Disruption This Week—–28/7/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年7月24日から2023年7月28日まで。

As Actors Strike for AI Protections, Netflix Lists $900,000 AI Job
「ハリウッドは、脚本家や俳優に高額を支払う気はないが、AIに対してはその気だ」。米The Intercept_は、Netflixが人材募集でAIプロダクトマネージャに「年収90万ドル」を呈示と報告。ある俳優は、この額で組合に属する35人の俳優とその家族を健康保険に加入させられると皮肉。
メタ増益、Threads収益化焦点 ネット広告底入れの兆し - 日本経済新聞
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「『ウクライナ戦争やロシア事業を中止した影響が軽くなったほか、広告に対する需要が増えて効率が高まった』。メタが26日に開いた決算説明会で、スーザン・リー最高財務責任者(CFO)はこう総括した」。

——「米アルファベットと米メタの2強はそろって増益を確保した」と記事では述べるが、Google(およびYouTube)の復調はMetaほど劇的ではない。その意味で広告の完全復調とは言い得ない。さらにジェネレーティブAI投資は膨大だが収益力には当面結びつきにくい。まだ不透明。

グーグルとマイクロソフト増収増益 生成AIの競争激化、投資を加速:朝日新聞デジタル
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「アルファベットは主力の広告事業が持ち直し、前期から売り上げの伸びが加速した。売上高は前年同期比7%増の746億ドル(約10.5兆円)、純利益は15%増の184億ドル(約2.6兆円)となった」。

——タイトルだけ見ると、好調ぶりが揺るがないように見えるが、米市場の見立ては異なる。成長が鈍化している事実は両社に共通。だが、Alphabetは広告事業が復調。特にYouTubeは勢いが増している。Microsoftは企業向けやPCが良くない。まだら模様。加えてR&D投資が重くなる。

生成AI「絶対必要な武器」少年ジャンプ+編集長ら期待 - 日本経済新聞
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「プロの漫画家が『結構使える』などと言っており、予想より良かった。(今はテキストでしか入力できないが)漫画の設計図であるネームの画像を入れて反応を見てみたい、といった声もある」(少年ジャンプ+編集長・細野修平氏)

——「クリエイターの代わりではなく、ツール」と佐渡島庸平氏。その通りで、産業分野ごとに需要の柔軟性が異なり、マンガではジェネレーティブAIの取り込みが進むのかもしれない。

Facebook頼みに誤算 BuzzFeed News閉鎖を元編集長が語る - 日本経済新聞
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「11年末に創刊したバズフィード・ニュースは、ソーシャル・メディアを基盤にした報道機関を目指した。しかしいくつかの誤算があった。一番の問題はSNSが質の高いジャーナリズムを無料で提供するという事業モデルが成立する構造ではなかったということだ。特に、世界最大のSNSであるフェイスブックはそうだった」。

——BuzzFeed Newsの初代編集長Ben Smith氏への取材記事。歴史を振り返り反省の弁も述べるが、これを巻き戻したところで、正答が見えてくるわけではない。同氏は「ニュースの「届け方」については、まだみんなが『next big thing(次の大きな革新)』を待っているところだ」とするが、そこにヒントが仄見える。自分もnext big thingづくりを考えたい。

Washington Post drives revenue through its subscriber investments

International News Media Association (INMA)

Washington Post drives revenue through its subscriber investments
購読者のエンゲージメント向上が、社業の成長と財務上の成功にとり重要と語る米Washington Postの「ライフサイクル・マーケティング」責任者が語るチャーン(退会)対策の4つの重要ポイント。1) 訪問頻度、2) ニューズレター、3) 知人による紹介、4) 多様なコンテンツ消費だ。
「AIの学習データが底をつく」’2026年問題’の衝撃度とその対策とは?
「チャットGPTのような大規模言語モデル(LLM)の開発には、膨大な学習データが必要だ。
主な収集先はネットだが、使えそうなデータは徐々に使い尽くされ、良質なデータは2026年には底をつくと見られている。
ツイッターは7月初め、利用回数の制限を実施し騒動となった。その引き金になったのも、AIの学習データ収集のためのアクセス集中だったという」。

——平和博さんのまとめ。問題は、“無限”とも形容されているネット上のコンテンツでさえ、人類が築いた文化的資源の一部でしかないことが可視化されたこと。自由にはクロールできない文化の宝庫が、新聞社や図書館などに非デジタルな形式で保存されていることをどう守り、どう活用するのかが重要。

AI, the media, and the lessons of the past

Columbia Journalism Review

AI, the media, and the lessons of the past
OpenAIが米ローカルジャーナリズムを支援する団体(American Journalism Project)に対し1,000万ドルを拠出する提携をすでに紹介した。本記事は、このようなIT側からのアプローチは、MetaやGoogleらか繰り返し起きており、その過去の教訓から学ぶべきと辛辣に語る論評だ。
OpenAIやMetaなどAI大手7社、米連邦政府に「責任あるAI開発」を“自主的に”約束
「米連邦政府は7月21日(現地時間)、AIを手掛ける7社の代表をホワイトハウスに招集し、AIの安全性、セキュリティ、透明性の高い開発に向けた取り組みを支援するため、これらの企業から自主的な取り組みを確保したと発表した。
サイバーセキュリティ対策やコンテンツがAIによって生成されたことをユーザーに示すための透かしへの投資などを約束するものだが、“自主的”なものであり、規制ではないので守れなくても責任は問われない」。

——政府からの働きかけによるわけだ。このままでは、欧州など規制に積極的な国々で一網打尽にされかねないと判断したのだろう。米政府は、AI分野での寡占企業の暴走を抑えたい一方、世界での優位性を維持したい。中国がこの分野でどれほどのポテンシャルを持っているのかも、認識しているはずだ。

AIの報道利用、日経はこう考えます - 日本経済新聞
「AI作成の文章や画像をそのまま公開することはありません。利用する場合は事前の報告、許可、結果の検証、記録、修正がすべての編集メンバーの義務です。取材や業務で知り得た機密情報や個人情報の入力は禁止です。
AIの提案を採用する場合は、その旨を明記します」。

——うっかり本記事の紹介をもらしていた。先週公表されたこの記事は、日経のジェネレーティブAIの利用についてのガイドラインを内外に説明するもので、重要。ITmediaがすでにガイドラインを公表しているが、各社はこのような表明を進めるべきだろう。技術の進展に合わせてバージョンが変わることも、容認されるべきだ。

Disruption This Week—–16/6/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年6月12日から2023年6月16日まで。

【インド太平洋地域のディスインフォメーション研究シリーズ Vol.5】韓国のフェイクニュース対策(上):日本とは様相が異なる韓国の現状 | 記事一覧 | 国際情報ネットワークIINA 笹川平和財団
「韓国におけるフェイクニュースを用いたネット世論操作は、韓国の政府機関によって以前から行われてきたことが指摘されている。例えば、2012年の朴槿恵元大統領を選出する選挙で、彼女の勝利に貢献するために、偽草の根運動(astroturfing)を国家情報院が主導して行ったとされている」。

——上中下の大変な労作。お隣の国でどのようなニセ情報環境が生じているのかを詳細に点検している。まず、気になったのは引用箇所。昨今、日本でも政府主導の“ニセ情報対策”の動きが活発だが、それに全面的にアラインすることのリスクは自覚すべきだろう。

How AI tools already contribute to daily news: Insights from Semafor, BBC and others | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
ジェネレーティブAIは、報道メディアの現場でどのような使われ方をしているか。英BBC、米Semafor、同じくWashington Post、Bloombergなどでの利用法を紹介する貴重な解説記事。
EU欧州議会がAI規制案採択 文章など「生成」明示求める
「欧州連合(EU)欧州議会は6月14日、本会議を開き、対話型人工知能(AI)『ChatGPT』など生成AIを含む包括的なAI規制案を賛成多数で採択した」。

——素早い動き、とは言え、年内いっぱいに成案を得るというのがスケジュール。施行は翌年以降だ。その間に、開発社側がどのような自己規制を打ち出すのか。

Young people are abandoning news sites: New research reveals scale of challenge to media | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
“若者のニュース離れ”現象。Reuters Institute「Digital News Report2023」によれば、英国市場では、35歳以上は、直接の好みが時代とともにほとんど変化していないが、18~24歳は、ニュースサイトやアプリの利用率が著しく低くなっていることがわかると指摘する記事。
Worldwide, online news is looking a lot more like TikTok and a lot less like “shared articles”
英Reuters Institute、2023年版Digital News Reportを公開。毎年注目している「ニュース忌避」について、より具体的なケースを調査。たとえば、「ニュースが流れたらラジオを消す、SNSではスクロールしてニュースを読み飛ばす」などの習慣化が忌避者の半数以上(53%)と判明した。
A Reckoning Arrives for Creator Economy Startups
【有料購読者向け記事】:
大手SNSがクリエイター獲得合戦を演じ、数百の新興企業がクリエイター向けツールやサービスを提供する“クリエイターエコノミー”ともてはやされたトレンドに、早くも大きな逆風。米Informationのデータベースによれば、7つの関連新興企業がこの1年強で閉鎖となったという。M&Aの数は相当数に上るはずだ。
【編集長雑記】「ar」編集長:令和の編集長は忙しいけど“楽しい” | ほんのひきだし
「スマホ一つで何でもわかる世界。
“可愛い誌面”を追求していればよかった『ar』編集部の仕事は、ここ数年で大きく変わりました。どんなによいコンテンツを作っても届かなければ意味がなく、雑誌離れと言われて久しい20代を相手に情報を届けるとなれば、“スマホのお作法”を知ることはマストとなりました」。

——昨今のメディアの現場感覚がよく伝わってくる記事。勉強になった。「雑誌のほかにWEBサイトを2つ、SNS4つを運営しており、その合間に本誌から発展させた写真集を作ったり、さらにその宣伝やイベント等もやっています。あえてWEBと雑誌の部署は分けていません」という点、忙しさがよく分かる。「脳内が忙しいのです」なのだ。

May 2023 Layoffs Jump on Tech, Retail, Auto; YTD Hiring Lowest Since 2016 | Challenger, Gray & Christmas, Inc.
米雇用関連コンサル企業のChallenger, Gray & Christmas、5月に米国内でのレイオフが急増したと発表。特にメディア業界は、2023年に入りこれまでに17,436人の削減。過去最高の年初来(YTD)記録を更新した。
JASRAC、世界のデジタル配信サービスのコンテンツや楽曲情報を共有・交換する「GDSDX」
「日本音楽著作権協会(JASRAC)は6月9日、グローバル展開する動画、音楽の配信サービスのコンテンツ情報と、著作権管理団体が管理する楽曲情報を共有、交換するプラットフォーム『GDSDX』を5月31日にリリースしたと発表した」。

——JASRACをめぐってはとかくいろいろ批判的な指摘がされるが、このGDSDXリリースの動きは興味深い。デジタル配信が大前提の市場で、各国での消費を的確に結んでいくことができる仕組みづくりは喫緊の課題だったはず。対抗するシステムは存在していたのだろうか?

焦点:米国で広がるメディアリテラシー教育、若者の必須スキルに
「最初のうち、ヘイジャーさんは、責任はソーシャルメディアの不十分なコンテンツ規制にあると考えていたが、その後『ネット上で目にするレトリック(巧みな弁舌)に対処するツールを生徒たちに与えるべきかもしれない』と考えるようになった」。

——青少年自らが“メディアリテラシー”に取り組む事例を紹介する記事。確かに単に教育関係者、政府が与える啓発がらみの教材の無力を感じることが多い。そもそもが単なる道徳教育であるようなケースが見受けられる。

(パブリックエディターから 新聞と読者のあいだで)ニュース回避、疲れた心に配慮を 藤村厚夫:朝日新聞デジタル
【ご紹介】:
朝日新聞に寄稿したコラムが電子版にも掲載されました。よろしければご一読を。➡ ニュース回避、疲れた心に配慮を 藤村厚夫
生成AI、音楽配信や報道現場に変化の波 - 日本経済新聞
【ご紹介】:
月1回連載の記事が日経電子版に掲載されました。よろしければどうぞ。➡ 生成AI、音楽配信や報道現場に変化の波

Disruption This Week—–9/6/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年6月5日から2023年6月9日まで。

Instagramの創業者が手がけるAIを駆使した新ニュースアプリ「Artifact」とは
【有料購読者向け記事】:
「TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアで表示される記事のリンクとは異なり、Artifactのフィードに登場する投稿の選定とランキングは、それを投稿した人ではなく記事自体の内容に基づいている。そして理想的には、各ユーザーが見たいコンテンツとして、信頼性の高いパブリッシャーの記事が表示されるというものだ」。

——何度か取り上げているArtfifactをめぐる話題。記事が紹介するように、うまくジェネレーティブAIトレンドに乗ったようだ。ただし、その利用するLLM、また、その使い方がうまく見えてこないのだが。

集英社、“AIグラビア”の販売終了 「生成AIの課題について検討足りなかった」 Twitterも削除
「制作過程で、編集部で生成AIをとりまくさまざまな論点・問題点についての検討が十分ではなく、AI生成物の商品化については、世の中の議論の深まりを見据えつつ、より慎重に考えるべきであったと判断するに至った」。

——元々「法務部に確認しながら適法の範囲内でやっている」と述べていたものが、急転直下に方針転換。なにを重要視しての変更なのか?

Former exec at TikTok's parent company says Communist Party members had a 'god credential' that let them access Americans' data
TikTokを傘下に持つ中国ByteDance。同社の元技術ヘッドYintao Yu氏、共産党員が「スーパーユーザ」の資格でアプリのユーザデータにアクセスしており、米ユーザだけでなく香港のデモ参加者らのデータも参照していたと米法廷向け資料で述べる。
偽ニュースから身を守る 最新事例と対策の4原則 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「問題のツイートは『【速報】NATO軍、日本に駐屯を検討』という見出しだった。しかし、リンク先に載っていた通信社の記事には『NATOが日本に連絡事務所を開設する方向で検討を進めている』と書かれていた。軍隊と連絡事務所では大きな違いだ」。

——ニセのニュースを信じてしまったり、それを拡散してしまったりしないための基礎的なプロセスを詳解する記事。ファクトチェックのプロセスも同様。身を守るという観点からも目を通すと良い記事。

ChatGPTやBardなどの生成型AIツールを導入する企業は、偽ニュース対策の一環として、AIにより生成されたコンテンツにラベルを付けユーザに明示すべきだと、EUのコミッショナーであるVera Jourova委員が5日、指摘した。
Engage to build trust: Ask for audience input (and act on it!)
読者との信頼関係を、メディア(ジャーナリズム)はどう築くべきか? 「読者からのフィードバックや投稿にメを通す」とはよく言われるが、それが役に立つか? 米国「Trusting News」プロジェクトが提案(提供)する「Trust Kit」とそのトレーニングを紹介する論説。
短編映画を独占公開:生成AIは映像制作をどう変えるか?
「ザ・フロストは、すべてのショットが画像生成AIによって作り出された、12分間の短編映画である。まだ馴染みのないこの新ジャンルの中でも、きわめて印象的な(そして奇妙な)作品の1つだ。以下でこの映画を視聴できる」。

——OpenAIの画像生成モデル「DALL-E 2」ですべてのショットを生成。さらに静止画像に動きを加えるAIツール「D-ID」でアニメーション化したという。不自然さも漂うが、同時にここまで来ているという達成状況も確認できる。もちろん、明日にでもより遠くへ進むことだろう。

米New York Timesチーフ・グロース・オフィサーのHannah Yang氏、最近開催されたイベントで、同社の購読者と収益増のための5つのアプローチを講演。1) 質の高いコンテンツが最重要、2) 登録者のプールを育てる(トラフィック減になろうとも)、3) 初期段階購読者に注力、4) 購入までのスムーズな経路がコンバージョンを高める、5) 購読者の量と収入のバランスがますます重要になる、ということ。

昨年3月、米ホテル王Stewart W. Bainum氏が5,000万ドルを拠出し非営利メディア「The Baltimore Banner」を設立と紹介した。「25年までに10万人購読者を獲得」との目標を立てたが、約1年で早くも7万人に到達と退任するCEOが表明。スタート当時50名のスタッフもすでに100人超になっているという。
偽ニュースに弱い日本 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「偽ニュースに接した経験がある割合は最も低い日本で75%に達し、国・地域による差はあまりない。
違いが大きいのは真偽を検証するファクトチェックサイトの利用法などを知っている割合だ。日本は19%で首位ベトナム(81%)の4分の1以下」。

——日本経済新聞がシンガポールの南洋理工大学と組んでアジア10か国での調査をまとめた。引用のように、“偽ニュース”体験に違いはないが、ファクトチェック機関に大きなギャップがあるのだという。さもありなん。既存の新聞が強いと記事は述べるが、そのあたりに課題意識の偏差がありそう。

Disruption This Week—–2/6/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年5月29日から2023年6月2日まで。

アングル:生成AIブームと米大統領選、ディープフェイクにどう対処
「(合成メディアの検知に取り組むディープメディアによると)音声のディープフェイクを作成するコストは、昨年末までサーバー代とAIの訓練費合わせて約1万ドル(約140万円)だったのが、今ではスタートアップ企業が数ドルで提供しているという」。

——ものの書物によると、4年ごとに行われる米大統領選は、そのつど新たなメディアトレンドを生んでいるのだという。その説でいえば、来年の大統領選はジェネレーティブAI時代のメディアトレンドが焦点になりそうだ。

早川書房、同じ内容の電子書籍が付いた新書を発売 NFT化で“中古電子書籍市場”にも期待
「NFT化した書籍は、ブロックチェーン技術によって持ち主の証明が行える。これを利用し、メディアドゥは自社のNFTマーケットプレイス『FanTop』内で電子書籍の二次流通の仕組みを提供するという」。

——書籍を買うと、Epub化された電子書籍も利用できる。かつ、その電子書籍はNFT化され、転売が可能に。転売されれば、2次収入が書肆や権利者に還流するのだという。興味深い。
その場合、印刷版書籍は転売される電子書籍と分離されてしまうことになるのか?

Almost 50% of news publishers use Generative AI tools, but “quality of content” is the #1 concern | What’s New in Publishing | Digital Publishing News
WAN-IFRA(世界報道メディア協会、旧・世界新聞社協会)が調査会社と協力して世界で100を超える報道メディアのジェネレーティブAIへの取り組みを調査。その結果、半数弱がすでに取り組みに着手済み。最も多い利用法は「コンテンツの要約」だという。
Instagram Shares New Explainer on How its Feed, Reels and Stories Algorithms Work
「Instagramには、人々がアプリで見るもの、見ないものを統括する単一のアルゴリズムは存在しない。フィード、ストーリーズ、エクスプローラー、リール、サーチなど、アプリの各パートは、人々の使い方に合わせた独自のアルゴリズムを使っている」。

——Instagram、事業責任者であるAdam Mosseri氏自身によるアルゴリズム解説を公開。TikTokなどに対抗して透明化を推進する姿勢を示したものでもある。胸をはって言うべきことなのかどうか分からないが、引用のように統合的なアルゴリズムではなく、それぞれの機能面に最適化したアルゴを築いてきているようだ。

出版状況クロニクル181(2023年5月1日~5月31日) - 出版・読書メモランダム
「(図書館による)21年の個人貸出数が5.4億冊で、20年の6.5億冊にくらべ、1億冊以上減少している事実に注視しておいた。ところが表に見られるように、22年は6.2億冊と回復してきている。この21年のマイナスと22年の回復の原因を突き止めていないのだが、コロナ禍によるとは判断できないし、何に起因するのだろうか」。

——図書館をめぐる各種統計を見ていると、謎が謎を呼ぶという思い。もちろん、ここで引用されているような直近年の不自然な変動ももちろんだが、1970年代からの図書館数と蔵書数の伸びのすごさにも感じさせるものがある。福祉とはある意味で麻薬なんだろうか。

AIが変革するメディアとPRの未来|NewsPicks CXO池田光史が語るChatGPTの可能性 | PR TIMES MAGAZINE
「実は上記のインタビュー原稿は、池田さんが今回のインタビューを想定し、タイトルも含めChatGPTで生成したものです。池田さんの思想、実際の行動を約500字ほど入力して実現しています」。

——大変に興味深い記事。ここで俎上に上っているのは、「PR」業態の激変だ。が、ほぼそのままメディア業種の変革議論でもある。ChatGPTに読むに値する記事を生成させているが、そのプロンプトが紹介されていて、実践的にも参考になるだろう。

Media Briefing: Why publishers hope chatbots will be the latest retention tool
Future、Skift、Trusted Media Brandsは、自社サイトへのトラフィックを増やすためにチャットボットを開発していないとDigidayに語る。生成AI体験を提供する背後の目標は、オーディエンスに直接的なサービスを提供し、検索とコンテンツの推奨のレベルを引き上げることだという。
話題の“AIグラビア”、モデル「さつきあい」に公式Twitterアカウント “お仕事募集”も
「さつきあいは、週刊プレイボーイ編集部が同日に発表したグラビア写真集『生まれたて。』(電子書籍、499円)でデビュー。ただし『生まれたて。』は週刊プレイボーイ編集部が生成した画像で誌面を構成しており、さつきあいも実在しない」。

——いまこの作品は静止画(集)として提供されているようだ。いずれは動画像として提供されるのだろうか。徹底的にパーソナライズされ、かつインタラクティブな作品となっていくのを見てみたい気がする。

The Day TikTok Went Dark in India
【有料購読者向け記事】:
2020年6月、インドはTikTokを筆頭に中国製アプリ60種近くをいっせいに利用禁止とした。その時点で2億人いたインド国内のTikTok利用者やアプリ業界にとって何が起きたのか。今後、禁止される可能性のある米国へ教訓となる詳細なリポート。
Buzzfeedが「チャットGPTメディア」への転換を急ぐ、切実な理由とは?
「ボタトゥイユは、レシピサイト『テイスティ』のモバイルアプリ(まずiOS)に搭載されたチャットAI機能だ。
『冷蔵庫の食材で簡単につくれるイタリアンのレシピは?』といった質問に対して、瞬時に3つのレシピをお薦めする」。

——SNS、特にFacebookの成長軌道に合わせた成長戦略を築いてきた米BuzzFeed。Facebookの心変わり(ニュース記事から動画などを重視する方針転換など)で、戦略転換を迫られた。その鉱脈がジェネレーティブAIだった。記事に詳しいが、Facebookはさまざまな取り組みを行っている。その成否はこれからだ。

Disruption This Week—–26/5/2023

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2023年5月23日から2023年5月26日まで。

博報堂DYMP「メディア定点調査2023」、メディア接触時間の「携帯電話/スマートフォン」シェア初めて全体の1/3超え | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議
「メディア別では、『携帯電話/スマートフォン』(151.6分 昨年から4.7分増)は、昨年初めて「テレビ」(135.4分 同8.2分減)を上回ったが、今年はその差を12.9分に広げた。…メディア総接触時間における『携帯電話/スマートフォン』 のシェア(34.2%)は初めて全体の1/3を超え、モバイルシフトは依然として、継続している」。

——新型コロナ禍の下で、急増したメディア消費時間は概ね天井感を維持している。だが、その内訳ではスマホでの消費時間のみ明瞭な伸びを維持している。TVにはCTV(コネクティッドTV)はどうカウントされているのか、要確認。

「戦争から利益を得ることはしたくない」Oryx創設者が語るウクライナでの“OSINT最前線”《世界初インタビュー》 | 文春オンライン
「撃破された兵器の写真や動画をカウントし、ロシア・ウクライナ両軍の損耗兵器をリスト化しているオランダの軍事情報サイトOryxに世界的な注目が集まっている。Oryxが作成した損耗リストは、ロシア軍の多大な損害を物証付きで明らかにしており、CNN、BBC、NHKといった世界中のメディア、さらにはイギリス国防省でも信用できる情報源として引用されている」。

——Bellingcatと並んで重要なOSINT情報源として名前が知られるネットワーク「Oryx」。その代表への顔を隠したインタビュー記事。興味深い。

Trust low, perception of spin and misreporting high, and attention spans dip: News habits survey
ニューステクノロジー企業の英Tickarooと調査会社Opiniumが英成人2,000人を対象に行った調査で、回答者の60%が読む記事の一部に懐疑的で、66%がニセニュースに懸念を抱いていることがわかった。最大の理由に「記者が誤認を生む」が挙げられる。
News execs fear 'end of our business model' from AI unless publishers 'get control' of their IP
「報道(ニュース)メディアのビジネスモデルは終焉の危機に瀕している」。最近行われたカンファレンスに英The Guardian、英Financial Times、仏Le Mondeそして英Telegraph Media Groupらトップが登壇。AI登場により「緊急事態」が生じていると口々に述べる。
Seeing stories of kindness may counteract the negative effects of consuming bad news
人の親切、英雄的行為、慈善などのニュースを読んだ人は、衝撃的な事件、悲劇的なニュースを読んだだけの人よりも他人への信頼を多く維持できる。辛いニュースの中にも健全な感情を喚起するニュースを含めていくべきことを英Essex大の心理学者が研究成果として公表した。
英語記事を「GPT-4」で3行の日本語に Gunosyが新ニュースサイト
「米メディアが発信する英語ニュース記事を3行程度の日本語に要約し、概要を伝える。1日に20~30程度の記事を紹介する。
βサービスとして始めたが、ニーズが高いと判断した場合は継続的に提供する」。

——メディアやITの分野に限れば、自分が毎朝青息吐息でやっているようなことをAIベースのアプリがやってくれるらしい。そろそろ潮時かもしれない(苦笑

Trust in Media 2023: What news outlets do Americans trust most for information? | YouGov
英調査会社YouGovが例年発表する消費者によるメディア「純粋信頼度」(信頼から非信頼を除いた値)を今年も公開。米成人消費者にとって最も信頼度の高いメディアは「The Weather Channel」。続いて、「PBS」「BBC」など公共系が上位に連なる。
Majority of U.S. Twitter users say they’ve taken a break from the platform in the past year
過去12ヶ月間にTwitterを利用したことがあるアメリカ人の10人に6人が、そのスパンで数週間以上の期間、Twitterを休んだことがあると答えた。また、4分の1が1年後も利用する可能性はないとも答えた。米Pew Research Centerが今年3月に調査した結果だ。
Verified Twitter Accounts Spread AI-Generated Hoax of Pentagon Explosion
米国防総省(ペンタゴン)の敷地内で爆発との偽情報。その映像について、調査報道集団Bellingcatのメンバーは、AI生成画像である特徴を指摘。近隣の消防署も否定。他方、この偽情報をTwitter Blue認証された数十のアカウントが拡散させたという問題点も生じた。
How investigations drive subscriptions at FT, Guardian, Tortoise and New York Times
「入念な調査報道は、メディアの購読者を増やし、長期的な繁栄を生む」。米New York Times、英Financial Times、英BBCなどの編集長経験者らが語る。Financial TimesのRoula Khalaf氏は、著名な調査報道記事で大規模な購読者増が生じたと述べる。