Disruption This Week—–4/3/2022

目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2022年2月28日から2022年3月4日まで。

TikTok、米国の州司法長官が子どもへの悪影響を調査
【有料購読者向け記事】:
「州司法長官のグループは2日、共同声明で『全米の司法長官は本日、ティックトックの調査に加わった。子どもや若者へのこのソーシャルメディアの提供・宣伝が心身の健康への悪影響と関連しているかを調査する』と述べた」。

——第一報レベルなので、続報が必要だが、Instagramに向けられた調査の意向と連続するもの。子どもや若者をめぐっては、米国の政治家は敏感に行動する。

Bellingcat's Grozev on Investigating Russia's Invasion of Ukraine
オープンソース情報分析による調査報道のBellingcat。中心人物の一人Christo Grozev氏がロシアのウクライナ侵攻と、データを手にしたジャーナリストの仕事を語る。データと分析力を手にしたジャーナリストの役割は、かつての戦争報道と決定的に異なるものとなったとする。重要な指摘がいくつも盛られた重要なインタビュー。
音楽配信は4年連続2ケタ成長 ストリーミングはダウンロードの5倍強に
「(音楽配信売上の)800億円超えは11年ぶり。市場をけん引したのはストリーミング配信だった。
21年は前年比126%増の744億円とストリーミングが伸長し、音楽配信売上の区分別シェアでは約83%を占めた。『主要カテゴリとしてさらなる成長を遂げた』という」。

——世界の音楽ビジネスは、近年かつてない成長を遂げたが、日本でもそれを追うような軌道に。もちろん、その立役者はストリーミングの潮流だ。

U.S. vs Russia for the future of the internet
インターネットの統治をめぐり、中国・ロシア勢と米国の闘いが進行中。国連の専門機関であるITU(国際電気通信連合)の次期指導者に、米、そしてロシアから対抗馬。ロシア・中国勢はネット標準やプロトコル策定に政府がより強い影響力を持つべきと主張しているとする記事。
反ウクライナの主張を繰り返すSNSアカウントは偽物でプロフィール画像もAI製、さらにそのフォロワーもニセのAI製だったことが明らかに
「ニュース編集者・航空技術者・科学出版物の著者などを装った架空の人物になりすましたアカウントや、架空の報道機関を装ったアカウントを用い、反ウクライナのフェイクニュースを報じています。架空の人物になりすましたアカウントのプロフィール画像には、敵対的生成ネットワーク(GANs)などの人工知能(AI)関連技術を駆使して生成されたプロフィール画像が用いられていると指摘されています」。

——やはり出てきたディープフェイク系の欺瞞工作。NBC Newsの記者が詳細に、そのAIによる合成画像の見破り方を解説。示された女性の写真ではイヤリングを、男性の写真では耳の形状が注目点だという。大手メディアにもこのようなノウハウが蓄積されてきているようだ。

Denver is NewsBreak’s “test market” for original local news on a national app
米国内でローカルニュースに力を入れる「NewsBreak」が、デンバー州をテスト市場に、フルタイムおよびパートのジャーナリストと専任の編集者を雇用。オリジナルニュースの配信に取り組む。同社は全体で1,400人の無給の記者をネットワークし、クリックベースで支払をしている。
ヤフー、デマや誤情報にだまされない力を測る「Yahoo! ニュース健診」公開
「問題は桜美林大学リベラルアーツ学群の平和博教授(メディア・ジャーナリズム)が監修。記事例の中に不審な点がないか、どうすれば信用に足る記事になるか、怪しい情報を見たときにどう行動するべきかをチェックする。
獲得点数に応じて受診結果を3段階評価。『見だし釣られ傾向』『突発性シェア衝動』などの弱点を提示する」。

——これから取り組んで見る。

Insider has a new audio show that combines the immediacy of radio with the convenience of podcasts — here's how the tech works
米Insider、“ラジオのようなリアルタイム(速報性)とポッドキャストの利便性”を提供する、新たなオーディオ配信技術を用いたコンテンツチャンネル「Refresh by Insider」を提供する。ポッドキャストの挿入広告の技術を応用したという。ポッドキャストアプリに配信する。
出版状況クロニクル166(2022年2月1日~2月28日) - 出版・読書メモランダム
「弓立社の最初の出版物である吉本の『敗北の構造』は忘れられない一冊だし、宮下(和夫氏)もまた近代出版史の掉尾を担った一人だったといえよう。
報道もされていないので、まだ彼の死は知られていないと思われるが、謹んでご冥福を祈る」。

——私にとっても、『敗北の構造』は忘れ得ない鮮烈な書物だった。神保町近くの小さな出版社に勤務していた自分は、ラドリオやミロンガなどのある裏道に、自分の書肆を営みたいとの願望を持ったことがあったな。

電子コミック市場、前年比20%成長で過去最高に コロナ、縦スクロール漫画で需要増
「電子コミックのシェア拡大の理由については『コロナ禍の自粛生活で拡大した新規ユーザーがそのまま定着して電子コミックを購入、さらに「縦スクロールコミック」が漫画を読んでこなかった新たなユーザーを掘り起こしている』」。

——チャートと数表を見ていると、電子版コミックスが書籍版を凌駕したのが、2019年だったことがわかる。書籍版では大ヒット作が次々誕生しながらも(加えて、盗用サイトの跋扈もありながら)、力強く成長しているのが見て取れる。単にスマホの普及と同期しているのではなく、革新的なフォーマット誕生の影響を見るべきということなのか。

アウラの奪回とパブリッシングの拡張 メディアヌップ#6
【ご紹介】:
同僚の佐々木さんが、自身のニューズレターで拙稿に言及してくれました。
スマートニュース、米国事業の成算 現地幹部人材が支え
【ご紹介】:
SmartNewsによる世界への挑戦を、出発点から詳細に紹介してもらいました。2014年にサンフランシスコでのユーザインタビューに参加したころを懐かしく思い出します。

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