Disruption This Week—–29/9/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年9月25日から2023年9月29日まで。

AI Startups Are Trying to Make Usage-Based Pricing Happen
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最近、気になっているのが“従量課金”モデル。個人向けでも企業向けでも重要な動きだ。米The Informationは「AIスタートアップが利用者ベースの価格設定を実現しようとしている」と紹介。ジェネレーティブAI系はコスト高。利用側が導入に慎重なのだという。
Paying for news: Price-conscious consumers look for value amid cost-of-living crisis
「誰がオンラインニュースにお金を払っているのか?」英Reuters Institute、日本を含む20か国を対象に、消費者がニュースに対価を支払う(支払いたがらない)状況を調査。「過去1年間にオンラインコンテンツに支払った」ことのある人の割合で、日本は英国と並び最下位(9%)だった。
メタのザッカーバーグCEO、セレブたちが演じるAIアシスタントを発表
「AIアシスタントの多くは、著名人のペルソナを持ち、その人物に似た会話や音声を発することさえできる。元NBAバスケットボール選手のドウェイン・ウェイド(Dwyane Wade)が演じるAIアシスタントのビクター(Victor)はワークアウトの計画を立てたり、フィットネスの目標達成に向けてユーザーのモチベーションを維持する手助けをしたりすることができる」。

——昨日ちょっと触れたが、Metaはキャラクターに個性を持たせたAIチャットボットを投入。それぞれ特性を持たせてユーザーを支援するという。大坂なおみ氏に酷似した(当然、ライセンス料を払うのだろう)キャラクターもいるらしい。

20代の70%以上が紙より電子書籍を好む/10代には「コミックシーモア」が人気【ナイル調査】
「電子書籍を『現在利用している』と回答した人に、よく読むジャンルを尋ねた。その結果『マンガ(70.66%)』が最多となり、『小説・文学』『雑誌』『趣味・実用』が続いた」。

——20代の7割以上が電子書籍を好む。そして、やはり7割がもっとも好むジャンルを「マンガ」としている。だが、利用中のサービスの1位はKindle(2位が楽天Kobo)という辺りにねじれを、自分としては感じている。その解きほぐしをしているところ。

ヤフー、ニュース配信元との契約見直しも 「優越的地位の可能性」指摘受け
「声明でヤフーは、配信元各社と良好なパートナー関係を維持するため、契約内容の丁寧な説明と実績に応じた見直し、実績などデータの充実と開示、問い合わせ窓口の充実、透明性の向上――などに取り組んでいくとしている」。

——先日の公取委の調査報告書に対し、ヤフーがまずは迅速な反応を示した。

アマゾンの「Alexa」は、会話型AIの技術で“人間らしい”アシスタントへと進化する
「アマゾンはバージニア州アーリントンにある第2本社で9月20日(米国時間)に開かれたイベントで、Alexaを刷新すると発表した。これまでよりずっと複雑な質問にも答えられるようになり、よりスムーズで自由な会話をこなせるようになるという。また、ユーザーがいちいち『Alexa』と呼びかける必要もなくなるという」。

——AIスピーカーが誕生した折から、このような“自然な会話”性の実現に期待をしていた。ジェネレーティブAIの力を借りてどうやらそれが前進を始めたようだ。別の投稿では、ChatGPTが音声と画像(口と目)を持ったとの話題を紹介した。人間とAIの会話が自然になってくると、「物知りな知人」がつねに傍らに居てくれるようになる。

ChatGPT、“目”と“耳”の実装を発表 写真の内容を認識、発話機能でおしゃべりも可能に
「米OpenAIは9月25日(現地時間)、同社のチャットAI『ChatGPT』に、画像認識、音声認識、発話機能が搭載されたと発表した。今後2週間かけて、PlusユーザーとEnterpriseユーザーに展開するという。画像機能はPCやスマートフォンなど全てのプラットフォームからアクセスでき、音声機能はiOS/Androidで利用可能」。

——人間同士の会話能力がそうであるように、画像と音声(入出力)を取り込めるとAIチャット機能は使いやすく、強力になる。求められている方向に正常進化している。

文章一行でAIがWebサイト構築、外部資金調達なしで5.4万ユーザを集めた豪Relume——NikeやDapper Labsも利用

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文章一行でAIがWebサイト構築、外部資金調達なしで5.4万ユーザを集めた豪Relume——NikeやDapper Labsも利用
「デザインスタートアップ Relume は、AI が生成する Web サイトデザインプラットフォーム『Relume Ipsum』を開発した、数週間から1ヶ月程度かかっていた Web サイトを完成させるまでの作業負荷をわずか数分にまで軽減する」。

——興味深い。Webサイトの構成、デザインをジェネレーティブAIが独自のLLMを通じて行うというものらしい。これに収容されるコンテンツもAI生成……ということになるのだろうか。

In the AI Age, The New York Times Wants Reporters to Tell Readers Who They Are
米New York Times、記者が自身のプロファイル(経歴)を積極的に読者に開示するようにと社内向けメールで指示。米Vanity Fairが報道。メールは「メディアに対する不信感の多くは、ニュースルームがどのように運営されているかを知らないことに起因する」と指摘している。
AI生成コンテンツの時代に、“人間による”要素を顕在化していこうというわけだ。
「マンガ文化に貢献する画期的な取り組み」 集英社UGC拡散に本腰?ジャンプ+「切り抜き」機能公開 
「任意のシーンを切り抜いて、スタンプなどでデコレーションを施し、マンガへのリンク付きで公開できる。サービスに会員登録すると、自身の投稿を経由して読まれたマンガの閲覧数も分かる。この数はランキングでも紹介される」。

——同種の仕組みやアイデアは以前からあったように記憶する。要はそのような切り取り・拡散を媒体側自らが積極的に行おうとする意識変化が生じた点が重要なのだろう。

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