Disruption This Week—–21/2/2025

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2025年2月17日から2025年2月21日まで。

ESPN plans to add user-generated content to upcoming 'flagship' streaming service
米Disney、傘下のスポーツ専門メディアESPNで計画するストリーミングサービスで、若い観客層の獲得を目指してUGC(ユーザーが作成したコンテンツ)サービスを付加する計画。今年後半にサービスイン予定だとする米メディアCNBCによる報道。もちろん、ユーザー数を成長させるYouTubeを意識してのものだ。
The New York Times will let reporters use AI tools while its lawyers litigate AI tools
すでにSemaforによるNew York Times社内でのジェネレーティブAI利用を紹介したが、記事はその補足的な解説。NYTの訴訟相手であるChatGPTやGitHub Copilotなどのッツールが、利用を許可されたとの皮肉な結果に。

A German news outlet got rid of its comments section — and asks readers to debate instead
ドイツの著名Webメディア「Der Spiegel」では、従来、記事へのコメント欄を提供していたが月間170万コメントに及び、管理不能に。現在はモデレーターがアジェンダを決める「ディベート」フォーラムの運用に転換。閲覧はオープン、投稿は購読者限定とし質の向上を図った。
Q & A: Leigh Kamping-Carder, The Wall Street Journal | 99 Newsletter Project
米Wall Street Journalは、米国新聞メディアのなかでも多数のニューズレター・タイトルを取り揃えてきた。その実務責任者Leigh Kamping-Carder氏(Head of Newsletters)に、これまでの経緯と、成功するビジネスの秘訣や内情などをインタビューした記事。
AIデバイス「Ai Pin」即時終了──HPによるHumane買収で
「HPはこの買収により、『ローカルとクラウドの両方でAIリクエストをシームレスに調整する新世代のデバイスを開発する能力が急速に高まる』としている。
Humaneの共同創業者で元Appleのエンジニア、イムラン・チャウドリ氏とベサニー・ボンジョルノ氏はHP入りし、HPの製品とサービス全体にわたるAI関連システムに取り組むイノベーションラボ『HP IQ』を立ち上げるという」。

——Ai PinはジェネレーティブAIをウェアラブルに応用しようとした先駆的な取り組みだった。ハードウェアに蓄積のあるHPで新たな可能性を開拓してもらいたい。

ABCs: 55% of digital magazine circulation comes from Spotify-style services
ABC公査を受けた英語版雑誌のデジタル版発行部数の平均は1号あたり300万部(無料配布を除く)で、2023年と比較して14%増加。24年のデジタル雑誌の総発行部数のうち約160万部、つまり55%は、Apple News+、Cafeyn、Kindle Unlimited、Readlyなどのサービス経由だと明らかに。
ChatGPTが“視覚”を手に入れた!ライブカメラ機能でチャットがもっと便利になった | ライフハッカー・ジャパン
「ライフハッカー・ジャパンの記事をブラウザで表示し、ChatGPTに『なんの記事?』と尋ねたところ、ChatGPTは『ライフハッカー・ジャパンの記事で、ChatGPTがものを認識できるようになったことについての記事です』と答えました」。

——「ライブカメラ機能」とは、要するにChatGPTにカメラという視覚を加えるものだ。スマホのカメラを利用する。ChatGPTの有料のアドバンスドボイスモードを使っていれば、それに付加できる。記事はどんな目的で利用できそうか種々試しているので,参考になる。

デザインフローにおいてAI化される部分
「図の色分けによって示しているが、現状は薄いブルーで示すように全体的にまだ支援が弱めといえる。弱め、というのは、MiroやFigjamあるいはFigmaなどのコンピュータツールを利用するけれども主体は人間サイドにあるものか…」。

——ソフトウェア製品などの企画、開発などに携わる人々には役立ちそうな議論。一言で「製品化」といっても、これぐらいのパーツで構成される業務だとすると、一段視点をミクロにすると、自動化可能な分野が明瞭になってくる。

失われるWebの多様性——AIクローラー戦争が始まった
「1. インターネットはクローラーに依存しており半分のトラフィックを占める
2. Webサイト運営者はAIクローラーによるデータ収集を恐れ反撃を始めている
3. Webサイトによるクローラー制限はWebの開放性と透明性を損なう恐れがある」。

——よく知られているように、Web界の情報を調べ尽くすためにクローラー(ボット)の役割は欠かせない。最たるものは検索エンジンのクローラーだ。AI開発企業が学習目的でこのクローラーを走らせてているのを、利権上認めないWebメディアが、「クロール禁止」の動きを強めており、結果として他のクローラーも弾かれ、さらにペイウォールなどの増加でWeb界の見通しが悪くなっていると懸念する記事。

Guardian signs licensing deal with ChatGPT owner OpenAI
米The Intercept、The New York Timesらが、OpenAIによる“無許可の学習”行為を訴える中、英GuardianはOpenAIとコンテンツライセンスを提携。すでに契約を締結しているパートナーには英FT、独 Axel Springer、米Hearst、そして豪News Corpらがいる。