが与えられていた。8年後の今、それは5本にまで絞り込まれている。全米の新聞500メディアを調査した、購読メディアの成功方程式を探るリポート。
米Harvard大Shorenstein Centerの調査から。
GDPRやCCPAなど、個人情報のトラッキングに対する抑止と可視化の動きが強まる中、パブリッシャーと広告ベンダーは、Cookieの利用に代わるユーザーID識別の手法を探ることに。記事は、Sourcepoint社がが提唱するCMP(ユーザー情報の合意に基づく管理システム)の動きを追う。

古く、廃れてしまったコンテンツを上位表示させるためにすべきこと

アイオイクスのSEO・CV改善・Webサイト集客情報ブログ|SEO Japan

「私は、古く、廃れたしまったコンテンツに注力し、検索トラフィックを上昇させることにしたのだ。
具体的な作業はこうだ。毎週、私は新しいコンテンツを1記事公開するようにした。しかし、私のチームに、平均で23の古いコンテンツをアップデートさせていた。
より頻繁に記事を書いていた時期では、上位10ページの記事が占める全体の検索トラフィックの割合は33%であった」。

——新しいコンテンツ生成に力を注ぐか、あるいは、本記事のように、過去記事のアップデートで底上げするか。サイト運営者は読んでおきたい記事。

広告ブロックツール「AdBlock Plus」開発元Eyeoらが提唱する「許容可能な広告」イニシアティブ。そのガイドラインをパブリッシャー向けに概説した記事。「許容可能な…」に準拠すると、ホワイトリスト広告がAdBlockの下でも表示されたり、ユーザーの選択により、メディアへの購読料支払いに変更したりすることも可能だ。イニシアティブは、広告主とパブリッシャーに過度に依った広告スキームだが、ここに消費者(読者)の許容値も盛り込む。なかなか上手く考えられたスキームだ。
【全文閲読には要購読】:
「担当する同社の漆原正貴氏は『話者が明確で細切れに読んでも文脈の把握がしやすい』と特徴を説明する。注力するのは恋愛物とホラーだ。『読者が求める感情と読み心地にズレがない』ため、隙間時間に没入できる」。

——別の場所でも、LINEのようなチャットメッセージングでないと、若者が情報を理解しにくいと聞いたことがある。進化と見るか劣化と見るかは別に、細切れなコミュニケーションが、物語りの全体像を描き出す時代に入っているらしい。新聞小説よりも、より粒度の小さなものが求められている。

英バーミンガム大の研究者、アフリカ諸国で最もポピュラーなアプリ「WhatsApp」が、ナイジェリアの大統領選で果たした役割を調査、レポートを公開。強い暗号化メッセージングアプリは、偽情報の拡散に猛威をふるう一方、政府をはじめとする資金力のある情報源に対抗しうる草の根的な役割も果たすという二面性を指摘。

Disruption This Week—–28/6/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年6月24日から2019年6月28日まで。

「英国のデータ規制当局である情報コミッショナー事務局(ICO)は、これらの広く蔓延しているデータ駆動型オンライン広告が、英国および欧州連合(EU)の法律に抵触していると結論付けた。
ユーザーには、自身のデータの収集について同意するか、意思表示する機会が与えられていない」。——「英規制当局によると、違法の疑い」なので、推移を見守る。GDPR的文脈の延長線上にはこのようはスタンダードが姿を見せてくる。Appleらが進めるITP(ユーザートラッキングの抑止機能)などがもうすぐ広告業界の最大の課題になるだろう。

 

 

「カリフォルニア大学バークレー校と南カリフォルニア大学の研究チームが、Deepfakeを見破る方法として目をつけたのが、人間が無意識に行なう細かい動き。すでにある映像(本物)から、この細かい動きを探すというトレーニングをAIに行なったのです」。

——そのトレーニングの成果についても記事が触れている。興味深い研究。

 

 

英Financial Timesのデジタル配信チーム、デジタルベースでより対話性やインパクトのある記事を制作するためのテンプレート集をGitHubで公開。たとえば、登場人物ごとのストーリーを可視化する「Profile Cards」やグラフを中心にインパクトのある記事の「charticles」などだ。

 

 

「NBCはこの成功体験を基に、TikTokでも短い動画によるニュース配信に取り組んでいます。とはいえSnapchat版のStay Tunedはより『ニュース番組』風なつくりになっており、扱われるニュースも事件や事故、政治経済から娯楽系までさまざま」。

——次々現れるコンテンツ制作・流通サービス。それらに適したコンテンツ制作の手間を惜しまず、かけているニュースメディアの取り組みについて取りあげる記事。

 

 

「Trump Bump(トランプ景気)」から「Trump Fatigue(トランプ疲れ)」へ。米国のネットメディアからCATVまで、総じてTrump関連トピックスへの国民の関心が、2016年選挙戦時と比較して大きく低迷。メディア企業幹部らは頭を抱える。

 

 

米上院議員Mark Warner氏ら、GoogleやFacebookに、各ユーザー情報から得られる価値を、価格で定期的にユーザーに対し開示することを求める法案を提出。

 

 

Global Fact 6開催に際して、Full Factらファクトチェック団体が、“次世代ファクトチェック”のあり方を提唱。従来のファクトチェックが「ファクトチェックを公表し、祈る」というスタイルであったのに対し、第二世代は「ファクトチェックし、行動する」であるとする。
実際、「事実」や「偽情報の訂正」を後々から公表したところで、力になりにくい。しかし、積極的に行動することは、効果の高さと同時にリスクも生じそうだ。

 

 

読者からのリターンを最大化するために。ニューズレター配信、メンバー管理、課金、コマースなどの機能を盛り込んだ「読者CRM」をパッケージ提供する「Pico」の紹介記事。
世界最大手メッセンジャーアプリのWhatsApp、利用規約を厳格化。メッセンジャーを通じて、機械的に多数の送信先へとメッセージを送る行為を年末までに停止させる。メッセンジャーを介した偽情報の拡散に歯止め。だが、記事にあるように、独新聞社のように、これまでメルマガ配信に用いていたメディアが困る例も出てくる。

 

 

「シトロン氏はさらに、『ディープフェイクス』を放置することにより、リアルの動画に対する信頼性も揺らぐことになる、と述べる。その結果、リアルな動画を証拠として疑惑を指摘された人物が、『その動画はフェイクニュースだ』と否定することができてしまう『嘘つきの分け前』と呼ぶ状況が起きている」。

——公聴会が行われ、その下院議会サイトなどでもその内容が公表されている。Deep-Fakeは、次の大統領戦の驚異の目玉になろうとしている。

 

 

【ご紹介】:
米Nieman Labが、米国版SmartNewsが、各メディアにとり最も成長する流入源となっていることの解説記事を掲載してくれました。パートナーメディアフレンドリであると同時に、深刻なフィルタバブルに対抗するアルゴリズムで読者フレンドリな点にも言及しています。

 

 

【ご紹介】:
私が責任編集しているブログメディア「MediaTech」、市川裕康氏の寄稿「エンジニアが知っておきたい『ニュース消費』の現在——『Digital News Report 2019』が示す3つの転換点」を公開しました。

 

 

【ご紹介】:
正直いって、ご紹介するのをためらう記事なんですが…汗 NHKが運営する就活向けサイト「就活応援ニュースゼミ」の取材を受けました。