Disruption This Week—–10/12/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年12月7日から2021年12月10日まで。

50 ways to make media pay: Subscriptions | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
メディア企業が採用できる“購読”プログラム、12の例示。一般的な購読プログラムの提示から、学生や各種グループ別の優待、限定トライアル、法人向けプラン、他者との協業提案、プレミアムコンテンツの提案など各種手法を整理した記事。同業他社と組んでの提案は面白そうだ。
Newsrooms stop mocking the creator economy and start learning from it
メディア(報道機関)は、“クリエイターエコノミー”に学ぼう。少なくとも、これまでのように、オーディエンスと彼らが夢中になっているクリエイターやインフルエンサーとの関係を見下しているわけにはいかないとする論説。
Instagramで時系列表示オプションを来年提供するとモッセリ氏が公聴会で発言
「アダム・モッセリ氏は12月8日(現地時間)、米上院消費者保護、製品の安全性、およびデータセキュリティに関する小委員会が開催した『オンラインで子供を保護する:Instagramと若いユーザーのための改革』と題した公聴会で、来年1~3月期にInstagramで時系列フィードを選べるようにすると語った」。

——“Facebook文書”問題の中核、Instagramの事業トップが公聴会に出席。議員らからの追及に対して「時系列表示も選べるようにする」と発言。アルゴリズムによる表示をしない選択もできるようにするというが、「青少年」の利用法に対する対策としては安直だろう。

Global advertising industry expected to hit $1 trillion by 2025
2021年、世界の広告市場の成長率は過去最高レベルに。大手広告代理店Magnaは、21年の広告業界の成長率を22%とし、20年の12.5%を大きく上回る「史上最高」と発表。記事は、理由の一つとして、パンデミック後、中小企業がECなどでオンライン広告活用に乗り出したことと述べる。
Discord is letting creators monetize their communities with subscription-based memberships
大人気のライブチャットサービスであるDiscordが、本格的に“クリエイターエコノミー”をサポート? テスト段階だが、Discord内のコミュニティである各「サーバ」の運営者に、プレミアム機能へ課金を設定する権限を提供開始。
The end of the Silicon Valley insider–critic
シリコンバレーに抱き抱えれられてきた記者らの論評が終焉する時代。テクノロジー・サイエンス分野をカバーするライターによる論説。十数年前にはテック企業に批判的な記事を見かけるのは稀だった。現在はテック企業らから利益誘導を受けたことのない信頼できるライターが多く存在すると述べる。
Axios のライセンスビジネス、8カ月で100万ドルの収益 | DIGIDAY[日本版]
「Axios HQのゼネラルマネージャーであるジョーダン・ザスラフ氏によると、年間契約が1万ドル(約110万円)からスタートするHQのライセンス収益はわずか8カ月で100万ドル(1億1000万円)を超え、年末には150万ドル(約1億6500万円)に達する見込み」。

——AxiosがどのようなSaaS提供者になったのかは、記事を読んで欲しい。自社内製システムに投資できるメディア企業は、等しくソフトウェアビジネスの実践者となるべきだということを、最近のいくつかの事例は示している。

コンピュータサイエンス誌「bit」、1969年の創刊号から全386巻が電子復刻版としてAmazon Kindleで販売開始。1冊わずか198円
「同プロジェクトの『デジタルで絶版をなくし、誰もの手に届く所に置き、後世に伝える』趣旨に沿い、税込み198円と非常に安価。目次リンクも入っているため内容を確認してすぐに目的の記事へジャンプできます」。

——私のような文系でも、「bit」全盛期を思い出すな。書物に限らずこのような雑誌でも、できれば電子化してアクセシビリティを高めてもらえるとありがたい。同時に、検索可能性をどう高めていくのかも重要な課題。

中国の偽情報対策 連携 米とEU…国際機関選挙 協調も : 国際 : ニュース
【有料購読者向け記事】:
「会合には、米国のウェンディー・シャーマン国務副長官と、欧州対外活動庁のステファノ・サンニーノ事務総長が出席した。米国務省によると、両氏は偽情報対策として『米EU間の情報共有を深める用意』を表明した」。

——従前、米露関係ではロシアの情報工作について多くの情報が提示されてきたが、中国の高度な政治的意図による欺瞞工作についてはそれほどではなかったと思う。読みとばしてしまいがちなニュースだが、単に米中関係に止まっていない、中国の期満工作についても、広範囲の脅威として見なす時期に入っている。

How TikTok Reads Your Mind
「TikTokはどうあなたの心を読んでいるか?」
米New York TimesコラムニストのBen Smith氏、TikTok自らが従業員(非エンジニア)に同アプリのアルゴリズムを解説した内部文書を入手。そのエッセンスを解説する論。もちろん、アルゴリズムの究極目標は「DAUを増やす」だ。そのための要因を整理している。TikTokの熱心なユーザなら心当たりがあるはずだ。
また、他の重要な発見として、TikTokとその中国版であるDouyinは、依然として強い関係を有しており、同一の人物らによって開発されているという事実を紹介している。これは米政府の同アプリ排除の理由に挙げていた事象だ。
月間6億PV「まだ天井ではない」 文春オンライン、飛躍の裏に隠された施策とは - Media × Tech
【ご紹介】:
昨日ご紹介したように、2021年のSmartNews Awardsが発表。「文春オンライン」が2回目の大賞を受賞。改めて、その中心メンバーにMedia×Techがインタビューしました。おめでとうございます!

Disruption This Week—–26/11/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年11月22日から2021年11月26日まで。

Is the music industry's future on the blockchain?
つい先日、私も紹介した楽曲著作権をめぐる新星Royalについて、Casey Newton氏がニューズレター「Platformer」で論評している。同氏は暗号化資産について極めて懐疑的でもあり、興味深い。「NFT」と紹介したが、Royalは「限定デジタル資産(LDA)」という手法を推進する。“リミックス”時代には、この手法で精度高くロイヤルティが得られるとすれば、その意義は大きいものとなる。
NFT音楽著作権のスタートアップRoyalがa16z Cryptoの主導で63.1億円調達、前ラウンドからわずか3カ月 | TechCrunch Japan
「スタートアップ(=Royalのことだろう)によれば、それらのトークンの二次販売がすでに60万ドル(約6890万円)近く行われており、新シングルの暗黙の評価額は600万ドル(約6億8900万円)に達しているという」。

——自分の理解では、Royalは楽曲をめぐる著作権をNFT化して、ファンや投資家に販売できるようにする。すると、NFTを保有するファンらは、楽曲から生じるロイヤルティを受け取ることができるというわけだ。アーティストは、NFT投資家から自身の楽曲の権利を売ることで、早期に収入を得られる。市場を通じて安全に転売をすることを念頭に置くと、NFTの使い道として面白い。

From micropayments to eBooks (and NFTs): How publishers can diversify their revenue | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
米オレゴン州立大教授、Damian Radcliffe氏が出版した『50 Ways to Make Media Pay』から注目の新たな5つのメディア収益化手法を紹介する記事。1) マイクロペイメント、2) ダイナミックペイウォール、3) 電子書籍化、4) アーカイブ活用、5) NFT化による販売が、それだ。
Apple ATT 実装から約四半期、アプリ広告に長い影を落とす | DIGIDAY[日本版]
【有料購読者向け記事】:
「フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)が最初に引用したアドテクベンダー、ロテーム(Lotame)のデータによると、Facebook、Twitter、YouTube、Snapの4社は、第3四半期および第4四半期に売上の12%(99億ドル:約1.1兆円)を失ったという」。

——AppleによるiOS上での広告ターゲティングに対する抑止策(ATT=App Tracking Transparency)の影響が、全面的にではないにせよ、徐々に広がっている。広告主や広告を稼働させるプラットフォームなどでの受け止めを扱った記事。

Twitter Joins Big Tech Assault on Live-Shopping Startups; Harassment on TikTok
【有料購読者向け記事】:
米国ではクリスマス商戦を念頭に、“ライブコマース”への参入が相次いでいる(もちろん、中国などでのトレンドの後追いではあるが)。Pinterest、Facebook、YouTubeなどでの取り組みに次いで、いよいよTwitterまでが参入との話題。ライブコマースは、“クリエイターエコノミー”の文脈にもあるトレンド。個々のクリエイターが商品、サービスをフォロワーに推奨することでサヤを得るメカニズムだ。
Here’s the Best Strike for Most People
5年前、米New York Timesに買収された商品レビューサイトのWirecutter。当時のNYTのCEOは、Wirecutterを「NYT編集部の高い基準と価値をあらわす」ものと持ち上げたが、待ち受けていたのは、社内で二級市民と見なす視線と孤立だった。同労組はストライキを実施する構えだ。
Washington Post taps its former CMO to lead tech division
米Washington Post、購読と広告に続き、ソフトウェアビジネスを収益の柱へ育成中。同社が開発してきたコンテンツと広告配信システムArcは、1,900以上のライセンス先にまで拡大。今回、同事業を率いるトップにMiki King氏を招聘したとする話題。同氏は以前WaPoでCMOを務めた。
米Wall Street Journal出身の一ジャーナリストJessica Lessin氏が、2013年に立ち上げた完全購読制メディア「The Information」が堅実に成長、22万超の有料購読者を獲得と、同氏が英Financial Timesmに語る。
DuckDuckGo Wants to Stop Apps From Tracking You on Android
Appleは広告やスパイウェアがiOS上でユーザを追跡することを抑制する機構である「App Tracking Transparency(ATT)」を実装。これに対し、Android上で同様の働きをする「App Tracking Protection for Android」を、ユーザプライバシー重視をめざす企業DuckDuckGoが提供へ。同社プロダクトディレクターは、「オンラインであなたを追い回す不気味な広告は、はるかに少なくなるはずだ」と述べる。
Mediumがオーディオ学習プラットフォームのKnowableを買収 | TechCrunch Japan
「Mediumは自身の成果を共有する、収益化可能な新しいフォーマットです。Knowableのレッスンはすぐに消え収益化できないソーシャルオーディオと、大変な労力を要するポッドキャストやオーディオブックとの間に位置するものです。Knowableが制作サイドの難しい部分を担当することで、クリエイターはオーディオに不慣れであってもすばらしいコンテンツを提供できます」。

——Mediumはそもそもブログと課金を組み合わせた出版サービス。最近になって、ショートフォームをはじめとするフォーマットの多様化を手がけるが、音声コンテンツにも。それが教育系コンテンツという点も、示唆的。

Disruption This Week—–12/11/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年11月9日から2021年11月12日まで。

「2021年にはフェイスブックの広告収益の半分以上がインスタグラムで発生すると予測」。

——米国市場についてのeMarketerのリポートから。「Facebook文書」が取りざたされているが、メタ(旧Facebook)にとり、Instagramがいかに重要かということがわかる。

The 100k Club: News websites with most subscriptions ranked
英Press Gazetteが英文ベースのデジタル版購読者10万人超メディアのTop30ランキングをアップデート。1位はNew York Timesの760万人、2位は(1年間アップデートなしだが)Washington Postの300万人、3位にWall Street Journal280万人と続く。
Updating The Verge’s background policy
米テクノロジー系メディア「The Verge」、大手ハイテク企業がPRの用いる常套的な手法である「バックグラウンド」をめぐる報道ポリシーの厳格化を発表。“情報源匿名”を前提に種々の恣意的な情報を提供するような大手テック企業の戦術に対抗する。手法の詳細な事例も示した。
New platform launches for business journalists
BtoB向けコンテンツ(ニュース、分析リポートなどホワイトペーパー、ニューズレター)を執筆できるジャーナリストに、購読料シェアはもちろん、固定給与や各種福利厚生サポートを提供して独立を支援する新興企業Workweekの話題。
ブロックチェーン・NFT活用したマンガのファンコミュニティーサービス「GANMA!コミュニティ」正式版が提供開始 | TechCrunch Japan
「『漫画の新たな楽しみ方やファンと漫画の新しい関係性を、ファン主体で創っていくコミュニティ」として、ファン同士の交流や創作活動を促進すると同時に、新しいオークション方式による作品関連のデジタルアイテム(NFT)の販売といったファン体験の実験も行われた」。

——正式サービスインということなので、試行運用の結果が良好だったということなのだろう。希少性のあるアイテムをオンラインで売買できることになると、場の熱量は上がるだろう。

Twitter brings $3 ‘Twitter Blue’ subscriptions to the US | Engadget
Twitter、ヘビーユーザ向け有料版である「Twitter Blue」を米国などでサービスイン。米国で月額3ドル。送信の取り消しや広告なしのTL、買収した「Scroll」などのサービスを提供する。その他ユーザカスタマイズ機能を盛り込んでいる。日本での提供については情報がない。
Exclusive: Backed by NYT, OpenWeb becomes a tech unicorn
イスラエル発でNYに拠点をもつOpenWeb。メディアなどにコメント投稿とユーザとの交流基盤を「Web OS」としてライセンスするテクノロジー企業。新たな資金調達ではNYTも出資し、時価総額11億ドルとなってユニコーンに。ファーストパーティデータのトレンドに乗った格好だ。
McClatchy tries out pre-roll in the audio versions of its articles
「Sacramento Bee」や「Miami Herald」など米ローカル紙を傘下に持つMcClatchyが、電子版サイトに掲載される記事に音声版を読み上げるウィジェットを設置。このCTRが好調なことから、この音声版に広告を挿入することに。
TechRadar editor in chief Swider leaving for Substack newsletter - Talking Biz News
“技術オタク”系メディアとして知られる「TechRadar」。その編集長Matt Swider氏がTechRadarを退任し自身のニューズレター(メルマガ)に専念する。これまでTwitter傘下のRevueで発行していたものを、Substackに丸ごと移行してリスタートするという。編集長自らがメルマガに移行するという、近未来的(?)メディア現象。
絶好調の「マンガ業界」が、“さらなる飛躍”を遂げるための「2つの課題」(飯田 一史) @gendai_biz
「2020年代に入るとジャンプラ、マガポケなど一部の出版社系マンガアプリおよび出版社のマンガ事業(紙、デジタル、ライツすべてを含む)の存在感が増した一方で、結局のところIT企業系マンガアプリからはオリジナルのヒット作が続出するような状況にはなっていない」。

——飯田一史氏の論考。ネタバレのようなことをして恐縮だが、“2つの課題”は、1) 編集部(あるいは編集人)の育成という課題、2) コンテンツの流通とマーケティングという媒体社(あるいは編集部単位)レベルでの不得手(非力さ)という課題、だ。いずれも従来型のメディア業界の全般に通底するものかと思う。

データ活用で描く“新聞の再定義” 毎日新聞社、デジタル人材採用で変革加速へ - Media × Tech
【ご紹介】:
Media×Techから新着記事です。意欲的にDX進める毎日新聞社を取材しました。ぜひご一読を。
【鈴木健】SNSは、僕らの社会をなめらかにしたのか?
【ご紹介】:
「インターネット業界で『addictive(中毒性がある)』という言葉が、ポジティブな意味で使われていることに対して、私はずっと違和感を持っていました。
中毒患者を増やしてもしょうがない。食品産業では、そんな言葉を使いませんよね」。

——スマートニュースのCEO、鈴木健がNewsPicksのインタビューで、重要なインターネット問題を語りました。有料購読者向け記事なんだけど……。

Disruption This Week—–5/11/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年11月1日から2021年11月5日まで。

The Rise of E-commerce and Shoppable Media
【有料購読者向け記事】:
コマース機能を埋めこんだメディア、さらにはショッピング体験をARやVRにより“没入型”体験とする取り組みを主題とするカンファレンスを米The Informationが開催した。ショッピング体験の拡張にはゲーム、そしてエンターテイメント要素が必須となる。
Fox bets big on blockchain
TVネットワークを傘下に持つ米Fox、「コンテンツのトークン化には大きなチャンスがある」と、ブロックチェーン部門を設置、少なくとも1億ドルの投資を開始。NFTへの取り組みを強化、デジタルコレクターズアイテム事業を加速すると、CEOが投資家に説明。
Microsoft、クラウドで言語AI「GPT-3」 企業利用弾み
「マイクロソフトのクラウド基盤「Azure(アジュール)」を介して、オープンAIのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を使えるようにする。イベントの文字起こしや顧客のクレームを即座に要約したり、ブログの下書きやキャッチコピーづくりに役立てたりする用途を見込む。当面は招待制で提供する」。

——Open AIに投資してきたMicrosoftが、GPT-3をいよいよ商用利用可能なクラウドサービスを提供へ。いまだ利用用途がクリアではないが、記事で述べているような要約文の生成など、ビジネス利用での応用が出てくれば弾みがつきそうだ。

Netflix、日本でモバイルゲームを配信開始--まずはAndroid向けに5作品
「Androidスマートフォンの場合、Netflixにアクセスするとゲーム専用の列とタブが表示されるので、そこからゲームの選択やダウンロードが可能。Androidタブレットの場合はゲーム専用の列、あるいはカテゴリのドロップダウンメニューが表示される」。

——ウワサされていたNetflixのゲーム分野への進出。目的はもちろん、若者らの取り込みと、ユーザの利用時間拡大といったところだ。それが、直接広告事業を営まない同社にとりどれほどプラスに響くのか、掘り下げた報道に期待したい。

New York Times Adds 455,000 Subscriptions in Third Quarter
米New York Timesが第3四半期業績を開示。45万5,000人の購読者を追加し、電子版購読総数は760万に(印刷を含めば840万)。45万人のうち、12万人は非ニュースサービス(ゲーム、料理、製品レビュー)の購読者だ。同社は2025年に1,000万購読者をめざしている。
メールベースの ユニバーサルID 、再び注目の的に:ただし、信頼性とプライバシーには疑念も | DIGIDAY[日本版]
「何よりもまず、ひとりのユーザーが複数のメールアドレスを所有できるという現実が、IDシグナルを混乱させる可能性がある。『率直なところ、メールではうまくいかない。人々があまりにもたくさんメールアドレスを所有しているからだ』」。

——Web界ではCookie、アプリ界ではIDFA(デバイスIDEA)による個人ターゲティングの後継世代を探る動きが続く。
この記事では、ユーザが差し出す(登録用などの)メールアドレスがその機能を果たすのではないかという議論が持ち上がっている。ファーストパーティ戦略としても整合性が高い。だが、メールアドレスには、それ以前からあるいくつかの問題点も指摘されているという記事。

Why the Press Could Fail

The Information

Why the Press Could Fail
【有料購読者向け記事】:
米メディアThe Information創業者Jessica Lessin氏の論説。テクノロジーを推進する技術者や起業家と、テクノロジーを嫌う傾向の強いジャーナリストや政治家との間の知識ギャップが極端に広がっていると憂慮。
「テクノロジーが嫌いで、世界にとって悪いものだと思っていたら、自然言語処理の専門家にはなれない。暗号や原子力でも同じことが言える。その分野に情熱を持っていなければならない」というのだ。「この分野の発展は、あまりにも速い」。
AIに記者の仕事は奪えるか? ニュース記事を代筆してもらった
「以下の文章を読んで、AIが書いたのか、記者が書いたのか考えてみてほしい。当社のプレスリリースを短いニュース記事にまとめてみた。マーケティング分野の専門用語が混ざって読みにくいが、文章の自然さにまずは注目してほしい」。

——「AIのべりすと」というWebサービスを使ってプレスリリース風文書を生成してみた結果が示される。かなりの出来を示す。記事では、NEWS編集部がそれに添削して経緯も示しているが、「配属当時の記者と比べればまし」というところで吹いた。

出版状況クロニクル162(2021年10月1日~10月31日) - 出版・読書メモランダム
「この一年間に二度、岩波文庫が棚一本分、ブックオフで売られているのを見た。一方は青帯の哲学系、他方は緑帯の日本文学系で、いずれも110円であった。それはもはや驚くべきことでもないが、それだけの分量が地場の古本屋に売られず、ブックオフに持ちこまれてしまったことに問題が凝縮しているのではないだろうか」。

——本論の前半では電子書籍の流通の強い成長(その多くがコミックス)を指摘、後段でこの岩波書店の状況に言及する。個人的に同書肆に対する文化的な(政治的な?)幻想は持たないが、とはいえ、岩波文庫こそ電子書籍化で、多品種少量であっても流通を維持してもらえないかと願うところ。

“It Might Well Be Unsolvable”: Nilay Patel on Facebook’s Reckoning With Reality—And the Metaverse-Size Problems Yet to Come
サイト開設10周年を迎えた米テックメディア「The Verge」。開設当初は鋭い切り口ながらテクノロジー分野にポジティブだった同メディアが、いまや超大手プラットフォームを監視し切り込む位置に。Facebook文書から10年を振り返る編集長Nilay Patel氏への興味深いインタビュー。
JIMA : 【参加申込、開始しました!】オンラインカンファレンス Internet Media Days 2021 開催。11月26日 – 27日の2日間、今年のテーマは「明日から使えるDX」
【ご紹介】:
参加申込、開始しました! 2回目の今年は、非会員でも全セッションに参加いただけます。➡️ オンラインカンファレンス Internet Media Days 2021 開催。11月26日 – 27日の2日間、今年のテーマは「明日から使えるDX」
スマートニュースが米事業強化、ベルリンの壁に起業原点-鈴木CEO
【ご紹介】:
SmartNewsの最新資金調達と、そこに至る歴史を、創業者への独自取材などを通じて詳しく報道する記事です。➡ スマートニュースが米事業強化、ベルリンの壁に起業原点-鈴木CEO

Disruption This Week—–15/10/2021

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2021年10月11日から2021年10月15日まで。

New York Times Audio Could Spur a Realignment of the Podcasting Landscape
米New York Timesが意欲的な試み。同社の数々の番組やBuzzFeedなど他社のコンテンツを提供する、ポッドキャスト専用アプリ「New York Times Audio」のテストを開始した。昨年買収した人間が読み上げ・朗読を担当するAudmが制作する。Spotifyなど外部プラットフォームに頼らないという挑戦だ。
How Newspaper Closures Open the Door to Corporate Crime
「上場企業の何千もの施設を調査、地元の新聞社が閉鎖された町では、その後、地域の上場企業の違反行為が1.1%増加し、規制当局からの罰則が15%増加したことがわかった。また、新聞社のない町では、多くの違反行為の内容がより悪いものであることも判明した」。

——Marvin Bower ハーバード・ビジネス・スクール准教授であるJonas Heese氏の調査研究から。

アルゴリズムvs.中国、世界が見つめる激闘の行方
【有料購読者向け記事】:
「8月に発表されたルール案によると、企業は中毒や過剰支出につながるアルゴリズムの使用が禁じられる。また、ユーザーには、使用しないという選択肢が与えられるべきとしている」。

——すでに紹介した話題だが、改めて。非常にインパクトのあるテーマだと思う。いまやネット上の情報はあふれかえっており、なんらかの“自動的な選択”(アルゴリズム)による中間処理なしでは、最小の労力で最適な情報にたどり着けない。もちろん、そこにさまざまな作為が入り込む余地があることから、隠された大問題が生じているわけだ。

架空TikTokスターのネットワークを構築するFourFrontがシード資金調達 | TechCrunch Japan
「FourFrontの共同創業者Ilan Benjamin(イラン・ベンジャミン)氏によると、キャラクターのネットワークが本物の人間と誤解されないようにしており、彼らのプロフィールでストーリーのフィクション性を強調し、それぞれの動画には#fictional(フィクション)のタグがつけてある」。

——リアリティのある人間(キャラクター)を複数用意し、さまざまなショートムービーを配信していく試み。シナリオ次第で大量にストーリーを生み出すことができる。これからはバーチャル空間を舞台にしたクリエイティブビジネスが次々に誕生するのだろう。

ウェザーニュースの急成長を支える、Growth Hackチームの取り組みに迫る
「――現在はどのような体制でGrowth Hackチームを運営しているのでしょうか。
石橋(知博氏):開発を担うエンジニア、サービス運営を行うオペレーション、そしてマーケティングが三位一体となってサービスの改善に取り組んでいます」。

——ウェザーニュースという特性のあるサービス(コンテンツ)をどう、成長させるか。同社の「Growth Hackチーム」の取り組みを詳しく解説する記事。メディア系事業でもGrowth Hackのあり方は参考になるはず。

The creator economy is failing to spread the wealth
“クリエイターエコノミー”は、組織に属さない個人クリエイターでも相応の収入を得られるというトレンド。しかし、先ほど紹介したTwitchのデータ流出でもわかるように、著名な最上位のクリエイターがクリエイター収入の多くを占めてしまうという“現実”が少しずつ明らかになってきている。
中国、メディアの民間資本禁止を提案-企業統制を一段と強化へ
「発改委(=国家発展改革委員会)のウェブサイトに掲載された提案によれば、民間資本はニュースの収集・取材と配信が禁じられる。通信社や新聞社、放送局などの報道機関の設立・運営に民間資金が投じられることも禁止され、外国メディアのニュースコンテンツを再配信することも認められなくなる」。

——もはや、強権的だとか言論の自由がといったステレオタイプな報道ではなく、中国国内で何が進行しており、その着地点はどのようなものなのかを詳しく解説して欲しい。

Facebook is willing to open algorithms to regulators, Clegg says
“Facebook文書”問題でCNNの番組に出演したFacebookの広報責任者(と記事にある)Nick Clegg氏は、同社のアルゴリズムが、ユーザに言っていることと起きている実際が一致するよう、場合によって規制に基づく説明責任を果たす必要があると語った。
The Atlantic wants to hire newsletter writers — and it wants their subscribers, too
Substackを代表格にニューズレター配信プラットフォームは、既存メディアの書き手をニューズレターメディアの運営者として独立させようとしている。老舗メディアThe Atlanticはこの逆張りを狙う。これら運営者とニューズレターを、金銭保証した上で丸ごと傘下に治めようというのだ。面白いのは、購読者が独立したニューズレターにこれまで支払っていた金額で、Atlantic全体とニューズレターを購読できる点だ。Atlanticは傘下に入れる各種ニューズレターの購読者を、丸ごと獲得できるというわけだ。
かくして〈インターネット例外主義〉の時代の幕は開けた:『ネット企業はなぜ免責されるのか』池田純一書評
「1996年に米国で成立した通信品位法230条は、起草段階では、匿名掲示板の主に性的な品位を欠いた投稿に対して、プロバイダー企業、プラットフォーム企業による自主規制を促すための法律だった。しかし、1997年にケネス・ゼラン対アメリカ・オンライン訴訟の判決が出ると、風向きが変わる」。

——「パブリッシャーか?ディストリビューターか?」という問題の源泉から始まる豊かな書評。

衆院選にまつわる真偽不明な情報の検証を 総選挙ファクトチェックが始まる
【ご紹介】:
非営利法人FIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)は、衆院選にまつわる真偽不明な情報の検証する「総選挙ファクトチェックプロジェクト」を立ち上げました。本記事を執筆したBuzzFeed Japanを含めた複数のパートナーメディアと取り組みます。