Disruption This Week—–13/9/2019

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2019年9月9日から2019年9月13日まで。

Googleが検索アルゴリズムの変更を発表。オリジナルコンテンツの評価をランキング上位にする効果を強化。同時に検索結果の品質をめぐる同社のガイドライン(公開されている)のアップデートを行ったことを、同社ニュース部門vpのRichard Gingras氏が公式ブログで説明。
多くのメディアが購読制(サブスクリプション)を志向。だが、サイト来訪者を機械的に購読者か否かを識別しているだけでは、読者体験を購読(購入)へと誘導することはできない。記事は、来訪者ごとにパーソナル化された提案をする“ダイナミック・ペイウォール”を推奨する。
米ビジネス系メディアQuartz、政治的な影響力に関連する調査報道のアプローチに、AI技術を用いるのと同時に、ユーザー(購読制メンバー)に情報提供を呼びかける。メンバーには秘匿性の高いコミュニケーション手段を提示するなど踏み込んでいる。
【有料購読者向け記事】:
「今度はアマゾンの番だ。WSJの先月の調査では、アマゾンのサイトに安全ではない商品が多数掲載されているのが見つかった。そのほとんどは出店業者によるものだ。同社は検査ツールを導入しており、昨年だけでも30億点の商品販売を阻止したと述べている」。

——“ハイテク勢力による「いいとこどり」の時代は終わった”との記事。記事は大手プラットフォーマのそれぞれに言及するが、照準はアマゾンに当てられる。

米New York Times、AppleがApp Storeで自社アプリにいかに有利になるよう取り扱っているか、その独占的地位の乱用ぶりを告発。それをビジュアル化して伝える記事のストーリーテリングにも注目したい。文字を読まずに伝えたい事象が見事に理解できる。
「『数字が現実世界に完全に一致するかどうかは怪しいが、Cookieの終焉がパブリッシャーにとって大きな問題なのかもしれないという点は間違っていない』と、大手パブリッシャーの幹部は語った」。

——私はこの事象を何度か扱っているので、読まれる方は理解していると思うが、ことの本質はGoogleのロビーイングを背景にした表現、といったレベルにあるわけではない。発展しすぎた個人ターゲティングを基礎とする広告ビジネスの自壊が始まろうとしているということ。しかも、これを対岸の火事と見なせるメディア関係者は少ないはずだ。

‪【全文閲読には要購読】:
「Brave Softwareの新しい証拠はGoogleが、多くの当事者がGoogleの識別子とマッチングできるようにしていたことを示している。さらに、この証拠はGoogleが、多くの当事者がデータ主体の識別子を相互にマッチングできるようにしていたことも示している」。

——GDPRでは、「個人データ」を構成し得る識別子に5つのものを挙げている。そこには氏名や位置情報に加えて、各種のオンライン識別子も含まれている。Braveが援用している論では、GoogleがGDPRの規制上定めた要件を迂回していると主張。このメカニズムの恩恵に与るのはGoogleだけではない。帰趨に注目。

メディア運営者、特にニュースなどのジャーナリズムがソーシャルメディアを活用する際に気を付けるべきなのは、ひとつの流入源に依存してはいけないということ、さらに、各流入源を介して得た読者とのエンゲージメントを継続的に確認すること(どんなツールで確認するかも)など、要点を解説する記事。
英BBC、Facebook、GoogleそしてTwitterら大手プラットフォーマに対し、市民の生活や政治などの維持に危険性の高い偽情報への対策と連携を呼びかけた。主要各国の選挙期間中の早期アラートの発信や、メディアリテラシー教育、そして投票への参加などの取り組みを行っていく。
【有料購読者向け記事】:
音楽ストリーミングサービスのSpotify、米CBSニュース前プレジデントDavid Rhodes氏にニュース番組(ポッドキャスト)へ進出をめざし、コンサルティング契約を交渉中と米The Informationが報道。同社はスポーツ番組への進出にも取り組んでいるという。
【ご紹介】:
私が“責任編集”しているメディア「Media×Tech」。中国発のニュースアプリ「Toutiao(簡体字:今日头条)」について、論じてもらいました。