Disruption This Week—–7/10/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年10月3日から2022年10月7日まで。

Google settles Arizona location data suit for $85 million
米Google、同社のアプリが位置情報履歴機能をオフにした後もユーザーの位置情報を追跡・保存し続けている点で米アリゾナ州司法長官が提訴した事案で8,500万ドルの支払いに応じて和解を選択。同長官が「アリゾナ州史上最大の消費者詐欺訴訟」と呼んだ裁判が回避されたことになる。
YouTube Cash May Trump ‘White Hot’ TikTok’s Hold Over Creators
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SNS界のベテランMatt Navarra氏は、記事によれば“インフルエンサーにインフルエンスを与えるメタインフルエンサー”的存在。同氏は、Facebook、Instagramはソーシャルグラフに依存しているという点でTikTokに敗退しつつあり、今後はYouTubeがTikTokの重要なライバルになっていくとする。
76% of UK consumers willing to consume ads in exchange for free content: YouGov survey | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
オンライン市場調査のYouGov、欧州での消費者調査で、各国いずれでも広告表示の見返りとしてコンテンツの無料提供を高い比率で選好。英国では76%と最高。低いスペインでも51%。と同時に、広告のクッキー利用抑止策は積極的に活用しているとの結果にもなった。
A New Refrain From Artists: We ‘Almost Gave Up on Instagram’
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TikTok人気に押され、動画シフトを進めるInstagram。そのInsta上で写真、静止画像、コミックなどで人気を培ってきたクリエイターらは、「Instagramはアーティストを必要としなくなった」と怒りと失望を募らせているとするNew York Times記事。
First Steps to Getting Started in Open Source Research - bellingcat
OSINT=オープンソース調査(報道)を始めるには? この分野で著名なBellingcatスタッフが、「基礎から始めるOSINT」を5つのステップで解説。「1. 自分のスキルや興味のあることを把握」「2. ツイッターを利用」「3. 仲間を見つける(そしてリストに載せる)」「4. コミュニティブランチを探す」「5. 観察し、学び、実践する」という構成だ。
NIKKEI Prime第1弾 必読のビジネス情報をあなたに
「日本経済新聞グループは朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報やサービスを提供する『NIKKEI Prime(日経プライム)』をスタートします。第1弾として、企業で意思決定を担うプロフェッショナル向けに3つの媒体を創刊します」。

——日経新聞が、3つの有料専門(バーティカル)メディアを創刊。以前で言えば日経BP社が手がけていたニューズレターのようなものだろう。ただし、購読費は手頃なもので、日経電子版購読の拡張版という要素もありそう。購読指向のメディア運営はこういう展開を見せるという意味でモデルとなる。

Briefing: Apple’s App Store Revenue Fell in September Quarter, Analyst Estimates
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AppleのApp Storeの収益が減速。米投資銀行のMorgan Stanleyが今週発表したリポートによると、Sensor Towerのデータを引用して、9月期のApp Storeの純収入が前年同期比2%減になったと推定した。近年、Appleはハードウェアを軸とした収益構造から、ソフトウェア・サービス事業での成長へと軸足を移していたが、痛手。新型iPhoneの増産計画も需要が弱くキャンセルしたこともあり、ダブルパンチとなった。
北朝鮮の無人航空機と思われる物体を撮影した衛星画像について|ユーリィ・イズムィコ|note
「今回新たに確認された機体は、既存の北朝鮮が保有している機体とは全く形状が異なるものであることに加え、北朝鮮が2021年1月に朝鮮労働党第8次大会で示した 『国防科学発展及び武器体系開発5か年計画(通称:国防5か年計画)』を踏まえると、同計画で開発が言及された無人航空機(UAV)または無人戦闘航空機(UCAV)である可能性が高いと思われます」。

——先に公開されていたインタビューでOSINT(オープンソース/インテリジェンス調査報道)を開始する旨を述べていた小泉悠氏。それが本格的にスタートした。「Deep Dive」というメディアが開設。第1弾は北朝鮮が軍事ドローン機を開発した模様というものだ。

Publishers: 10 things you should know about AI in journalism | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
ジャーナリズムにとってAIとは? ロンドン大学でJournalismAIプロジェクトを率いる筆者が解説。AIを用いて編集部内にある偏見を特定、緩和したり、自然言語処理ツールを使用してコンテンツを分析し、十分に報道されていないトピックを発見するなどさまざまなものがあるとする。
先日、同僚から米国で行われたメディア関係者向けイベントで「ソース・ダイバーシティ(記事や番組内で扱われる情報源に偏りがないよう多様化を図る)」を計測するアプローチが話題に上ったと聞いた。政治的な偏りや人種、性差などで偏っていないか、自動的に計測、分析するなどもAIが行うべきテーマになりそうだ。
出版状況クロニクル173(2022年9月1日~9月30日) - 出版・読書メモランダム
「TRC(図書館流通センター)の売上高は3位で、トーハン、日販GHDと一ケタ異なる510億円だが、税引後利益額は遜色がない。
粗利益率も18.8%と群を抜き、売上高経常利益率に至っては4.4%で、日教販1.3%、日販GHD 0.7%、トーハン0.3%に比べ、ダントツということになる」。

——図書館流通センターの高い収益性に着目した箇所。もちろん、その根本的な回答は、「増え続ける公共図書館を背景とする図書館専門取次として、低返品率、出版社との直接取引などが相乗」したビジネスだからという指摘。なるほど。この構造を一概に否定できないが、ここにもまた電子化の波が押し寄せれば、構造は大きく揺らぐことになりそうだ。

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日経MJ紙での連載が日経電子版に掲載されました。よろしければご一読を。➡️ 新聞・ラジオがポッドキャストに注目、若者ファン狙う