Disruption This Week—–26/7/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年7月22日から2024年7月26日まで。

13 ideas for fresh news formats
「ニュースフォーマットとは何か? ニュース記事の書き方やスタイル」のことだ。旧来、新聞では「逆ピラミッド型」が定着していたが、Web上ではさまざまなスタイルが開発されている。箇条書き、リスト、FAQ、タイムライン…など。新しいニュースメディアを考える整理の参考になりそうだ。
With Google in its sights, OpenAI unveils SearchGPT | TechCrunch
OpenAI、PerplexityやGoogle AI Overviewsに対抗するAI検索サービス「SearchGPT」を発表。ライバルと同様に、質問を入力すると、関連する情報源へのリンクとともに、Web上の情報や写真を表示するというもの。質問者のコンテキストを知るために位置情報を利用するとしている。
スポティファイ株急伸、四半期利益は過去最高-有料会員が急増
「23日の米株式市場で、音楽ストリーミングを手掛けるスウェーデンのスポティファイ・テクノロジーの株価が急伸し、約3年ぶりの高値を付けた。同社の4 – 6月(第2四半期)決算は過去最高益となり、有料会員数も急増した」。

——別の投稿で情報提供をしたいが、同社は現在、楽曲以外の音声分野(最初はポッドキャスト、さらに現在はオーディオブックを推進)で、今後の成長戦略を描いている。一方で、足もとの業績(特に利益)は、人員削減、一部地域での値上げなどで稼いでいるように見える。

Why Guardian has expanded paid content offering with launch of recipe app Feast
英Guardian、レシピアプリ「Feast」を本年4月に投入。着実にファンを伸ばし、現在は10万ダウンロード超に。同社は、定期購読者に加えて寄付金支払者(従来は「メンバー」と呼び、現在は「サポーター」とする)をさらに拡大するための重要ファクターとしているという。同社のレシピコンテンツには従来から根強いファンが存在していた。
マスク氏のX、ニュースで偽情報続出 AIリスク露呈
【有料購読者向け記事】:
「(XのAI「Grok(グロック)」が生成した)ある見出しは、カマラ・ハリス副大統領が撃たれたと伝えた。この誤りは、バイデン大統領がトランプ大統領とハリス副大統領の名前を言い間違えたという、無関係の事件に対する皮肉が原因となったようだ」。

——X投稿から、人々が知るべきニュースをAIが生成して迅速かつ簡略に伝えるというイーロン・マスク氏の構想。今のところ、信頼性の面は実用的ではないということのようだ。

Google、ついに「Chromeのサードパーティ Cookie を廃止するつもりはない」と発表。プライバシーサンドボックスの今後についても言及 | DIGIDAY[日本版]
「Googleは米国時間7月22日のブログ投稿で、『サードパーティのCookieを廃止するつもりはない』ことを明らかにした。その代わりに、ユーザーがWeb閲覧中に十分な情報を得たうえで選択でき、いつでも調整できる『Chromeの新しい体験』を導入するという」。

——この数年の空騒ぎの末、Googleは市場シェア最大の同社Webブラウザ「Chrome」におけるサードバーティCookieのサポート継続を表明した。一般消費者の(感情を含めた)広告による追跡への忌避に配慮した代替広告技術を開発してきたが、最終的に自社および広告業界の収益毀損を免れないと判断したのだろう。
そもそもサードパーティCookie廃止への動きは、広告事業に軸足を持たないAppleが主導した動きで、最大の広告技術プロバイダであるGoogleはいやいや追随してきたのだが、その姿勢もかなぐり捨てた。広告業界は、消費者にとって、不快な、懸念される広告技術とともに心中する覚悟らしい。
いや、もうちょっとマシな代替技術の開発を諦めていないとGoogleは未練を残すのだが。

In 1924, a magazine ran a contest: “Who is to pay for broadcasting and how?” A century later, we’re still asking the same question
100年前の1924年春、米国の「Radio Broadcast」というラジオ放送業界紙は、「誰に、どのように放送料金を支払ってもらうのか?」との懸賞金付きでアイデア募集を行った。1,000件近い応募があったが、すべて不採用だったという。100年前の問いが解けていないという問題。
Behind the scenes of China's first independent fact-checking initiative
中国国内でも、政府主導ではなく、種々の偽誤情報の検証に当たるボランティアベースのファクトチェックグループが存在する。「China Fact Check」がそれだ。WeChat上のみで活動。ボランティアが見つけた大量の疑わしい情報にグループで対処する。同組織の創設者が解説する。
トーハン、ファミリーマート・ローソン1万店の雑誌配送終了へ - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「出版取次大手のトーハン(東京・新宿)がファミリーマートとローソンの計約1万店への雑誌配送を終了することが19日分かった。対象店舗は雑誌の売り上げが少ない店舗を中心にコンビニエンスストア側と協議して決める」。

——雑誌物流(書籍ももちろん同様だろうが)が大変なことになっている。トーハンは、日販が停止するコンビニへの雑誌配送を引き継ぐはずだったが、その内、売上の少ない店舗への配送について継続しないというわけだ。

“AIによるフェイクニュース”を検知・分析する技術、富士通が開発へ
「各投稿情報について、その根拠の整合性や矛盾を大規模言語モデル(LLM)により分析し、情報がAIで作られていないかなどの作為性の判定。偽情報の特徴を分析し、拡散規模や社会的な影響度を評価する技術も開発する」。

——上記のLLMが情報の真偽を判定する箇所が、サムネールにおける「特徴3」に該当するのだろうか? そのようなメソッドが作れるのかどうか、大変に興味があるところ。

「どうしたいか」を考え、定義することが最大のポイント(藤村厚夫)

AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議 – 宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム「AdverTimes.(アドタイ)」

「どうしたいか」を考え、定義することが最大のポイント(藤村厚夫)
【ご紹介】:
「AdverTimes.」創刊20周年の記念に、過去連載させて頂いた経緯からコメントを寄稿いたしました。自分自身の過去を振り返るメモみたいなものですが。

Disruption This Week—–19/7/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年7月16日から2024年7月19日まで。

A One-Man Telemundo on TikTok
【有料購読者向け記事】:
Carlos Espina氏は米Biden政権(ホワイトハウス)が、他の放送局(報道機関)と同様の扱いを与えるパーソナリティの一人。この8月に実施する民主党大会では同氏のようなクリエイターに“プレスパス”を与えることになる。記事はEspina氏の日常を伝える興味深いもの。
Spotify、2023年2月にサービス開始したAIベースDJ機能に加え、スペイン語版DJ機能の提供を開始する。いずれも実在の人物(著名DJ)の音声をサンプリングしたもの。Spotfiyは、DJ機能により楽曲にコンテキストを提供し、スキップしにくくする効果があると説明する。
How news avoiders got information about Trump’s shooting - Poynter
「私のアンケートに答えてくれた人の大半、37%が友人や家族から銃撃事件のことを聞いたという。 そのほとんどは、テキストメッセージやその他の直接の連絡を受けた。 グループチャットで知った人もいる」。

——ニュースを忌避する人々が増大する時代。今回の大統領候補への銃撃事件を、そのような人々はどのようにして情報として得たのか。著名なジャーナリズム研究者である筆者がとっさに私的なアンケートを行った。

AI検索で進む「ただ乗り」、報道機関の記事にも 社会への影響は:朝日新聞デジタル
「AIの時代は、ジャーナリズムが生み出した価値から恩恵を受ける者とコンテンツを生み出す者のつながりをさらに弱める。報道機関がつくるコンテンツのただ乗りは、ジャーナリズムと大規模言語モデルの質の両方を弱めることになる」。

——米コロンビア大の研究者アンヤ・シフリン氏のコメントだと記事は述べている。「ただ乗り」か否かは別のアプローチがありえるとしても、「ニュースが難しい」「ニュースのもっと深いところを知りたいのに」との読者のニーズ(苦痛)に応える余地は、まだまだあると思う。その価値増部分をだれが意欲的に創るのかという視点を考えたい。

毎日新聞 富山県内での配送を9月末で休止へ 全国初 | NHK
「富山県内では大阪の工場で印刷した新聞を輸送してきて、販売店を通じ、各家庭や店頭などに配送していますが、印刷費や輸送費の負担が増していることに加え、県内での発行部数が減少傾向にあることから休止を決めたとしています」。

——夕刊の休刊どころではない状況に。「これからも富山のニュースをデジタルや本紙全国版などで発信し、全国紙としての役割を果たしていきます」と毎日新聞は述べている。「全国紙」の役割を読者側も考えることになる(全国紙と地方紙を併読・併購読する人々もいるので)。

Xの青バッジはDSA違反──欧州委員会が予備的見解 「法廷で戦う」とマスク氏
「欧州委員会が問題にしているのは、以下の3点だ。

– ブルーの認証済みバッジは認証済みとなっているものの、金を支払えば誰でも取得できるため、ユーザーを欺いている。悪意ある人がこれを悪用してユーザーを欺いている証拠がある
– 広告に関する必要な透明性に準拠していないため、ユーザー保護に必要な監視と調査ができない
– DSAでは一定の条件下で外部の研究者に公開データへのアクセスを提供するよう定めているが、提供していない」

——欧州のDSA(デジタルサービス法)に違反と、ようやくXがその対象に取り沙汰されることに。本記事の主題である「ブルーバッジ」をめぐるガバナンス欠如は、だいぶ以前から指摘されてきた。また、X(旧Twitter)のAPI利用(研究目的に絞るにしても)についても改善が見られない。

Apple, Nvidia, Anthropic Used Thousands of Swiped YouTube Videos to Train AI
米Proof News、独自のツールを開発し、Anthropic、Nvidia、Apple、SalesforceなどのAI企業が、数千ものYouTube動画の字幕を無断で取得、学習していることを突き止めた。
ツールはどんなクリエイターのコンテンツが学習されているか特定できる。多くは教育コンテンツだが、悪いことに、学習されたコンテンツには極端に扇動的な悪名高いクリエイターらのものも含まれているとする。
AI検索エンジン「Perplexity」でネット検索はどう変わるのか
【全文閲覧には要登録】:
「Perplexityは『従来の検索エンジンの代替となるもので、直接質問をし、選りすぐられた情報源によって裏付けられた簡潔で正確な回答を受け取ることができます』ということだ。つまり、Perplexityは、Webサイトを検索した結果、ヒットしたWebページをまとめた結果を回答するものということのようだ」。

——良くも悪くも話題のPerplexity。その使い勝手を詳細な試用記で理解できる。醍醐味は「Pro」版(有料)の利用なのかもしれない。ちょっと思案する。

YouTube Music is testing an AI-generated radio feature and adding a song recognition tool | TechCrunch
YouTube Music、“AI生成による会話型ラジオ機能”を試行中。米Premiumユーザーに展開される予定。 ユーザーは、鼻歌などで聴きたい曲をリクエストすれば、カスタムラジオ局を作ることができるようになるという。Shazamなどにも似た機能だといえる。
ゼレンスキー大統領の妻が「ブガッティを購入」という偽情報は、こうしてロシア発で一気に拡散された
「今回の『ブガッティ購入』に関する偽記事を数十のロシアメディア(多くはロシア政府が所有またはコントロールしている)が取り上げており、Vérité Cachéeを情報源として引用していた。ほとんどの記事は7月2日に掲載され、数十万から数百万のフォロワーをもつ複数の親ロシア政府派のTelegramチャンネルで拡散された。偽情報を調査している『@Antibot4Navalny』の研究者によると、それらのリンクはX上の偽のボットアカウントのネットワーク『Doppelganger』によっても拡散されたという」。

——記事は、「この『Vérité Cachée』は、AIを駆使して欧州や米国を対象にロシアのプロパガンダや偽情報を流しているウェブサイトのネットワークの一部だ」と紹介している。小さなサイトが発出した偽情報がいかに短時間の内に、世界に伝播、話題となったかを、プロセスとして紹介しており、勉強になる。

Disruption This Week—–5/7/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年7月1日から2024年7月5日まで。

2024 Zero-Click Search Study: For every 1,000 EU Google Searches, only 374 clicks go to the Open Web. In the US, it’s 360. - SparkToro
検索が自社サイトへ送客してくれるとのメディアの期待値があるが、米ユーザー間では、Googleでの検索1,000回ごとに、360クリックのみがGoogleが所有しない、Googleが広告料を支払わないコンテンツやサービスに到達。逆にいえば、全検索の2/3近くが、検索後もGoogleのエコシステム内に留まっていることになるとの分析記事。
「生成」ではなく「模倣」、
大手レコード会社提訴で
音楽AIの未来に暗雲
【有料購読者向け記事】:
「権利保有者がAI企業に対して起こした訴訟の中では、これまではニューヨーク・タイムズがよい例とされてきました。ですが、スーノとユーディオに対する訴訟は、AI企業にとって多くの点でさらに不利なものです」(米コーネル大学法科大学院のデジタル情報学教授ジェームス・グリメルマン氏の発言)。

——AI(企業)とコンテンツ権利者との争いが、いきなり本題に入ったというのがこの記事に中心。訴訟の行方を見守ろう。

Netflix, Amazon Lead With 53% of Original Streaming Title Orders in First Quarter of 2024, Study Finds
英市場調査会社Ampere Analysisによると、2024年1Qの世界の動画ストリーミングタイトル数で、NetflixおよびAmazonを併せると、全体の半数超となり他を圧倒(記事内のチャートで推移が見られる)。両サービスは、国外へと制作を外注し、量産を加速させているとする。
AI学習、権利者に適正報酬を ピクスタなどが新団体 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「画像ストックのピクスタは1日、米国とドイツの企業と共同で、生成AI(人工知能)の学習素材の権利保護をめざす団体『データセット・プロバイダーズ・アライアンス(DPA)』を立ち上げたと発表した。AI開発者による『無断学習』を防ぎ、画像や動画、音楽などのコンテンツ制作者や提供企業が適正な報酬を受け取れるよう働きかける」。

——記事を読む範囲では、「無断学習」行為を検出するなどのメカニズムについては言及がない。C2PAなどにゆだねるアプローチだろうか。単にデータ保有企業者連合(それも大規模とはいえない)で、実効性が担保できるだろうか?

生成AIで変わる10億人のGoogle検索 ネットの岐路に 編集委員 奥平和行 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「最も重要なことは、当社がコンテンツ提供者との関係を共生的と考えていることだ。ウェブ検索を主軸とする企業であり、コンテンツ提供者が独自性が高く新鮮なコンテンツをつくる強い動機を持たないと成功し得ない」。

——Google本社に、検索エンジンを統括する上級副社長を訪ねた際のコメント。同時に「AIオーバービュー」と呼ばれる、検索結果をAIによって概要紹介する機能が占める比率は10%程度として、すべてが覆われるわけではないという“(メディアへの)安心理論”を語る。実際に、現在の検索でも汎用性の高い検索に対してはそのような反応になっている。

TikTok applies for ‘Genie’ trademark in US for AI chatbot | Semafor
米Semaforによると、TikTokは、AIチャットボットソフトウェアの名称として「Genie」を商標登録申請。5月に米国特許商標庁に提出された書類によると、会話をシミュレートし、人間とAIの間の相互作用とコミュニケーションを促進し、人間のような音声とテキストを生成するという。
YouTube now lets you request removal of AI-generated content that simulates your face or voice | TechCrunch
YouTube、自分の顔や声を模倣したAI生成コンテンツやその他の合成コンテンツの削除を要請できるようサービス規約を変更。「責任あるAI」方針によるもので、プライバシー保護上の被害を受けた人物がコンテンツ削除を直接申し立てることができる方針を明確化する。ただし、この運用を適正に行うことには困難がありそうだ。
「不満を抱えた視聴者の1人は最近、SNSで次のようにいら立ちをぶちまけた。『プライムビデオにお金を払ってCMをたくさん見るってワケ分からん。うっとうしくなってきた』。
ネットフリックスとアマゾンの担当者はコメントを控えた」。

——以前紹介した米New York Timesの記事邦訳版。主旨は、広告抜きでプレミアムな映像体験ができるのを一つのウリにしてきた、Netflixをはじめとした有料ストリーミング勢力。だが、成長限界を迎えて、安価でCM入りの“TV番組もどき”版を提供するようにトレンドが変化。さらに、完全無料で広告入りの動画ストリーミングであるFASTのトレンドも高まってきている。これらを追った記事だ。

ChatGPT is hallucinating fake links to its news partners’ biggest investigations
ジェネレーティブAIが生成する論述には「ハルシネーション(幻覚)」が付きものと指摘される。代わって、AI企業はメディアとの提携に際し正確な出典(リンク)表示を約束するが、提携を発表した大手メディアへのバックリンクは誤りだらけだったとする米Nieman Labの調査結果。
What happened when British GQ stopped trying to 'feed the algorithm'
「記事の公開ペースを落とし、アルゴリズムに餌をやることを止めた」と英国版男性向けクオリティメディア「GQ」の視聴者開発・分析・SNS担当ディレクターがインタビューで語る。英GQが、より熱心なコア・オーディエンスを目指す戦略に転じた成果を詳細なチャートで解説。
「ChatGTPはなぜ、人間のような言葉を紡ぎ出せるのか?(前編)~日本の第一人者が、LLMの基本原理とブレークスルーを解説する」岡崎直観 - スマートニュース メディア研究所 SmartNews Media Research Institute
【ご紹介】:
私も関与しているスマートニュース メディア研究所の研究会報告から。東工大・岡崎直観教授が分かりやすい日本語LLM研究の原理と現状を解説します(後編も公開中)。ぜひご一読を。

Disruption This Week—–28/6/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年6月24日から2024年6月28日まで。

NYT's Hannah Yang on subscription ceilings, international markets and the news bundles
「New York Timesは、ユーザーを獲得して6〜12か月間維持するために、紹介キャンペーンを利用している。だが、価格などのオファーはユーザーの行動と機械学習アルゴリズムに依存する。
ここ英国では、1年間、週わずか0.50ポンドのオファーが届いたばかりだ。別のブラウザでは、7日間無料、その後月2ポンドというオファーだった」。

——記事は、米New York Timesの「最高グロースおよび顧客担当」のHannah Yang氏にインタビューしたポッドキャストの紹介。
引用のくだりは、記事を執筆したJacob Granger氏の地の部分。記事は、NYTimesがデジタル購読者をさらに増やせる余地(2027年には、現在の1,050万人を1,500万人とする計画)として、世界の購読者予備軍の存在と、ゲーム、料理、スポーツと多種のコンテンツをアップセル可能な購読予備軍の存在をあげる。

GeminiがYouTube動画を一瞬で要約してくれるようになった(しかも無料) | ライフハッカー・ジャパン
「Geminiは、キャプションや字幕など、YouTubeが自動的に生成するテキストを使ってYouTube動画を要約します。つまり、動画にキャプションや字幕がない場合は、動画からは何も抽出できません。また、要約機能はすべての言語に対応しているわけではありません。現在対応しているのは英語、日本語、韓国語のみ」。

——YouTubeコンテンツの要約機能は、便利そうだ。若干の注意点を紹介しておく。

AI検索「Perplexity」の記事盗用疑惑を独自調査──無断スクレイピングで回答を生成か
「『WIRED』の調査から、Perplexityに関連するマシン(具体的にはAmazonのサーバー上にあり、Perplexityが操作していることがほぼ確実なもの)が、WIRED.comや、『WIRED』と同じコンデナストに所属するほかのメディアのコンテンツをスクレイピングしていることが判明したのである」。

——Perplexity関連で紹介してきた記事の和訳が出たので改めて照会しておく。WIREDはこの事象について詳しく報道しているメディアだ。

国産LLM開発のELYZA、GPT-4の性能を凌ぐ新モデルを発表

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投資家を繋ぐ」テクノロジー&スタートアップ関連の話題をお届けするブログメディア

国産LLM開発のELYZA、GPT-4の性能を凌ぐ新モデルを発表
【有料購読者向け記事】:
「特筆すべきは、このモデルが推論や知識応用の面で優れた結果を示している点だ。文章生成、ロールプレイ、情報抽出、推論、構造化、人文科学、科学技術、プログラミングなど、幅広いタスクで高い能力を発揮している。唯一、数学の分野でやや劣る結果となったものの、それ以外のカテゴリではほぼ完璧な性能を示した」。

——興味深い進展。気になるのは、このようにポジティブに報じられるような技術開発であれば、喜んでコンテンツプロバイダーは、自らのコンテンツ資産を学習用に差し出すのかどうかということ。

声優の利益保護へ音声データを認証 AIカバー対策、初の団体設立へ:朝日新聞デジタル
「AI(人工知能)に学ばせる音声データを認証する団体が来月にも設立される。25日に会見した関係者によると、国内初。AI開発者は、認証を受けた質の高い安全なデータを購入でき、声優らにも対価が支払われるようになる。データの追跡や透明性の確保につながるため、AI開発と知的財産の保護という点からも先駆的な例となりそうだ」 。

——一般社団法人・日本音声AI学習データ認証サービス機構(AILAS(アイラス))の設立にともなっての報道。世界に先駆ける取り組みではないだろうか。データ認証(お墨付き)を与えるプロセスが興味深い。

Smashing, from Goodreads' co-founder, curates the best of the web using AI and human recommendations | TechCrunch
すぐれた書籍の紹介に力を注ぐソーシャルサービス「Goodreads」。共同創業者Otis Chandler氏が新たに、すぐれた「ニュース記事、ブログ記事、SNS投稿、ポッドキャスト」などの発見を助けるサービス「Smashing」が発表。AIとコミュニティの力を駆使するモデルだという。
記事はChandler氏が、その発想を得るにいたった経緯を詳しく述べている。
音楽生成AIのSunoとUdioを全米レコード協会が著作権侵害で提訴
「訴状では、特定の音声録音の特徴(発売された年代、テーマ、ジャンル、アーティストの説明など)を含む的を絞ったプロンプトを使用すると、著作権で保護された音声録音に酷似した音楽ファイルが生成される例が複数提示されている」。

——記事には、RIAAが権利侵害と酷似を指摘する楽曲のデモプレーヤーがリンクされている。また、サムネールはその酷似ぶりを指摘する比較図版だ。また、この種の侵害の特徴は、「規模は想像を絶するものだ」ということかもしれない。自動的に無数の権利侵害と見られる楽曲が生成できるということだ。

Exclusive: Amazon mulls $5 to $10 monthly price tag for unprofitable Alexa service, AI revamp
米Amazon、製品投入以来10年間利益をあげたことがなかったスマートスピーカープロジェクトのAlexaにテコ入れを計画。新たなAI開発で「能力を高めたAlexa」を投入、同時に月額5〜10ドルの有料課金化をめざす。Reutersによるスクープ。
Algorithms should not control what people see, UN chief says, launching Global Principles for Information Integrity
「アルゴリズムが人々の見るものを制御すべきではない」——。
国連事務総長が「情報の完全性に関するグローバル原則」を発表。誤った情報、偽情報、ヘイトスピーチによる被害に対処するための早急な行動の必要性を強調した。
AI音声による詐欺防止へ メタ、オーディオ透かしで新技術
「メタ(Meta)は、人工知能(AI )が生成したオーディオ・クリップに、いわゆる『透かし(ウォーターマーク)』となる隠し信号を埋め込めるシステムを開発した。ネット上でのAI生成コンテンツの検出に活用できる可能性がある」。

——画像系ではC2PAのようなメタデータを透かしとして用いる業界標準が動き出している。音声データでも同様の仕組みが待たれてきたが、Metaが「オーディオシール(AudioSeal)」を発表。すでにGitHubなどで公開済みだという。これを標準に育てられるかどうか。

Disruption This Week—–14/6/2024

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2024年6月10日から2024年6月14日まで。

After the Yahoo News app revamp, Yahoo preps AI summaries on homepage, too | TechCrunch
Instagramの創業者らが開発したニュースアプリ「Artifact」。結局期待に見合わず、年初には米Yahooに売却された。Yahooはこれを使い「Yahoo News」をリリース。同時にWebサイトではArtifactの技術を使って、記事冒頭にAI要約を付す取り組みの試行を始めたという。
Grab Them. Then Stump Them.
【有料購読者向け記事】:
Apple News、LinkedIn、Morning Brew、Washington Post、Vox Mediaそして Boston Globeと、次々メディア(メディア関連サービス)がワードパズルなどのゲームを投入。と、同分野で先を行くNew York Timesが報道。
サードパーティー・クッキー停止でネットメディア危機 - 日本経済新聞
【有料購読者向け記事】:
「媒体社向けに広告配信管理ツールのSSP(サプライ・サイド・プラットフォーム)を提供するfluct(フラクト、東京・港)の取締役の望月貴晃氏は、『日本はiPhoneの利用比率が高いため、アップルによるクッキー停止の影響が大きい。17年からiOSにおけるCPM(広告表示1000回当たりの広告料)は半分になった』と明かす」。

——ある種の常識だと思うが、ここから先が怖い。
「既存の広告サービスから得られる収益が低下した媒体が次にやるのは、『CPMが高い不適切な広告を受け入れる』か、『広告枠を増やす』こと」だという。
もちろん、記事は新たな広告技術をめぐる開発が進むという論だが。

How Americans Get News on TikTok, X, Facebook and Instagram
米Pew Researchが、今年3月実施の新たな調査・分析結果を公開。米国成人の半数が、TikTok、X、Facebook、Instagramにおいて(少なくとも時々は)ニュースに接触。なかでもXのユーザーの半数は、(多かれ少なかれ)ニュース接触がその利用目的と答えているとする。逆にX以外のプラットフォーム利用者はニュース接触が、その目的ではないとしている。
主張:生成AIを使ったプロパガンダ工作、AI企業は実態公表を
【有料購読者向け記事】:
「それは…悪意のある人物がオープンAIの製品を利用して影響工作をしていたことを明らかにしたレポートだった。オープンAIは、ロシア、中国、イラン、イスラエルなどの組織を含む、5つの秘密プロパガンダ・ネットワークを摘発した。これらのネットワークは、複数の言語で大量のソーシャルメディア・コメントを作成したり、ニュース記事をフェイスブックの投稿に変えたりするなど、偽装作戦にオープンAIの生成AI(ジェネレーティブAI)ツールを使用していた」。

——テクノロジープラットフォームと時に連携して影響力工作の研究と抑止活動に取り組んできた研究者らの論考。OpenAIは歴史が浅いながら、過去、GAFAらが許してきていた影響力工作の摘発に早期に取り組み、成果を見せていることを紹介する。

AI news reader Particle adds publishing partners and $10.9M in new funding | TechCrunch
米スタートアップParticle、出版社と提携し、AI時代の新しいビジネスモデルを模索中だ。AIを活用して様々な出版社のニュースを要約することで、読者があらゆる角度から記事を理解できるようにするニュースアプリを提供しようと企図。まずReutersをパートナーに迎えた。
How newspaper giant Mediahuis aims to reach 70% digital revenue by 2030
欧州を主市場とする多国籍メディア企業のMediahuis。同社の現在の購読者数は880万人。印刷とデジタルが半々だ。その同社は2030年までに、現在の売上比率(印刷7割:デジタル3割)の逆転(印刷3割:デジタル7割)をめざす。そうなれば持続可能な事業モデルだと目標を掲げる。
「ペイウォール」が生んだ分断─民主主義は「有料記事の壁」の裏で死ぬのか | 元米国国務次官の切実な訴え
【有料購読者向け記事】:
「溢れかえる、出所不明で信頼性の低い情報を前に、『2024年の大統領選挙期間中、選挙関連報道を無償化すべきだ』と、米『タイム』誌の元編集長で、オバマ政権下で国務次官を務めたリチャード・ステンゲルは米『アトランティック』誌への寄稿で訴える」。

——「ペイウォールは情報の二重構造を生み出す。すなわち、お金を払う読者層には『信頼でき、事実に基づいた情報』が、そうでない読者層には『出所不明で信頼性の低い情報』が提供される」。まぁ、その記事がペイウォールの中にある、というのも皮肉な話ではあるのだが。
無料でさまざまな情報源にアクセスできる自由は、インターネットがもたらした最大級の恩恵だったはずだが、理由はともかくとして、それが阻害される段階に入ったことは間違いない。

1日のスマホ使用3時間以上、でも読書にもニュースチェックにも時間はかけない―シチズン時計調査
「『出社前にニュースチェックにかける時間』で最も多かったのは、『チェックしない』22.8%。20代では3割超に上った。世代が上がるにつれ、ニュースチェックの時間は増えるが、40代、50代でも『10分』までが6割を占める」。

——スマホの普及で、ニュースはいつでも“隙間時間”にチェックできると思えば、出勤前・登校前に確認する必要もないということか。スマホ上での時間の自由が広がっている。

Googleの「Gemini 1.5 Pro」採用メモアプリ「NotebookLM」、日本でも利用可能に
「ソースを選択すると、データに基づく要約を表示し、その下のプロンプト枠で質問できるようになる。回答の文末には数字のついたラベルが表示され、ラベルにカーソルを合わせるとその文の根拠となるソースの部分が表示される」。

——いま急速に話題になっているGoogleの「Notebook LM」。利用イメージをあげれば、書籍1冊分のPDFをアップロードすると、その要約が示されると同時に、その内容についての質問に回答するなどの対話が可能になる。情報源はその書籍データに限定されるので、ノイズが入らないというわけだ。