目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年6月7日から2022年6月10日まで。

「2020年1月から2021年12月の約2年間で、全世界のアプリのMAUは36ポイント、WebサイトのMAUは57ポイント上昇していた。2021年12月時点の全サービスにおけるアプリとWebサイトのMAUの内訳として、54%がアプリ、46%がWebサイトという割合となっており、事業者はWebサイトとアプリのどちらかではなく双方への投資が必要なことがわかる」。
——自分の関心からは重要な情報がいくつも。ネット利用が2020年1月以降、おしなべて各国で伸びたことは理解できる。が、業種別や一部国別で、Webかアプリかという違いがある。消費者の利用は、大きく“Webからアプリへ”という遷移を示していると思っていたが、実はそうでもない。金融分野でWebがアプリに拮抗しているのには、びっくり。

英国における中心的なAI研究機関であるAlan Turing研究所が設置した「Center for Emerging Technology and Security」がロシアによるウクライナ侵攻をめぐって交わされている情報戦において、ロシアの欺瞞工作の解明にOSINTが重要な役割を果たしているとする調査報告「The Information Battlefield: Disinformation, declassification and deepfakes」を公開。原文はダウンロードできる。

「インターネット接続ができるテレビで、子供達は具体的にどのようなことをしているのだろうか。内閣府が2022年3月31日付で報告書を発表した、【令和3年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】の内容から、小中高校生における実情を確認する」。
——「動画視聴以外にもニュースが21.4%と2割超え、音楽視聴は11.3%と1割超え。テレビによるインターネットは、大体この3項目の用途に利用されていると見ればよいだろう」というのが概観。興味深いのは、高学年になるほど(たとえば高校生に限ると)、「テレビ(ネット接続)」への指向性が低くなる。記事では自分のスマホに向かう比率が高いと想定していること。スマホの利用度がメディア視聴を規定しているとも考えられる。

米Axios、SpotifyのCEO、Daniel Ek氏にインタビュー。同氏は、同社の長期戦略としてオーディオ分野への投資継続を強調。Appleのポッドキャストを追い抜いたのに続き、Amazonが独占するオーディオブック市場に挑戦することを明言。
NFTはなぜ誤解され続けるのか?:所有をめぐる真実からミントの収支まで
WIRED.jp

「同じトークンはこの世にふたつと存在せず、それがあなたのクリプトウォレットの中に入っているとしたら、そのトークンの意味するものは当然あなたのものということになる、というわけだ。この考え方はいくつかの理由で間違っている」。
——正直な話、自分も理解できていなかった点がいくつも指摘されている記事。NFTをめぐっては基礎的な理解がさらに必要なようだ。
偽動画、東京大学は検出精度9割 米メタも封じ込め急ぐ
日本経済新聞

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「東大の山崎俊彦准教授らは米テック企業をしのぐ世界最高水準の性能を誇るディープフェイクの検出手法を開発した。代表的な5つの評価指標を用いて検証したところ、4つの指標で既存の検出技術を上回った。ほとんどで9割前後の精度を示し、最も判別が難しい指標でも7割以上を見分けた」。
「東大の山崎俊彦准教授らは米テック企業をしのぐ世界最高水準の性能を誇るディープフェイクの検出手法を開発した。代表的な5つの評価指標を用いて検証したところ、4つの指標で既存の検出技術を上回った。ほとんどで9割前後の精度を示し、最も判別が難しい指標でも7割以上を見分けた」。
——紹介された東大・山崎氏らの研究成果はソースも公開されるとのこと。喜ばしいが、“ディープフェイク”を研究開発する陣営にとっても材料になることだろう。長く続くテクノロジー開発のレースになりそうだ。

雑誌大手Condé Nast傘下の高級男性誌「GQ」がWeb3に熱心に取り組む。「GQ3」名のサーバをDiscordに開設。「私たちが考えは、GQがホストで、Discordが会場で、みんなを招待してパーティーを開くということだ」と同誌の読者開発担当者は述べる。
顔認証普及の裏で進むディープフェイク対策 AI、多要素認証……
ITmedia NEWS

「ディープフェイク技術とその検知に詳しい国立情報学研究所の越前功教授(情報セキュリティ)も『ソフトの進歩で1枚の写真から比較的簡単に偽動画が作れるようになっていて、認証が突破される危険性はある』と指摘する」。
——本人が語ったり、行動したりと見まごうような“ディープフェイク”の広がりが懸念されているが、それが顔認証さえも容易に突破されてしまう可能性が問題になっている。実は顔認証、意外に突破されやすい仕組みとは最近よく語られているところ。

アドベリフィケーション企業のIAS(Integral Ad Science)、誤報(虚報)と広告との関連性について、新リポート「誤報とメディア品質」を公開。広告およびメディア関係者は「誤報の忌避」の7割以上が表明する一方、どのように排除するか定めるガイドラインの運用は半数以下と指摘する。まだ、誤報・虚報コンテンツに広告費が膨大(年間2億3500万ドル)に流入しているとも推測。